プロも注目し、注目を浴びている フロア型モデラーである Neural DSP社の「QUAD CORTEX」。
今回は、そんな「QUAD CORTEX」の使い方の中でも「プリセット作成」で、誰しも行う操作に絞ってまとめます。
なお、情報は、CorOS 1.3.2時点でのものになっています。
質問がありましたら、遠慮なくどうぞ!
プリセットについて
プリセットとは、エフェクト、アンプ、インプット、アウトプットなどの「ブロック」を使用して、ユーザーが作成/保存したルーティング(リグ)の1つのことです。いわば、エフェクターボードのこと(エフェクトのOn/Off状態を含む)です。
Quad Cortex の フットスイッチに対し、1つのプリセットが設定されるイメージです。
なお、Quad Cortexでは、この1つ1つのプリセットを、動作モードに応じて「プリセット(Presetモード)」「シーン(Sceneモード)」と呼んでいます。そのため、「プリセット」が何を指しているかは注意が必要です。
この記事では、「プリセット(Presetモード)」「シーン(Sceneモード)」の総称としての「プリセット」を指しています。
プリセット設定時のディスプレイの表示内容
ここからは、以下の名称に基づいて、説明していきます。
プリセットが保存されている状態から変更が入っている場合は、
- プリセット名:「*」マークが最後に表示されます。
- 元に戻す:表示される
また、「元に戻す」を一度でも押している場合は、「やり直す」ボタンが表示されます。
ルーティングを作成できる「行」は4列あり、1列毎に最大8個のエフェクトブロックを設定することができます。
プリセットの作成方法
ここからは、プリセットの作成方法です。
基本手順を記載し、詳細な説明に入っていきます。
基本手順
基本的には、「ジェスチャー操作(タップ操作を含む)」「フットスイッチ」の2つの操作で設定することが可能です。
以下に手順を記載します。
- 空白のグリッドをタップする
- 使用したいエフェクトブロックを追加する
- 各パラメータを調整する
- ①から③の手順を繰り返す
- 作成したプリセットを保存する
以上の5ステップです。
なお、「グリッド」とは、ブロックを組み合わせてルーティング(リグ)を作成する画面のことだと考えて下さい。
エフェクトブロックの追加
まず、空白のグリッドをタップすることで、以下のデバイスカテゴリーリストが表示されます。この時タップした場所は、「+」で表されます。
指でスワイプして下にスクロールし、次に追加したいデバイスカテゴリーを選択します。
デバイスのカテゴリをタップすると、そのカテゴリーに準じたデバイスが表示されます。
このデバイスカテゴリーで選択したエフェクトブロックが、グリッド上に表示されるようになります。
既存のエフェクトブロックの変更
すでに設定したエフェクトブロックの位置を変更する場合は、をタップして入れ替え先のエフェクトブロックに持っていき(ドラッグ操作)、指を離せば(ドロップ操作)入れ替えができます。
なお、すでに設定したエフェクトブロックが入れ替え先に存在している場合は、入れ替え元と入れ替え先のエフェクトブロックが入れ替わるようになります。
エフェクトのパラメータ変更
設定されているエフェクトをタップすると、変更するための設定するエリアが表示されます。
パラメータ変更は、以下のどちらかで対応できます。
- ディスプレイ上の各パラメータをタップしてスライドする
- 対応するフットスイッチを回す。
対応するフットスイッチがどれか?ということですが、ディスプレイ上のパラメータの表示場所とフットスイッチの場所は、基本的に一致しています。もしくは「ディスプレイ上のパラメータの色でフットスイッチが点灯しているかどうか?」でも判断できる場合があります。そのため、対応フットスイッチの見分けることは簡単でしょう。
設定エリア内で選択しているエフェクト名(上記では「Guitar Amp Brit 2203」)を押下すると、メインメニューとは別の以下のメニューが開きます。
以下に各メニュー項目の内容について、まとめます。
メニュー項目 | 説明 |
Change device | 先述の「エフェクトブロックの追加」と同様のエフェクトブロックのライブラリーが開かれ、エフェクトブロックを変更できます。 |
Copy device | エフェクトブロックをクリップボードに、保存します。 |
Paste device | クリップボードに保存されたエフェクトブロックを貼り付けます。 |
Reset to defaults | エフェクトブロックの各パラメータをデフォルト値に戻します。 |
Set parameters as defaults | 設定しているパラメータ値をデフォルトのパラメータ値として扱うように設定します。 |
Assign Expression Pedal | エクスプレッションペダルでコントロールしたいパラメータを設定します。 |
Remove block from the grid | 選択しているエフェクトブロックをグリッド上から削除します。 |
なお、各エフェクトブロックの設定エリアが表示されいる時は、フットスイッチでエフェクトブロックの変更もできます。ディスプレイの右側にあるフットスイッチを回すことで、同じカテゴリー内にある別のエフェクトに切り替えることが可能です。
また、ルーティングを考える際に注意しておいた方が良いこととして、音が頭打ちになって潰れてしまう「クリッピング」があります。QUAD CORTEXには、このクリッピングを防止する機能(クリッピングアラート)も備わっています。クリッピングが発生していた場合は、クリッピングが発生しているインプットブロック や アウトプットブロック が赤くハイライトされるようになります。音が頭打ちになっていることが原因なので、「レベル」を下げることが回避策に繋がります。
プリセットの保存
プリセットが保存されている状態から変更がある場合、プリセット名の後ろに「*(スター)」が表示されます。この状態で、ディスプレイ右上の保存ボタンをタップすると、変更内容が上書き保存されます。
また、[メインメニュー] > [Save as] をタップして、別のプリセットとして保存することができます。保存時に後述の「ディレクトリー」が表示され、保存場所も選択できます。
保存時にユーザーが「New setlist」を押下して作成したセットリスト内のプリセットを選択した場合は、以下の画面が表示されます。
任意の「プリセット名」「タグ」を設定して「Save」ボタンにより保存します。複数のタグを入力する場合は、「カンマ」もしくは「スペース」で区切ることが可能です。別のセットリストに保存したくなった場合は、画面上部「Setlist」入力欄にある「change」ボタンをタップすることで「ディレクトリー」に戻って選び直すことが可能です。
ディレクトリー
ディスプレイ上の「プリセット名」をタップすると、「ディレクトリー」を表示します。
このディレクトリでは、Quad CortexとCortex Cloudに保存されているすべてのファイル(プリセット、Neural Captures、インパルスレスポンス)が表示され、確認・アクセスすることが可能です。
セットリスト
ディレクトリは、一番大きい単位として「セットリスト」で構成されています。QUAD CORTEXのプリセットモードやシーンモードのプリセット構成にも絡んでくる部分なので、重要な機能です。
1つのセットリストは バンク(32個)で構成され、1つのバンクはプリセット(8個)で構成されています。そのため、最大で 256個(32×8)のプリセットを保存することができます。
なお、セットリストはデフォルトで2種類登録されています。「0 Factory Library」「1 My Preset」です。この他にも「New Setlist」ボタンを押下することで最大10個のセットリストを作成することができます。そのため、最大12個のセットリストを扱えます。10個のセットリストが作られている状態では、「New Setlist」ボタンがグレーアウトします。任意で作成したセットリストを削除するしたい時は、タップし続けることで右上にに表示される「Delete」ボタンにドラッグしてください。セットリストは、用途ごと(バンド毎、ライブ毎など)に分けて、使うのが良い方法かと思います。
新しいセットリストを作成するには、グリッドの上部にある現在使用しているプリセット名をタップしてディレクトリーを開きます。
次に、右上の“New Setlist”ボタンをタップします。セットリストに名前を付け、右下の“Create”ボタンをタップします。
デフォルトではプリセットは現在使用しているセットリストに保存されます。
プリセット保存時のオプションとして保存先のセットリストを指定できます。
使用するセットリストを変更するには、ディレクトリーを開き、使用したいセットリストに移動します。
バンクの1つをタップしてプリセットをロードし、プリセットの1つを呼び出します。
セットリストを削除するには、デバイスディレクトリーリストから画面右上にドラッグ&ドロップします。
操作を完了するための確認を求める警告ダイアログが表示されます。
※セットリストを削除すると、セットリスト内部のすべてのプリセットも削除されます。
消去、編集、カット、コピー
操作したいプリセット上で左にスワイプすると、下図のように4つのアイコンが表示されます。下図では、1Aのプリセットを操作しています。
以下にそれぞれの情報をまとめます。
項目 | アイコンの場所 | 説明 |
Delete | 左から1番目 | プリセットを削除します。 |
Edit | 左から2番目 | プリセットの「名前」と「タグ」を編集します。 |
Cut | 左から3番目 | プリセットを切り取りを行います。 タップしただけでは、クリップボード上にコピーされるのみです。 貼り付け(移動)を行うには、移動先のプリセットをタップする必要があります。 |
Copy | 左から4番目 | プリセットのコピーを行います。 貼り付け(移動)を行うには、移動先のプリセットをタップする必要があります。 移動元のプリセットを移動先のプリセットへドラッグ&ドロップすることでも、コピーが可能です。 |
メニューリスト
メニューリストにある項目について、説明していきます。
項目と説明をまとめました。
項目 | 説明 |
Recent | 直近でアクセスしたプリセットの一覧を表示します。 |
Favorites | お気に入り登録したプリセットの一覧を表示します。 |
DEVICE DIRECTORYIES | Quad Cortex上に保存されたファイルに関するメニューのカテゴリーです。 |
>0 Factory Library | Neural DSPにより作成されたプリセットの一覧を表示します。 |
>1 My Presets | デフォルトのユーザープリセットのセットリストの一覧を表示します。 Cortex Cloudからダウンロードしたプリセットもここに保存できます。 以降、「”番号(2~12)” “セットリスト名”」の形式で、ユーザーが任意に作成したセットリストが増減します。 |
>Factory Captures1 | 初期状態で入っているNeural DSPから提供されたNeural Captureの一覧を表示します。 |
>Factory Captures2 | 初期状態で入っているNeural DSPから提供されたNeural Captureの一覧を表示します。 |
>My Captures | ユーザーによって作成されたNeural Captureの一覧を表示します。 初期状態では、すべてのプリセットが空の状態です。 |
>Impulse Responses | IR ファイル、Cortex Cloud上に保存されたファイルの一覧を表示します。 |
CLOUD DIRECTORYIES | Cortex Cloud上に保存されたファイルに関するメニューのカテゴリーです。 |
>Presets | Cortex Cloud上に保存されたプリセットの一覧を表示します。 |
>Neural Captures | Cortex Cloud上に保存されたNeural Captureの一覧を表示します。 |
>Impulse Responses | Cortex Cloud上に保存されたIRファイルの一覧を表示します。 |
STARRED AND SHARED WITH ME | 星印★を付けたファイルと共有されたコンテンツに関するメニューのカテゴリーです。 |
Presets | 星印★を付けたプリセットの一覧を表示します。 |
Neural Captures | 星印★をつけた Neural Captureの一覧を表示します。 |
Shared with me | シェアされたコンテンツの一覧を表示します。 リンクは90日で期限切れとなります。 |
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まとめ
今回は、「QUAD CORTEX」を入手したら、皆が必ず行うプリセット作成に絞って記載しました。
音色作成のヒントにしていただければ、嬉しいです。