リズムパートであるドラマーにとって、テンポの維持は重要な要素であり、曲全体・他パートへ大きな影響力があります。
そのため、言わずもがなテンポキープの練習は必須です。
今回は、音源:TD-50Xで練習する際に役立つ「クリック」の機能について触れていこうと思います。
クリック機能
クリック機能にはいくつかモードがあります。「演奏時の手助けとして鳴らすクリック音」が1つ、「トレーニングとしてゲーム感覚で使えるクリック音」が2つの計3つのモードです。
以下で、記載していきます。
クリックを鳴らす
クリック音を再生/停止する際に実施する際は、以下の手順を行います。
- 「CLICK」ボタンを押下する。
- CLICK 画面が表示されます。
- 「F1」ボタン(TEMPO)を押下する。
- 「F5」ボタン(ON)を押下する。
- クリックが鳴ります。
- 必要に応じて、「CLICK」ノブでクリックの音量を調節します。
- (停止する場合)「F5」ボタン(OFF)を押します。
「SHIFT」ボタン+[CLICK]ボタンを押下することで、クリック音を再生/停止することもできます。
クリック音の出力先は、ヘッドホンだけに鳴らすなどの設定を行うことが可能です。
テンポや拍子を変更したい場合は、以下の手順を行います。
- CLICK 画面(「F1」ボタン(TEMPO)を押下後の画面)で、以下の表のいずれかのノブを回す。
- 「KIT」ボタンを押下する
- DRUM KIT 画面が表示されます。
パラメータ | ノブ | 設定値 | 説明 |
Tempo | R1 | 20 ~ 260 | テンポの値を調整します。 |
Beat | R2 | 1 ~ 9 | クリックの拍子(1 小節の拍数)を調整します。 |
Rhythm | R3 | 二分 ~ 十六分 | クリックの間隔を調整します。 |
なお、テンポの設定は、ドラム・キットごとに実施することが可能です。
以下の手順を踏み、サウンドの設定を変更することも可能です。
- CLICK 画面(「F2」ボタン(SOUND)を押下後の画面)を開く
- 以下の表のいずれかのノブを回す。
- 「KIT」ボタンを押下する
- DRUM KIT 画面が表示されます。
パラメータ | ノブ | 設定値 | 説明 |
Sound | R1 |
| メトロノームの音色を選択します。 |
Level | R2 | -INF ~ +6.0dB | クリックの音量を調節します。 |
LED Ref | R3 | OFF、ON | クリックに合わせて「CLICK」ボタンの点滅をさせるか(ON)/させないか(OFF)を設定します。 |
その他の設定を変更する際は、以下を行ってください。
- CLICK 画面(「F3」ボタン(OTHER)を押下後の画面)を開く。
- カーソル[▲][▼]ボタンで変更したいパラメーターを選択する。
- [-][+]ボタン/ダイヤルで設定を変更する。
- 「KIT」ボタンを押下する
- DRUM KIT 画面が表示されます。
設定可能な「パラメータ」と「設定値」は以下を参考にしてください。
パラメータ | 設定値 | 説明 |
Pan | L30 ~ CTR(CENTER)~ R30 | クリックの定位を設定します。 |
Tap Sw | OFF、ON | タップ・テンポを「Tap Pad」で設定したパッドを用いて実施することが可能になります。 |
Tap Pad | KICK ~AUX4(RIM) 、PREVIEW | タップ・テンポの設定に使うパッド(または[PREVIEW]ボタン)を選びます。 |
リズム・トレーニングをする(コーチ・モード)
TD-50Xでは、練習に役立つ「コーチ・モード」というモードを搭載しています。
このモードでは、3つの練習メニューがあります。それぞれが、別々の役割を担っています。レベルも個人個人に合わせて練習できる内容になっています。
練習メニューの選ぶには、以下の手順を行ってください。
- 「CLICK」ボタンを押下する。
- CLICK 画面が表示されます。
- 「F4」ボタン(COACH)を押下する。
- COACH MENU 画面が表示されます。
- カーソル・ボタンで練習メニューを選択する。
- 「ENTER」ボタンを押下する。
ここからは、練習メニューの説明に入ります。
なお、練習メニュー中で「Click音」自体の設定をしたい場合は、「F3」ボタン(CLICK)を押してください。
TIME CHECK
流れるクリック音に合わせて、各種パッドを叩く練習です。
以下の手順で実施することが可能です。
- TIME CHECK 画面で、「F5」ボタン(START)を押下する。
- 「TIME CHECK」が開始します。
- 中断したい時は、[F4]ボタン(STOP)をを押下する。
- 流れるクリック音に合わせてパッドを叩き続けます。
- 一定時間経過後、叩いていたタイミングを基に評価が表示されます。
- 再び練習するときは、[F5]ボタン(RETRY)をを押下する。
- 「EXIT」ボタンを押下する。
- 「TIME CHECK」を終了します。
なお、パッドを叩いたタイミングがクリックに合っているかどうかはを、リアルタイムで画面に表示されます。
タイミングが遅いと「BEHIND」が表示され、早ければ「AHEAD」が表示されます。(デフォルト設定では、カーソルが左に行くと遅く、右に行くと早いことを意味します。)
正確なタイミングで叩いた割合も、リアルタイムで「%」表示で表示されます。
また、TIME CHECK 画面で「F2」ボタン(SETUP)を押下すると、以下の設定を変更することができます。
パラメータ | 設定値 | 説明 |
Score | OFF、ON | 採点の結果を、画面に表示させるかどうかを設定します。 OFF: ON(4、8、16、32meas): |
Grade | EASY、HARD | 採点基準を設定します。 |
Display 1、Display 2 | ーー | 画面にタイミングおよびグラフを表示するパッドを選択します。 |
Gauge | LEFT BEHIND LEFT AHEAD | LEFT BEHIND: タイミング・グラフの左がBEHIND(遅い)で表示されます。LEFT AHEAD: タイミング・グラフの左がAHEAD(早い)で表示されます。 |
QUIET COUNT
身体でテンポを覚えるための練習です。
前半の数小節はクリック音が鳴り、後半の数小節はクリックは鳴りません。これを1区間とし、この区間は停止するまで繰り返されます。
- QUIET COUNT 画面で、「F5」ボタン(START)を押下する。
- クリック音が鳴り始め、「QUIET COUNT」が開始します。
- クリックのテンポに合わせて、パッドを叩き続ける。
- 最初の数小節はクリック音が鳴ります。
- クリック音が発音する最後の小節になると、画面には「Ready..」が表示されます。
- クリックが鳴り終わると、画面には「Quiet」が表示されます。
- Quiet の区間が終わると、正確なテンポで叩いた割合が「%」で表示されます。
- 「F4」ボタン(STOP)を押下する
- クリック音が停止します。
- 「EXIT」ボタンを押下する。
- 「QUIED COUNT」を終了します。
また、QUIET COUNT 画面で「F2」ボタン(SETUP)を押下すると、以下の設定を変更することができます。
パラメータ | 設定値 | 説明 |
Measures | 2、4、8、16 (小節) | 「クリック発音」と「Quiet」の繰り返し区間の長さ(小節)を設定します。 |
Quiet | RANDOM、 1、2、4 | Measures で設定した小節のうち、Quiet にする小節の長さを設定します。 RANDOM: 1、2、4: |
WARM UPS
後述のステップ「1」~「3」で構成されています。各ステップに対して採点がなされ、総合評価を表示します。
なお、「F5」ボタン(PAUSE)により、一時停止/再開が実施可能です。一時停止中に「F4」ボタン(STOP)を押下し、終了させることもできます。
手順の大枠は、以下です。
- WARM UPS 画面で、「F5」ボタン(START)を押下する。
- 「WARM UPS」が開始します。
- 「EXIT」ボタンを押下する。
- 「WARM UPS」が終了します。
この手順1の「WARM UPS」は、以下の「3ステップの練習」と「結果表示」の4パートから成っています。
ステップ1:Change-Up
このステップでは、リズムタイプが2小節ごとに変化していきます。
リズムタイプ2分音符から始まって徐々に音符が細かくなります。一番細かいリズムタイプまで行われると、2分音符まで戻るというリズムの変化を繰り返します。
ステップ2:Auto Up/Down
テンポを少しずつ上げたり下げたりします。
テンポが1ずつ上がっていき、上限値(260)になったらテンポが1ずつ下がって最初のテンポに戻ります。最初のテンポになったら、また上がって・・・を繰り返します。
なお、上限値は変更することが可能です。練習中に「F4」ボタン(SET MAX)を押すことで、押下した時のテンポがテンポの上限値となります。元の上限値:260に戻したいときは、「F4」ボタン(CLR MAX)を押します。
ステップ3:Time Check
先述の「Time Check」と同様です。クリック音のテンポなどに変化はありません。パッドを叩いたタイミングが合っているか表示します。
総合評価
「1:Change-Up」~「3:Time Check」までの各ステップの結果を採点した総合評価が表示されます。
再び「WARM UPS」を行いたい時は、「F5」ボタン(RETRY)を押します。
評価は5段階で、表示されます。
段階 | 評価 |
1 | EXCELLENT! |
2 | VERY GOOD! |
3 | GOOD |
4 | AVERAGE |
5 | START OVER |
また、WARM UPS 画面で「F2」ボタン(SETUP)を押下すると、以下の設定を変更することができます。
パラメータ | 設定値 | 説明 |
Duration | 5 MINS 10 MINS 15 MINS | 5 MINS: 所要時間:5 分 Change-Up:2 分、Time Check:3 分10 MINS: 所要時間:10 分 Change-Up:3 分、Auto Up/Down:3 分、Time Check:4 分15 MINS: 所要時間:15 分 Change-Up:5 分、Auto Up/Down:5 分、Time Check:5 分 |
Grade | EASY、HARD | 採点基準を設定します。 |
Max Tempo | 現在のテンポ+1~ 260 | ステップ2:Auto Up/Down での、テンポの上限値を設定します。 |
商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、音源:TD-50Xに搭載されている「クリック」の機能について触れてみました。
ドラムの練習する際だけでなく、実際の演奏にも役立つ機能です。
ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。