【Dorico】【設定モード】フレット楽器(ギターなど)に対する設定

現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。

かつてのFinaleに代わり、業界標準の一角を担っています。

今回はそんなDoricoの「設定モード」の「フレット楽器に対する設定」について、紹介します。

なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。

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フレット楽器に対する操作

ここでは、フレット楽器に対して実施可能な主要な操作についてまとめます。

プレーヤーへの割り当て手順

打楽器キットの「プレーヤーへの割り当て」などの基本操作は、プレーヤーの追加(リンク)の操作と基本的に同様です。

表示されたインストゥルメントピッカーで、「フレット楽器」配下のインストゥルメントから選択してください。

フレット楽器のカスタマイズ

フレット楽器には、フレット楽器ならではの操作が多く存在します。

その起点となるのが、以下の手順です。

手順3で、さまざまなカスタマイズの操作を行うことになります。

  1. プレーヤーに割り振られたインストゥルメント(フレット楽器)のメニューボタンを押下する。
  2. 表示されたコンテキストメニューから「弦とチューニングを編集」を選択する。
  3. 表示された「弦とチューニング」ダイアログ(後述)で任意の設定をする。

    • 対象のインストゥルメントがフレット楽器ではない場合、ダイアログは開きません。
    • ダイアログのUI(できること)は、後述します。
  4. 「OK」ボタンを押下する。

「弦とチューニング」ダイアログ

UIイメージは以下のようなダイアログで、実施可能な操作をまとめます。

No項目説明
インストゥルメント 編集対象した(ウィンドウを開いた)フレット楽器の名前を表示しています。
互換性のあるプリセットチューニング 各弦のチューニングのプリセットを一覧から選択できます。
エディター設定している内容(以下一例)を表示します。

  • 弦の数
  • フレット数
  • カポの場所
  • 開放弦の音

また、ポインターもしくは「↑」「↓」「PgUp」「PgDn」で、弦を選択できます。
「④コントロール」は、選択することで有効になります。

コントロールエディターで選択した弦に対して、以下の設定を行います。

  • 開放弦のピッチ
    • スピンボックスで、ピッチを設定します。
  • フレット数
    • PRSの24フレットなどを想定する場合は、スピンボックスで変更します。
  • 開始フレット
    • 基本的には「0」ですが、バンジョーの5弦などは「5」になる場合があります。
  • 半ステップチューニング上げ
    • ボタンの推すことで、開放弦のピッチが半音上がります。
  • 半ステップチューニング下げ
    • ボタンの推すことで、開放弦のピッチが半音下がります。
  • 不規則なフレットの間隔
    • フレットによる音階が半音ずつ変化しないような場合(例:ダルシマー)に、意図的に設定できます。
    • 設定する際は、「半ステップ:1」「全ステップ:2」として、カンマ区切りで設定します。
    • 例:ドレミファソラシドの場合は、「2,2,1,2,2,2,1」となります。
アクションバー弦の数と配置を変更するための以下のボタンが配置されています。(左から順)

  • 弦を追加
    • 現在選択している一番下の弦の下の位置に、新しい弦を追加します。
  • 弦を一番上に追加
    • 一番上の位置に、弦を追加します。
  • すべて選択
    • すべての弦を選択します。
  • 弦を移動
    • 選択した弦の位置を上下に移動します。
  • デフォルトにリセット
    • 弦数やチューニングをデフォルト設定に戻します。
  • 弦を削除
    • 選択した弦を削除します。
カポと移調「カポ」「移調」に関する設定をします。

  • カポ
    • 「カポの定義」ダイアログ(後述)が開き、設定を行うことができます。
  • 譜表上の記譜におけるミドルC (MIDIノート60) の発音
    • 選択したフレット楽器の移調を設定します。
チューニングを読み込み
チューニングを書き
エクスポート済みのチューニングの設定ファイルを読み込み、および現在のチューニングの設定ファイルを書き出しを行います。
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「カポの定義」ダイアログ

カポ(カポタスト)は、特定のフレットの位置に設定することで、開放弦のピッチを上げられる事ができる道具です。

これにより、「コードを押さえるのが簡単になる」といったメリットがあります。

Doricoでのカポの設定は、以下のようなダイアログで行うことができます。

開き方は、「弦とチューニング」ダイアログの「⑥カポと移調」を参照ください。
項目説明
カポカポのタイプを以下から選択します。

  • なし
  • フルカポ
  • パーシャルカポ(特定の1つの弦に対するカポ)

「フルカポ」「パーシャルカポ」を選択した場合に、カポが設定されます。

フレットカポを装着する位置を以下で設定します。

  • フレット
  • 開始弦(「パーシャルカポ」使用時のみ)
  • 終了弦(「パーシャルカポ」使用時のみ)

【参考】五線譜上に、コード/コードダイアグラムを表示したい

コードを表示するには

コードを表示させるだけであれば、以下の手順で表示できます。

  1. 設定モードの「プレーヤー」パネルで、対象のプレーヤーを選択する。
  2. アクションバーの[プレーヤー設定] > [コード記号]を開く。

    • プレーヤーに対するコンテキストメニューでも対応可能です。
  3. 以下のいずれかを選択する。

    • カポのメインコード記号を表示
    • カポの移調したコード記号を表示
    • カポのコード記号をメインコード記号の上に表示
    • カポのコード記号をメインコード記号の下に表示

コードダイアグラムを表示するには

コードダイアグラムを表示させるだけであれば、以下の手順で表示できます。

  1. 設定モードの「プレーヤー」パネルで、対象のプレーヤーを選択する。
  2. アクションバーの[プレーヤー設定] > [コードダイアグラム]で、希望するチューニングを選択する。

    • プレーヤーに対するコンテキストメニューでも対応可能です。

カポ利用時のコード・コードダイアグラムを表示するには

上記の「コードを出したい場合」および「コードダイアグラムを表示したい場合」の手順だけでは、曲が持つ本来のコード(主コード)が表示されます。

カポ使用時の「コードの押さえ方」および「コードダイアグラム」を表示させたい場合は、以下の手順も踏んでください。

  1. 設定モードの「プレーヤー」パネルで、対象のプレーヤーを選択する。
  2. アクションバーの[プレーヤー設定] > [コード記号] > [カポコード記号の定義]を選択する。

    • プレーヤーに対するコンテキストメニューでも対応可能です。
  3. 表示された「カポコード記号の定義」ダイアログで、カポを設定したフレット数だけピッチを変更する。

    • 例:2フレットに設定していれば、「+2」にします。
  4. 「OK」ボタンを押下する。

【参考】譜面の先頭に、コードダイアグラムを表示したい

コードダイアグラムを表示するには

楽曲に使用されているコードダイアグラムの一覧を譜面の先頭(タイトルの下)に表示することができます。

以下の手順を実施して下さい。

  1. 以下のいずれかを実施する。

    • レイアウトパネルのアクションバーで、「レイアウトパネル」ボタンを押下する。
    • メニューの[ライブラリー] > [レイアウトオプション]を選択する。
    • 「Ctrl + Shift + L」を押下する。
  2. 開いた「レイアウトオプション」ウィンドウの右側の「レイアウト一覧」でコードダイアグラムを表示したいレイアウトを選択します。
  3. 左側のカテゴリー一覧から、[コード記号とコードダイアグラム] > [コードダイアグラム]を選択する。
  4. 「フローで使用されるコードダイアグラムをフローの開始位置に表示」を有効にする。
  5. 「カポのコード記号」で表示する内容を、以下から選択する。

    • メインコード記号のみ表示
    • 移調したコード記号のみ表示
    • メインコード記号の上に表示
    • メインコード記号の下に表示

カポ利用時のコードダイアグラムを表示するには

上記の手順だけでは、曲が持つ本来のコードダイアグラムが表示されます。

そのため、カポ使用時の「コードダイアグラム」を表示させたい場合は、以下の手順も踏んでください。

  1. [レイアウトオプション] > [コード記号とコードダイアグラム] > [コードダイアグラム]を開く。
  2. 「移調にカポを使用」で、カポを設定したフレット数だけピッチを変更する。

    • 例:2フレットに設定していれば、「+2」にします。
  3. 「適用」ボタンを押下する。

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、Doricoの「設定モード」の「フレット楽器に対する設定」についてまとめてみました。

Doricoを使用する際のヒントになれば幸いです。

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