【Dorico】【記譜モード】記譜ツールボックスによる記譜記号入力操作③

現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。

かつてのFinaleに代わり、業界標準の一角を担っています。

今回はそんなDoricoの「記譜モード」の「記譜ツールボックスによる『反復記号』『小節と小節線』『延長記号と休止記号』の入力操作」について、紹介します。

なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。

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反復記号

トレモロを含むリピート括弧、ジャンプ記号などのリピートに関する記号は、記譜ツールボックスの「反復記号」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • (音符に対する記号を入力する場合)入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
    • (小節単位でリピートする場合)繰り返しの範囲を選択する。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [反復記号] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「反復記号」や「トレモロ」を選択する。

なお、「反復記号」パネルでは、以下のような表記もできます。

  • スラッシュ符頭

    • 現在の拍子記号に合わせたスラッシュ形式の反復記号を付与します。
  • 小節リピート記号

    • 小節単位での繰り返しを付与します。
    • ただし、2小節以上を1単位とした繰り返しは、ポップオーバーを利用しなければなりません。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • (音符に対する記号を入力する場合)入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
    • (小節単位でリピートする場合)繰り返しの範囲を選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + R」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [反復記号] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
リピート括弧全体 「end」
追加のリピート括弧セグメント 「add」
D.C. 「dc」「D.C.」
D.C. al Coda 「dcalc」「DC al Coda」
D.S. 「ds」「D.S.」
D.S. al Fine 「dsalf」「DS al Fine」
to Coda 「tc」「to coda」
セーニョ 「s」「seg」
Fine 「f」「fin」
Coda 「c」「coda」
単音のトレモロ1本の場合:「/」「\」「1」
2本の場合:「//」「\\」「2」
リリース付きトレモロ 2本の場合:「//rel」「2rel」
アタック付きトレモロ 2本の場合:「//att」「2att」
重音のトレモロ 2本の場合:「//2」「\\2」「22」
スラッシュによるリピート 「slash」
小節リピート1小節の場合:「%」
2小節の場合:「%2」
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小節と小節線

小節や小節線の挿入は、記譜ツールボックスの「小節と小節線」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 小節もしくは小節線を挿入したい位置にキャレットを移動してください。
      • 複数の五線譜に対して「小節休符を挿入」をしたい場合は、同時に入力したい場合はキャレットを伸ばしてください。
    • 小節もしくは小節線を挿入したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [小節と小節線] のボタンを押下する。
  3. 以下のいずれかを実行する。

    • 「小節を挿入」セクションで、「挿入場所」「挿入する小節数」を設定し、「小節を挿入」ボタンを押下する。
    • 「小節線を引く」セクションで、入力したい小節線を選択する。
    • (音符入力モードのみ)「小節休符を挿入」セクションで、「小節休符を挿入」ボタンを押下する。
小節の挿入は、「Alt + T」やメニューで表示できる「システムトラック」では、右上の「+」ボタンを押下することでも対応できます。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 小節もしくは小節線を挿入したい位置にキャレットを移動してください。
      • 複数の五線譜に対して、同時に入力したい場合はキャレットを伸ばしてください。
    • 小節もしくは小節線を挿入したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + B」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [小節と小節線] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
1小節を追加 「1」「+1」
2小節を削除 「-2」
小節休符を追加 「rest」
フローの最後の空白小節を削除 「trim」
4分音符の拍を2つ分追加 「2q」「2/4」「2-6」「2 6」
4分音符の拍を2つ分削除 「-2q」「-2/4」「-2-6」「-2 6」
小節線(縦単線) 「|」「single」「normal」
小節線(縦二重線) 「||」「double」
破線 「:」「dash」
終止線 「|]」「fin」
ティック (上) 「‘」「tick」
短線 (中央) 「,」「short」
太線 thick
太い複縦線 「doublethick」「thickdouble」
反復開始線 「|:」「start」
反復終了線 「:|」「end」
反復終了/反復開始線 「:|:」「end-start」「endstart」

なお、エントリーに記載する音符の種類については、以下で選択できます。

  • 64分音符:「z」「2」
  • 32分音符:「y」「3」
  • 16分音符:「x」「4」
  • 8分音符:「e」「5」
  • 4分音符:「q」「6」
  • 2分音符:「h」「7」
  • 全音符:「w」「8」
  • 倍全音符:「2w」「9」
  • 付点:. (ピリオド)

延長記号と休止記号

フェルマータ、ブレス記号、中間休止記号は、記譜ツールボックスの「延長記号と休止記号」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [延長記号と休止記号] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「延長記号」や「休止記号」を選択する。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + H」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [延長記号と休止記号] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
フェルマータ 「fer」「fermata」
非常に長いフェルマータ 「verylongfer」
短いフェルマータ 「shortfer」
中間休止記号 「//」
太い中間休止記号 「thick//」
ブレス記号 (v) breathmarkupbow

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、Doricoの「記譜モード」の「記譜ツールボックスによる『反復記号』『小節と小節線』『延長記号と休止記号』の入力操作」についてまとめてみました。

Doricoを使用する際のヒントになれば幸いです。

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