【Dorico】【記譜モード】MIDI録音に関する操作

現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。

かつてのFinaleに代わり、業界標準の一角を担っています。

今回はそんなDoricoの「記譜モード」の「MIDI録音」について、紹介します。

なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。

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MIDI録音機能とは?

MIDI録音は、MIDI通信可能なインターフェース(MIDIキーボードなど)を利用して、Dorico に音符を入力する方法です。

実際の楽器の演奏に慣れている人は、マウスやPCのキーボードを利用するよりも便利かもしれません。

MIDIキーボードなどを利用することで、リアルタイムな演奏による入力ができるので、思い付きのメロディーをサッと残しておくこともできるでしょう。

MIDI録音の手順

ここでは、接続済みのMIDIデバイスを利用するMIDI録音の手順についてまとめます。

なお、事前に、[環境設定] > [再生]ページで、以下のセクション配下の設定内容を確認し、必要に応じて見直しておくと良いでしょう。

  • MIDI入力デバイス
  • クオンタイズ
  • 録音

実際に行う手順は、以下になります。

再生モードでも、実施できます。
  1. 録音したい譜表のトラックで、録音開始する場所にあるアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実施して、「音符入力」を有効にする。

    • 「Shift + N」を押下する。
    • 音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタンを押下する。
  3. 入力する声部を選択する。

    • 「V」キーもしくは「Shift + V」を利用して下さい。
  4. 以下のいずれかを実施して、録音を開始してください。

    • 「Ctrl + R」を押下する。
    • 画面右上のツールバー(リンク)にある「録音」ボタンを押下する。
  5. MIDIデバイスで、演奏を行う。
    • 音符は、手順6での後に表示されます。
  6. 以下のいずれかを実施し、録音を止める。

    • 「Space」キーを押下する。
    • 「Return(Enter)」キーを押下する。
    • 「Ctrl + R」を押下する。

なお、手順1で和音を入力したい場合は、「Q」キーを押下するか、「音符ツールボックス」で「和音」を有効にしてください。

注意点としては、「和音」が有効の場合、既に入力対象の声部に音符があると、上書きはされずに統合されることです。

また、MIDI録音中に反復記号で戻る小節がある場合も、録音された音符は全て同じ声部に統合されます。

音符の再クオンタイズ
音符を再クオンタイズしたい場合は、以下の手順を実施してください。
  1. 再クオンタイズしたい音符を選択する。(複数選択可)
  2. メニューの[編集] > [再クオンタイズ]を選択する。
  3. 開いた「再クオンタイズ」ダイアログで、任意の設定を行う。
  4. 「OK」ボタンをクリックする。
なお、本手順は、記譜モードおよび再生モードで実施できます。
また、再生時の演奏されるデュレーションには影響しません。
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【参考情報】こんな時は・・・

録音していなかった演奏を活用したい

録音が有効ではない状態で曲を流しながら、お試しで演奏した。だけど、そのテイクを活用したいことがあるかもしれません。

そのような場合は、以下の手順を行ってください。

前提条件として、再生を開始し、MIDIデバイスで演奏後、再生を停止している状態にしておいてください。
  1. 録音したい譜表のトラックで、録音開始する場所にあるアイテムを選択する。
  2. (既存の音符を上書きしたくない場合)以下のいずれかを実行し、「和音」を有効にする。

    • 「Q」キーを押下する。
    • 音符ツールボックスの「和音」のボタンを押下する。
  3. 以下のいずれかを実施し、演奏内容を反映する。

    • 「Ctrl + Alt + R」を押下する。
    • 「トランスポート」ウィンドウ(リンク:https://ytktfeelfree.com/music/dorico/d_ui01_/8864/)で、「非録音時の MIDI 入力データを記録」ボタンを押下する。

クリック設定を確認・変更したい

MIDI録音する際に、クリックの鳴り方は人によって慣れがあったり、場合によって変えたりしたいでしょう。

クリック音を鳴らすには、拍子記号の記譜が必須になります。

確認・変更を行うには、以下の手順を行ってください。

  1. 「Ctrl + Shift + P」を押下する。
  2. 表示された「再生オプション」で、左側の一覧から「クリック」を選択する。
  3. セクションとして以下の2つがあるので、任意の設定を行う。

    • メトロノームクリック(クリック音の設定)

      • 拍の分割:鳴る拍を設定する。
      • クリック音:音の種類を設定する。
      • ピッチとベロシティ:音の高さと大きさを設定する。
    • カウントイン(クリックの入り方の設定)

      • カットインの小節数:実際に再生が始まる前に設ける小節数を設定する。

録音した音符の「位置」を調整したい

PCの性能や利用するMIDIデバイスによっては、意図したタイミングで音符が入力されるとは限りません。

その場合は、以下のような方法で、調整してみてください。

  • 環境設定の利用

    1. [環境設定] > [再生] > [録音] > [MIDI 入力のレイテンシーの補正]の値を調整する。

      • 意図した位置よりも早い(左寄り)場合:値を大きくします。
      • 意図した位置よりも遅い(右寄り)場合:値を小さくします。
  • 編集メニューの利用

    1. メニューの[編集] > [デバイス設定]を選択する。
    2. 表示された「デバイス設定」ダイアログで、適切なASIOドライバーを選択する。
    3. 「デバイスコントロールパネル」ボタンを押下する。
    4. 表示されたドライバー毎の設定ダイアログで、バッファサイズを変更する。

      • 手順2で選択したASIOドライバーによってUIが異なるため、上記設定は表示されない場合があります。
    5. 表示しているダイアログで「OK」ボタンもしくは「閉じる」ボタンを押下し、設定を適用する。
「編集メニュー」の手順2、4のダイアログで、その他の設定についても見直すことで、より良い結果が得られる場合があります。

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、Doricoの「記譜モード」の「MIDI録音」についてまとめてみました。

Doricoを使用する際のヒントになれば幸いです。

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