【2022.02.05時点】【参考情報】Neural DSP QUAD CORTEX の機能と基本操作の紹介

本記事では、Neural DSP社の「QUAD CORTEX」の機能と基本操作について、記載します。

なお、情報は、CorOS 1.3.2時点でのものになっています。

質問がありましたら、遠慮なくどうぞ!

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機能紹介

チューナー機能

QUAD CORTEX には、本気自体にチューナーの機能が搭載されています。別途チューナーを用意する必要はありません。

チューナーを利用する際は、一番右下のフットスイッチを長押しすることで起動します。

基準となるリファレンス周波数は、デフォルトでは440Hzです。これは、国際標準化機構(ISO)でリファレンス周波数は A(ラ)の音が 440Hzと定められているからでしょう。しかし、実際は 432Hz や 442Hz とすることもあるので、この設定値は変更できるようになっています。設定変更は、フットスイッチ:Aでも行うことが可能です。この点は、他の多くのチューナーではあまり見られない特徴かと思います。

また、デフォルトはINPUT 1の入力に対して反応しますが、設定次第でどの入力端子の信号にいたしても機能させることができます。

 

タップテンポ機能

一番右下のフットスイッチを2回連続で押下することでタップテンポ機能を使うことができます。

 

2回以上連続でフットスイッチを押下することで、押す感覚に応じてタップテンポを変更することが可能です。また、手動でフットスイッチやディスプレイ内のコントロールノブにより、テンポを変更することもできます。赤枠は、タップテンポのLEDの有効/無効を設定します。

また、タップテンポは、以下の3種類の使い分けができます。

タップテンポ名説明
Global Tempoすべてのプリセットとシーンに適用されるテンポです。
Scene Tempo各シーン毎に適用されるテンポです。
Preset Tempo各プリセット毎に適用されるテンポです。

CPUモニター機能

各エフェクト毎に、どの程度CPUを使用しているか?全体でどの程度CPUを使用しているか?を確認できるモニターを表示させることができます。これにより、どのエフェクトでどの程度の負荷がかかっているか?を視覚的に確認することができます。

モニターの表示方法は、右上のメインメニュー(縦方向の三点リーダー)を開き、「CPU Monitor」を押下するだけです。

なお、モニターを閉じたいときは、右上にある全体のCPU表示の「×」ボタンを押下すれば終了します。

3つの動作モード

QUAD CORTEX には、以下の3つのモードが備わっています。それぞれの特徴に基づいて、あらゆるプレイスタイルに対応することができます。もう少し詳しく、こちらでまとめています。

モード名説明
STOMP MODE決まったエフェクターを直列に並べて、1つ1つ操作するイメージです。
SCENE MODE決まった並びのエフェクター群のOn/Off を Free the toneのARC-3などのループスイッチャーで、一斉に切り替えるイメージです。

競合他社では、Axe-FXシリーズのルーティング管理の方法が相当します。

PRESET MODEエフェクターの並び事態をごっそり変えるイメージです。

競合他社では、Kemperシリーズのルーティング管理の方法が相当します。

なお、「一番右下にある2つのフットスイッチを同時押し」もしくは「タッチディスプレイの右上にあるモード名をタップ」することで、3つのモードの切り替えが可能です。

キャプチャー機能

キャプチャー機能は、簡単に言えば「コピー機能」です。これは、アンプの音だけに限らず、エフェクターのみ(歪み系に限る)の音でもコピー可能です。この点は、唯一の機能でしょう。

Axe-FX や Kemper のラインナップでも、エフェクターをかけた音をコピーすることはもちろんできます。しかし、それはアンプのコピーする機能を利用し、エフェクターをつなげたアンプの音をコピーする方法です。つまり、「エフェクターのみの音」をコピーするのではなく、「エフェクター+アンプ+キャビネット」の音をコピーすることになります。

実際に、歪み系エフェクターを対象に「実機の音」と「コピーした音」を比較したのですが、ほとんど違いは分かりませんでした。ちゃんと、コピーできています!

基本操作

3つの電源操作

Quad Cortexには、以下の3つの電源操作があります。これらの電源操作左上にある「ボリュームノブ」の上の「電源」ボタンを押すことで、表示されるメニューから行うことができます。

電源操作説明
SHUT DOWNQuad Cortex を シャットダウンします。

電源を再度入れたい場合は、「電源ボタンを押下する」もしくは「電源ケーブルを抜き差しする」ことで実施可能です。

REBOOTQuad Cortex を再起動します。

保存されていないデータがある場合は、保存されないので注意が必要です。

STANDBYQuad Cortex の画面が暗転します。

スタンバイ状態では、すべてのオーディオ出力が無効になります。

再度利用できる状態にするには、電源ボタンを押すことで、再びQuad Cortexが機能するようになります。

なお、QUAD CORTEXなどに限らず、マニュアルなどを見ると「電源ケーブルを抜けば良い」という意味の記載があります。しかし、私は電源が入っている状態で製品の電源ケーブルを抜くのは、機器の故障につながると感じているので極力避けたいです。なので、上記の「シャットダウン」を行い、電源を抜いています。

タッチディスプレイ上のジェスチャー操作

タッチディスプレイでできるジェスチャー操作をまとめます。

まずは、ルーティングに因らない操作です。

操作内容説明プレビュー
メニュー画面の表示右上の「縦方向の三点リーダー」のマークをタッチします。CPUモニター機能の欄を参照ください。
I/O セッティング画面の表示画面の上から下にスワイプすることで表示します。

各 I/O端子における様々な設定ができます。

EXP端子では、エクスプレッションペダルのキャリブレーションを行うことができます。

Gig View画面の表示画面の下から上にスワイプすることで表示します。

8つのフットスイッチに設定されている内容(以下参照)を確認することができます。

  • STOMP MODE:割り振られているエフェクト
  • PRESET MODE:割り振られているプリセット
  • SCENE MODE:割り振られているシーン

各エフェクト/プリセット/シーンをタッチすると、対応するプリセットが表示されます。

次に、ルーティングに関する操作です。

操作内容説明プレビュー
エフェクト追加グリッド上の空いているスペースをタップすることで、新しいエフェクトを追加できます。
パラメータ変更各エフェクトをタップすることで、パラメーター編集を行う画面を表示できます。

パラメータ値の変更は、画面に直接タッチもしくはドラッグするか、フットスイッチを回転させることで行うことができます。

また、パラメーターの値をタップすると、数値を打ち込むことで設定することが可能です。

タッチキーボードを使用して設定したい値を入力し、「Set」ボタンを押下してください。

※図はEQの場合です。

エフェクトの移動エフェクトをタップしてホールドし続けることで、ドラッグ&ドロップ(D&D)操作によるエフェクトの移動ができます。

削除する場合は、エフェクトを右上にドラッグすると行うことが可能です。

また、エフェクトを縦方向に移動すると、Splitter/Mixerパスが自動的に作成されます。

ーー
入出力の設定インプットとアウトプットのブロックをタップすることで、入出力端子の変更を行うことができます。

アウトプット端子については、ブロックをタップしてホールドすることで、「Volume」と「Pan」の設定ができます。

パスの追加ルーティングの空いたスペースをタップしてホールドし続けることで、新しいルートを作成することができます。

また、このルートには、分岐点を移動することも可能なので、設定の幅が広がります。

商品リンク

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まとめ

今回は、「QUAD CORTEX」の機能と基本操作について記載しました。

非常に単純な操作で人取りのことができるので、使いやすいと思います。

また、機能面でも「視覚的なCPU表示」や「チューナーでの変更可能なリファレンス周波数」などは痒いところに手が届く機能だと思います。感じました。

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