現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。
Sibeliusと並び、業界標準の一角を担っています。
今回はそんなDoricoの「構成している画面」について、紹介します。
なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。
Doricoを構成している画面とは?
まず、Doricoは「どんな画面で構成されているのか?」「その画面では何ができるのか?」と言ったことをまとめていこうと思います。
Doricoは、大きく分けて、以下の2つの画面が存在しています。
- Hub
- メイン画面
Hub
以下のいずれかで開くことができる「スタート画面」のことです。
- Doricoを起動する。
- デフォルト設定では、起動後、一番初めに表示される画面です。
- [環境設定] > [全般] > [ウィンドウ] > [最後のウィンドウを閉じた後の動作] を変更することで、表示させなくすることが可能です。
- デフォルト設定では、起動後、一番初めに表示される画面です。
- メイン画面(後述)では[ウィンドウ] > [ハブ]を選択する。
- 開いている全てのプロジェクトを閉じる。
何ができるのか?
HubはDoricoの「スタート画面」に相当するので、Doricoで作業を行う起点になる機能が備わっています。
この機能は大きく分けて以下の3つあり、それぞれを画面上部のボタンで切り替えることができます。
- 既存のプロジェクトを開く。
- 新規のプロジェクトを作成する。
- チュートリアルを参照する。
- 新着情報(更新情報)を確認する。
最近使用したファイルを開く
過去に使用したプロジェクト/ファイルを以下のいずれかのビュー形式で表示されます。
- グリッドビュー
- リストビュー
表示されているプロジェクト/ファイルは、ダブルクリックすることで開くことができます。
またグリッドビュー時に各プロジェクトの右上に表示されているメニューボタンからは以下の操作ができます。
- 最近使用したプロジェクトから削除
- 同封フォルダーを開く (Open Enclosing Folder)
新規作成
テンプレートを選び、新規で譜面作成をすることができます。
選択可能なテンプレートは種類毎にまとまっており、初期状態では以下のカテゴリーがあります。
- バンド
- 室内楽
- 合唱
- 空白
- ジャズ
- オーケストラ
- ソロ
右のカラムでは、簡易的なプロジェクトの設定もできます。(以下は、一例)
- プロジェクトのタイトル
- ページサイズ
- 拍子
- 調号
なお、設定した内容でプロジェクトを作成する場合は、右下の「プロジェクトを作成」ボタンを押下してください。
学習
各種チュートリアルを利用することができます。
左のカラム(実践型チュートリアル)では、ポップアップによる説明の下、実際にDoricoの画面を動かしつつ学習できます。
中央のカラム(ビデオ)では、YouTube動画(英語)を通して学習することができます。
右のカラムからは、「フォーラム」「マニュアル」「ブログ」にアクセスすることができます。
新着情報
更新情報を確認することができます。
左のカラムで選択した項目に関する情報が、右のカラムに表示されます。
「動画を見る」ボタンを押下することで、YouTube動画(英語)で確認することができます。
上記に依らないUI
左下には、既存のプロジェクト/ファイルを読み込む「ファイルを開く/読み込む」ボタンが配置されています。
ここでは、「Doricoのプロジェクトファイル」だけでなく、「MusicXMLファイル」「MIDIファイル」も開くことができます。
「MusicXMLファイル」「MIDIファイル」を読み込んだ場合は、その情報をDoricoのデータに変換してプロジェクトが作成されます。
メイン画面
実際に、作譜作業を行う画面です。
Hubで以下のいずれかの操作を行うと表示されます。
- プロジェクトの新規作成
- 既存のプロジェクトの読み込み
- 実践型チュートリアルの実行
何ができるのか?
メイン画面は「5つのモード(下表参照)」に分かれていて、各モードが作譜行程の各ステップに特化しています。
これらのモードを使いこなすことで、譜面の作成から印刷までのプロセスをスムーズに進めることができます。
モード名 | 目的 | 可能な操作の例 |
設定 | 楽譜の構成を設定する。 |
|
記譜 | 実際の記譜作業を行う。 |
|
浄書 | 楽譜のフォーマットの微調整を行う。 |
|
再生 | 記譜した「MIDIデータ」の再生を通して、DAW感覚で譜面全体を確認する。 |
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印刷 | 出力の設定・実行を行う。 |
|
各モードで共通するUI
ここでは、共通するUIの役割をまとめます。
これらのUIに表示される内容が、各モードによって異なると思ってください。
No | 名称 | 説明 |
① | ツールバー | 以下のような「基本的な『操作』や『機能』」にアクセスできるボタンが配置されています。
|
② | メイン領域 | 実際にユーザーが作業する際の「中核を担う領域」になります。 各モードにおいて、以下が表示されます。
また、譜面が表示されるモードでは、タブバーを有効することで、タブ毎に特定のパートの譜面を表示表示することができます。 |
③ | ゾーン | 楽譜の作成・編集の際に必要な「アイテム」や「設定内容」が表示されるパネルです。 表示内容は、選択した「モード」「ツール」「オブジェクト」によって異なってきます。 モード毎のゾーンの内容は、後述します。 |
④ | ツールボックス | 楽譜の作成・編集の際に必要な「ツール群」です。 ここで選択した内容によって、左右のゾーンに表示される「アイテム」が変わってきます。 また、表示される「ツール」は、選択した「モード」によって異なってきます。
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⑤ | ステータスバー | 現在行っている作業の「状態」「情報」を表示されるバーです。 例えば以下が表示されます。
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上表の「①ツールバー」にある「トランスポート」には、以下の機能が備わっています。
- プロジェクトの有効化
- プロジェクトに対するトランスポート機能の有効/無効の切り替えができます。
- プロジェクトに対するトランスポート機能の有効/無効の切り替えができます。
- タイムディスプレイ
- 再生ヘッドの位置のタイムが表示されます。
- クリックすることで、表示形式(小節、経過時間、タイムコード)の切り替えができます。
- 再生ヘッドの位置のタイムが表示されます。
- フローの最初に巻き戻し
- 再生/巻き戻し/早送り/選択範囲の繰り返し再生
- 録音/非録音時の MIDI 入力データを記録
- クリック
- テンポ
- スクラブ再生
上表の「③ゾーン」のモード毎の表示内容を以下にまとめます。
モード | 左ゾーン | 右ゾーン | 下ゾーン |
設定 | プレーヤー | レイアウト | フロー |
記譜 | 音符パネル | 記譜パネル | プロパティ 入力用インターフェース各種 |
浄書 | 形式設定 フレーム グラフィックスライス | ページ ページテンプレート | プロパティ ミキサー |
再生 | トラックインスペクター VST と MIDI | ー | ミキサー キーエディター |
印刷 | レイアウト | 印刷オプション | ー |
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まとめ
今回は、Doricoの「構成している画面」についてまとめてみました。
Doricoを使用する際の基本となる情報なので、使い方のヒントになれば幸いです。