電子ドラムを利用する上で音にこだわりたい場合、「響き方」は重要な要素になってくるのではないでしょうか?
今回は、ドラムキットにおける残響音(空間演出)に関する設定の前半部分について、まとめています。
演奏する場所の残響を再現する
ドラム・キット全体を集音するオーバーヘッド・マイクや、ドラムを演奏する場所の残響や鳴りかたを再現します(AMBIENCE)。
オーバーヘッド・マイクの音や、部屋の種類や大きさ(ルーム・アンビエンス)や残響音(リバーブ)などを調節することで、より自然で臨場感のあるドラム・サウンドが得られます。
手順は以下です。
- 「AMBIENCE]ボタンを押下する。
- AMBIENCE 画面が表示されます。
- AMBIENCE 画面が表示されます。
- アンビエンスの設定を変更する。
- 「KIT」ボタンを押して、DRUM KIT 画面に戻る。
AMBIENCE画面(1ページ目)
AMBIENCE画面(1ページ目)で可能な設定は以下のようになっています。
コントロール | 設定値 | 説明 |
F1 | PREV OFF、AMB ONLY | マスター・アウトとヘッドホンに、一時的にアンビエンス音(オーバーヘッドとルームの音)のみを出力します。 再び「F1」ボタンを押すか、画面を移動すると解除されます。 |
F3 | OVHEAD OFF、OVHEAD ON | オーバーヘッドをオン/オフを設定します。 |
F4 | ROOM OFF、ROOM ON | ルーム・アンビエンスやリバーブをオン/オフを設定します。 |
R1 | INF ~ +6.0dB | オーバーヘッドの音量を調整します。 |
R2 | INF ~ +6.0dB | ルーム・アンビエンスの音量を調整します。 |
OVERHEAD画面(2 ページ目)
OVERHEAD画面(2 ページ目)で可能な設定は以下のようになっています。
パラメータ | 設定値 | 説明 |
R1(TEMPLATE) |
| このパラメーターを変更すると、オーバーヘッドのすべての設定(Level を除く)と、各パッドごとのインプット・フィルターの選択とセンド量が最適な設定に変わります。 好みのテンプレートを選んでからエディットをすると、目的のサウンドに早く近づけます。 各パラメーターの設定によっては、テンプレートの名称と効果が一致しない場合があります。またテンプレートの初期値と現在の値が一致しない場合は、テンプレートの設定値に「*」が表示されます。 「*」が表示された状態でテンプレートを変更しようとすると、テンプレートの設定値を適用するため現在の値を破棄する旨のメッセージが表示されます。現在の値を破棄してテンプレートの設定値を適用する場合は、「OK」を選んで[ENTER]ボタンを押します。 |
R2(Level) | -INF ~ +12.0dB | オーバーヘッドの音量を調整します。 |
Mic Type | TYPE1 ~ 14 | マイクの種類を設定します。 |
Mic Width | 0~2 | マイク間の距離を調整します。 |
Time | -64~0 | オーバーヘッドの残響音の時間を調整します。 |
F2 | PREV OFF、AMB ONLY | マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。 ただし、マスターアウトは、MASTER DIRECT がNORMAL 時のみ有効です。 |
F3 | ー | SEND 画面に移動します。 |
F4 | OFF、OVHEAD ON | オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
F5 | ー | 各種SETTING 画面に移動します。 |
SEND 画面での設定
OVERHEAD画面(2 ページ)で「F3」ボタンにより移動する「SEND 画面」で可能な設定は以下のようになっています。
【「F1」ボタン(SENDタブ)】
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
OVERHEAD SEND | -INF~+6.0dB | 各パッドのオーバーヘッドのかかり具合を調整します。 |
F4 | OFF、OVHEAD ON | オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
F5(H & R) | H&R OFF、H&R ON | ヘッドとリムなどのインストをセットで選ぶか(ON)/独立して選ぶか(OFF)を設定します。 |
【「F2」ボタン(FILTERタブ)】
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
Type | 前段のフィルター:
後段のフィルター:
| オーバーヘッド・インプット・フィルターの種類を設定します。 フィルターは前段・後段の2 つが直列で接続されていて、前段と後段で選べる設定値が異なります。 【THRU】 【HICUT】 【LOCUT】 【PKG】 【LPF】 【HPF】 【LSF】 【HSF】 |
Q | 0.5 ~ 8.0 | 周波数帯の幅値を大きくするほど幅が狭くなります。 「前段のフィルター」かつ「Type:HICUT、LOCUT、PKG」で利用可能です。 |
Freq | 20Hz ~ 16kHz | 周波数のカット/増減させる際に基準とする周波数を調整します。 設定に影響しないTYPEがTHRUの場合は、設定できません。 |
Gain | -40.0 ~ 15.0dB | 増幅または減衰の量を調整します。 TYPEが「LSF」「HSF」「PKG」の時に設定できます。 |
F4 |
| オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
【「F3」ボタン(ASSIGNタブ)】
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
OVERHEAD FILTER ASSIGN | BYPASS、1 ~ 4 | 各パッドのオーバーヘッド・インプット・フィルターを選択します。 【BYPASS】 【1~4】 |
F4 | OFF、OVHEAD ON | オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
F5(H & R) | H&R OFF、H&R ON | ヘッドとリムなどのインストをセットで選ぶか(ON)/独立して選ぶか(OFF)を設定します。 |
SETTING 画面での設定
OVERHEAD画面(2 ページ)で「F5」ボタンにより移動する「SETTING 画面」で可能な設定は以下のようになっています。
「R3」ノブを回すことで、設定メニューを切り替えて、設定値を変更してきます。
【SEND/FILTER】
各パッドのオーバーヘッドのかかり具合を調節します。
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
Pad Filter Select |
| 各パッドのオーバーヘッド・インプット・フィルターを選択します。 【BYPASS】 【1~4】 |
Pad Send Level | -INF ~ +6.0dB | 各パッドのオーバーヘッドのかかり具合を調整します。 |
F2 |
| マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。 ※マスターアウトはMASTER DIRECT がNORMAL 時のみ機能します。 |
F4 |
| オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
F5(H & R) |
| ヘッドとリムなどのインストをセットで選ぶか(ON)/独立して選ぶか(OFF)を設定します。 |
【PRE COMP】
オーバーヘッドに入力する前段のコンプレッサーです。
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
Pre Comp Switch |
| プリ・リミッターのオン/オフを設定します。 |
Gain | -24.0 ~ +24.0dB | プリ・リミッターの出力音量を調整します。 |
Threshold | -60 ~ 0dB | 圧縮を始める音量レベルを調整します。 |
Ratio | 1:1 ~ 100:1 | 圧縮比を調整します。 |
Knee |
| 圧縮がかかった瞬間の音の立ち上がりを調整します。 |
Attack | 0.1 ~ 100 | 圧縮を始めるまでの時間を調整します。 単位は、「msec」です。 |
Release | 10 ~ 1000 | 圧縮を元に戻すまでの時間を調整します。 単位は、「msec」です。 |
F2 |
| マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。 ※マスターアウトはMASTER DIRECT がNORMAL 時のみ機能します。 |
F4 |
| オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
【MIC SETTING】
オーバーヘッドのマイクのセッティングです。
「F5」(MIC RESET)を押下することで、初期値に戻すことが可能です。
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
Mic Type | TYPE 1 ~ 14 | マイクの種類を設定します。 |
Mic Width | 0 ~ 2 | マイク間の距離を設定します。 |
Time | -64 ~ 0 | オーバーヘッドの残響音の時間を調整します。 |
Distance | 0 ~ 6 | マイクと演奏者の距離を調整します。 |
Output Width |
| オーバーヘッド音の広がり感を調整します。 |
F2 |
| マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。 ※マスターアウトはMASTER DIRECT がNORMAL 時のみ機能します。 |
F4 |
| オーバーヘッド効果のオン/オフを設定します。 |
【EQ】
オーバーヘッドのEQ の調整です。
「F5」(MIC RESET)を押下することで、初期値に戻すことが可能です。
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
MODE |
| EQ のモードを切り替えます。 STEREO: MID/SIDE: |
Low Frequency | 20 ~ 16k [Hz] | 低域の基準周波数を調整します。 |
Low Gain | -40.0 ~ +15.0 [dB] | 低域の増幅/減衰量を調整します。 |
Mid Frequency | 20 ~ 16k [Hz] | 中域の基準周波数を調整します。 |
Mid Q | 0.5 ~ 8.0 | 周波数帯の幅で、値を大きくするほど幅が狭くなります。 |
Mid Gain | -40.0 ~ +15.0 [dB] | 中域の増幅/減衰量を調整します。 |
High Frequency | 20 ~ 16k [Hz] | 高域の基準周波数を調整します。 |
High Gain | -40.0 ~ +15.0 [dB] | 高域の増幅/減衰量を調整します。 |
F2 |
| マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。 ※マスターアウトはMASTER DIRECT がNORMAL 時のみ機能します。 |
F4 |
| オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
【POST COMP】
オーバーヘッドに入力する後段のコンプレッサーです。
パラメータ コントロール | 設定値 | 説明 |
Post Comp Switch |
| ポスト・コンプのオン/オフを設定します。 |
Gain | -24.0 ~ +24.0 [dB] | ポスト・コンプの出力音量を調整します。 |
Threshold | -60 ~ 0dB | 圧縮を始める音量レベルを調整します。 |
Ratio | 1:1 ~ 100:1 | 圧縮比を調整します。 |
Knee |
| 圧縮がかかった瞬間の音の立ち上がりを調整します。 |
Attack | 0.1 ~ 100 | 圧縮を始めるまでの時間を調整します。 単位は、「msec」です。 |
Release | 10 ~ 1000 | 圧縮を元に戻すまでの時間を調整します。 単位は、「msec」です。 |
F2 |
| マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。 ※マスターアウトはMASTER DIRECT がNORMAL 時のみ機能します。 |
F4 |
| オーバーヘッドエフェクトのオン/オフを設定します。 |
商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、音源:TD-50Xに搭載されている「ドラムキットの残響音(空間演出)に関する設定」の前半部分について触れてみました。
音作りの重要な要素にもなってくると思います。
ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。