【参考情報】Neural DSP QUAD CORTEX を使ってみた

現在、プロがこぞって使いたいような機種なのに欠品が続いている Neural DSP社の「QUAD CORTEX」。

何ができるかと言えば、アンプのコピーやエフェクトのルーティングを自由にできます。別記事で紹介しましたが、Fractal Axe-FXシリーズとKemperの良い所取りのような存在の物です。

今回は、そんな「QUAD CORTEX」を使った感触をまとめてみようと思います!

質問がありましたら、遠慮なくどうぞ!

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いざ、開梱!

さっそく開梱してみました。購入したものを開梱する時は、どんなものでも緊張します。

外箱は以下のような感じで、ブランド品の箱のような印象です。黒い箱に、赤い帯がされ、ビニールの袋に入っています。

開封してみると、スポンジ状のもので固定されています。

そのスポンジ状のものを外すと以下のように本体が入っていました。

本体の大きさは、A4サイズよりも小さいです。全体的に非常にスタイリッシュでおしゃれな印象で、私は好きです。また、本体はアルミニウム製のボディが採用されているようです。耐摩耗性、耐腐食性を有しているアルマイト処理が表面にされています。印字もレーザー刻印され、擦れて消えてしまうリスクは軽減されています。

そして、内容もシンプルでした。本体の下には、説明書関連があります。

脇の箱の中身は「電源アダプター」や「USBケーブル」の付属品です。USBケーブルは TYPE-A ⇔ TYPE-Bの形状で、PCとの接続に使用します。また「4つのゴム足」「オリジナルピック」「3つの電源アダプターの端子変換用パーツ」となっています。

本体を出してみるとこんな感じです。電源を入れてみると、非常にきれいなディスプレイ表示がされます。

また、DSPによる演算処理で熱を出すため、サイドと裏には排気口がありました。DSPのような高速演算処理を行う機材には、どうしても熱対策は必須になりますね。。。

操作部

ここでは、操作部を見ていきましょう。

フットスイッチ

最大の特徴は、フットスイッチがコントロールノブの役割も担っていることでしょう。これのおかげでユーザーが使用するノブやスイッチの数を減らすことができ、よりコンパクトなサイズに収められています。

フットスイッチをコントロールノブとして使用す際は、回転させることでGAINやEQなどのパラメータ値を変化させることができます。回転しやすいように、スイッチはつるつるにはなっていません。また、スイッチを回す感触は、カチカチと確かな抵抗があり、1目盛りずつ変化させるようなイメージです。通常のコンパクトエフェクターのようにスムーズに抵抗なく回る仕様ではありません。

なお、モードの切り替えは、右下と右中央の2つのスイッチを同時踏みし、バンクの切り替えは右上と右中央のフットスイッチを使用します。また、チューナーを利用する際は、右下のフットスイッチを長押しです。短押しで2回押すと、タップテンポとして機能します。

タッチパネル

タッチパネルですが、7インチ(約15.5cm x 約9cm)と大きいタッチパネルです。2021/10時点で最新の iPhone13 が6.7インチだったりするので、非常に大きいです。

「7インチディスプレイ」「タッチパネルで触れる頻度も多い」「すぐ近くのフットスイッチを踏む」ということで、Neural DSP社 もディスプレイは強化しているようです。「化学的に強化された保護ガラスと強化タッチセンサーパネルで保護されている」と、公表しています。

電源ボタン

電源ボタンは、左上に存在し、設定で感度を選択することができます。

押下することで、「シャットダウン」「再起動」を実施したり、「スタンバイ」状態に移行することができます。

ボリュームホイール

ボリュームホイールは、左側に存在し、QUAD CORTEXから出力するマスターボリュームとなります。

ダイヤルを回すことで、値を0から100で設定できます。ケーブルの抜き差しや電源を切断する時は、ここを左に回し切ると良いです。

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インターフェース

外部機器と接続するインターフェースは、背面にのみ搭載されています。

 

装備されているインターフェースを以下にまとめます。

名称説明
INPUT 11つ目の楽器を差し込む端子です。

TS 端子、TSR端子、XLR端子を接続することができます。

INPUT 22つ目の楽器を差し込む端子です。

TS 端子、TSR端子、XLR端子を接続することができます。

SEND 1FX LOOP で使用します。
RETURN 1FX LOOP で使用します。3つ以上の楽器を使用する際は、こちらの端子を使用することもできます。
SEND 2FX LOOP で使用します。
RETURN 2FX LOOP で使用します。3つ以上の楽器を使用する際は、こちらの端子を使用することもできます。
OUT 3/LTS端子で出力する場合に使用します。

ステレオ出力の場合は L 側になります。

OUT 4/RTS端子で出力する場合に使用します。

ステレオ出力の場合は R 側になります。

CAPTURE OUTアンプをコピーする機能「Neural Capture」を利用する際に使用します。
HEADPHONE OUTヘッドホンを挿す端子です。
OUT 1/LXLR端子を要求する機材に出力する時に挿す端子です。

ステレオ出力の場合は L 側になります。

OUT 2/RXLR端子を要求する機材に出力する時に挿す端子です。

ステレオ出力の場合は R 側になります。

MIDI INmidi を使用する際にmidi信号の入力端子として扱います。
MIDI THRU/ OUTmidi を使用する際にmidi信号の出力端子として扱います。

MIDI INの信号を出力させるか、MIDI INの信号に因らない信号を出力させるかは、設定で変更できます。

EXP 1エクスプレッションペダルを利用する時に、使用します。
EXP 2エクスプレッションペダルを利用する時に、使用します。
USBオーディオインターフェースとして機能させるときに接続します。

ただし、Windows PCの場合は、ASIO®ドライバーのインストールが必要です。

電源電源アダプターの挿し口です。

直流 12Vで、3Aを必要とします。センターマイナスです。

使ってみた感想

実際に使ってみた感想を記載していきます。

ディスプレイ

まず、タッチディスプレイゆえに直感的な操作が可能なのは、非常に良いです。しかも、非常にきれい。7インチディスプレイということもあり、間違って隣のエフェクトを選択してしまうような意図しない操作はせずに済むでしょう。

タッチディスプレイで行える操作は、エフェクトのルーティングの設定だけに留まらず、システムに関する設定などのあらゆる操作が行えます。そのため、PCがなくても、問題なく使用することができるでしょう。ルーティングの実際の操作で言えば、指による「シングルタッチ」と「ドラッグ&ドロップ」により行うことが可能です。タブレット端末のように、簡単な決まった操作で、あらゆることができるようになっています。

タッチディスプレイに対して 1つ言うとすれば、あらゆる操作が行えるゆえに頻繁に触れる場所ということです。このティスプレイを操作の要になるのは、間違いありません。そのため、「ディスプレイは強化している」とはいえ、衝撃や埃、手垢、光の反射などの影響が気になってくるかもしれません。そのため、私は保護シートは必要になってくると思います。しかし、7インチサイズなので既製品ではなかなかありません。専用のものがあるようですが 最低でも2,000円弱します。なので、百均などで フリーサイズのものを購入し、自分で切って使うのも良いかなと思います。

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ルーティングの自由度は非常に高いです。原音のみのルートを作成することもできるので、Fractal Axe-FXシリーズの小規模版と思って良いと思います。搭載しているアンプ数、キャビネット数、エフェクト数は少ないと感じる人もいるかもしれませんが、今後のファームウェアアップデートなどで増えていくと思うので、重要視はしなくて良いと思います。

また、アンプ、キャビネット、エフェクトは、32個(横:8列、縦:4行)のブロックの升目にルーティングを設定していきます。1行に対して1つの入出力を設けることで、最高で4つの楽器に対して同時に各々のエフェクトをかけることが可能になります。非常に便利ですね。

フットスイッチ

正直、使用期間が短いので正確な耐久性は分かりませんが、触った印象としては「BOSS の MS-xxシリーズ」や「Free the tone の ARC-xxシリーズ」ようにしっかりしている印象はあります。

「操作部」で少し触れましたが、右側の3つのフットスイッチは「モード切り替え」「バンク切り替え」「チューナーの起動」「タップテンポ」に使われます。その他の8つは切り替えとパラメータのコントロールノブの役割を果たします。ただし、右中央のフットスイッチは、パラメータのコントロールノブとして機能する場合があります。

パラメータのコントロールノブとして各フットスイッチを機能させる場合、ディスプレイに表示されている位置と一致しているので、非常に分かりやすいです。下図の例で言うと、フットスイッチ上段がディスプレイ上の上段のパラメータに対応し、下段がディスプレイ上の下段のパラメータに対応しています。パラメータと連動している有効なフットスイッチにはLEDが点灯していて、「ディスプレイ上のパラメータ位置」と「フットスイッチの位置」は一致してます。

また、ディスプレイ上のパラメータをドラッグしても変更できますが、フットスイッチを使うことで最小単位を「1」ずつ増減させることができます。12.3であれば「3」を、456であれば「6」を、増減させます。「より正確に細かく設定する」「数値を目安にパラメータを設定する」と言った際には、便利だと思います。

ちなみに、フットスイッチを踏み込んだ時は、カチッという感触(音)はしません。

フットスイッチで私が気になる点としては、「フットスイッチの間隔」です。縦:約4cm、横:約5cm という距離でフットスイッチが配置されているので、「間違って隣を押してしまった・・・」という人も出てくるかもしれません。

DSPの性能

「QUAD CORTEX」は、合計6つのコア:「4個の SHARC®+」と「2個ARM Cortex-A5」で構成された専用のDSPを搭載しています。

非常に処理能力が高いと謳っていますが、同じように処理能力をうたっているAxe-FXⅢでは、少し歪みを重ねたり、並列のラインを組み合わせると、CPUが85%になったりしました。Axe-FXⅡ XL や AX8 に関しては、ぶつぶつ音が途切れました。

そのため、実際に歪系や空間系を多連にしたり、複雑な経路を施した場合はどうなのか気になりました。

そこで、下図のように「これでもか!」っていうくらいのエフェクトを並べて、「QUAD CORTEX」でどのように動作するか試奏してみました。これだけ使って、ようやくCPUの使用率が83%となっていました。ちなみに、工場出荷状態のプリセットでは、25%~27%程度で落ち着いています。

この状態で試奏した結果、音切れは全くありませんでした。すごいです。。。ちなみに、エフェクトのOn/Offによる音切れは一切起きません。バンクの切り替えなどでルーティングを切り替える時のみ、体感で0.3~0.4秒の音切れが発生するイメージです。

また、エフェクトを並べていて分かったのですが、エフェクトによって、最大数が決められているようですね。仕様の設置上限を超えた場合、エフェクトを設置しようとすると以下のようにグレーダウンされていました。詳細は取扱説明書などで見てみようと思いますが、この仕様もCPUへの負荷の軽減に非常に役立っているのだと思います。

なお、開封時の記述でも記載軽く記載しましたが、どうしても熱は発生してしまいますね。これは、高速な演算処理をDSPで行う弊害として仕方のないことかと思います。ですが、サイド(2か所)と底面(1か所)に通気口があって熱対策はされているので、使用する度に気にする必要はないかと思います。ちなみに、1時間以上付けて操作をし続けるような状態で放置していましたが、動作異常のような現象は一切発生しませんでした。

音質

使用してみた時の音質ですが、非常にクリアで素晴らしいと思いました。解像度も高く空間系のエフェクトもきれいにかかってくれると思います。

とはいえ「百聞は一見に如かず」なので、実際に録音した音を掲載します。比較対象として、Axe-FXⅢとKemperでの音源も入れています。ただし、アンプの現物を持っているわけではないので、極力同じ種類のアンプを使用しています。細かいエフェクトなども極力同じような構成の元で録音しました。なお、フレーズに関しては、ルーパー:RC-3(BOSS製)で録音したものを再生して入力させています。そのため、原音に関しては差異が発生しません。

いかがでしょうか?

このグレードのものであれば、各々の好みの因るところが大きいとは思います。個人的には、「QUAD CORTEX」は、Fractal Axe-FXシリーズ寄りの音だと思っています。この品質であれば、Axe-FXシリーズよりも小型で価格も安い「QUAD CORTEX」の方が入手する障害も少なくて済みそうですね。Fractal Axe-FXシリーズのアドバンテージが減ってきたように感じます。よりリアルな音作りに拘るというのであれば、アンプを含む歪系を「Kemper」で対応し、空間系は「QUAD CORTEX」で対応すると構成を、おすすめしたいなぁと思います。経済面を考えなければ・・・ですが。。。

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まとめ

今回は、プロも欲しがる「QUAD CORTEX」を使ってみた感想を記載してみました。

「クリアな音質で、処理能力も高く、個人的には非常におすすめできる!」そんな機材だと思います。

しかし、「Neural DSP QUAD CORTEX」は人気過ぎて、入荷してもすぐに売れてしまい、欠品が続いています。2021/10時点では、ネット上でも予約販売です。

安定供給されるには、時間がかかると思いますが、今後もし試奏するような機会がありましたら、ぜひ触ってみて下さい。

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