【DaVinci Resolve】Fairlightページ~ミキサー:概要とUIについて②~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でもオーディオ編集に関わるFairlightページの「ミキサーのフローティングウィンドウ(ダイナミクス)」についてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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フローティングウィンドウの説明

ここでは、ミキサーのUIの中で表示できるフローティングウィンドウの内容についてまとめます。

全4種ありますが、本記事では、「ダイナミクス」のみを扱います。

ダイナミクス

ダイナミクスのフローティングウィンドウは、以下のようになっています。

フローティングウィンドウでは、「エクスパンダー/ゲート」「コンプレッサー」「リミッター」の設定を組み合わせと、全体的なボリュームの増減を設定できます。

なお、設定した内容によって、どのような変化をするか?については、ウィンドウ上部にあるグラフでリアルタイムに確認することができます。

マスターコントロール

特定のエフェクトに属さず、ユーザーが設定できるコントロールには、以下のようなものがあります。

  • 有効/無効のトグルスイッチ
  • リセットボタン
  • プリセットメニュー

    • プリセットの作成・編集・保存ができます。
  • ゲインリダクション(メーター)

    • 圧縮具合を確認できます。
  • メイクアップ(フェーダー)

    • 最終的なダイナミクス全体の音量を調整します。
  • 出力(メーター)

    • 最終的な音量を確認できます。
  • S/C(メーター)

    • サイドチェーンを利用した時に、「センド」で入力される信号の音量を確認できます。

エクスパンダー/ゲート

エクスパンダーは、基準値以下の音をさらに小さくさせます。

これにより、音量差を目立たせることでメリハリをつけたり、ノイズや不要な環境音などを目立たなくさせることができます。

ゲートは、基準値以下の音を完全に除去するエフェクトです。

エクスパンダーとは異なり完全になくなるので、録音機材のノイズや電源のノイズのように、本来必要ない音をなくすことができます。

エクスパンダー/ゲートはいずれかを選択することになりますが、付随するコントロールは、共通して以下のようなものがあります。

コントロール説明
しきい値 この値を下回る信号に対して、エフェクトが適用されます。
レンジエクスパンダーでは、使用しません。
ゲートでは、しきい値を下回る信号をどこまで小さくする(無音に近づける)か?を設定します。
なお、「信号 < (ゲートのしきい値 ― ゲートレンジ)」が成立する場合、ゲインリダクションは適用されません。
レシオエクスパンダーでは、しきい値を下回る信号を小さくする比率(入力:出力)を設定します。
ゲートでは、使用しません。
アタック 信号がしきい値を超えた場合に、エフェクトが適用されるまでの誤差の時間を設定します。
ホールドエフェクトが必ず適用され続ける時間を設定します。
この時間内に、しきい値より信号が上回ったとしてもエフェクトをかけ続けるようになります。
リリース 信号がしきい値より上回った場合に、エフェクトの適用を止めるまでの誤差の時間を設定します。

コンプレッサー

コンプレッサーは、基準値上回った信号を圧縮します。

これにより、突出して大きい音量を抑えることになるので、全体の音量バランスを整えることができます。

しかし、過度にエフェクトをかけると、メリハリのない平坦な感じになってしまうので注意が必要です。

コンプレッサーに付随するコントロールは、以下のようなものがあります。

コントロール説明
しきい値この値を上回ると、エフェクトが適用されます。
レシオしきい値を上回る信号を圧縮する比率(入力:出力)を設定します。
Knee
信号を圧縮開始時の滑らかさを設定します。
Mix
原音の信号と圧縮した信号の混ざり具合を設定します。
アタック
信号がしきい値を超えた場合に、エフェクトが適用されるまでの誤差の時間を設定します。
ホールド
エフェクトが必ず適用され続ける時間を設定します。
この時間内に、しきい値より信号が上回ったとしてもエフェクトをかけ続けるようになります。
リリース
信号がしきい値より上回った場合に、エフェクトの適用を止めるまでの誤差の時間を設定します。
センド
有効にした場合、当該のトラックのオーディオレベルを別のトラックのオーディオレベルを減衰させるために使える状態にします。
聴く
有効にした場合、「センド」を有効にしたトラックのオーディオレベルを利用して、オーディオレベルを減衰させるようにします。

以下では、話者が話しているときに、環境音を小さくするような効果を得られるようにする設定方法を記載します。

これは、オンライン会議用のハードウェアやツールでよくある制御なので、使用頻度も少なくないと思います。

  1. メインとなる音声のトラック(A)と環境音となるトラック(B)を重なった状態にする。
  2. ミキサーでトラック(A)に対して開くダイナミクスのフローティングウィンドウ(A)を表示する。
  3. フローティングウィンドウ(A)で、「送信」ボタンを押下する。
  4. ミキサーでトラック(B)に対して開くダイナミクスのフローティングウィンドウ(B)を表示する。
  5. フローティングウィンドウ(B)で、「聴く」ボタンを押下する。
  6. トラック(A)の音が聞きやすいように、フローティングウィンドウ(B)で各パラメータを調整する。

この手順を踏むことで、「S/C」でトラック(A)のレベルが表示され、その変化に伴うトラック(B)の圧縮具合を「ゲインリダクション」で確認できます。

リミッター

リミッターは、最高の圧縮率をもつコンプレッサーと考えて良いと思います。

完全な頭打ちの状態となり、設定した基準値以上の音は出ないようになります。

リミッターに付随するコントロールは、以下のようなものがあります。

コントロール説明
しきい値出力の最大値を設定します。
 アタック
信号がしきい値を超えた場合に、エフェクトが適用されるまでの誤差の時間を設定します。
 ホールド
エフェクトが必ず適用され続ける時間を設定します。
この時間内に、しきい値より信号が上回ったとしてもエフェクトをかけ続けるようになります。
リリース
信号がしきい値より上回った場合に、エフェクトの適用を止めるまでの誤差の時間を設定します。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「Fairlightページ」のうち、「ミキサーのフローティングウィンドウ(ダイナミクス)」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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