エフェクターの種類って、どんなものがある?

エフェクターと一言で言っても、種類は多数です。特にギターを演奏する場合は、音作りは必ず付いて回ることでしょう。そんな時「どんな時にどんなエフェクターが必要なのか?」「どれを初めに買った方が良いのか?」など特に初めての人は迷うことでしょう。

ここでは、数あるエフェクターについて、紹介していこうと思います。

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エフェクターって?

分かっている人が大半でしょうが、基本的なことから説明します。
大ざっぱに言うと、エフェクターは「楽器」と音を出す「アンプ(※)」の間に繋ぐ機材です。電気回路を使用して音(電気信号)に様々な変化をもたらします。一般的には、変化させる様々な設定値をコントロール(ノブ)で調整し、足で変化「させる(ONN)」「させない(OFF)」の操作を行います。

※:オーディオインターフェースやミキサーの場合もあります。

エフェクターの種類

よく目にすることが多いエフェクターをまとめてみました。筆者が使用経験があり、おすすめできる機材があれば併せて紹介しています。

必要度は、主観で以下に基づいています。
★5:使用頻度:高、様々な場面で多用
★4:使用頻度:高、用途が限定的
★3:使用頻度:低、代替が効かない
★2:使用頻度:低、あると便利
★1:なくても問題ない

フィルター系、ピッチシフト系

フィルター系は、「特定の周波数に対する音量」をコントロールします。ピッチシフト系は、「音程」をコントールします。以下にこれらの一例を示します。

ワウ

必要度:★★★

強調する周波数を変えることで「ワウワウ」と言われる音を出せるエフェクターです。強調する周波数をコントロールすることを自分で行うタイプと自動で行うタイプがあります。

周波数の過変域の調整やブースト機能など細かい設定が可能なワウ

ピッチ・シフター

必要度:★★★

入力音の音程を半音単位で変えたり、原音と合わせて出力することができるエフェクターです。機種によっては、コーラス(後述)のように「揺らぎ」を加えられる機種もあります。原音と音程を変化させた音のPan(音を出す方向)を振り分けることで1人で2人分の演奏をすることもできます。

細かいパラメータ設定が可能なスタジオクオリティのエフェクター

ワーミー

必要度:★★★

ペダルの踏み込み具合によって音程を流れるように変化させるエフェクターです。ワウと混同するかもしれませんが、まったくの別物で、ピッチシフターの親戚です。

コードのピッチシフトにも対応しているワーミー

オクターバー

必要度:★★

入力音に「入力音をオクターブ単位で変化させた音」を加えた音を出力するエフェクターです。オクターブ奏法を自動で行えるようなイメージで、厚みのある音になります。

オクターブ音の他、歪も加えられるオクターバー

イコライザー

必要度:★★

予め決めらた周波数に対して「ブースト」「カット」することができるエフェクターです。どうしてもハウリングを起こしてしまうような時に特定の周波数をカットしたり、音質補正などで使われます。基本的には、ブーストよりもカットで使った方が自然に聞こえるように感じます。

ディスプレイ搭載で波形を確認できたり、127個のプリセットを記録できるイコライザー。1台で2つのイコライザーを同時使用可能。

ダイナミクス系

ダイナミクス系は、「音量」をコントールします。以下に一例を示します。

コンプレッサー

必要度:★★★★

音量のバラつきを抑えることができるエフェクターです。エフェクターの中でも、特に効果が分かりにくいエフェクターです。その反面使い過ぎると、いざメリハリを付けたい時などに思うようにコントロールできなくなってしまうかもしれません。ですが、レコーディングなどでは大変重宝されます。

名機Urei1176(前述の UNIVERSAL AUDIO 1176LNの前身)を参考にした、スタジオクオリティのペダルエフェクター。

以下ではより詳細にコンプレッサーについて記載していますので参考にしてみて下さい。

コンプレッサーの役割・効果とおすすめ品

ボリュームペダル

必要度:★★

踏み込み具合によって、音量を流れるように調整することができるエフェクター。音を消したいときやブースターとして歪み系(後述)エフェクターとの組み合わせなど様々な用途で使えます。ですが、代替できるものは多いです。

定番のBOSSのボリュームペダル。ローインピーダンスモデルとハイインピーダンスモデルが存在。ギター直後に接続するのであれば、こちら

歪み系

歪み系は、「ギターの骨格となる音色」を決めます。ざらついたような音になり、ギタリストは一番こだわるパートかもしれません。以下に一例を示します。歪み系は、「ギターの骨格となる音色」を決めます。ざらついたような音になり、ギタリストは一番こだわるパートかもしれません。以下に一例を示します。

オーバードライブ

必要度:★★★★★

トゲトゲしくない暖かな歪みを得られるエフェクターです。歪ませる量を減らすことで、ブースターのように使うことも可能です。オールラウンドで幅広く適用でき、大半のプロの方がどこかしらで使っています。

アナログ回路とデジタル回路のハイブリッド構造で、多彩な音色を設定可能。

ディストーション

必要度:★★★★

オーバードライブよりもトゲトゲしい音を得られるエフェクターです。ソロパートやロック系/メタル系の曲では使われることが多いと思います。

乾いた歪みとは違い、リッチなモダンゲインと倍音が際立ったディストーション

ファズ

必要度:★

ディストーションよりもさらに激しい音を得られるエフェクターです。潰されたような音のため、音程やコード(和音)感はほとんどないと思います。単音弾きなどで用いるのが良いでしょう。ノイズも多くなり、非常に暴れる傾向があるので、扱いには慣れが必要です。

激しいサウンドからディストーションに近いサウンドまで、多彩なファズ・サウンドを再現

モジュレーション系

モジュレーション系は、「揺らしによる広がり」を追加します。同じ種類のエフェクターでも、メーカーなどによって音色は様々です。以下に一例を示します。

コーラス

必要度:★★★★

入力音に「揺らぎ」を加えるエフェクターです。厚みがある透き通って広がりのある音になります。歪ませた音、歪ませていない音、アコギなど幅広く使うことが可能です。

空間系に定評のあるStrymonのコーラス

トレモロ

必要度:★★★

音量を繰り返し変化させることで、波打つような効果を得るエフェクターです。似たものにビブラートがありますが、音程を変化させるか、音量を変化させるかという違いがあります。単体ではなく、コーラスやリバーブ(後述)のエフェクターにある音色の1つとして付随している場合もあります。私は、歪ませていないクリーンの音の味付けに使うこともあります。

リバーブ3種とセットになっていて、低ノイズかつ自然な3種類トレモロから選択できます。

フランジャー

必要度:★★★

ジェットエンジンのような音(俗に言うジェットサウンド)を得られるエフェクターです。飛び道具的な要素が強いです。

※フランジャーは使用経験がないため、おすすめ紹介はしません。

フェイザー

必要度:★★★

音に「回転」を得られるエフェクターです。フランジャーに近いですが、高音が際立った金属っぽい音になります。隠し味的に使われることが多いエフェクターです。

※フェイザーは使用経験がないため、おすすめ紹介はしません。

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残響系

残響系は、「反響・残響による広がり」を追加します。空間を操るので、設定も幅広くできるのが特徴です。以下に一例を示します。

ディレイ

必要度:★★★★★

入力音に対し、遅れた音を加えるエフェクターです。「やまびこ」のようなイメージを持たれると良いと思います。ソロパートで伸びのある音を演出したり、厚みのある音にしたりと幅広い場面で使用できます。大半のプロの方がどこかしらで使っていると思います。

太く暖かみのあるアナログディレイ(テープエコー)の音です。テープの劣化具合など細かな設定が可能です。

以下ではより詳細にディレイについて記載していますので参考にしてみて下さい。

ディレイの役割・効果とおすすめ品
リバーブ

必要度:★★★★★

入力音に対し、残響(反響)音を得られるエフェクターです。コンサートホールや洞窟などで反響しているような音を得られます。カラオケのエコーのイメージです。

Plate、Room、Springの3種類のリバーブを網羅し、細かいパラメータ調整も可能です。透き通って透明感のある音を得られます

その他

上記の括りには含まれないようなエフェクターを説明します。

ルーパー

必要度:★★★

弾いた音を録音して再生することができるエフェクターです。録音した音にさらに音を重ねることもできます。一人でバッキングとソロパートを弾いたり、フレーズ作成や練習用に使うこともできます。リアルタイムで録音する他、あらかじめ録音させておくことができるものもあります。

無制限の多重録音とシンプルな操作性、クリアな音質を兼ね備えたルーパー

以下ではより詳細にルーパーについて記載していますので参考にしてみて下さい。

ルーパーの役割・効果とおすすめ品
ノイズゲート

必要度:★★★

ノイズを消してくれるエフェクターです。歪み系を通した後や環境によって異なるノイズを除去することが可能です。

原音を変えることなく、キレイにノイズを除去してくれるエフェクター

マルチエフェクター

必要度:★★★

様々なこれまでに紹介したようなエフェクトが全部乗せになっているようなものです。そのため、これ1台で済む場合も考えられます。価格帯(1万台~30万以上)、音質、搭載エフェクトの種類などによって、幅広く多岐に渡ります。

BOSSの112種類のエフェクトを搭載したスイッチャーの最小モデル。スイッチャーも欲しい方にピッタリです。

ラインセレクター

必要度:★

このエフェクターの後につなぐエフェクターのラインを切り替えることが可能です。ソロ用とバッキング用で分けたり、チューナー用(ミュート用)と演奏用で分けるなど、工夫次第で様々な使い方ができます。便利ですが、スイッチャーで代用することが可能です。

様々なモードが選べるBOSSのラインセレクター

チューナー

必要度:★

チューニング時に使用するエフェクターです。手を使わず表示パネルも大きく見やすい傾向があります。足元に置いておくと便利ですが、これでないといけない!ということはありません。すでにチューナーを持っているのであれば、購入する優先度は低いでしょう。

高精度で、視認性もよい小型チューナー

余談

エフェクターにはベース用のエフェクターもあります。それは、ベースでギター用のエフェクターを使用しても良い効果が得られるとは限らないからです。ギター用とベース用で何が違うのか?それは、サポートする周波数帯(低音/高音など)が異なる点です。

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動作を考えると、基本的には同じ原理で動作します。そのため、ギターにベース用を用いても、ベースにギター用を用いても問題はありません。エフェクターが壊れるということもほぼないでしょう。しかし、楽器の特性上、ギター用は高音域寄り、ベース用は低音域寄りで効果を発揮することが常です。そのため、あえてそういった意図の下で使う場合を除き、「ベースには、ベース用のエフェクターを!」ということは、覚えておきましょう。

まとめ

今回は、エフェクターについて紹介しました。エフェクターの世界は泥沼なので、よく見極めてから購入することをお勧めします。

特に初心者の方に言いたいことは、まずは「マルチエフェクター」を1つ用意して色々試すことがおすすめできます。使用しているうちにで自分の好きな音が分かってくるので。自分の欲しい音が決まったら、その音に相当するエフェクターを探すのが一番コストも抑えられ、買い直しも防げるのではないかな?と思います。「コンパクトを使いたい!」「エフェクターの操作に慣れたい!」と言う場合は、BOSSのエフェクターが低額な上、操作性も良いので比較的扱いやすいです。国産ブランドということもあり、安心して使えるのではないでしょうか?

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