動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも編集に関わるカラーページの「キーフレームエディター」について、前編(本記事)と後編(リンク)に分けて、まとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
キーフレームエディターとは
カラーページにも、キーフレーム専用のエディターが存在します。
これにより、キーフレームを用いてフレーム毎の設定内容の変化を付けることができます。
そのため、エディットページの編集作業に対するアニメーションと同様に、カラーグレーディングに対してもアニメーションを設定することが可能になります。
なお、キーフレームは、クリップ毎に別々のセットを持っています。
インターフェース
キーフレームエディターは、大きく以下のような3つの領域で構成されています。
それぞれについて、説明します。
①ツールバー
キーフレームエディターの表示に関する機能が備わっています。
No | 項目 | 説明 |
① | キーフレームタイムラインモード | キーフレームを追加する際の対象トラックを「モード」という形で選択できます。
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② | ズームスライダー | キーフレームエディターの表示倍率を変更できます。 |
③ | プライマリー/セカンダリービューを分割 | レフトパレットとセンターパレットを1つのパレットで表示するか2つに分割するかを選択します。 これにより、ライトパレットの表示幅を変更できます。 |
②トラックヘッダー
各ノードが持つキーフレームトラック(③タイムラインを参照)を管理・操作するための各種コントロールが備わっています。
No | 項目 | 説明 |
① | 有効化/無効 | 対象のトラックの有効/無効を切り替えます。 |
② | ロック | 対象のトラックの設定をロックします。 |
③ | 自動キーフレーミング | 対象のノードでパラメータの変更時に自動でキーフレームが作成されかどうかを切り替えます。 |
④ | 展開 | 対象のトラックで、キーフーミングが可能なパラメータを表示します。 より細かくキーフレーミング対象を選択するのに便利です。 |
上記の④展開についてですが、「コレクターX」のトラックの場合は以下が表示されます。
項目 | 制御対象 |
四角形 | 四角形ウィンドウのパラメータ。 |
円形 | 円形ウィンドウのパラメータ。 |
ポリゴン | 多角形ウィンドウのパラメータ。 |
PowerCurve | カーブウィンドウのパラメータ。 |
グラデーション | グラデーションウィンドウのパラメータ。 |
カラー補正 | 以下のパレットに含まれる全パラメータ。
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クオリファイアー | クオリファイアーパレットに含まれる全パラメータ。 |
その他の分離 | その他の分離対象。 |
デフォーカス | 以下のパレットに含まれる全パラメータ。
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NR | モーションエフェクトパレットにある以下のパラメータ。
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OpenFX | 選択中のノードに適用されているOFXプラグインの全パラメータ。 |
ノード形式 | サイズ調整パレットの「ノードサイズ調整」モードの全パラメータ。 |
また、「サイズ調整」のトラックの場合に表示される項目は以下です。
項目 | 制御対象 |
入力サイズ調整 | 「サイズ調整」パレットの「入力サイズ調整」のパラメータ。 |
コンバージェンス | 「3D」パレットの「コンバージェンス」のパラメータ。 |
フローティングウィンドウ | 「3Dウィンドウ」の「位置」「回転」「ソフトネス」のパラメータ。 |
自動配置 | 「3D」パレットの「ピッチ」「ヨー」のパラメータ。 |
外部マットを展開した場合は、「タイムオフセット」「外部マットイメージ」のサイズ調整などに利用できる「フリーフォーム分離」トラックが表示されます。
③タイムライン
実際に打たれているキーフレームの位置確認や移動などをするための機能が備わっています。
No | 項目 | 説明 |
① | タイムラインルーラー | 左側では、再生ヘッドの位置のフレームが表示されます。 右側では、選択中クリップが配置されているタイムコードが表示されます。 |
② | キーフレーム | 設定が変わる位置に打たれるマークです。 動的なキーフレームは菱型、静的なキーフレームは丸型で表示されます。 キーフレームは、クリックで選択したり、ドラッグで位置を動かしたりできます。 |
③ | キーフレームトラック | 「コレクターX」のように、トラックヘッダーにある1つ1つの行を指します。 基本的に、ノードエディターに配置されているノード分作成されます。 「コレクターX」の他にも、以下のようなトラックが存在します。
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- 動的キーフレーム(ダイナミクス)
- キーフレーム間の設定が保管されて、線形的に変化するキーフレーム。
- 標準的なキーフレーム。
- キーフレーム間の設定が保管されて、線形的に変化するキーフレーム。
- 静的キーフレーム(マーク)
- キーフレーム間の設定が保管されず、変化が一気に行うキーフレーム。
- キーフレーム間の設定が保管されず、変化が一気に行うキーフレーム。
タイムライン上でのコンテキストメニュー
タイムラインのトラックの上で開くコンテキストメニューには以下のようなものがあります。
- 静的キーフレームを追加
- 動的キーフレームを追加
- 静的キーフレームに変更
- 動的キーフレームを静的キーフレームに変更します。
- 動的キーフレームを静的キーフレームに変更します。
- 動的キーフレームに変更
- 静的キーフレームを動的キーフレームに変更します。
- 静的キーフレームを動的キーフレームに変更します。
- 選択したキーフレームを削除
- 選択したキーフレームを削除します。
- 選択したキーフレームを削除します。
- 動的キーフレームの特性を変更
- 動的キーフレームの補間する区間の変化の仕方を変更できます。
- 動的キーフレームの補間する区間の変化の仕方を変更できます。
- 最大までズーム
- 可能な限りズームして表示します。
- 可能な限りズームして表示します。
- ズームをリセット
- クリップ全長をタイムラインに収まるように表示します。
- クリップ全長をタイムラインに収まるように表示します。
- トラックにEDLマークを追加
- トラック内のEDLマークを削除
使い方
動的キーフレームの利用
動的キーフレームを使って、動きを付ける方法を以下に示します。
- 再生ヘッドをパラメータを変更したい位置に移動する。
- 以下のいずれかで、動的キーフレームを追加する。
- メニューの[マーク] > [キーフレームを追加]を選択する。
- ショートカットキー「Ctrl + [ 」を押下する。
- キーフレームエディターで、対象のトラックヘッダーにある「自動キーフレーミング」を有効にする。
- メニューの[マーク] > [キーフレームを追加]を選択する。
- クリップのキーフレーミングの開始時点の設定を行う。
- 「自動キーフレーミング」利用時は、この時点でキーフレームが追加されます。
- 「自動キーフレーミング」利用時は、この時点でキーフレームが追加されます。
- 必要に応じて、手順①~③を繰り返す。
- 「自動キーフレーミング」利用時は、最後のキーフレームを追加後に無効にしておくと良いです。
静的キーフレームの利用
静的キーフレームを使って、動きを付ける方法を以下に示します。
- 再生ヘッドをパラメータを変更したい位置に移動する。
- 以下のいずれかで、動的キーフレームを追加する。
- メニューの[マーク] > [静的キーフレームを追加]を選択する。
- ショートカットキー「Ctrl + ] 」を押下する。
- メニューの[マーク] > [静的キーフレームを追加]を選択する。
- 再生ヘッドをキーフレームより左に動かし、変化前の設定を行う。
- 再生ヘッドをキーフレームより右に動かし、変化後の設定を行う。
- 必要に応じて、以下の手順を実施する
- 設定済みのキーフレームより左に作成する場合、手順①、②、③を実施する。
- 設定済みのキーフレームより右に作成する場合、手順①、②、④を実施する。
- 設定済みのキーフレームより左に作成する場合、手順①、②、③を実施する。
設定済みキーフレームに対する操作
設定済みのキーフレームに対して行うことができる操作を以下にまとめます。
操作 | 手順(説明) |
移動 | キーフレームエディター上で、キーフレームをドラッグする。 なお、キーフレームを範囲選択することで、複数のキーフレームを同時に移動することもできます。 |
コピーペースト | 対象のキーフレームを選択後、以下のいずれかを実行します。
なお、貼り付け時に、「属性をペースト」もしくは「Alt + V」を利用すると、任意の属性のみを貼り付けることもできます。 |
削除(1つ) | 対象のキーフレームの位置に再生ヘッドを置き、以下のいずれかを実行します。
対象のキーフレームに対して開くコンテキストメニューで、「キーフレームを削除」を選択する。 |
削除(すべて) | メニューの[マーク] > [すべてのキーフレームを削除]を選択する。 |
値の変更 | 再生ヘッドとキーフレームの位置関係によって、以下のように変化します。
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再生ヘッドをキーフレームに移動 | 以下のいずれかを実行することで、現在位置から最寄りの「左右のどちらかキーフレーム」に移動します。
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商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「カラーページ」のうち、「キーフレームエディター」の「概要」と「インターフェース」についてまとめてみました。
後編(リンク)もありますので、2つの記事がDaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。