【Dorico】【再生モード】再生テンプレートの概要

現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。

かつてのFinaleに代わり、業界標準の一角を担っています。

今回はそんなDoricoの「再生モード」の「再生テンプレートの概要」について、紹介します。

なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。

再生テンプレート

概要

再生テンプレートとは、プロジェクトに利用可能なサウンド(VSTインストゥルメント、MIDIデバイスの音)を管理する仕組みです。

PCにインストールしていたとしても、再生テンプレート内で定義していないVSTインストゥルメントや音源は、プロジェクト内で利用できません。

一例として、以下のような情報が含まれています。

  • 各種音源のサウンド、アーティキュレーション等
  • 再生に必要な「エクスプレッション」や「パーカッション」のマッピング
  • エンドポイント(後述)の設定

この再生テンプレートを用いることで、以下のような利点があります。

  • インストゥルメントをプロジェクトに追加した時、現在の再生テンプレートに基づき、対応するサウンドがロードされます。

    • 「サウンド」には、プラグイン、エフェクト、各種マップが含まれます。
  • 他のプロジェクトでも一貫した音源の利用が可能になる。

    • 書き出し/読み込みができるため、他のPC環境でも同様です。
  • ニーズによって、利用する音源の使い分けが容易になる。

    • ファイル容量や用途などを考慮して選択しやすくなる。

なお、出荷時に既に用意されている設定は、Steinberg Download Assistance でインストールできる以下を組み合わせたものです。

  • Iconica Sketch
  • HSO(HALion Symphonic Orchestra)
  • HALion Sonic Sel(HALion Sonic Selection)
  • Olympus(Olympus Choir Micro)
  • Marching Perc.(Marching Percussion Basics)
  • GASE(Groove Agent SE)
  • Silence

    • インストゥルメントが設定されていないテンプレートです。
    • サウンドが不要な場合やファイルサイズを気にする場合に最適です。

再生テンプレートに対する操作

再生テンプレートに対する操作は、以下を参考にしてください。

前提として、「適用(デフォルト値)」を除き、メニューの[再生] > [再生テンプレート]で開く「再生テンプレートを適用」ダイアログ(下図)での操作になります。

操作手順
適用(デフォルト値)
  1. [環境設定] > [再生] > [再生テンプレート] を開く
  2. 「デフォルトの再生テンプレート」で、希望する再生テンプレートを選択する。
適用(デフォルト空の変更)
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログで、適用したい再生テンプレートを選択する。
  2. 「⑦適用して閉じる」ボタンを押下する。
    • ダブルクリックでも良いです。
作成
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「①再生テンプレートを追加」ボタンを押下する。
  2. 開いた「再生テンプレートを編集」ダイアログ(詳細は、後述)で任意の設定を行う。
  3. 「OK」ボタンを押下する。
複製
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの一覧で、複製したい再生テンプレートを選択する。
  2. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「②再生テンプレートを複製」ボタンを押下する。
  3. 開いた「再生テンプレートを編集」ダイアログ(詳細は、後述)で任意の設定を行う。
  4. 「OK」ボタンを押下する。
編集
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの一覧で、編集したい「自作」の再生テンプレートを選択する。
  2. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「③再生テンプレートを編集」ボタンを押下する。
  3. 開いた「再生テンプレートを編集」ダイアログ(詳細は、後述)で任意の設定を行う。
  4. 「OK」ボタンを押下する。
書き出し
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの一覧で、書き出したい「自作」の再生テンプレートを選択する。
  2. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「⑤書き出し」ボタンを押下する。
  3. 開いたダイアログで保存場所を選択し、「選択」ボタンを押下する。
読み込み
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの一覧で、書き出したい「自作」の再生テンプレートを選択する。
  2. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「⑥読み込み」ボタンを押下する。
  3. 開いたダイアログで読み込みたい再生テンプレートを選択し、「開く」ボタンを押下する。
出荷時の設定を表示
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの一覧で、書き出したい「自作」の再生テンプレートを選択する。
  2. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「④出荷時設定を表示」ボタンを押下する。
フィルタリング(検索)
  1. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの一覧で、書き出したい「自作」の再生テンプレートを選択する。
  2. 「再生テンプレートを適用」ダイアログの「④検索窓」で検索ワードを入力する。

「再生テンプレートを編集」ダイアログ

「再生テンプレートを編集」ダイアログは、以下のような作りになっています。

No名称説明
名前 再生テンプレートの表示名を設定できます。
ID再生テンプレートの固有IDを設定できます。
基本的には、「①名前」と同じものになります。
情報をロック ②④⑤⑦の情報に対して編集可否を設定できます。
作成者 必要に応じて、作成者の名前を設定できます。
バージョン 必要に応じて、バージョン情報を設定できます。
スペーステンプレート 演奏する場所のテンプレートを選択し、反響音などをシミュレートすることができます。
説明 必要に応じて、その他の情報を設定できます。
エントリー既存の再生テンプレートとカスタムエンドポイントの一覧です。
優先度が高いものが上に来るように順番を変更することもできます。
下部にあるアクションバーでは、以下のボタンがあります。

  • 手動を追加
    • 手動でエントリーを追加します。
  • 自動を追加
    • 出荷時の再生テンプレートから、エントリーを追加します。
  • 上へ移動
  • 下へ移動
    • 選択したエントリーを1つ上(下)に移動します。
  • 削除
    • 選択したエントリーを削除します。
ファミリーの上書き エントリーに含まれるサウンドのうち一部だけ利用したい場合に、利用したいインストゥルメントファミリーを指定します。
インストゥルメントの上書き エントリーに含まれるサウンドのうち一部だけ利用したい場合に、利用したいインストゥルメントを指定します。
エンドポイントの設定カスタムエンドポイントを設定する「エンドポイントの設定を編集」ダイアログを開きます。
カスタムエンドポイントが存在しない場合は、「エンドポイントの設定を編集」ダイアログの一覧に表示されません。
エンドポイントについては、別記事を作成予定です。

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、Doricoの「再生モード」の「再生テンプレートの概要」についてまとめてみました。

Doricoを使用する際のヒントになれば幸いです。

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