【参考情報】QUAD CORTEX をオーディオインターフェースとして利用するには

プロも注目し、注目を浴びている フロア型モデラーである Neural DSP社の「QUAD CORTEX」。

今回は、そんな「QUAD CORTEX」の使い方の中でも「オーディオインターフェースしても使いたい!」という人向けの内容をまとめます。

なお、情報は、CorOS 1.2.2時点でのものになっています。

質問がありましたら、遠慮なくどうぞ!

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オーディオインターフェースとしての利用

Quad Cortexは、付属のUSBケーブル(Quad Cortex側は TYPE-B)を使用してPCと接続することで、オーディオインターフェースとして利用することができます。

なお、USBの規格は2.0以上のもの、ビット数は24bit、サンプリング周波数は48kHzで固定となっています。Protools や Cubaseと言った主要なDAWに対応しています。ただし、USBのポートには注意が必要で、マザーボードに直結しているポートに挿してください。USBハブなどを経由してマザーボードに直結していない場合、正常に動作しない可能性があるようです。

PCの設定

PC側の設定ですが、Windows OS と Mac OS では手順が異なります。

Windows OS のPCでは、以下の手順を踏んでください

  1. Neural DSPウェブサイトから別途ドライバー(Quad Cortex)をダウンロードし、インストールする。
    • ダウンロードURLはこちらですが、Neural DSPのアカウントが必要になります。
    • Quad Cortexドライバは「C:\Program Files\NeuralDSP\USB Audio Device Driver」にインストールされます。(デフォルト時)
  2. インストールが完了後、PCとQuad Cortex本体を再起動する。
  3. [コントロールパネル] > [ハードウェアとサウンド] > [サウンド] を開く
    • タスクバーの「スピーカー」を右クリックして開くコンテキストメニューから「サウンド」を選択しても構いません。
  4. 「再生」タブで「Quad Cortex」が「規定のデバイス」となっていることを確認する。
  5. 「再生」タブで「Quad Cortex」を選択し、「プロパティ」ボタンを押下する。
  6. 「詳細」タブを選択し、「既定の形式」で「24ビット、48000Hz」が設定されていることをを確認する。
  7. 手順④~⑥と同様の手順を「録音」タブで行う。

Mac OSのPCの場合は、ドライバーは不要です。[システム環境設定] > [サウンド] で「Quad Cortex」を出力・入力デバイスに設定します。その後、Quad Cortexの「VOLUMEホイール」を使用して、出力音量を調整します。

PCの音声出力と録音

PCのサウンド設定で「既定のデバイス」として Quad Cortex が認識されている場合、PCの音声を出力を Quad Cortexを介して行うことができます。出力端子は基本的には「Output 1」と「Output 2」もしくは「Headphone OUT」です。

また、Quad Cortex でエフェクトブロックを通したサウンド(Wet信号)、原音(Dry 信号)をPCに入力することでDAW上で録音することができます。ただし、DAW上でインターフェースの設定が必要です。録音する場合は、Headphone端子で聴けるサウンドは、DAWを通す前のサウンド(Quad Cortexで作られたサウンドそのもの)になるので注意が必要です。

なお、入出力の端子は 切り替えることが可能です。グリッド上の一番左側の「Input」ブロックと一番右側の「Output」ブロックをタップすることで対応できます。USBを経由した場合、Quad Cortexは 各8つの入出力を備えた16個のUSBチャンネルを搭載しています。

各チャンネルの対応(Quad Cortex上でのマッピング)は、以下を参照ください。

DAW(ホスト)
USBチャンネル
説明QUAD CORTEX
USB チャンネル
Input 1「Input 1」「Input 2」からDAWへ送るD.I.の信号です。

DIトラックを録音するには、DAW側で「Input 1」「Input 2」を選択します。

Output 1
Input 2Output 2
Input 3各エフェクトブロックを介したサウンドを DAWに送るには、グリッド上の出力ブロックで「Output 3」「Output 4」を設定する必要があります。

また、DAWでは、「Input 3」「Input 4」を選択します。

Output 3
Input 4Output 4
Input 5役割は「Input 3」「Input 4」と同様です。

各エフェクトブロックを介したサウンドを DAWに送るには、グリッド上の出力ブロックで「USB Output 5」「USB Output 6」を設定する必要があります。

また、DAWでは、「Input 5」「Input 6」を選択します。

USB Output 5
Input 6USB Output 6
Input 7役割は「Input 3」「Input 4」と同様です。

各エフェクトブロックを介したサウンドを DAWに送るには、グリッド上の出力ブロックで「USB Output 7」「USB Output 8」を設定する必要があります。

また、DAWでは、「Input 7」「Input 8」を選択します。

USB Output 7
Input 8USB Output 8
Output 1XLR出力を介したDAWからの音声を再生出力します。

DAW側で「Output 1」「Output 2」を選択して、Quad Cortexの「Output 1」「Output 2」または「Headphones Out」から再生を聞きます。

Input 1
Output 2Input 2
Output 3TRS出力を介したDAWからの音声を再生出力します。

DAW側で「Output 3」「Output 4」を選択して、Quad Cortexの「Output 3」「Output 4」から再生を聞きます。

Input 3
Output 4Input 4
Output 5DAWからQuad Cortexの入力ブロックに手動でルーティングする必要があります。

DAW上で「Output 5」「Output 6」を選択して下さい。

USB Input 5
Output 6USB Input 6
Output 7DAWからQuad Cortexの入力ブロックに手動でルーティングする必要があります。

DAW上で「Output 7」「Output 8」を選択して下さい。

USB Input 7
Output 8USB Input 8
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Dry音(D.I.トラック)の録音

一般的なDAWでの録音方法は、入力された音の「Dry音(原音/D.I.(Direct Input)サウンド)」と「Wet音(エフェクト処理されたサウンド)」に対して同時に行われます。これは別々のルートで録音されます。しかし、Quad Cortexでは、Dry音とWet音の録音を 1種類のルートで行うことが可能です。上記の表を見てみると理解しやすいと思いますが、Dry音とWet音が別々の Output から出力されているためです。

実際の方法は、以下を参照してください。

  1. 入力するサウンド(楽器等)をQuad Cortexの「INPUT 1」から入力する
  2. モニター出力として、ヘッドフォンを「Headphone Out」に接続する
  3. Quad CortexをUSBケーブルでPCと接続する。
  4. DAWのオーディオインターフェースの設定で、Quad Cortex を設定する。
  5. オーディオトラック(モノラル)を作成し、入力ソースを「Input 1」に設定する。
    • このトラックに入力(録音)されるのは、Dry音です。
  6. オーディオトラック(ステレオ)を作成し、入力ソースを「Input 3」「Input 4」に設定する。
    • このトラックに入力(録音)されるのは、Wet音です。
  7. オーディオトラック(モノラル)/オーディオトラック(ステレオ)を録音待機状態にする
  8. DAWの通常のレコーディング操作と同様の処理を行う

D.I. レコーディングとリアンプ

Quad Cortexをオーディオインターフェースとして扱う場合でも、録音したD.I.トラック(Dry音)に対して、外部機器に入力して再度録音することが可能です。ここで言う外部機器は、アンプ(リアンプ処理)はもちろんのこと、Quad Cortex のエフェクトブロックを利用することも可能です。

Quad Cortexでのエフェクトのかけ方は、以下を参照してください。

  1. Dry音として扱いたいオーディオトラックの出力を、Quad Cortexの「Output 5」に設定する
  2. 処理させたいエフェクトブロックを設定した行のQuad Cortexの入力ブロックで「USB Input 5」を設定する
  3. DAW側で、PLAYを押下する

ここまでの手順で、Dry音にQuad Cortexのエフェクトブロックの処理を施すことができます。エフェクトブロックで処理されたWet音を録音する場合は続いて以下の手順を行ってください。

  1. DAW側で、別のオーディオトラック(ステレオ)を作成する
  2. 作成したオーディオトラックの入力ソースを「Input 3」「Input 4」に設定する。
  3. オーディオトラック(ステレオ)を録音待機状態にする
  4. DAWの通常のレコーディング操作と同様の処理を行う
出力ブロックを「Multi-Out」に設定して置くのも良いと思います。「Multi-Out」は、「Output 1」「Output 2」「Output 3」「Output 4」「USB」の全てに対して出力できる設定となっています。そのため、録音時は誤動作防止につながります。

iPhone、iPadとの接続

Apple製の「Lightning – USB 3カメラアダプタ」を利用することで、モバイル端末でもQuad Cortexをオーディオインターフェースとして使用することができます。

これにより、モバイル端末にインストールされている GarageBand などのDAWでも、気軽にオーディオインターフェースとしてQuad Cortexを使用することが可能です。

Lightning端子とUSB端子を変換するアダプタ

商品リンク

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まとめ

今回は、「QUAD CORTEX」をオーディオインターフェースとして利用する方法について記載しました。

音色作成のヒントにしていただければ、嬉しいです。

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