Blenderでは、色鉛筆のような感覚で使える「グリースペンシル」という機能があります。
その「グリースペンシル」においても、自動でエフェクト処理される「モディファイアー」が使用できます。
今回は、そんな「グリースペンシル」の「モディファイアー」の「生成」のラインアートについて記載していきます。なお、本内容は、V3.0.0時点のリリース物件に沿った内容となっています。
カテゴリー:生成
ここでは、「生成」のカテゴリーに属するモディファイアーであるラインアートを紹介します。
ラインアート
選択した「コレクション」「オブジェクト」「シーン」のいずれかから、定型化されたラインアートを生成します。ただし、現時点では計算手法の都合上、複数のラインアートモディファイアーを使用すると処理完了までに時間がかかってしまいます。この点については、今後改善する計画はあるようです。
なお、ラインアートの設定内容は以下ですが、設定内容が一際多いモディファイアーです。
以下は、メインとなる設定です。
設定内容 | 説明 |
ソースタイプ | 以下の3種類のどのタイプのジオメトリソースからラインアートを生成するかを選択します。
|
コレクション | ラインアートを生成する際にベースとするコレクションを設定します。 ソースタイプが「コレクション」の場合に表示されます。 |
オブジェクト | ラインアートを生成する際にベースとするオブジェクトを設定します。 ソースタイプが「オブジェクト」の場合に表示されます。 |
レイヤー | 生成したラインアートを割り当てるグリースペンシルのレイヤーです。 |
マテリアル | 生成したラインアートを割り当てるグリースペンシルのマテリアルです。 |
以下は、Edge Typeの設定です。選択したエッジタイプを結果に含めます。
設定内容 | 説明 |
輪郭 | 輪郭(前面/背面の分離線になる場所)からラインアートを生成します。 |
ルーズ | 面を形成せず、孤立する辺からラインアートを生成します。 |
マテリアル境界 | マテリアルの境界からラインアートを生成します。 |
辺マーク | FreeStyleの辺マークからラインアートを生成します。 |
交差 | 面同士が交差する線からラインアートを生成します。 |
クリース | エッジ角度が十分に小さいクリース(折り目)の辺からラインアートを生成します。 また、0°~180°で設定した値よりも小さいエッジ角度は、クリースとして扱われます。 |
オーバーラップを許可 | 1つのエッジが複数のタイプを持つことを許可することができます。 これにより、重なり合うタイプごとに個別のラインアートが作成されます。 |
以下は、Geometry Procssingの設定です。
設定内容 | 説明 |
カスタムカメラ | アクティブなカメラの代わりに「カスタムカメラ」をラインアートの計算に使用します。 モーショングラフィックスや、複数の異なる角度でのショットをベイク処理する場合に便利です。 |
重複頂点を削除 | ラインアート生成前に、「距離によるマージ」により重複する頂点を削除します。 「距離によるマージ」のしきい値は、内部的に設定されるため、任意で設定することはできません。 |
重複する辺を輪郭に | 重なり合うエッジ部分を輪郭として描画します。 有効時は処理が少し遅くなります。 |
インスタンスオブジェクト | パーティクルのオブジェクトや面/頂点のインスタンスをラインアート生成用に読み込むことができます。 シーン内に存在するインスタンス化されているオブジェクトの量によって、処理速度が変わってきます。 |
クリッピング境界 | 手前もしくは奥のクリッピング平面により生成したラインを表示されるようにします。 |
スムーズ辺にクリース | エッジが滑らかな表面のクリース辺を表示されるようにします。 |
シャープ辺にクリース | シャープ辺上のクリースを表示されるようにします。 |
以下は、スタイルの設定です。
設定内容 | 説明 |
幅 | 生成されるラインアートの線幅です。 |
不透明度 | 生成されるラインアートの不透明度です。 |
以下は、Occlusionの設定です。
設定内容 | 説明 |
範囲 | 開始値と終了値の間にオクルージョンレベルを持つラインアートを生成するようになります。 |
レベル | ラインアートの最小のオクルージョンレベルです。 「0」では、オクルージョンなし(目に見える線)を指し、「1」では、面の1つのレイヤーによって遮られている線を選択することを意味します。 |
マテリアルマスク | 隠れたラインアートを排除するために、マテリアルマスクを使用します。 |
マテリアルマスク > マスク | 選択したマテリアルマスクによって遮られているエッジを選択します。 |
マテリアルマスク > 完全に一致 | 正確なマスクビットの組み合わせで遮られているラインのみが選択されます。 それ以外の場合は、指定されたマテリアルマスクのいずれかによって遮られたラインが選択されます。 |
以下は、Intersectionの設定です。2つのコレクション間で交差するエッジを選択できます。
設定内容 | 説明 |
コレクションマスク | コレクションラインアートのプロパティから一致するビットをマスクします。 |
完全に一致 | 1つだけではなく、すべての交差マスクを一致させる必要があります。 |
以下は、面マークフィルターの設定です。Freestyleの面マークを使用して、どの特徴ラインがラインアートを生成するかを手動で制御できます。
設定内容 | 説明 |
反転 | 面マークのフィルタリングを反転します。 |
境界 | 面マークの境界を元に特徴ラインをフィルタリングします。 |
以下は、チェーン化の設定です。
設定内容 | 説明 |
チェーン > 輪郭との交差 | 輪郭との交差部を一緒に連結可能な同じタイプのように処理します。 ただし、有効にすることで、交差エッジタイプがあいまいになります。 |
チェーン > 全ライン | 全てのラインを同じラインのタイプとして扱い、一緒に連結可能にします。 |
チェーン > 孤立する辺 | 孤立する(面を形成しない)辺を互いにつなげるようにします。 |
チェーン > 孤立を輪郭に | 孤立する(面を形成しない)辺に輪郭タイプを設定します。 |
チェーン > 形状の空間 | 連結の際に、画像空間の代わりにジオメトリの距離を使用します。 |
画像のしきい値 | 設定した値よりも小さい距離のセグメントは、連結されます。 |
スムーズの許容範囲 | ギザギザになっている連結に適用されるスムージングの強さです。 |
角度で分割 | 角度(スクリーンスペース)がこの値未満のラインアートを2つに分割します。 |
以下は、Vertex Weight Transferの設定です。
設定内容 | 説明 |
ソースをフィルタリング | 設定したテキストで始まる頂点グループ名のメッシュオブジェクトがある場合、頂点のウェイト情報がグリースペンシルのストロークのウェイトグループに転送します。 |
ソースをフィルタリング > ↔(反転トグル) | ソースの頂点グループの値を反転します。 |
出力にマッチ | フィルタリングされたオブジェクトの頂点の重みを、フィルタリングされたものと同じ名前のグリースペンシルの重みグループに転送します。 |
ターゲット | 「ターゲット」にコピーされた複数のウェイトグループがある場合、最大のウェイト値が「ターゲット」にコピーされます。 「出力にマッチ」が無効の場合に表示されます。 |
以下は、Compositionの設定です。
設定内容 | 説明 |
オーバースキャン | カメラビューの外側で、ラインアートが切れるのを防ぐマージンです。 |
画像境界トリミング | (オーバースキャン領域を含む)画像の境界で、すべてのラインアートを右にトリミングします。 |
深度オフセット | ビューポートの奥行きを維持しながらクリッピングを回避するために、ストロークをカメラに向かってオフセットで設定した距離を移動します。 |
カスタムカメラ方向 | アクティブなカメラの代わりに、選択したカメラに向かってラインアートをずらします。 |
以下は、ベイクの設定です。
設定内容 | 説明 |
ラインアートをベイク | アクティブなラインアートを現在のグリースペンシルオブジェクトにベイクします。 ベイク処理後、ベイク処理されたラインアートモディファイヤは自動的に無効になります。 |
全ラインアートをベイク | ラインアートモディファイアーを持つ全グリースペンシルオブジェクトをベイクします。 ベイク処理後、ベイク処理されたラインアートモディファイヤは自動的に無効になります。 |
ベイク済ラインアートをクリア | 現在のグリースペンシルオブジェクト内の全ラインアートをクリアします。 |
全ベイク済ラインアートをクリア | ラインアートモディファイアーを持つ全グリースペンシルオブジェクト内の全ラインアートをクリアします。 |
クリアなしで続行 | ベイク処理されたラインアートをクリアせずに、特定のラインアートモディファイアーを再度アクティブにします。 これは、フレームの複数の部分を個別に処理する場合に役立ちます。 |
「影響」のパラメータは、ラインアートには存在しません。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | × | × | × | × |
まとめ
今回は、「グリースペンシル」の「モディファイアー」の「生成」のラインアートについて記載しました。
手書きによる表現の幅が広がったり、効率的なモデリングが可能になる機能です。上記の内容を参考に、色々試してみて下さい。