動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、サードパーティーのエフェクトに頼らなくても良いように、多くのエフェクトが内蔵されています。
今回は、その中でもエフェクトの「ResolveFX」の「デバンド」から「パッチリプレイサー」について、まとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 19 に基づいた内容になっています。
デバンド
映像内で生じている「グラデーションが帯状に見える現象（バンディング）」を最小限に抑えるエフェクトです。
水面などで見られる色のグラデーションを抑え、自然な見た目にしたい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
基本設定
デバンドのベースとなる設定は以下になります。
| 設定項目 | 説明 |
| エッジのしきい値 | 検出対象とするエッジの濃さを設定します。 |
| 範囲 | 検出するエッジ周辺の「デバンドの幅」の範囲を調整します。 |
| 微調整 | エフェクトの影響を受ける領域を調整します。 |
| エッジの表示 | 検出されたエッジをプレビューします。 |
ノイズ除去（Studioバージョンのみ）
低光量や高感度での撮影などで発生するような映像内の不要なノイズを抑制するエフェクトです。
夜間撮影された映像のノイズを除去して、クリアにしたい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
時間的ノイズ除去コントロール
映像の複数のフレームを分析することで、ノイズのみを分離するため設定群です。
| 設定項目 | 説明 |
| 前後のフレーム数 | 分析対象とするフレームの数です。 現在のフレームの前後にあるフレーム数を指定します。 |
| 動き推定 | イメージ内の動きを検出する方法を以下から選択します。
「なし」の場合は、時間的ノイズ除去を適用しないのではなく、イメージ全体に適用されるようになります。 |
| 動きの範囲 | 除去されるノイズの動きの速度を選択できます。 |
時間的しきい値コントロール
ノイズ除去の度合を調整する設定群です。
| 設定項目 | 説明 |
| 輝度のしきい値 | 輝度に対して適用する時間的ノイズ除去の量を調整します。 |
| クロマのしきい値 | クロマに対して適用する「時間的ノイズ除去」の量を設定します。 |
| Gang Luma Chroma | 輝度のしきい値とクロマのしきい値のパラメーターは連動させることができます。 |
| モーション | 動きがあると判断するしきい値を調整します。 |
| ブレンド | エフェクト適用前後のイメージの混ぜ具合を調整します。 |
空間的ノイズ除去コントロール
映像のディテールを維持したノイズ除去（高周波ノイズ領域の除去）を行うための設定群です。
| 設定項目 | 説明 |
| モード | 空間的ノイズ除去を行う際のアルゴリズムを以下から選択します。
|
| 範囲 | 除去されるノイズの動きの速度を選択できます。 |
空間的しきい値コントロール
ノイズ除去の度合を調整する設定群です。
| 設定項目 | 説明 |
| 輝度のしきい値 | 輝度に対して適用する時間的ノイズ除去の量を調整します。 |
| クロマのしきい値 | クロマに対して適用する「時間的ノイズ除去」の量を設定します。 |
| Gang Luma Chroma | 輝度のしきい値とクロマのしきい値のパラメーターは連動させることができます。 |
| ブレンド | エフェクト適用前後のイメージの混ぜ具合を調整します。 |
パッチリプレイサー（Studioバージョンのみ）
映像の修正箇所ではない部分をコピーすることで、映像内の不要な箇所を除去するエフェクトです。
映像内に映りこんでしまった本来不要な要素（物や人物など）を消したい場合などに適していると思います。
設定値は以下があります。
基本設定
パッチリプレイサーのベースとなる設定は以下になります。
| 設定項目 | 説明 |
| 領域の形状 | 分析に利用する領域を指定する際の形状を以下から選択します。
|
| 補間の方法 | 補間する際の方法を以下から選択します。
|
| 置き換えのディテール | 置き換える際のソースを鮮明さを調整します。 「補間の方法」が「クローン」「ブレンド」の時に表示されます。 |
| 元のディテールの維持 | 置き換える際に、ターゲットの元のディテールをぼかさないようにします。 「補間の方法」が「ブレンド」の時に表示されます。 |
パッチの位置
ソースとターゲットの位置に関する設定を行います。
| 設定項目 | 説明 |
| ソースの位置 | オンスクリーンコントロールと連動した値が表示されます。 X軸、Y軸を基準に、数値を指定することで、微調整にも役立ちます。 |
| ターゲットの位置 | オンスクリーンコントロールと連動した値が表示されます。 X軸、Y軸を基準に、数値を指定することで、微調整にも役立ちます。 |
| ターゲットの幅 | オンスクリーンコントロールと連動した値が表示されます。 スライダーで直接微調整することができます。 |
| ターゲットの高さ | オンスクリーンコントロールと連動した値が表示されます。 スライダーで直接微調整することができます。 |
| ソースがサイズ調整を追跡 | ソースが、キーフレーミングによる位置やサイズの変更を追跡します。 |
| ソースがトラックを追跡 | ソースが、FXトラッカーを追跡します。 |
| ターゲットがサイズ調整を追跡 | ターゲットが、キーフレーミングによる位置やサイズの変更を追跡します。 |
| ターゲットがトラックを追跡 | ターゲットが、FXトラッカーを追跡します。 |
| ソースをターゲットに合わせる | ソースをターゲットの位置に合わせます。 |
オンスクリーンコントロール
ビューアに表示するオンスクリーンコントロール（OpenFXオーバーレイ）の表示内容に関する設定です。
| 設定項目 | 説明 |
| 表示 | オンスクリーンコントロールは、すべて表示されます。 |
| 非表示・自動 | 操作していない時は全て表示され、ドラッグ操作などで調整中の時は非表示になります。 |
| 非表示 | オンスクリーンコントロールは、すべて表示されません。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「ResolveFX」のうち、「デバンド」から「パッチリプレイサー」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。