【DaVinci Resolve】カラーページ~プライマリー(カラーホイール)パレット~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも編集に関わるカラーページの「レフトパレットの概要」「プライマリーパレット」についてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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レフトパレットについて

レフトパレットは、カラーグレーディングの中でも基本的な調整を行う場所です。

具体的には、RAWファイルに対する設定、プライマリー設定、HDRに対する設定などの調整が行えます。

そのため、クリップの全体的な雰囲気を決定づける設定を行う場所といえるでしょう。

切り替えて利用できるレフトパレット上部にあるツール(下図赤枠)も、こういった内容に準じたツールが利用できます。

その中でも、メインで利用することになるのは、下図で表示している「プライマリー(カラーホイール)」になると思います。

プライマリーパレットについて

概要

プライマリーパレットは、レフトパレットの中でも、最も利用頻度が高く、カラーグレーディングの基本的な調整を行うためのパレットと言えます。

具体的には、プライマリー設定と言われる、クリップ全体に対して、色温度、色相、輝度、コントラスト、ホワイトバランスといった調整で、色の均一化などを行えます。

プライマリーパレットで行う設定は、以下の赤枠で切り替える3つのモードを駆使します。(上から、カラーホイール、カラーバー、LogホイールのUIです。)

それぞれのモードの主な違いは、以下に示します。

モード説明
カラーホイール最も基本的なカラーグレーディングのツールです。
映像の色相、彩度、輝度を調整するために使用に適しています。
カラーバー映像のカラーバランスやコントラストを調整するためのツールです。
YRGBの中で、特定のパラメータに着目して調整する際に適しています。
特に、Y(輝度)のみの調整は、色の印象を変えずに明るさを変更できるので便利です。
Logホイール映像のダイナミックレンジを最大限に活用し、より自然な色調を再現するためのツールです。
色の再現性を求める際に適しています。
例えば、広いダイナミックレンジを持つ映像や、カメラのLogプロファイルで撮影された映像があります。
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設定

調整できるパラメータは、いずれも同じようなものを調整しています。

パラメータ説明
色温
自然の光を使用した照明の色温度スペクトルに相当します。
値を上げると暖色のオレンジに、値を下げると寒色の青に近づきます。
ティント
人工的な照明の色温度スペクトルに相当しています。
値を上げるとマゼンタに、値を下げると緑に近づきます。
コントラスト
全体の明暗の差を調整します。
プロジェクト設定の[一般オプション] > [カラー] > [コントラストにSカーブを使用」を有効にすると、Sカーブが適用されます。
値を上げると明暗差が大きくなり、値を下げると小さくなります。
ピボット
コントラストの調整におけるトーンの中心を調整します。
値を上げると明るい部分のコントラストが、値を下げると暗い部分のコントラストが強調されます。
↓レンジ
↑レンジ
それぞれ「シャドウとミッドトーン」「ミッドトーンとハイライト」の重なる場所になります。
この範囲を調整することで、「シャドウ」「ミッドトーン」「ハイライト」が影響を及ぼす範囲を設定します。
レンジ間が広いと画像全体のコントラストが強調され、狭いと画像全体のコントラストが緩和します。
ミッド
画像の中間域の色調におけるコントラストを調整し、ディティール(細かい部分の情報)の見栄えを決定します。
値を上げると鮮明度が上がり、値を下げると柔らかくぼやける傾向があります。
リフト
シャドウ
暗い領域の色調を調整します。
左にドラッグするとより暗くなり、右にドラッグするとより明るくなります。
ガンマ
ミッドトーン
明暗の中間域の色調を調整します。
左にドラッグするとより暗くなり、右にドラッグするとより明るくなります。
ゲイン
ハイライト
明るい領域の色調を調整します。
左にドラッグするとより暗くなり、右にドラッグするとより明るくなります。
オフセット
上記3つの設定によるコントラストを維持したまま、全体のバランスを調整します。
マスターホイール
カラーホイールの下にある横方向のスライダーです。
紐づく帯域の明るさやコントラストの調整を、YRGBの値の一括変更で行います。
ブースト
色の濃さを調整する設定で、彩度が低い箇所が影響を受けやすいです。
「0(変更なし)」を基準に、値を上げると色が濃くなり、値を下げると色が薄くなります。
シャドウ
暗い部分の明るさを調整します。
値を上げると明るくなり、値を下げると暗くなります。
ハイ
明るい部分の明るさを調整します。
値を上げると明るくなり、値を下げると暗くなります。
彩度
色の強さ(鮮やかさ)を調整します。
値を上げると鮮やかさが強くなり、値を下げると弱くなります。
色相
色のトーンや色合いを調整します。
値の上げ下げをすることで、カラーホイール(色相環)の色の位置を移動させます。
輝度M
YRGBの「Y(輝度)」の成分を調整します。
本設定は、コントラストを調整することにつながります。
カラーバーモードなどで、YRGBの「Y(輝度)」を変更している場合に機能します。

設定する方法は、一例として以下のような方法があります。

設定対象方法
カラーリング
  • ドラッグ(カーソル位置を追従)
  • ダブルクリック(設定リセット)
  • Shift + クリック(マウスアップした点にジャンプ)
  • Ctrl + クリック(マスターホイールのドラッグと同じ挙動)
数値エディター
  • ダブルクリックして、YRGBの直打ちする。
  • テキストカーソルを置き、上下のカーソルを利用する。
  • 左右にドラッグする。
その他、左上に存在する「A」ボタンを押下して「自動補正」を行ったり、リセットボタンで設定を初期化することができます。

Logホイールモードについて

「Logホイール」モードの設定は、「カラーホイール」モードの影響は直接受けずに機能します。

また、以下の使用方法が考えられるので、それぞれについて、まとめます。

  • Logエンコードメディアに対し、一般的なグレーディングを実施。
  • ノーマライズ(コントラストなどを調整し、見た目を戻す処理)後のメディアに対し、映画向けなど独自の雰囲気や効果を付与。

一般的なグレーディングを実施

例えば、デジタル一眼のようなカメラのRAWフォーマットの多くは、Logエンコードイメージに対して欠落した色を補間する(ディベイヤー処理)ことが可能になります。

ただし、このディベイヤー処理を施したイメージは、LUTを利用したりすることでノーマライズする必要がでてきます。

この大まかな処理を行ったイメージを基に、Logモードで微調整を行うのが1つの方法になっています。

処理の順番としては、Logモードで処理を行ったものに対して、ノーマライズを行う流れになります。

Logモードで各パラメータを変更するフローは、以下のような流れで行うと良いでしょう。

  1. 「オフセット」のマスターホイールで、設定の基準を設定する。
  2. 「コントラスト」および「ピボット」のパラメータで、全体に均一なコントラストを調整する。
  3. 「オフセット」のホイールで、全体に均一なカラーバランスを調整します。
  4. 「シャドウ」「ミッドトーン」「ハイライト」のホイール/マスターホイールで、各設定に特化した微調整を行う。

ノーマライズ後に、独自のルックを付与

ノーマライズしたイメージに対して「Log」モードで調整を行う場合、限定されたトーンレンジを調整することが効果的です。

Logモードでのコントロールは、デフォルトで以下のようになっています。

コントロール影響する範囲
シャドウ
最も暗いシャドウ領域(全体の下から約3分の1)
ミッドトーン
3分割した中間部分
ハイライト
上から3分の1の明るい部分

この影響する範囲は、「プライマリーパレットについて」の箇所で記載した「↓レンジ」「↑レンジ」で調整することが可能です。

これにより、上記3つのコントロールが影響を与える範囲を調整し、それぞれに対してグレーディングを行うことができます。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「カラーページ」のうち、「レフトパレットの概要」「プライマリーパレット」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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