今回、動画編集ソフトの環境移行をしてみました。
その時に調べた結果、私の場合「DaVinci Resolve」がベストかなと思いました。
今回は、DaVinci Resolveへ移行したきっかけと、DaVinci Resolveの概要にについて、まとめていきます。
移行を考えた経緯
私は、動画編集をする際、今まで「Premiere Pro」や「After Effect」を使用していました。
しかし、使用頻度は決して高くありませんでした。「冠婚葬祭の映像作成」や「Youtubeでアップ」を行う場合に。少し利用した程度です。
当初は、「Illustrator」「PhotoShop」とかもゆくゆく使ってみたいなぁと思っていたのですが、
- 値段も高くなって最安の年間プラン一括払いでも、72,336円(2022.08時点)。。。
- パッケージ版のCS6 Master Collection があればベストなんですが、確実な正規品は入手不可。
- 入手できたとしても、プラグインを利用できない場合もある
といった問題・懸念点が・・・
- 細かく編集できるし、業界標準にもなっており、チュートリアルのようなものも出ている。
- 同じAdobe製品間での連携がしやすい。
といった点ではAdobe製品のメリットもあるのですが、仕事ではなく、あくまで趣味。やっぱり先述の金額を自腹で払うのは、もったいないと思っていました。
そこで今回色々調べた結果、私は「DaVinci Resolve」を選択しました。
DaVinci Resolve とは
DaVinci Resolveについて、簡単にまとめてみます。
出来ることは?
できることの大枠についての個人的なイメージでは、Premiere Pro + After Effectのようなイメージです。(もちろん、機能差はあるので、一概には言えません。)
DaVinci Resolve自体は、元々カラー編集に特化したソフトでした。そのため、カラー編集に対しては、今でも他の編集ソフトよりも非常に分があると思います。むしろ、業界標準と言える Premiere Pro を使用していても、「カラー編集だけはDaVinci Resolveで行って、その後Premiere Proで編集を続ける」というクリエイターも少なくないようです。
その上、今では他社の動画編集ソフトに負けず劣らずの機能を装備して、出来ることの幅が広がっています。実力と実績が着実に付いてきているソフトだと言えるでしょう。
ハリウッド映画等での導入事例もあり、「アリス・イン・ワンダーランド」「アバター」「レ・ミゼラブル」などでも採用されているようです(情報元)
また、After Effects の有料プラグインで有名な「Trapcode Particular」は使えなくなりますが、無料でも利用できる「Particle Illusion」という製品が非常に優秀でこちらで対応できそうです。
むしろ、After Effects を使用していて「Trapcode Particular」を購入されていない方は、こちらも検討してみると良いかもしれません。
機能概要は?
DaVinci Resolveでは、特定の作業内容に合わせて複数のページが設けられています。実際に作業を行う際は、基本的にやりたい内容のページに移動して、それぞれの行うことになります。
なお、ページの切り替えは、ウィンドウ下部のボタンで行うことができます。それぞれのページに対して、以下で説明します。
メディアページ:メディア管理
編集に使用する素材を管理することが可能です。
すべてのプロジェクトは「データベース」に格納・管理します。ユーザーが都度選択した場所に保存できるわけではないので、注意が必要です。
データベースは、初回起動時に自動的に作成されますが、このデータベースについては「削除を含む直接的な変更」は決して行わないで下さい。
なお、「データベース」は別途作成・バックアップが可能です。
カットページ:編集
スピーディな作業に重きを置いた編集が可能です。そのため、UIもエディットページのものとは異なります。
カットページでは、作業を遅延させる可能性のある操作(無駄なクリックやオプション設定)が不要です。すべての操作が即結果につながるようになっています。
エディットページとカットページはシームレスな切り替えが可能です。
エディットページ:編集
Premiere Proのようなプロ仕様のノンリニアエディターとなっています。メディア管理およびタイムライン管理も同じように扱うことが可能です。
ドラッグ&ドロップ編集や、カスタマイズ可能なショートカットキーにより、個人個人に合った直感的な作業で実現できます。
基本操作においても、「ライブラリから追加」という一貫性があり、理解も容易な作りかなと思います。
エディットページとカットページはシームレスな切り替えが可能です。
Fusionページ:VFX、モーショングラフィックス
「イメージの結合」「エフェクトの挿入」「マスクの使用(エフェクトの分離)」「設定の調整」「アニメーションの微調整」を基本とした作業を行います。
「ノード」「マスク」を利用したエフェクト追加が可能なため、1つ1つ確認しながらエフェクトを組み合わせることができます。
また、以下のような作業も可能です。
- グリーンバックの編集。
- 3Dモデルの読み込みとレンダー
- 「Blender」「Maya」「3D Studio Max」などのアプリケーションから、Fusionページのショットに読込可。
- 「Blender」「Maya」「3D Studio Max」などのアプリケーションから、Fusionページのショットに読込可。
- 3Dパーティクルエフェクトの利用
- After Effectのようなイメージで良いと思います。
- After Effectのようなイメージで良いと思います。
Fusionページとカラーページはシームレスな切り替えが可能です。
カラーページ:カラー編集
カーブを利用して、コントラストや色相・彩度・輝度のカラーバランスの調整が可能です。
また、「ノード」「エフェクト」を利用した調整も可能です。
Fusionページとカラーページはシームレスな切り替えが可能です。
Fairlightページ:オーディオ編集
オーディオトラックの「収録」「編集」「台詞置き換え」「修復」「ミキシング」「マスタリング」が可能です。これらを実現するために必要なプロ仕様ツールを数十種類搭載しています。
ステレオ/サラウンドの音源、3Dオーディオなど様々なフォーマットに対応しています。
公式ページを見ると、オーディオ編集ツールとしてみた時の「ProToolsなどのDAW」から移行するユーザーも考慮して作られているようです。
デリバーページ:映像の書き出し
完成した映像を、様々な設定でレンダリングして出力することができます。
また、アカウントを連携しておくとYouTubeなどの特定のオンラインサービスに自動アップロードすることも可能です。
販売形態は?
販売方法は、無料版と有料版の2つの形態があります。
有料版
本記事記載時の価格帯だと45,000円弱(公式サイト)となっています。つい最近、5,000~10,000円値上がったようです。。。気付くの遅かった・・・
有料版のライセンスの有効期間ですが、サブスクリプションではなく、永続ライセンスです。しかも、メジャーレベルでバージョンアップ(17⇒18など)をしたとしても、更新版などを購入する必要がありません。1年間だけ更新可のような設定もなく、マイナーバージョンのアップデートのように、永続的に無料でそのままアップデートして利用できるようです。
バージョンアップするにつれ、有能な機能が次々に追加されているようなので、これは大きいメリットだと思います。
なお、有料版には、ライセンス版とUSBのドングル版があります。
ライセンス版では2台まで同時利用できます。2台目を超えて利用する場合は、都度ディアクティベートが必要です。ディアクティベートをしないまま3台目をアクティベートすると、それまで認証していた2台分のアクティベートが破棄され、3台目が1台目として判断されるようです。USBドングル版では、何台でもインストールできますが、ドングルを挿している1台でのみ起動することができます。
無料版
有料版の機能制限版です。と言っても、有料版の8割~9割の機能が利用できると思います。そのため、仕事や高度な編集をしなければ。無料版で十分という人も多いと思います。
また、無料版はよくある「○○日間のお試し期間」のようなものではなく、有料版と同じように永続的に使えるものです。
加えて作成中にCM・広告が邪魔したり、「制作物に、透かしが入る」ということもないようです。
無料版と有料版の差異
バージョン18時点での無料版では利用できない機能の概要を以下にまとめておきます。
ざっと見た感じ、「個人の趣味で、エフェクトとかはあまり使用しない」というような場合は、無料で良さそうです。
- 最大32Kの解像度、最大120フレーム/秒、高度なHDR書き出し(Dolby Vision/HDR10+フォーマット)に対応。
- マルチGPUに対応(Mac:Metal、Windows/Linux:OpenCL/CUDAを使用)
- 高度なノイズ除去ツールの利用
- 歪曲レンズ(広角レンズ、魚眼レンズ等)による歪みの補正
- ステレオスコピック3Dプロジェクトの編集およびグレーディング用のツール
- リモートグレーディング機能による共同作業
- GPUアクセラレートされたDaVinciカラー変換スクリプトによる高速化
- Pythonなどのスクリプトによるじ自動化
- ワークフロー統合プラグインをサポート(独自作成のプラグインで、JavaScript APIを使用可)
- 30種類以上のGPU/CPUアクセラレートResolve FXを追加で搭載
- レンズフレア、レンズ反射、ダート除去などが該当します。
- 無料版でも表示されていますが、利用すると「透かし」が表示されます。
- レンズフレア、レンズ反射、ダート除去などが該当します。
- ディープニューラルネットワークおよび機械学習を利用した機能を搭載
- 顔認証、オブジェクト除去、滑らかな速度変更など
- 顔認証、オブジェクト除去、滑らかな速度変更など
- 高解像度3Dオーディオをサポート
- IABおよびADMファイルの読み込み・書き出しに対応
- IMFフォーマットでの書き出し
- AVCHD、AVC-Intra、H.264、および10-bitエンコーディングを用いるカメラフォーマットをサポート
- 劇場映画配給用のデジタルシネマパッケージ(DCP)をサポート
- サードパーティのファイルフォーマットパッケージで最適化されたレンダリングフォーマットを追加。
- XDCAM、XAVC、P2 AVC Ultra、P2 AVC Intra、HEVC/H.265(MainおよびMain 10プロファイル)、AS-11準拠のパッケージなど
学習のしやすさは?
新しいツールを利用する際は、操作方法の学習が重要な所になるでしょう。
DaVinci Resolveは、分かりやすいUI表示で必要なものがまとまって表示されています。そのため、非常に理解しやすく、使いやすい作りになっていると思います。
過去バージョンの日本語の公式マニュアルもネット上にはあり、そういった意味でも学習しやすいかと思います。
周辺機器、関連コンテンツの豊富さは?
また、純正の周辺機器も多く存在しています。キーボードタイプから、コンソールタイプのものまで様々です。
標準のプラグインやプリセットと言ったものは、他の編集ソフトと比べると少ないと思います。
実際の使用者によるチュートリアル、プラグインなどの関連コンテンツについても、Premiere Proのような規模で揃っているというわけではありません。
ですがDaVinci Resolveは、近年注目されてきており、ユーザー数は急増しています。そのため、関連コンテンツも充実してくることが考えられます。
PCのスペックで考慮する点は?
DaVinci Resolveの場合、CPUを駆使して動かすのではなく、GPUをメインで利用して動作する仕様です。とはいえ、CPUももちろん重要です。
また、他のアプリも同時に使うので余力を残すのではなく、使えるリソースは極力使っていくようです。そのため、PCの性能をフルに活かせることできそうです。
そのため、グラフィックボードの詳細など、PCの性能はより気にした方が良さそうです。(外付けのGPUもあるにはあるようです。)
具体的には、WindowsではNVidia、MacではAMD がより良いようです。
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveへ移行したきっかけと、DaVinci Resolveの概要について記載しました。
これから、少しずつでも触って操作方法を学んでいこうと思います。
私と同じように、動画編集ソフトについて、迷ってる方の役に立てれば嬉しいです。
ぜひ参考にしてみて下さい。