【電子ドラム】TD-50SC-Xの基礎知識~音源モジュールのグローバル設定(前編)~

色々TD-50Xの設定についてまとめてきましたが、最も基本的な設定であるグローバル設定について、今まで触れることが出来ていませんでした。

そのため、今回は、音源:TD-50Xの全体に影響する設定である「グローバル設定」について触れていこうと思います。

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SETUP MENU1

TD-50X において全体に影響を及ぼすグローバル設定の中でも、主に入出力設定に関する内容について記載していきます。

具体的には、「SEUP MENU1」の内容をまとめます。「SETUP MENU2」「SETUP MENU3」の内容については、後編にまとめます。

基本手順

基本的な手順は、以下になります。

  1. 「SETUP」ボタンを押下する。

    • SETUP MENU 画面が表示されます。
  2. PAGE「UP」「DOWN」ボタン および ファンクションボタン を使用して、設定したい内容を選択する。
  3. 選んだ設定内容に基づいて、設定を変更する。

    • 設定値は、「―」「+」で設定します。

なお、手順2で選択できる内容は、以下になります。

ページメニュー説明
SETUP MENU 1OUTPUT音の出力先を設定します。
USB AUDIOUSB AUDIOを設定します。
OPTIONプレビュー・ボタン、MIX IN 端子、ディスプレイなどを設定します。
CONTROLフットスイッチやパッドに機能を割り当てます。
SETUP MENU 2MIDI全体に影響する MIDI の設定をします。
AUTO OFFAUTO OFF の設定をします。
INFOTD-50X 本体に関する情報(メモリー残量、バージョン情報など)を表示します。
SETUP MENU 3FACTORY RESET 工場出荷時の設定に戻します。

以下から、それぞれのメニューの内容についてまとめていきます。

OUTPUT

出力の初期値は以下のようになっています。

端子出力の設定接続先
PHONESすべてモニター・ヘッドホン
MASTER OUTすべてドラム用モニター
DIRECT OUT 1KICKPA(外部ミキサー)
DIRECT OUT 2SNAREPA(外部ミキサー)
DIRECT OUT 3HI-HATPA(外部ミキサー)
DIRECT OUT 4 RIDEPA(外部ミキサー)
DIRECT OUT 5/6TOM 1~4(ステレオ)PA(外部ミキサー)
DIRECT OUT 7/8
  • CRASH 1、2
  • AUX1~4(ステレオ)
PA(外部ミキサー)

上記の設定内容を変更したい場合は、以下を参考にしてください。

PAD OUTPUT(1 ページ)

タブパラメータ設定値説明
MASTERPAD OUTPUT ASSIGN MASTER
  • PHONES(MASTER OFF)
  • PHONES+MASTER LR
各パッドのPHONES 端子、MASTER OUT 端子(Master Out:NORMAL の時)からの出力を設定します。
DIRECTPAD OUTPUT ASSIGN DIRECT
  • OFF
  • 1~8
  • 1+2
  • 3+4
  • 5+6
  • 7+8
  • MASTER DIRECT L
  • MASTER DIRECT R
  • MASTER DIRECT L+R
各パッドのDIRECT OUT 1~8 端子、MASTER OUT 端子(Master Out:DIRECTのとき)からの出力を設定します。
MONITORーーーー各端子の出力の音量を確認することができます。

なお、初期値に戻すときは、「F4」ボタン(DEFAULT)を押してください。

「F2」ボタン(DIRECT)を選んでいるときに「F4」ボタン(DEFAULT)を押すと、初期値のほかに、別の出力設定(STEREO ALL)を選ぶことができます。

また、画面に表示される頭文字は、それぞれにかのようになっています。

頭文字説明
KKICK
SSNARE
1~4TOM1~4
HHI-HAT
CCRASH1、2
RRIDE
AAUX1~4

OTHER OUTPUT(2 ページ)

タブパラメータ設定値説明
MASTERPAD OUTPUT ASSIGN MASTER
  • PHONES(MASTER OFF)
  • PHONES+MASTER LR
アンビエンス、MFX などの、PHONES 端子、MASTER OUT 端子(Master Out:NORMAL の時)からの出力を設定します。
DIRECTPAD OUTPUT ASSIGN DIRECT
  • OFF
  • 1~8
  • 1+2
  • 3+4
  • 5+6
  • 7+8
  • MASTER DIRECT L
  • MASTER DIRECT R
  • MASTER DIRECT L+R
アンビエンス、MFX などの、DIRECT OUT1~8 端子、MASTER OUT 端子(Master Out:DIRECT の時)からの出力を設定します。
MONITORーーーー各端子の出力の音量を確認することができます。

なお、初期値に戻すときは、「F4」ボタン(DEFAULT)を押してください。

また、画面に表示される頭文字は、それぞれにかのようになっています。

頭文字説明
OHオーバーヘッド
RMルーム
MFX1~3マルチ・エフェクト1~3
SONGソング
CLICKクリックと、ソングのクリック・トラックの出力
MIXINMIX IN 端子に入力された音
USB IN
(MAIN、SUB)
USB COMPUTER 端子に入力された音
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OUTPUT ROUTING(3 ページ)

タブパラメータ設定値説明
ROUTINGFader to Direct
  • OFF
  • ON
DIRECT OUT 端子からの出力に、フェーダーの値を反映するか(ON)/しないか(OFF)を設定します。

「OFF」に設定すると、DIRECT OUT 端子の出力は、パネルのフェーダーが無効になります。

また、OUTPUT ROUTING のMaster Out が「DIRECT」のときに、Fader to Direct を「OFF」に設定すると、MASTER OUT 端子からの出力も、パネルのフェーダーが無効になります。

PHONES 端子の出力は、Fader to Direct の設定にかかわらず、常にパネルのフェーダーが有効になります。

PA で調整する音のバランスとは別に、演奏者がモニターする音のバランスを手元のフェーダーで調整することができます。

USB オーディオから出力されるTD-50X の音にも有効です。

PadEq/Comp to Direct
  • OFF
  • ON
DIRECT OUT 端子から出力する音に、パッド・イコライザー(P.23)とパッド・コンプレッサー(P.23)の効果をかけるか(ON)/かけないか(OFF)を設定します。

「OFF」に設定すると、DIRECT OUT 端子の出力は、パッド・イコライザーとパッド・コンプレッサーがバイパスされます。

また、OUTPUT ROUTING のMaster Out が「DIRECT」のときに、PadEq/Comp to Direct を「OFF」に設定すると、MASTER OUT 端子の出力も、パッド・イコライザーとパッド・コンプレッサーがバイパスされます。

USB オーディオから出力されるTD-50X の音にも有効です。

PadComp to Phones
  • OFF
  • ON
PHONES 端子から出力する音に、パッド・コンプレッサー(P.23)の効果をかけるか(ON)/かけないか(OFF)を設定します。

「OFF」に設定すると、PHONES 端子の出力は、パッド・コンプレッサーが無効になります。

たとえば、ドラム用モニターやPA にパッド・コンプレッサーでダイナミクスを抑えた音作りをしつつ、モニター・ヘッドホンではダイナミクスを生かした音を聞きながら演奏できます。

Master Out
  • NORMAL
  • DIRECT
MASTER OUT 端子の出力を、DIRECT OUT 端子と同じ信号で出力するか(DIRECT)/しないか(NORMAL)を選びます。

「DIRECT」に設定すると、MASTER OUT 端子の出力は、マスター・コンプとマスターEQ の効果が無効になり、MASTER OUT 端子をDIRECT OUT 端子のように使うことができます([MASTER]つまみの設定は有効です)。

USB オーディオから出力されるTD-50X の音にも有効です。

LO CUTLoCut Frequency20 ~ 200Hz設定した周波数より低い周波数成分をカットします。

すべての出力端子で共通の設定になります。

DirectOut
  • OFF
  • ON
DIRECT OUT 端子から出力する音に、ロー・カットの効果をかけるか(ON)/かけないか(OFF)を設定します。

USB オーディオから出力されるTD-50X の音に、ロー・カットとアッテネーターの効果はかかりません。

MasterOut
  • OFF
  • ON
MASTER OUT 端子から出力する音に、ロー・カットの効果をかけるか(ON)/かけないか(OFF)を設定します。

USB オーディオから出力されるTD-50X の音に、ロー・カットとアッテネーターの効果はかかりません。

PhonesOut
  • OFF
  • ON
PHONES 端子から出力する音に、ロー・カットの効果をかけるか(ON)/かけないか(OFF)を設定します。
ATTDirect Out Att
  • -12 db
  • -6 db
  • 0 db
DIRECT OUT 端子の音量を下げます(アッテネーター)。

TD-50X の出力音が大きすぎて、受け取り側で歪んだりする場合に、音量を小さくすることができます。

すべてのDIRECT OUT 端子で有効です。

また、Master Out を「DIRECT」に設定すると、MASTER OUT 端子からの出力にも効果がかかります。

しかし、USB オーディオから出力されるTD-50X の音に、ロー・カットとアッテネーターの効果はかかりません。

なお、初期値に戻すときは、「F4」ボタン(DEFAULT)を押してください。

USB AUDIO

この内容については、別の記事(リンク)でまとめていますので、参考にしてください。

OPTION

設定内容は、以下になります。

タブパラメータ設定値説明
PREVIEWPreview Mode
  • FIXED
  • DRUM KIT
[PREVIEW]ボタンを押したときの音の鳴りかたを設定します。

【FIXED】
押す強さに関係なく一定の音量で鳴ります。

【DRUM KIT】
押す強さによってベロシティーが変化します。
ベロシティーは、接続されているパッドに応じて1~127 の間で変化します。
デジタル接続対応パッドは、1~127+32 の間で変化します。

Velocity 1 ~ 127+32Preview Mode を「FIXED」に設定したときのベロシティーを設定します。
MIX INGain
  • 0 dB
  • +6 dB
  • +12 dB
入力レベルの調節です。フロント・パネルとリア・パネルのMIX IN 端子で、共通の設定になります。
LCDContrast1 ~ 16ディスプレイのコントラストを設定します。
Brightness1 ~ 16ディスプレイの明るさを設定します。
CUSTOMIZE Guide Display Sw
  • OFF
  • ON
ページ切り替え時に画面に表示されるガイドの、表示(ON)/非表示(OFF)を設定します。
V-EDIT Layout
  • TYPE1
  • TYPE2
インストゥルメンタルのV-EDIT パラメーターの表示順番を変更できます。

【TYPE1】
TD-50X の初期値

【TYPE2】
TD-50 の表示順

CONTROL

設定内容は、以下になります。

タブパラメータ説明
FOOT SW
  • SW1
    (Foot Switch 1 Func)
  • SW2
    (Foot Switch 2 Func)
TD-50X に接続したアンラッチ式のフットスイッチに、機能を割り当てることができます。

2つのSWを使用する場合、TD-50X側は「ステレオ標準プラグ」での接続となります。そのため、標準プラグ×2 に分岐するケーブルが必要です。

【FS-5U 接続時】
SW1はRING、SW2はTIPで接続してください。

【FS-6 接続時】
「ステレオ標準プラグ」で接続すれば良いです。その際は、動作モードはFS-5Uとしてください。

どちらの場合も、ポラリティスイッチは左側にしてください。モノラルケーブルを使用して フットスイッチを1台のみ接続する場合は、SW2 にアサインされます。

PAD CTRL
  • Aux3 Head Func
  • Aux3 Rim Func
TRIGGER IN 端子13 / AUX3 に接続したパッドに、機能を割り当てます。

ヘッドとリムそれぞれに、機能を割り当てることができます。

  • Aux4 Head Func
  • Aux4 Rim Func
TRIGGER IN 端子14 / AUX4 に接続したパッドに、機能を割り当てます。

ヘッドとリムそれぞれに、機能を割り当てることができます。

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また、フットスイッチやパッドに割り当てられる機能は、以下になります。

設定値説明
OFF機能を割り当てません。
KIT# INC次のキットを呼び出します。
KIT# DEC 1 つ前のキットを呼び出します。
SETLIST# INC 次のセット・リストを呼び出します。
SETLIST# DEC 1 つの前のセット・リストを呼び出します。
SONG# INC次のソングを呼び出します。
SONG# DEC 1 つの前のソングを呼び出します。
SONG PLAYソングを再生します。
SONG STOPソングを停止します。
SONG TOPソングの先頭に移動します。
SONG PLAY/STOPソングを再生/停止します。
SONG AB REPEAT A-B リピートを設定します。
MFX 1 ON/OFFマルチ・エフェクト1 をオン/オフします。
MFX 2 ON/OFF マルチ・エフェクト2 をオン/オフします。
MFX 3 ON/OFFマルチ・エフェクト3 をオン/オフします。
XSTICK ON/OFF クロス・スティック音を鳴らす/鳴らさないを切り替えます。

デジタル接続対応のパッド のトリガーインプットがスネアに割り当てられている場合は、無効になります。

FIXED HH ON/OFFハイハットの設定「Fixed」を「CLOSE」にする/しないを切り替えます。
STRAINER ON/OFFスネアの設定「Strainer Adj.」を「OFF」にする/しないを切り替えます。
ALL SOUND OFF発音中のドラムの演奏音やユーザー・サンプルの演奏音を停止します。

商品情報

TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。

V-drumsのフラグシップシリーズで、島村楽器限定モデル

まとめ

今回は、音源:TD-50Xの全体に影響する設定である「グローバル設定」の「SEUP MENU1」の内容をまとめました。

グローバル設定は、基本的な設定も含まれる内容です。

ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。

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