3DCGソフトの中でもフリーソフトで高機能なBlenderには、色鉛筆のような感覚で使える「グリースペンシル」があります。
「グリースペンシル」の機能は、V2.8で大幅に使いやすくなっているようです。
今回は、そんな「グリースペンシル」の使い方について記載していきます。なお、本内容は、V3.00時点のリリース物件に沿った内容となっています。
グリースペンシルのエフェクト
エフェクトの追加方法は、Blenderの画面の右下にあるプロパティエリアから、[ビジュアルエフェクトプロパティ] > [エフェクトを追加]で設定できます。
グリースペンシルのエフェクトは、バージョン:3.0.0時点で9種類あります。
以下から、それぞれのエフェクトを紹介します。
ぼかし
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、ぼかしを追加します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
サンプル数 | ぼかす際のサンプル数です。 「0」になるとぼかしが無効になり、値が大きいほどぼかし具合が強くなります。 |
被写界深度を使用 | カメラの被写界深度(焦点面距離)を使用して、オブジェクトのぼかしを計算されます。 カメラビューでのみ使用できます。 |
サイズ X | ぼかしスケールを制御するための「X軸のピクセル単位」です。 |
サイズ Y | ぼかしスケールを制御するための「Y軸のピクセル単位」です。 |
回転 | ぼかしの回転角度を設定します。 |
カラーライズ
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、色あいを変更します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
モード | 以下から選択することができます。 【グレースケール】 【セピア】 【二値化】 【透過】 【カスタム】 |
ローカラー | 1つ目の色を設定します。 モードが「二値化」の際に表示されます。 |
ハイカラー | 2つ目の色を設定します。 モードが「二値化」の際に表示されます。 |
カラー | チントカラーを設定します。 モードが「カスタム」の際に表示されます。 |
係数 | ミックス値を設定します。 |
反転
グリースペンシルで描いたオブジェクトを反転させます。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
座標軸 | 以下から、反転する軸を選択します。 【水平】 【垂直】 |
グロー
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、グロー(発光)効果を追加します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
モード | グロー効果のモードを以下から選択します。 【ルミナンス】 【カラー】 |
しきい値 | グローの効果が及ぶ色を制限します。 「1」は、効果が及ぶ色がない状態になります。 |
選択する色 | グローライトを適用する単一の色を選択できます。 モードが「カラー」の時に表示されます。 |
グローカラー | グロー効果の色を設定します。 |
ブレンドモード | 実行するマスクブレンディング操作を以下から選択します。
|
不透明度 | グローの不透明度を設定します。 |
サイズ X | X軸のピクセル単位でグロースケールを設定します。 |
サイズ Y | Y軸のピクセル単位でグロースケールを設定します。 |
回転 | グローの回転角度を設定します。 |
サンプル数 | グロー効果のサンプル数です。 「0」になるとぼかしが無効になり、値が大きいほどぼかし具合が強くなります。 |
グローアンダー | グローはアルファ領域にのみ影響します。 通常のブレンドモードには、対応していないようです。 ※アルファ領域とは、オブジェクトを透過した時に見える部分(背景に当たる部分)を指す。 |
ピクセル化
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、モザイク処理を追加します。この処理により、ドット絵のようになります。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
サイズ X | 適用するピクセルの水平方向のサイズ。 |
サイズ Y | 適用するピクセルの垂直方向のサイズ。 |
アンチエイリアシング | ピクセルにアンチエイリアシング効果を適用します。 |
縁取り
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、縁取りの設定を変更します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
リムカラー | リム(縁)に使用する色を設定します。 |
マスクカラー | 変更されないように、維持する色を設定します。 |
ブレンドモード | 実行するマスクブレンディング操作を以下から選択します。
|
オフセット X | X軸上のピクセルでカラーマスクのオフセットを設定します。 |
オフセット Y | Y軸上のピクセルでカラーマスクのオフセットを設定します。 |
ぼかし > ブラー X | 縁をぼかす際のX軸方向のスケールを設定します。 「0」になるとぼかしが無効になります。 |
ぼかし > ブラー Y | 縁をぼかす際のY軸方向のスケールを設定します。 「0」になるとぼかしが無効になります。 |
ぼかし > サンプル数 | ぼかす際のサンプル数です。 「0」になるとぼかしが無効になり、値が大きいほどぼかし具合が強くなります。 |
影
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、影の設定を変更します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
シャドウカラー | 影の色を設定します。 |
オフセット X | X軸上のピクセル単位で、影のずらす距離を設定します。 |
オフセット Y | Y軸上のピクセル単位で、影のずらす距離を設定します。 |
スケール X | X軸上の影のサイズを設定します。 |
スケール Y | Y軸上の影のサイズを設定します。 |
回転 | 「グリースペンシルオブジェクトの中心」もしくは「別のオブジェクト」を回転中心として、影の回転角度を設定します。 |
オブジェクトピボット | オブジェクトを中心として回転させたい場合に、有効にします。 中心としたいオブジェクトも併せて設定します。 |
ぼかし > ブラー X | 縁をぼかす際のX軸方向のスケールを設定します。 「0」になるとぼかしが無効になります。 |
ぼかし > ブラー Y | 縁をぼかす際のY軸方向のスケールを設定します。 「0」になるとぼかしが無効になります。 |
ぼかし > サンプル数 | ぼかす際のサンプル数です。 「0」になるとぼかしが無効になり、値が大きいほどぼかし具合が強くなります。 |
波エフェクト > 座標系 | 生成する波の方向を設定します。 |
波エフェクト > 振幅 | 生成する波の振幅(縦幅)を設定します。 |
波エフェクト > 期間 | 生成する波の周期(横幅)を設定します。 |
波エフェクト > 位相 | 生成する波の位置(周期方向)を設定します。 |
渦巻き
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、渦を巻くような効果を適用します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
オブジェクト | 渦を巻く際に、中心として使用するオブジェクトを設定します。 |
半径 | 外部の半径のサイズを設定します。 |
角度 | 渦を巻く際の回転角度を設定します。 「0」になると効果は無効になります。 |
波の歪み
グリースペンシルで描いたオブジェクトに対して、波状に揺れるような効果をオブジェクトに適用します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
座標系 | 生成する波の方向を設定します。 |
振幅 | 生成する波の振幅(縦幅)を設定します。 |
期間 | 生成する波の周期(横幅)を設定します。 |
位相 | 生成する波の位置(周期方向)を設定します。 |
まとめ
今回は、手書きでメモ書きやペイントソフトのように絵が描ける「グリースペンシル」のエフェクトについて記載しました。
使い方次第で、様々な物質を表現できると思います。上記の内容を参考に、色々試してみて下さい。