【参考情報】Dorico用語集

現在販売されているメジャーな楽譜作成ソフトウェアのうち、満を持して2016年に初版がリリースされたのが、Steinberg社のDoricoです。

販売終了となったFinaleが公式で移行を推奨している作譜ソフトでもあります。

今回は、そんなDoricoを使う中で出てくる用語について、まとめました。

今後も適宜更新していく予定です。

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用語集

英数字

用語説明
EQ
イコライザーのこと。
PDFPortable Document Formatの略称。
Doricoの印刷モードで書き出せる画像フォーマットの1つ。
様々なデバイスやOSで同じレイアウトで表示できるため、保存や共有を行うのに適している。
PNG
Portable Network Graphicsの略称。
Doricoの印刷モードで書き出せる画像フォーマットの1つ。
圧縮されるが可逆圧縮のため、比較的高画質となっている。
rit(リタルダンド)
 「だんだん遅く」を表すテンポの記号のこと。
SVGScalable Vector Graphicsの略称。
Doricoの印刷モードで書き出せる画像フォーマットの1つ。
XMLベースのテキスト形式であるため、画質を損なうことなく任意のサイズ変更が可能。
TIFF
Tagged Image File Formatの略称。
Doricoの印刷モードで書き出せる画像フォーマットの1つ。
圧縮処理が行われないため、ファイルサイズは他の形式より大きくなる傾向があるが、画質の劣化はしない。

ア行

用語説明
アウフタクト
楽曲の区切りの小節(特に1小節目)で用いられ、第1拍ではない拍から開始すること。
拍の途中から始まることで、次に来る1拍目の印象を強くすることができる。
イコライザー
周波数帯域毎に音を「増幅」「減衰」させることで、音質を調整する機器・機能のこと。
イコライジング
周波数帯域毎に音を補正し、音質を整える作業のこと。
移調音実際に楽器から出る音と、譜面に記載されている音符が異なる音のこと。
一例として、トランペット、サックス(アルト、テナー)などの音が挙げられる。
移調楽器移調音を奏でる楽器のこと。
一例として、トランペット(B♭)、アルトサックス(E♭)などが挙げられる。
異名同音C♯ と Db のように、演奏されるピッチは同じだが、表記が異なる音符のこと。
異名の使い分けは「曲の調(キー)」「コード進行の明確化」「楽譜の読みやすさ」などに依ります。
エイリアス偽名、別名、通称などの意味を持つ英単語のこと。
シンボルや識別子を指す。
エンドポイント各インストゥルメントに対して、正しいサウンドを再生できるようにするための入力と出力の固有の組み合わせのこと。
以下の情報を含む。

  • どの楽器の音を使うか
  • その楽器のどのチャンネルを使うか
  • その楽器のどんな音(パッチ)を出すか
  • どうやって音を変化させるか
オッシア
(譜表)
メインの譜表の上もしくは下に、補足的にサイズダウンさせて表記している譜表のこと。
該当するメインの譜表の「代替」となる譜面を記載する。

カ行

用語説明
加線
譜表(五線譜など)では収まらない高さの音を表すために記載される補助線です。
五線譜(ト音記号)の場合、「ド(C3)」以下の音、および「A4」以上の音を表すときに利用されます。
カポコード カポタストを使用時に主コードを奏でるために、弾くべきコードのこと。
ギャレービュービューの表示形式の1つ。
巻物のように、ページ毎の切れ目(境目)がなく、横に続いていく表示形式。
キャレット五線譜の上から下へと伸びる縦線のこと。
音符入力のためのカーソルに相当する。
キュー特定のパート(A)が休止の際などに、別のパート(B)の演奏内容をパート(A)の譜面に記載(間借り)する記載手法のこと。
譜面の高さを変えないまま別のパートの内容を記載でき、以下のようなメリットがある。

  • 演奏を開始する時点をプレーヤーに示す
  • 他のパートが不在の場合に代わりに演奏する
  • プレーヤー間の協調や音程合わせの補助
  • プレーヤーに別のパートの演奏を求める内容の指示
強拍
拍子の中で、最も強く感じる拍のこと。
拍子の最初の拍(1拍目)に当たることが多い。
クォンタイズ「指定した拍」と「音符の位置」を比較してズレが生じている場合に、「指定した拍」の最も近い場所に「音符の位置」と「デュレーション」を調整すること。
このズレは、録音をした場合などに生じる可能性がある。
組段楽譜において、1ページに配置されている「水平に伸びる複数の五線のまとまり」のこと。
1つのパートのみを記した譜面の場合など、五線譜の一段一段を「組段1」「組段2」ということもある。
グローバルプロパティ
一般に、全体に影響を及ぼす設定のこと。
結合拍子
2つの拍子を結合し、1つの拍子とする拍子のこと。
献呈作品などを特定の人物に寄贈する行為のこと。
また、作曲家が作品を特定の人物に捧げる際に「〇〇に献呈」と明記することもある。
交互拍子
小節毎に、交互に繰り返される拍子のこと。
コンデンシング同種の複数のパートの楽譜を、まとめて譜表に表示する処理のこと。
通常、「同じ楽器」かつ「複数の奏者が異なる譜面を演奏する」ような場合に、1つの五線譜にまとめて記載される。
2つ以上のパートが1つの譜表(行)に記載されるため、この処理により譜表全体の高さが短くなる。

サ行

用語説明
サイクル再生
記譜モードもしくは再生モードで、音楽の特定の部分を無限ループで繰り返し再生できる機能のこと。
再生テンプレート
再生テンプレートとは、プロジェクトに利用可能なサウンド(VSTインストゥルメント、MIDIデバイスの音)を管理する仕組みのこと。
PCにインストールしていたとしても、再生テンプレート内で定義していないVSTインストゥルメントや音源は、プロジェクト内で利用できない。
冊子 折り曲げると本のようになるドキュメントのこと。
冊子印刷
印刷されたページを折り曲げて読んだときにプロジェクトでの順序と同じになるようにページの順番が変更される印刷方法のこと。
システムトラック記譜モードにおいて、各五線譜の上に表示される半透明のラインのこと。
小節と拍の追加や削除の他、選択したシステムトラックに紐づく小節に含まれるアイテムを全選択できる。
以下のいずれかで表示可能。

  • [Alt + T]を押下する。
  • メニューの[ビュー] > [システムトラック]を選択する。
実音実際に楽器から出る音と、譜面に記載されている音符と同じ音のこと。
一例として、ピアノの音が該当する。
弱拍
拍子の中で、強拍よりも弱く感じられる拍のこと。
拍子の2拍目・4拍目に当たることが多い。
弱起
「アウフタクト」を参照してください。
シャッフル音価の等しい音符が一定のパターンで長くまたは短く再生される演奏スタイルのこと。
三連符を基準としたビートとなっている。
三連符の真ん中をなくし、2:1の長さが繰り返されるイメージ。
はっきりとハネるリズムが感じられる。
ジャンプ小節キーボードのみを使用してコマンドを実行したり、現在のレイア ウト内の任意の場所に移動したりできる一時的な値フィールドのこと。
「J」キーを押下すると、表示できる。
主コード曲がもつ本来の「コード」もしくは「コード記号」のこと。
カポタストなどを使用していないコード。
小節
垂直に引かれた小節線によって区分けされた1つ1つの区間のこと。
小節線
譜表を小節に区切るために垂直に引かれた線のこと。
シングルプレーヤー1つ以上の楽器(インストゥルメント)を割り当てられる(演奏する)1人の奏者を想定したプレーヤーのこと。
オーケストラやバンドのパーカッション担当で複数の楽器を扱っているような奏者のイメージ。
スウィング音価の等しい音符が一定のパターンで長くまたは短く再生される演奏スタイルのこと。
8ビートを基準としたビートになっている。
3つの八分音符を1組の三連符と捉えて真ん中をなくし、四分音符と八分音符の繰り返されるイメージ。
滑らかで流れるようなリズムを感じられる。
ステムレット
休符を含む連桁において、連桁から休符に延びる短い符尾のこと。
セクションプレーヤー1つの楽器(インストゥルメント)を演奏する複数の奏者を想定したプレーヤーのこと。
合唱の各パート、オーケストラの各管弦楽器の奏者(セクション)のイメージ。
線形連桁
音の長さの変化も同時に表す連桁のこと。
連桁の形状が、扇状に広がったり、逆に収束したりする形で描かれる。
だんだん広がるアッチェレランド(速度を次第に速くする)、だんだん収束するラレンタンド(速度を次第に遅くする)といったリズム変化を表現する。
装飾音符メインとなる音(主音)をより華やかに、あるいは表現豊かにするために付け加えられる小さな音符のこと。
装飾音符と主音は、スラーでつなげられることが多い。
ギターの場合、チョーキングやスライドなどで使われる事が多い。
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タ行

用語説明
打楽器キット1人のプレーヤーによって演奏される無音程打楽器の集まりを指す。
譜面上では、音部記号がパーカッションの五線譜で表される。
打楽器キットには、ブラスバンドや軽音楽の「ドラムセット」も含まれる。
「打楽器キット=パーカッション+ドラムセット」のイメージ。
ディヴィジ一つの声部やパートを複数のグループに分けて演奏させること。
バイオリンのような弦楽器で和音を奏でたい場合などに、用いられることがある。
トンボ印刷物を作成する際に記載されるマークのこと。
主に、仕上りサイズに断裁するために利用される。
2種類の形があり、四隅に配置されているマークを「角(コーナー)トンボ」、センターに配置されているマークを「十字(センター)トンボ」という。

ナ行

用語説明

ハ行

用語説明
パン
音の定位(聞こえる位置)のこと。
パンニング
「パン」を調整すること。
ハンマリング
(ハンマーオン)
指定したピッチを左手でタップすること。
符幹
符頭から垂直に伸びる線のこと。
符頭
音符の丸い部分のこと。
符尾
符幹の端に付いている旗の部分のこと。
譜表
1本以上の線で音符(音)の高さや長さを表す横線のこと。
有音程楽器の「五線譜」や、パーカッションのような無音程楽器の「1本線」のものが挙げられる。
ノートで言う「罫線」に相当する。
譜面
譜表に音符や音楽記号を記載された情報のこと。
ノートで言う「罫線を使って書かれた文章」に相当する。
プリングオフ
(プルオフ)
指定したピッチを左手で弾(はじ)くこと。
プレーヤープレーヤーは、演奏者(パート)に相当する。
「シングル(1つ以上の楽器を担う個人)」「セッション(同一楽器のグループ)」「アンサンブル(複数楽器のグループ)」が存在する。
フローDoricoでは、1つのプロジェクトに含まれる1つ1つの楽譜を指す。
クラシック音楽では「第〇楽章」「第〇部」、現代のバンドなどの音楽では「メロディー」「サビ」「異なる編成・パターン」などで分けることが、用途として想定できる。
フローを使いこなすと、以下のようなことが1つプロジェクトファイルの中で行うことができるため、利便性向上につながる。

  • 1つの楽曲に対する複数の楽譜の管理
  • アイデアの管理
ページビュービューの表示形式の1つ。
ページ毎の切れ目(境目)があり、紙の印刷物のように表示できる表示形式。
ポップオーバー 記譜モードにおいて、キーボードショートカットを使用して表示し、様々なテキストを記載できる一時的なフィールドのこと。

マ行

用語説明
メイン画面実際に作譜を行う画面のこと。
5つのモードを駆使して作譜作業を行う。
メイン領域メイン画面の中央のエリアを指す。

ヤ行

用語説明

ラ行

用語説明
リガード
1つのフレーズ内でハンマリングとプリングオフの両方を行なうこと。
リズムグリッド 五線譜上表示され、音符入力時の目安になる「デュレーションの目盛り」のこと。
レイアウトDoricoでは、プレーヤーとフローを組み合わせた印刷・書き出し用の譜面のこと。
これは、メイン領域に表示される譜面に相当する。
「フルスコア」「パート」「カスタムスコア」のレイアウトが存在する。
ローカルプロパティ
一般に、特定の範囲に絞って影響を及ぼす設定のこと。

ワ行

用語説明
和音リズム上の同じ位置で発音する2 つ以上の音符の重なりのこと。
譜面上では、1つの符尾を共有し、デュレーションが同じものを指す。

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、そんなDoricoを使う中で出てくる用語について、まとめました。

Dorico(作譜)に限らず音楽に携わる中で知っておいた良いであろう用語もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

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