【DaVinci Resolve】Fairlightページ~オートメーション:パラメータ変更の自動化~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でもオーディオ編集に関わるFairlightページの「オートメーション」についてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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オートメーションとは

オーディオ編集やミキシング作業において、特定のパラメーターを時間経過に従って自動で変化させる機能です。

これにより、音量はもちろんのこと、エフェクトなどの各パラメーターの設定に変化をつけることができます。

例えばトラックを切り替えなくても、特定の時間(区間)のみエフェクトを有効にすることができます。

この機能を使うためには、以下の手順を踏む必要があります。

  1. オートメーション機能を有効にする。
  2. オートメーションを記録する。
  3. オーディオを再生して、記録したオートメーションを確認する。
  4. (必要に応じて)パラメータの再調整する。

この手順を行うために必要な情報を以下でまとめていきます。

インスペクタのキーフレームボタンを扱う方法もありますが、他のページと同様なので、本記事では割愛します。

オートメーションコントロール

ツールバー

オートメーションには専用のツールバー(コントロール)(下図の①)があり、④の一番右にある「Automation Controls」のボタンを押下すると表示されます。

詳細は、「タイムラインのUI(リンク)」を参照ください。

このオートメーションコントロールには、以下の項目があります。

項目説明
オートメーションオートメーションの記録方法を以下から選択します。

  • 記録
    • 新規でオートメーションの情報を記録します。
  • 修正
    • 既存のオートメーションの変化をそのままで、レベルを増減させます。
タッチ再生中に、ミックス中に対応しているコントロールを動かした時の処理を選択します。

  • オフ
    • オートメーションは記録しません。
  • ラッチ
    • 操作開始とともにオートメーションの記録も開始します。
    • 再生中は、コントロールの操作を止めても、記録が継続して値を維持します。
    • 既存のオートメーションがある場合も、以降は値は維持されます。
  • スナップ
    • 操作開始とともにオートメーションの記録も開始します。
    • 再生中は、コントロールの操作を止めると、記録が中止され、値が操作開始前の値に戻ります。
    • 既存のオートメーションがある場合は、以降はオートメーションの従います。
  • Snap Latch
    • フェーダーはスナップモードで動作し、他のコントロールはラッチモードで動作します。
停止時再生を停止した時に、オートメーションの記録がどうなるか?を選択します。

  • ホールド
    • 再生が終わると、以降は停止時の値を維持します。
    • 既存のオートメーションがある場合も、以降は停止時の値となります。
  • リターン
    • 再生が終わると、以降は操作開始前の値になります。
    • 既存のオートメーションがある場合は、次のオートメーションの値になります。
    • この時、次の値までの補間は離した時点で線形(斜めの直線)での次の値に変化します。
  • イベント
    • 再生が終わると、以降は停止時の値を維持します。
    • 既存のオートメーションがある場合は、その値は維持されます。
    • この時、次の値までの補間は、次の値になる際に直角に変化します。
有効各ボタンに対応したコントロールを用いて、オートメーションの記録を行うかどうかを設定します。

  • フェーダー
    • トラックとバスの音量
  • ミュート
    • ミュートボタン
  • パン
    • パンのコントロール
  • EQ
    • EQのコントロール
  • コンプ
    • ダイナミクスウィンドウ内のコンプレッサーのコントロール
  • ゲート
    • ダイナミクスウィンドウ内のゲートのコントロール
  • リミッター
    • ダイナミクスウィンドウ内のリミッターのコントロール
  • Sends
    • バスセンドのオン/オフのコントロール
  • プラグイン
    • 設定済みのプラグインのオートメーション
  • その他
    • バスのオン/オフ、インサート、ダイレクト出力のコントロール

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メニュー

メニューにも、[Fairlight] > [オートメーション]にオートメーション専用の項目が存在します。

このメニューには、以下の項目があります。

以下に記載している「プレビュー」は、上記ツールバーの右にある「プレビュー」のボタンによる「プレビューモード」を指します。
オプション説明
すべてリード 「記録」「修正」になっているすべてのパラメーターを「リード」モードに戻します。
編集と併せて移動 クリップの移動を行った場合、記録されているオートメーションをクリップに併せて移動します。
パンチイン「プレビュー」のオン/オフによって以下のように挙動が変わります。

  • オン
    • プレビュー(青)で設定されている全パラメータを正式なものとして反映します。
  • オフ
    • 選択したすべてのチャンネルのオートメーション化されたパラメーターをすべて正式なものとして反映します。
パンチアウト「プレビュー」のオン/オフによって以下のように挙動が変わります。

  • オン
    • 「記録」「修正」「プレビュー」にある全パラメーターをリードに切り替えます。
  • オフ
    • 選択された全チャンネルの「オートメーション」が有効なパラメーターをすべて「リード」に切り替えます。
Auto Punchタイムライン上の特定の範囲のみにオートメーションを記録するように設定できるようになります。
指定した範囲は、記録中および記録後は解除されます。
「Active In」でイン点、「Active Out」でアウト点を設定し、「Enable」で範囲の有効/無効を設定できます。
Active Rangeタイムライン上の特定の範囲のみにオートメーションを記録するように設定できるようになります。
ただし「Auto Punch」とは異なり、指定した範囲は、記録中および記録後でも表示されたままになります。
「Active In」でイン点、「Active Out」でアウト点を設定し、「Enable」で範囲の有効/無効を設定できます。
Write to「プレビュー」で、設定されているパラメータを反映します。
「Start」で設定値を再生ヘッドの左側に、「End」で設定値を再生ヘッドの右側に、「All」で全体に反映します。
範囲に適用 指定した範囲(イン点/アウト点の範囲)内に、現在のパラメータの値を適用させます。
範囲をグライド 「プレビュー」で、すべてのパラメーターをタイムラインのイン点での既存の値からアウト点でのプレビュー値にグライド(スムーズに変化)します。
Join Mix 現在のレベルを再生ヘッドの位置にラッチで書き込みます。
コピー指定した範囲(イン点/アウト点の範囲)内のオートメーションをコピーします。
範囲選択されていない場合は、選択されたトラックの再生ヘッドの位置のパラメータの値をコピーします。
ペーストコピーされたオートメーションを貼り付けます。
指定した範囲(イン点/アウト点の範囲)がある場合は、その場所に貼り付けられます。
範囲選択されていない場合は、選択されたトラックの再生ヘッドが触れているクリップのイン点から同じ位置に貼り付けされます。
消去指定した範囲(イン点/アウト点の範囲)内のオートメーションを削除します。
範囲選択されていない場合は、動作しません。
ミックスリスト複数のミックスパスの「作成」「保存」「読み込み」「削除」ができます。
プレビューモードとは
オートメーションのワークフローの1つに「プレビューモード」があります。
プレビュー中は、記録済のオートメーションへの変更せずに、手動でオートメーションを描きます。
そのため、記録済のオートメーションを維持したまま、色々なオートメーションを手動で試せることになります。
もちろん、記録済のオートメーションに、現在の値を反映することも可能です。

オートメーションの記録

オートメーションを記録する基本的な手順は、以下になります。

  1. オートメーションツールバーで「記録」か「修正」を選択する。
  2. 「タッチ」と「停止時」の設定を行う。
  3. オートメーションを記録したい区間の少し左側に再生ヘッドを移動する。
  4. 再生を始める。
  5. 記録したいオートメーションのコントロールを動かす。

    • 動かすことで、自動でパラメータの変化が記録されます。
  6. 停止する。

オートメーションの記録された結果を確認したい場合は、「トラックヘッダー」にある「オートメーションコントロール」のプルダウンリストで対象のオートメーションを選択してください。

トラックヘッダーについては、「タイムラインのUI」(リンク)を参照ください。

また、記録し直したい場合は、「記録」を選択して、再度上記手順を行うことで対応できます。

オートメーションの編集

オートメーションは、記録するほかにも、ツールバーの「ペンシル」を利用して手書きで描画することもできます。

以下の手順で、新規で描画したり、既存のオートメーションを修正したりすることができます。

ツールバーの「ペンシル」を選択する。

「トラックヘッダー」にある「オートメーションコントロール」で編集対象のオートメーションを選択する。

タイムラインの各トラック上でドラッグ操作により、オートメーションを描画する。

また、既存のオートメーションのキーフレームを以下のような手順で「追加」「移動」「削除」をすることで、オートメーションを整えることも可能です。

行う作業方法
追加
  • 「Alt + クリック」を行う。
移動
  • 各キーフレームをドラッグして移動する。
  • 範囲選択して、選択範囲のオートメーションを上下にドラッグする。
削除
  • 対象のキーフレームに対して「Ctrl + Alt + クリック」を行う。
  • 範囲選択して、「Delete」キーを押下する。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「Fairlightページ」のうち、「オートメーション」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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