本当におすすめしたいエレキギター/ベース:Freedom Custom Guitar Research

ギターやベースを選択する時は、どうしてもFender や Gibson に真っ先に行くのではないでしょうか?ですが、老舗メーカーから一歩引いて様々なメーカーを見てみると、見えなかったすばらしいメーカーも存在していることに気づくでしょう。

今回は、そんなメーカーの1つで、私が一番おすすめしたい「 Freedom Custom Guitar Research(以下、Freedom CGR) 」というメーカーについて、記載していきます。

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色々弾いた中でもオススメする理由

私の用途はバンド内で用いることがほとんどです。コードもギターソロも弾きます。その中で、以下を主な基準として重要視にしています。この重要視している観点は、Freedom CGRをおすすめしたい理由に直結します。

  • コードの分離が良く、キレイに鳴るもの
  • 長時間弾いても疲れない
  • 弾いた時、ボディ材がしっかり響いているもの
  • ずっと使い続けられるもの
  • 色んなジャンルに使えそうなもの

楽器は、やりたいジャンルや出したい音、演奏しやすさなど、様々な点で買い替えすることが多いかもしれません。(買い替えするのは、楽器だけのことではありませんが…)「隣の芝生は青い」ではないですが、他人が持っているものを欲しくなったりもするでしょう。初めの1本を除けば、買い替え前提で買おうとすることはないとは、きっとないでしょう。しかし、妥協して買ったり色々な楽器店を訪れると、後で後悔することもあります。その度に、これではいくらお金があってもキリがありません。そのため、私は結構慎重に悩み、検討します。個体差もあるので、色んな店舗で色んな楽器を試奏してきました。

※その間に誰かに買われてしまったら、「あぁ、縁がなかったんだな。」と思うようにしています。

ちなみに、私が今まで試奏もしくは所持してきた経験があるものには、新品/中古の差はあれど、ストラトキャスタータイプ、テレキャスター、レスポール、ES-335があります。ありきたりですが、一番好きなのはストラトキャスタータイプですね。

会社の特徴

1998年春に創業のFreedom CGRは、荒川区町屋という東京の下町にある工房で、オリジナルのエレキギター/エレキベースの製造・販売を主に行っている日本国内のメーカーです。その他にも、Florance Pickups(VooDoo)及び関連商品の輸入販売、「青線 BLUE STIPE」に代表される KATANASOUND EFFECT PEDALSの販売などを行っています。
Freedom CGRの注目すべき特徴は、以下です。
木材選定から完成の全工程を一か所で
厳選された木材の一番良い時を選んで即制作に入れるので、コンディションの良い物が作れます。加えて、その木材の特徴や個性を最大限に活かせるため、よりユーザーの要求に見合った楽器が作れます。
全モデルがセミオーダーによる楽器制作
Freedom CGRでは、プロでも、趣味でも、ユーザーに100%満足してもらえることを常に考えています。そのため、ユーザー1人1人の求めるサウンドや仕様、カラーなどの要求に近づける努力は惜しまず、ユーザーの要望に高いレベルで応えてくれます。メーカーの方と話していると、この考えや姿勢が伝わってきて、細かい要求をできるだけ引き出そうとしてくれます。また、要求を実現させるために、あえて機械に任せる工程と手作業でなければならない工程をきっちり分けています。これらの積み重ねが、より細部までこだわり抜き、痒い所に手が届くような仕上がりに繋がります。まさに世界に1つだけの楽器が、でき上がることでしょう。
もちろん制作時だけでなく、ユーザー1人1人の弾き方から、何が一番良いか?を見極めた修理がされますので、常に高い品質を維持できます。
※オーダーの内容については、こちらも参照ください。非常に細かい選択ができます。
メンテナンスフリーな楽器制作
メンテナンスフリーと言うと、誤解を生むかもしれませんが、使われたり、保管される環境は千差万別です。どんな環境においても、耐えうる楽器を制作することを念頭においています。本当は良くないですが、「1年以上放置していた」「ケースに入れっぱなしで弾いていない」「全く手入れをしていない」という非常に悪影響を及ぼす環境においても、ネックの反りなどの楽器の状態は維持されていたという話もあります。これには、社長の強い思いが職人の方々にも浸透しているからこそだと思います。
最低でも、半世紀持つものを
社長は深野真さんという方ですが、ビンテージギターや創世記のアメリカのメーカーを非常に好んでいるようです。そのため、ビンテージギターに追いつくには「最低でも4,50年持つものを!」「狂わず壊れず良い音を!」という思いで、耐久性にもこだわって制作されているようです。
もちろんサウンドの面でも、ビンテージとして扱われることを念頭においたサウンドメイクがされています。
100年保証
上記までに記載した内容も含め、絶対的な自信があるのでしょう。通常ではありえない「100年保証」があります。保証書がある限り、適切な使用のもとでのネックの反り、捩れ、ボディの割れ等の不良、故障が発生した場合は対象となります。

楽器の特徴

ここでは、楽器自体の特徴を記載していこうと思います。
フレット
オリジナルの製品で5種類から選べます。大きく分けて、Stainless Fret と Nickel silver Fret という2種類で、中でもStainless Fret が個人的にはおすすめです。「錆びない」だけでなく、「自然な音」「立ち上がりの良さ」「弾きやすさ」を兼ね備えており、硬さの違いで「SPEEDY」「WARM」が存在します。「SPEEDY」の方が硬く、音の分離も良いと思います。より自然な音を求めるなら「WARM」です。ちなみに、フレットの打ち直しの際は、ネックの反り方に合わせた打ち込みや調整をしてくれるこだわりです。
弦の張り
何より驚くのは、「弦高が低いのにビビらないこと」です。また、弦を弾いた時の感触が格別です。ユーザーのためには、ちょっとした細かい手間を惜しまないと感じさせられます。どの弦にも同じくらいのテンションがかかっていることが実感でき、多少時間が経った弦でも、新品のような弾き心地です。た、チューニングが狂うこともほぼないです。弦を馴染ませるために引っ張るのはもちろんのこと、他にもナットやブリッジでも癖付けも行われているためだと思います。この ひと手間 が重要なんだ!と痛感しました。
ネックジョイント
これは、Freedom CGRで特許を取得している方式です。日本古来からの建築技法でもある「あり溝」と1つのボルトでのジョイント方法です。これは単にジョイントで使用するだけでなく、トーンコントロールにも使用できます。このコントロールには、六角レンチを使用して調整します。時計回りに回せばネジが締まり、「倍音:減、アタック:強」となり、スピードと音程感が増します。初期位置は、時計回りいっぱいに回した状態になっています。反時計回りに回すとネジが緩み、「倍音:増、アタック:弱」となり、ヴィンテージのような倍音豊かでふくよかな音になります。変化幅は約90度のようです。
カラーリング
不景気により、売られている塗料は廃盤が続く中、Freedom CGRでは、独自に作成した5色(赤、青、黄など)を常備しているようです。それらから150色以上のカラーを作り出しています。一般的な単色はもちろんのこと、特定の木材だけのカラーや、特定の時間帯をイメージしたカラーリングも存在します。興味がある方は、一部ですが、こちらを参照ください。
価格
良いことばかりではありません。これだけ、手間をかけ、良いものを作ろうとしているのです。それ相応の価格はします。私が見てきた限りでは、新品でベーシックな仕様でも、最低で約30万(税込)、高いと約80万(税込)です。カスタムを重ねれば、さらに高価なものになります。中古でも20万を下回ることは、稀でしょう。。。ですが、Freedom CGRの楽器の仕様と出来上がりは「それでも安い」と思えるものも多いです。某F社、某G社、某P社で同じような仕様を入手しようとした場合は、1.3倍~1.5倍はするかもしれません。また、弾いてみればその弾きやすさは、素晴らしいと思います。なので、日本国内で一生モノを買うには、このメーカーの楽器をおすすめしたいです。けど、やっぱり高い・・・
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生産しているシリーズ

Freedomは、前述の通りセミオーダー制を取っていますが、ベースとなる各シリーズの特徴について記載します。

エレキギター

EZa

ネックジョイントは、プレートによる4点止めで、25インチスケールを採用したモデルです。最も安価なシリーズでもあります。とは言っても、ボディ鳴りを最大限に活かせるように極薄仕上げの塗装(ポリウレタン)であったり、ボディ材もアルダーかアッシュを使用するなどの工夫がされています。後述のHydraの簡易版のような立ち位置です。

Hydra series > Hydra

トップ材にフィギュアドメイプル、バックにアルダーを用いたシリーズです。音量に頼らずとも埋もれず、クリアな音が得られます。細かく繊細なニュアンスを出したい人にも適したモデルです。GibsonやSCHECTERなどのキルティッドメイプルが好きな方は、一見の価値ありです。

Hydra series > Hydra Classic

ボディ材もアルダーかアッシュを使用し、クラシカルな音が得られます。レンジが広く、汎用性に優れたモデルです。前述のHydraとは、ペグ、ナット、ピックアップも異なってきます。

Pepper series > ST Pepper

ストラトキャスタータイプの形状ですが、ホロウ構造を持っており、重量も通常のストラトキャスタータイプより軽め(3kg以下)になっています。軽くしたからと言って、バランスが崩れることもなく、不自然さは感じませんでした。また、Freedomオリジナルの Hybrid HB Type Ⅱというピックアップを搭載しています。コントロールを「1Vol. / 1Tone / 1Tap Ctr. / 3way Switch」とすることで、Tapスイッチにより、ハムバッカーとシングルの切り替えも可能です。ホロウ構造と合い重なり、バリエーション豊かな音作りが見込めます。

Pepper series > Red Pepper

歯切れのよいテレキャスタータイプのフルホロウモデルになります。ホロウ加工では、ボディ背面よりブリッジ下を除く部分をくりぬき、背面から蓋をしています。最軽量モデルですが、ハムバッカーのピックアップをフロントに搭載しています。なお、ToneスイッチがTapスイッチになっており、ハムバッカーとシングルの切り替えが可能です。

Pepper series > Brown Pepper

Red Pepperとの違いは、ボディのトップからブリッジ下を除く部分をくりぬき、トップから蓋をしているところです。最もウォームな箱鳴りを持ち、Redよりも柔らか目な空気感のある、シリーズ中最も倍音豊かな暖かいサウンドをもたらします。こちらもToneスイッチがTapスイッチになっており、ハムバッカーとシングルの切り替えが可能です。

Pepper series > Green Pepper

中央部分(ブリッジ・ピックアップが乗るライン)以外をくりぬき、トップと背面の両方からふたをしているセミホロウの構造です。また、フロントピックアップにP-90タイプのハムバッカーを搭載しています。これらの構造により、太くメロウな生鳴りを可能にし、サスティーンの効いたサウンドとなっています。

Pepper series > Black Pepper

Green Pepper同様のセミホロウですが、こちらは片面は一体となっています。セミアコのような空気感を含むトーンとサスティーンを実現するため、歪みのサウンドでも存分に対応できるモデルです。また、GreenPepperにはなったTap式のToneスイッチとなっており、ハムバッカーとシングルの切り替えが可能です。

RR series >  RRC

カーブドメイプルトップのソリッドボディモデルです。ヴィンテージギターのようなサウンドとボディバランスを兼ね備えています。「1Vol. / 1Tone / 2Tap Ctr. / 3way Switch」のコントロールとなっており、2つのTapスイッチが存在します。標準仕様で最も高価なモデルです。

RR series >  RRF

RRCのフラットトップバージョンに良いづけられたモデルです。ヘビィな歪でも芯を失わず、非常にRock向きなギターです。こちらのコントロールは、「2Vol. / 1Tone / 1Tap Ctr. / 3way Switch」です。

RR series >  RRH

フラットトップのホロウボディモデルになっています。サウンドホールは、トップではなく、3Way Switch側の側面に存在しています。このため、本来のボディトップ材の音を存分に生かしつつ、ホロウサウンドを実現することが可能です。なお、本モデルは「1Vol. / 1Tone / 2Tap Ctr. / 3way Switch」のコントロールです。

RR series >  RRCH

カーブドトップのホロウボディモデルで、ジャズ系の音楽向きです。特殊なセンターブロックを採用し、コンプ感と豊かなミッドレンジを持ち併せています。コントロールは、「1Vol. / 1Tone / 2Tap Ctr. / 3way Switch」です。

RR series >  RRS

フラットトップのソリッドボディモデルです。オリジナルピックアップのF-90もしくは、Hybrid Humbuckerを選択できます。F-90ではワイドレンジで音ヌケも良い音をもたらし、マホガニーボディによる粘り、歯切れよさとロングサスティーンも併せ持ちます。まさに、パワフルなRockサウンドを必要とするオーナー向けです。

RR series >  RRS BRAVERY

RRS同様のソリッドボディモデルですが、こちらはボルトオンネック使用になっています。なお、RR seriesの他のモデルはセットネックになっていますので、RR seriesでボトルオンネックが良ければ、コレ一択です。また、Tapスイッチで切り替えることで、エッジの効いたワイルドなサウンドと、ファットだけど輪郭がある抜けの良いサウンドを奏でることが可能です。コントロールは、「2Vol. / 1Tone / 1Tap Ctr. / 3way Switch」です。

Retro series

よく知られるストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスターの3つタイプそれぞれを、Freedom CGRの技術で作り上げたようなモデルです。独自のボディ構造などを作るのではありません。3つのタイプをベースにFreedom CGR独自の選択肢、技術でオーナーの様々なニーズに応えます。

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エレキベース

基本的に各モデルにおいて、4弦と5弦のモデルが存在しています。ネックジョイントは、基本的に「Arimizo & One Point Joint」が使われています。

Anthra

このシリーズは、エレキギターのEZaに近い仕様をしており、最も安価なシリーズです。プレートはありませんが「4点止めネックジョイント」、「極薄仕上げのポリウレタン塗装」を採用しています。また、オリジナルのブリッジ、ピックアップ「Bell Bottom 19mm Pitch Set」を装備し、暖かみのあるサウンドを実現もしています。ボディ鳴りを最大限に活かし、暖かみがあり自然に溶け込むようなベース音が欲しい場合は、これです。

Dulake series >  Dulake

カーブドボディで、フィギュアメイプルを初めとする3種の木材が使われています。どっしりと構えるようなベースラインでサスティーンもしっかり伸びてくれます。また、コントロールは「2Vol / 1Tone (Push:Active / Pull:Passive) / Treble / Bass」となっていて、1台でアクティブモードとパッシブモードを切り替えることができます。

Dulake series >  Dulake Flat

Dulakeと後述のDulake Liberoの中間のようなモデルです。フラットボディで、音が太く、立ち上がりが良いです。そのため、単音で1音1音をはっきり出すような奏法に向いている傾向があります。こちらもコントロールは「2Vol / 1Tone (Push:Active / Pull:Passive) / Treble / Bass」となっており、豊かなサスティーンとミッドローが得られます。

Dulake series >  Dulake Flat-6st.

Dulake Flatの6弦バージョンです。6弦が欲しい場合は、これ一択です。音域は、Low B から Hi C までです。6弦にするために、レスポンスが良く、極力違和感が少なくて済むような細かい仕様変更が行われています。コントロールも「2Vol / 1Tone (Push:Active / Pull:Passive) / Treble / Middle / Bass」となっており、Middleが増えています。 

Dulake series >  Dulake Libero

フラットボディを採用し、Dulake seriesの中で一番オールマイティーで使えるモデルです。細かい表現をしやすく、広いレンジで音抜けも良いです。スライド奏法などで、幅広くフレットを使うようなフレーズに向いている傾向があります。コントロールは「2Vol / 1Tone (Push:Active / Pull:Passive) / Treble / Bass」です。

Rhino

バンドの中でもクリアで圧倒的な抜けを持つミッドローサウンドで、細やかな表現も可能です。倍音を含ませた包み込むようなベースラインのため、こちらもオールマイティーで使えるようなモデルです。コントロールは「2Vol / 1Tone / Treble / Bass」です。Rhinoでは、ミニスイッチでActive / Passiveの切り替えが可能です。

Retro series

こちらは、エレキギターのRetro seriesと同じ立ち位置です。一般的に知られるジャズベース、もしくはプレシジョンベースの2つタイプをベースに、Freedom CGRの技術で作り上げたようなモデルです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

なかなか置いている楽器店も限られますし、やはり高額ではあります。ですが、額に見合うだけの仕様とサポートがあるのが、このメーカー:Freedom Custom Guitar Researchです。見かけることがあれば、ぜひ試奏してみてください。

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