動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、サードパーティーのエフェクトに頼らなくても良いように、多くのエフェクトが内蔵されています。
今回は、その中でもエフェクトの「Fairlight FX」の「Chorus」から「Delay」について、まとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 19 に基づいた内容になっています。
Chorus
元のオーディオ信号を複製して、わずかにピッチとタイミングを変化させるエフェクトです。
ボーカルやギターなど、音を厚くしたり、空間的な広がりを持たせたいときに使用したい場合に最適です。
設定値は以下があります。
設定項目 (フローティングウィンドウ) | 設定項目 (インスペクタ) | 説明 |
入力形式 | 入力形式 | モノラルトラックでは、表示されません。 以下から選択できます。
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ディレイ > ディレイ時間 | ディレイ時間 | コーラス音を原音から遅らす量を調整します。 |
ボイス > 分離 | ボイス分離 | コーラス効果を作るための複数のディレイ音(遅れた音)の間隔を調整します。 |
幅 > 広がり | 広がり | 空間で聞こえる位置を離す距離を調整します。 |
変調 | 変調の種類 | エフェクト音の揺らぎの変化の沿う波形を以下から選択します。
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変調 > 周波数 | 変調 周波数 | エフェクト音の揺らぎや動きをもたらす変化の速さ(周波数)を調整します。 |
変調 > ピッチ | 変調 ピッチ | エフェクト音が変化する範囲(ピッチ)を調整します。 |
変調 > レベル | 変調 レベル | エフェクト音の音量(波形の振幅)を調整します。 |
フィードバック > 適用量 | フィードバック量 | コーラス効果の強さを調整します。 |
フィードバック > ブレンド | FBブレンド | ステレオモードでのみ表示されます。 左右のステレオ間の広がり具合を調整します。 |
出力 > ドライ/ウェット | ドライ/ウェット | エフェクト適用前(ドライ音)とエフェクト適用後(ウェット音)の音の混ざり具合を調整します。 |
出力 > レベル | 出力レベル | エフェクトの出力の音量を調整します。 |
De-Esser
「s」や「ts」の要素を含む音(歯擦音)を低減・抑制するエフェクトです。
ボーカル録音で「サ行」や「タ行」などで耳障りなノイズを除去したい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
設定項目 (フローティングウィンドウ) | 設定項目 (インスペクタ) | 説明 |
S音のみ | S音のみ | 除去されている音(S音)だけを聞けるようになります。 |
周波数帯域 > 周波数 | 周波数 | 除去対象としたい歯擦音の周波数を調整します。 |
周波数帯域 > 範囲 | 範囲 | ディエッサーの動作モードを以下から切り替えます。
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ディエッサー > 適用量 | 適用量 | エフェクトを適用する度合を調整します。 |
反応時間 | 反応時間 | ディエッサーの反応時間(アタックの速度)を以下から選択します。
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De-Hummer
AC電源(通常50Hzや60Hz)や他の電磁干渉から発生するハムノイズを除去するためのエフェクトです。
録音環境などの電気系統に起因するハムノイズを除去したい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
設定項目 (フローティングウィンドウ) | 設定項目 (インスペクタ) | 説明 |
ハムのみ | ハムのみ | 除去されている音(ハムノイズ)だけを聞けるようになります。 |
周波数 | 周波数 | ターゲットソースの基本周波数を設定します。 「モード」が「可変」の時に設定が機能します。 |
モード | モード | ノイズの原因となる主電源の周波数を以下から選択します。
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適用量 | 適用量 | エフェクトを適用する度合を調整します。 |
スロープ | スロープ | 基本周波数から高周波(縦線で、2目盛分)に向かって、エフェクト適用量の変化を調整します。 |
Delay
音声信号に遅延を加え、やまびこ効果をシミュレートするエフェクトです。
「繰り返されながら減衰していく音」を再現したい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
設定項目 (フローティングウィンドウ) | 設定項目 (インスペクタ) | 説明 |
入力形式 | 入力形式 | モノラルトラックでは、表示されません。 以下から選択できます。
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フィルター > ハイカット | ハイカット | エフェクト音にかけるローパスフィルターの基準周波数を調整します。 |
フィルター > ローカット | ローカット | エフェクト音にかけるハイパスフィルターの基準周波数を調整します。 |
左 > ディレイ時間 | ディレイ時間 左 | モノラルトラックでは、表示されません。 左チャンネルの遅れて聞こえる間隔(ディレイ時間)を調整します。 |
左 > フィードバック | フィードバック 左 | モノラルトラックでは、表示されません。 左チャンネルの繰り返し回数を調整します。 |
右 > ディレイ時間 | ディレイ時間 右 | モノラルトラックでは、表示されません。 右チャンネルの遅れて聞こえる間隔(ディレイ時間)を調整します。 |
右 > フィードバック | フィードバック 右 | モノラルトラックでは、表示されません。 右チャンネルの繰り返し回数を調整します。 |
ディレイ > ディレイ時間 | ディレイ | モノラルのトラックで、表示されます。 遅れて聞こえる間隔(ディレイ時間)を調整します。 |
フィードバック > 適用量(モノ) | フィードバック | モノラルのトラックで、表示されます。 繰り返されるフィードバックの量を調整します。 |
Feedback > ハイレシオ | 高周波レシオ | フィードバック信号の高周波成分の減衰量を調整します。 |
Feedback > ステレオブレンド | ステレオブレンド | 左右のチャンネルのフィードバックが互いに混入する度合を調整します。 |
出力 > ドライ/ウェット | ドライ/ウェット | エフェクト適用前(ドライ音)とエフェクト適用後(ウェット音)の音の混ざり具合を調整します。 |
出力 > レベル | 出力レベル | エフェクトの出力の音量を調整します。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「Fairlight FX」のうち、「Chorus」から「Delay」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。