電子ドラムを利用する上で、「あるキットを残しつつ、少しだけ変更したい」「好きな順番でキットを並べたい」と言った要求がでてくることがあるかもしれません。
今回は、そんな時に役立つ「設定のコピー」と「セットリスト」の機能について触れていこうと思います。
設定のコピー
TD-50X では、ドラム・キットなどの設定をコピーしたり、コピー元とコピー先の設定を入れ替えることができます。
ただし、コピーを実行した場合、コピー先の内容は上書きされるので、この点は注意が必要です。
概要
手順は、以下になります。
- 「SHIFT」ボタンを押しながら、「SD CARD」ボタンを押下する。
- COPY MENU 画面が表示されます。
- PAGE「UP」「DOWN」ボタンとファンクション・ボタンで、コピーしたい内容を選択する。
- 選んだメニューに応じて、設定をコピーする。
手順2で選択できる内容は以下です。
【COPY MENU 1】
コピー・メニュー | 説明 |
KIT | ドラム・キットをコピーします。 |
PAD INST | パッドのインストゥルメントをコピーします。 |
INST SET | 複数のインストゥルメントをセットでコピーします。 |
SET LIST | セット・リスト(P.47)をコピーします。 |
【COPY MENU 2】
コピー・メニュー | 説明 |
VOLUME | MIXER VOLUME の設定をコピーします。 |
PAN | MIXER PAN の設定をコピーします。 |
AMBIENCE | アンビエンス の設定をコピーします。 |
MFX | マルチ・エフェクトの設定をコピーします。 |
【COPY MENU 3】
コピー・メニュー | 説明 |
TRIGGER | トリガー の設定をコピーします。 |
REC DATA | 録音データ をSD カードにコピーします。
※コピー元とコピー先の入れ替えはできません。 |
実施例
上記メニューから、よく使うであろうコピー操作を例示します。
Ex1)ドラム・キットをコピーしたい
手順は以下になります。
- COPY MENU 1 画面で、「F1」ボタン(KIT)を押下する。
- COPY KIT 画面が表示されます。
- ファンクションボタンにより、コピー元をどこにするかを選択する。
- カーソル・ボタンでパラメーターを選択する
- 「-」「+」ボタンまたはダイヤルで、コピーの設定をする。
- 「F5」ボタン(COPY)を押下する。
- 確認画面が表示されます。
- 中止したい場合は「CANCEL」を選び、「ENTER」ボタンを押下してください。
- 「OK」を選んで、「ENTER」ボタンを押下する。
- ドラム・キットがコピーされます。
手順2で選択できるコピー元は以下です。
ボタン | 表示 | 説明 |
F1 | USER | ユーザー・メモリーからコピーします。
上記手順5にて、「F4」ボタン(EXCHANGE)を押すことで、コピー先と入れ替えることもできます。 |
F2 | PRESET | プリセット・メモリーからコピーします。
工場出荷時のキットの設定に戻したいときに使用すると良いです。 注意点としては、工場出荷時のキットに割り当てられているユーザー・サンプルは、コピーできません。 |
F3 | SD CARD | SDカードからコピーします。 |
Ex2)複数のインストゥルメントをセットでコピーしたい
手順は以下になります。
- COPY MENU 1 画面で、「F3」(INST SET)ボタンを押下する。
- COPY PAD INST SET 画面が表示されます。
- ファンクションボタンにより、コピー元をどこにするかを選択する。
- カーソル・ボタンでパラメーターを選択する
- 「-」「+」ボタンまたはダイヤルで、コピーの設定をする。
- 「F5」ボタン(COPY)を押下する。
- 確認画面が表示されます。
- 中止したい場合は「CANCEL」を選び、「ENTER」ボタンを押下してください。
- 「OK」を選んで、「ENTER」ボタンを押下する。
- インストゥルメントがコピーされます。
なお、手順2で選択できるコピー元は以下です。
ボタン | 表示 | 説明 |
F1 | USER | ユーザー・メモリーからコピーします。
上記手順5にて、「F4」ボタン(EXCHANGE)を押すことで、コピー先と入れ替えることもできます。 |
F2 | PRESET | プリセット・メモリーからコピーします。
工場出荷時のキットの設定に戻したいときに使用すると良いです。 注意点としては、工場出荷時のキットに割り当てられているユーザー・サンプルは、コピーできません。 |
F3 | SD CARD | SDカードからコピーします。 |
また、手順4で選択できる設定できる内容は以下です。
【コピーするインストゥルメントのセット】
設定値 | 説明 |
KICK/SNR | KICK とSNARE をコピーします。 |
TOMS 1-4 | TOM1~4 をコピーします。 |
CYM SET | HI-HAT、CRASH1、2、RIDE をコピーします。 |
AUX 1-4 | AUX1~4 をコピーします。 |
【コピー内容】
設定値 | 説明 |
with Pad EQ/Comp | 以下のようなパッドに関わるすべての設定をコピーします。
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Inst/VEdit Only | パッドの設定のうち、Pad EQ/Compを除いた以下のような設定をコピーします。
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Pad EQ/Comp Only | パッドの設定のうち、以下の設定をコピーします。
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セット・リスト
セット・リストとは、ドラム・キットを好きな順番に並べたセットのことです。
個人練習では特に必要がないかもしれません。しかし、演奏する曲順に設定しておくことで、ドラム・キットに入れ替えをスムーズに行うことが可能な便利な機能です。
セット・リストの作成
ドラム・キットを呼び出す順序は、32番目まで設定することができます。これを1セットとすると、TD-50Xでは32セットのセット・リストを作成することができます。
作成手順は以下です。
- 「SET LIST」ボタンを押下する。
- 「SET LIST」ボタンが点灯し、セット・リストがオンになります。
- SET LIST 画面が表示されます。
- 「F5」ボタン(SETUP)を押下する。
- セットアップ画面が表示されます。
- 「F5」ボタン(STEP EDIT)を押下する。
- SETLIST STEP EDIT 画面が表示されます。
- カーソル・ボタンで各ステップのドラム・キットを選択する。
- 「―」「+」ボタンまたはダイヤルで設定を変更する。
- セット・リストが空の場合は、「END」にカーソルを合わせて、設定することになります。
- 「F4」もしくは「F5」を押下して、削除もしくは挿入操作を行う。
手順1のSET LIST 画面では、以下のファンクションボタンが有効になります。
ボタン | 表示 | 説明 |
F1 | <- SET LIST | 前のセット・リストを選びます。 |
F2 | SET LIST -> | 次のセット・リストを選びます。 |
F3 | SETUP | セット・リストの作成/変更や名前を付けます。 |
手順2のセットアップ画面では、以下のファンクションボタンが有効になります。
ボタン | 表示 | 説明 |
F1 | MOVE LIST ↑ | カーソル位置のセット・リストの順番を1つ上に変えます。 |
F2 | MOVE LIST ↓ | カーソル位置のセット・リストの順番を1つ下に変えます。 |
F4 | NAME | カーソル位置のセット・リストの名前を変更します。 |
F5 | STEP EDIT | カーソル位置のセット・リストのステップをエディットします。 |
手順6の「F4」「F5」それぞれの動作は、以下になります。
ボタン | 表示 | 説明 |
F4 | DELETE | カーソル位置のドラム・キットを削除し、以降のステップを1つ前にずらします。
PCにおける「DEL」ボタンと同じ動作です。 |
F5 | INSERT | カーソル位置に選択したキットを挿入し、以降のステップを1つ後ろにずらします。
PCにおける挿入モードでの文字入力と同じ動作です。 |
セット・リストの利用
セット・リストを利用する際は、以下の手順を行ってください。
- 「SET LIST」ボタンを押下する。
- 「SET LIST」ボタンが点灯し、セット・リストがオンになります。
- 「F1」ボタン(<- SET LIST)もしくは「F2」ボタン(SET LIST ->)を押下し、使用するセット・リストを選択する。
商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、「設定のコピー」と「セットリスト」の機能について触れてみました。
この内容は誰でも使うわけではないですが、いざという時に知っておきたい内容だと思います。
ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。