【ANAGRAM】3つのモード~Preset、Stomp、Scene

「Darkglass Electronics」から2025年4月に発売された「ベース専用マルチプロセッサー」の「ANAGRAM」。

ある意味、マルチプロセッサーはギター主体でベースについてはサブ的な扱いのものが多かったこともあり、ベーシストから非常に注目を集めています。

本記事では、そんな「ANAGRAM」に搭載されている「モード」を紹介していこうと思います。

なお、掲載内容は「V1.6.0」時点のものとなっています。

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ANAGRAMにおける「モード」と「ビュー」

「ANAGRAM」では、3つの「モード」と「ビュー」が存在し、ユーザーの使いやすい方法で操作することができます。

モードの切り替えは下図の青枠部を、ビューの切り替えは下図の赤枠部を押下してください。

モードの切り替えは、フットスイッチCの長押しでも対応できます。

それぞれが循環するトグルボタンになっており、「モード:3つ」x「ビュー:3」で計9つの組み合わせから選ぶことができます。

本記事では、このうち「モード」に対して記載します。

モードの詳細

ここでは、3つのモードについて、まとめていきます。

なお、「ANAGRAM」では、1つ1つのルーティングを「プリセット」と呼んでいます。

この「プリセット」を3つのまとまて「バンク」として管理しています。

また、プリセットには「01A」「01B」「01C」「02A」・・・という番号が振られます。

「01」「02」・・でバンク名を示し、「A」「B」「C」が各バンクのいくつ目に登録されているか?を示しています。

Presetモード

Presetモードは、「プリセット変更」をフットスイッチのメイン操作としたモードです。

エフェクターボードを別のものに変更するのと同等のモードです。

変更前後のエフェクトブロックの構成によって、音切れが目立つ可能性があります。

そのため、曲中での変更は不向きです。

押下するスイッチ 動作
フットスイッチA 表示しているバンクのプリセットAを呼び出します。
フットスイッチB 表示しているバンクのプリセットBを呼び出します。
フットスイッチC 表示しているバンクのプリセットCを呼び出します。
フットスイッチA+B 表示しているバンクの1つ前のバンクを呼び出します。
フットスイッチB+C 表示しているバンクの1つ後のバンクを呼び出します。

Stompモード

Stompモードは、1つのプリセットの中で「エフェクターのパラメータやON/OFF状態の細かい個別変更」をフットスイッチのメイン操作としたモードです。

基準となるルーティングをプリセットに登録し、必要に応じて各エフェクトブロックを個別に細かく設定変更したい場合に最適です。

押下するスイッチ 動作
フットスイッチA 登録済みのエフェクトのパラメータに切り替えます。
フットスイッチB 登録済みのエフェクトのパラメータに切り替えます。
フットスイッチC 登録済みのエフェクトのパラメータに切り替えます。
フットスイッチA+B 表示しているバンクの1つ前のプリセットを呼び出します。
フットスイッチB+C 表示しているバンクの1つ後のプリセットを呼び出します。

フットスイッチへのアサインは、以下の手順です。

  1. いずれかのフットスイッチを押下する。
  2. ディスプレイ上の下部に表示されている3つのボタン(下図の赤枠部)のうちアサインしたいボタンを押下する。

    • 3つのボタンは、左から順に、フットスイッチAからフットスイッチCに対応しています。
    • 初期状態では、各ボタンは、「+」と表示されます。
  3. ディスプレイ上で、アサインしたいエフェクトブロックを押下する。
  4. ディスプレイに表示された設定のうちアサインしたい設定を押下する。

    • 押下した時点のパラメータを呼び出すようになります。

なお、アサイン済みのボタンを押下すると、登録内容を修正する画面に遷移します。

また、アサイン済みのボタンを押下した時の右上の「追加」「変更」「削除」ボタンで、登録済みの内容をさらにカスタマイズできます。

  • 追加

    • 複数の設定を1つのボタンにアサインでき、マクロとして扱われます。
    • 各設定は、ページ毎に1つずつ管理されており、フリック操作でページを切り替えることで別の設定を確認できます。
  • 変更

    • 表示しているパラメーターを別のものに変更できます。
  • 削除

    • 表示しているパラメーターの設定を削除します。

Sceneモード

Sceneモードは、1つのプリセットの中で「エフェクターのパラメータやON/OFF状態の一括変更」をフットスイッチのメイン操作としたモードです。

1つのルーティングに対して、全部で3パターンの設定の組み合わせを登録しておくことができます。

大規模エフェクターボードのスイッチャーでMIDI信号やスイッチングで制御しているのと同等のモードです。

プリセットを読み込まないが発生しないため、音切れも最小限で済みます。

そのため、曲中での変更にも向いています。

押下するスイッチ 動作
フットスイッチA 登録済みのシーンに切り替えます。
フットスイッチB 登録済みのシーンに切り替えます。
フットスイッチC 登録済みのシーンに切り替えます。
フットスイッチA+B 表示しているバンクの1つ前のプリセットを呼び出します。
フットスイッチB+C 表示しているバンクの1つ後のプリセットを呼び出します。

フットスイッチへのアサインは、以下の手順です。

  1. アサインしたいフットスイッチを押下する。
  2. ディスプレイ上で、アサインしたい設定に、各エフェクトブロックの内容を変更する。

    • 設定対象は、ON・OFFの他、各種パラメータを含みます。
    • この段階で、リアルタイムに設定がアサインされます。
  3. (必要に応じて、)別のフットスイッチを押下し、手順2を行う。

また、シーンモードでは、ビュー切り替えボタンの左にボタンが表示され、パラメータ設定を行った内容の反映方法を選択できます。

  • Controlling active scene

    • 現在アクティブなシーンにのみ適用されます。
  • Controlling all scene

    • 全てのシーンに適用されます。
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StompモードとSceneモードの使い分け

ここまで読んでいただいた方の中には、「Stompモードでも、複数の設定をアサインすれば、Sceneモードを使わなくても良いのでは?」という疑問が出る方もいるかもしれません。

確かに、間違っていることはなく、「音の切り替え」という点にのみ着目すれば同じようなことはできます。

しかし、それぞれに、メリットがあるのを忘れてはいけません。

モード メリット
Stomp
  • 局所的かつ即興的なコントロールに強い
    • 一部のエフェクトブロックのON/OFF、パラメータ変更などにむいている
    • 例えば、PitchShifterだけ入れたいという操作がしやすい
  • スイッチの動作を細かくカスタマイズできる
Scene
  • 保存されたシーン毎に、プリセット全体の状態を管理できる
  • スイッチごとに完全に別の音作り・設定を即座に呼び出せる
    • バッキング用、ソロ用など
  • 特にMIDI同期、テンポ系も含めてコントロールできる。

これらを考慮し、どちらが適しているか?を考えて使い分けてみましょう。 

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まとめ

今回は、ベース向けマルチプロセッサー「ANAGRAM」に搭載されている「モード」についてまとめてみました。

「ANAGRAM」を扱う際のヒントになれば幸いです。

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