【電子ドラム】TD-50SC-Xの基礎知識~空間演出(後編)~

電子ドラムを利用する上で音にこだわりたい場合、「響き方」は重要な要素になってくるのではないでしょうか?

今回は、ドラムキットにおける残響音(空間演出)に関する設定の後半部分について、まとめています。

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演奏する場所の残響を再現する

前半の記事で、「ドラム・キット全体を集音するオーバーヘッド・マイクや、ドラムを演奏する場所の残響や鳴りかたを再現します(AMBIENCE)。」と話しました。

今回は、その続きで「ROOM画面(3ページ)」を扱います。

際形になりますが、設定を行う手順は以下です。

  1. 「AMBIENCE]ボタンを押下する。

    • AMBIENCE 画面が表示されます。
  2. アンビエンスの設定を変更する。
  3. 「KIT」ボタンを押して、DRUM KIT 画面に戻る。

ROOM画面(3 ページ目)

ROOM画面(3 ページ目)で可能な設定は以下のようになっています。

ここでは、ドラムキットにかける残響音を6種類から選択して、設定することができます。

共通のパラメーター

6種類の残響音に共通して行える設定内容です。

【「F1」ボタン(ROOM タブ)】

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Type(「R1」)
  • ROOM
  • REVERB
  • TD-50 ROOM
  • WARM HALL
  • SRV-2000
  • SRV-2000(NLR)
部屋の残響の種類を設定します。
Level(「R2」) -INF ~ +6.0dB 残響の音量を調整します。

【「F2」ボタン(SEND タブ)】

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Room Send Volume -INF ~ +6.0dB 各パッドのルームの効果のかかり具合を調整します。
F5(H & R)
  • H&R OFF
  • H&R ON
ヘッドとリムなどのインストをセットで選ぶか(ON)/独立して選ぶか(OFF)を設定します。

【ボタン類】

パラメータ
コントロール
設定値 説明
F3
  • PREV OFF
  • AMB ONLY
マスターアウトおよびヘッドホンより、一時的にアンビエンス音のみを聞くことができます。

※マスターアウトはMASTER DIRECT がNORMAL 時のみ機能します。

F4
  • OFF
  • ROOM ON
ルームエフェクトのオン/オフを設定します。

ROOMのパラメーター

パラメータ 設定値 説明
Room Type
  • SMALL STUDIO 1~4
  • LARGE STUDIO 1~4
  • LIVE HOUSE 1~4
  • STAGE 1~4
  • SMALL HALL 1~4
  • MIDDLE HALL 1~4
ルームの種類を設定します。
Distance 0 ~ 6 ルームの残響音の距離感を調整します。
Time -64 ~ 0 ルームの残響音の時間を調整します。

REVERBのパラメーター

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Reverb Type
  • ROOM 1、2
  • HALL 1、2
  • PLATE
リバーブの種類を設定します。
Pre Delay 0 ~ 100 [msec] 原音が鳴ってからリバーブ音が鳴るまでの遅延時間を調整します。
Time 0.1 ~ 10.0 [sec] リバーブ音の余韻の長さを調整します。
Density 0 ~ 127 リバーブ音の密度を調整します。
Diffusion 0 ~ 127 リバーブ音の密度の時間変化を調整します。

値が大きいほど時間がたつに従って、濃密な音になります(リバーブ・タイムを長くした場合に効果がよくあらわれます)。

LF Damp 0 ~ 100 リバーブ音の低域成分を調節します。
HF Damp 0 ~ 100 リバーブ音の高域成分を調節します。
Spread 0 ~ 127 リバーブ音の広がりを調整します。
Tone 0 ~ 127 リバーブ音の音質を調整します。
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TD-50 ROOMのパラメーター

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Room Type
  • BEACH
  • LIVING ROOM
  • BATH ROOM
  • STUDIO
  • GARAGE
  • LOCKER ROOM
  • THEATER
  • CAVE
  • GYMNASIUM
  • DOME STADIUM
  • BOOTH A、B
  • STUDIO A、B
  • BASEMENT
  • JAZZ CLUB
  • ROCK CLUB
  • BALLROOM
  • GATE
  • CONCERT HALL
  • SPORTS ARENA
  • EXPO HALL
  • BOTTLE
  • CITY
  • SPIRAL
部屋の残響の種類を設定します。
Room Size
  • TINY
  • SMALL
  • MEDIUM
  • LARGE
  • HUGE
部屋の大きさを設定します。
Room Shape 0 ~ 100 部屋の形、残響の長さを調整します。
Wall Type
  • CURTAIN
  • CLOTH
  • WOOD
  • PLASTER
  • CONCRETE
  • GLASS
壁の材質を設定します。

※「PLASTER」は「石膏板」を意味します。

Mic Position
  • NEXT DOOR
  • LOW FLOOR
  • LOW
  • MID LOW
  • MID
  • MID HIGH
  • HIGH
  • CEILING A、B
マイク・ポジションによる音色変化を設定します。

WARM HALLのパラメーター

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Pre Delay 0.0 ~ 100.0[msec] 原音が鳴ってからリバーブ音が鳴るまでの遅延時間を調節します。
Time 0.3 ~ 30.0 [sec] リバーブ音の余韻の長さを調節します。
Pre LPF
  • 16 ~ 15000[Hz]
  • BYPASS
リバーブに入力する音の広域成分をカットする基準周波数を調節します。
Pre HPF
  • 16 ~ 15000[Hz]
  • BYPASS
リバーブに入力する音の低域成分をカットする基準周波数を調節します。
PreLoop LPF
  • 16 ~ 15000[Hz]
  • BYPASS
長い残響音の広域成分をカットする基準周波数を調節します。
Diffusion 0 ~ 127 リバーブ音の密度の時間変化を調節します。
HF Damp Freq 1000 ~ 8000[Hz] リバーブ音の高域成分をカットする基準周波数を調節します。
HF Damp Ratio 0.1 ~ 1.0 リバーブ音の高域成分の減衰量を調節します。

SRV-2000のパラメーター

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Selection
  • R0.3、R1.0、R7.0、R15、R22、R26、R32、R37
  • H15、H22、H26、H32、H37
  • P-A
  • P-B
Roland DIGITAL REVERB SRV-2000 のリバーブの種類を選びます。

【R0.3 ~ R37】
ルーム・リバーブです。
値が大きくなるほど部屋の大きさが大きくなります。

【H15 ~ H37】
ホール・リバーブです。
値が大きくなるほどコンサート・ホールの大きさが大きくなります。

【P-A】
プレート・リバーブです。

【P-B】
プレート・リバーブです。
P-A よりも派手なリバーブ音です。

Pre Delay 0~160 原音が鳴ってからリバーブ音が鳴るまでの遅延時間を調整します。
Time 0.1 ~ 99.0[sec] リバーブ音の余韻の長さを調整します。
HF Damp 0.05 ~ 1.00 リバーブ音の高域成分を調整します。
Density 0 ~ 9 リバーブ音の密度を調整します。
Attack Gain 0 ~ 9 初めの音が反射する際のゲインを調整します。
Attack Time 0 ~ 9 初めの音が反射する際に要する時間を調整します。
ER Density 0 ~ 9 初めの音が反射する際の密度を調整します。
ER Level 0 ~ 99 初めの音が反射する際の音量を調整します。
EQ Low Freq 0.04 ~ 1.00[kHz] 低域の基準周波数を設定します。
EQ Low Gain -24 ~ +12[dB] 低域の増幅/減衰量を調節します。
EQ Mid Freq 0.25 ~ 9.99[kHz] 中域の基準周波数を設定します。
EQ Mid Gain -24 ~ +12[dB] 中域の増幅/減衰量を調節します。
EQ Mid Q 0.2 ~ 9.0 中域の帯域幅を設定します。値を大きくするほど幅が狭くなります。
EQ Hi Freq 0.80 ~ 9.99[kHz] 高域の基準周波数を設定します。
EQ Hi Gain -24 ~ +12[dB] 高域の増幅/減衰量を調節します。
EQ Hi Q 0.2 ~ 9.0 高域の帯域幅を設定します。値を大きくするほど幅が狭くなります。

SRV-2000(NLR)のパラメーター

パラメータ
コントロール
設定値 説明
Pre Delay 0 ~ 120 原音が鳴ってからリバーブ音が鳴るまでの遅延時間を調節します。
Reverb Time -0.9 ~ +99.0[sec] リバーブ音の余韻の長さを調節します。
Gate Time 10 ~ 450[msec] リバーブ音が鳴り始めてから、リバーブ音を打ち切るまでの時間を調節します。
EQ Low Freq 0.04~1.00[kHz] 低域の基準周波数を設定します。
EQ Low Gain -24 ~ +12[dB] 低域の増幅/減衰量を調節します。
EQ Mid Freq 0.25 ~ 9.99[kHz] 中域の基準周波数を設定します。
EQ Mid Gain -24 ~ +12[dB] 中域の増幅/減衰量を調節します。
EQ Mid Q 0.2 ~ 9.0 中域の帯域幅を設定します。値を大きくするほど幅が狭くなります。
EQ Hi Freq 0.80 ~ 9.99[kHz] 高域の基準周波数を設定します。
EQ Hi Gain -24 ~ +12[dB] 高域の増幅/減衰量を調節します。
EQ Hi Q 0.2 ~ 9.0 高域の帯域幅を設定します。値を大きくするほど幅が狭くなります。

商品情報

TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。

V-drumsのフラグシップシリーズで、島村楽器限定モデル

まとめ

回は、音源:TD-50Xに搭載されている「ドラムキットの残響音(空間演出)に関する設定」の後半部分について触れてみました。

音作りの重要な要素にもなってくると思います。

ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。

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