動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも編集に関わるカラーページの「キーパレット」「サイズ調整パレット」についてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
キーパレットとは
概要
特定の範囲に対して効果を適用することができ、色補正やエフェクトを適用する際に使用するパレットです。
使用することで、カラーグレーディングの「精度」や「柔軟性」の向上が期待できます。
また、キーパレットで表示される設定は、ノードエディターで選択しているノードによって変わってきます。
そのノードの種類は、以下の3つになります。
- コレクターノード
- 外部マット
- キーミキサー
他にも、後述のキー出力の「ゲイン」の設定を調整することで、他の設定を変えなくても、グレーディングによる効果の強弱を調整することも可能です。
設定
上記で説明した3つのノードのそれぞれに対して表示される設定内容を、以下にまとめます。
コレクターノード
コレクターノードでは、大きく3つのグループがあります。
グループ | 項目 | 説明 |
キー入力 | 反転 | キーを反転します。 |
↑ | マット | キー入力の結合方法が異なる以下の2種類のモードで、切り替えられます。
|
↑ | ゲイン | キーの強度を調整します。 |
↑ | オフセット | キーのコントラストを調整します。 |
↑ | ブラー | キーをぼかし具合を調整します。 |
↑ | ブラー比 | ブラーの縦/横方向の比率を調整します。 |
キー出力 | 反転 | キー全体を反転します。 |
↑ | ゲイン | グレード全体に対してノードが及ぼす影響の度合いを調整します。 |
↑ | オフセット | キーのコントラストを調整します。 |
クオリファイアー | 反転 | キーを反転します。 |
↑ | マット | キー入力の結合方法が異なる以下の2種類のモードから選択します。
|
↑ | ゲイン | キーの強度を調整します。 |
↑ | オフセット | キーのコントラストを調整します。 |
なお、それぞれのグループが対象とするものは以下を参照してください。
- キー入力
- ノードのキー入力から入力しているキーを対象とします。
- ノードのキー入力から入力しているキーを対象とします。
- キー出力
- ノードのキー出力から出力しているキーを対象とします。
- ノードのキー出力から出力しているキーを対象とします。
- クオリファイアー
- 「クオリファイアー」もしくは「ウィンドウ」で作成したキーを対象とします。
外部マット
外部マットでは、以下のような設定があります。
項目 | 説明 |
変形 | 以下の設定を利用してマットの形状を変更します。
|
反転 | 上下もしくは左右の反転を行います。 |
オフセット | マットの利用開始位置をオフセットします。 |
フリーズ | 特定の1フレームでフリーズします。 |
ループ | 永久ループするようになります。 |
マットをロック | クリップの入力サイズ調整の設定に従い、マットのサイズが固定されます。 |
キーミキサー
キーミキサーでは、「入力リンク」と「出力リンク」の2つの設定に分けられます。
キーミキサーとは、2つ以上の入力を一定の割合で合成し、1つの出力を出すことができるノードです。
そのため、入力リンクの設定は入力端子の個数とリンクするため、複数持つことが可能です。
グループ | 項目 | 説明 |
入力 | 反転 | 接続されるキーを反転します。 |
↑ | マスク | キー入力の結合方法が異なる以下の2種類のモードで、切り替えられます。
|
↑ | ゲイン | 入力が出力に与える影響の度合いを調整します。 |
↑ | オフセット | 入力が出力に与えるコントラストの影響の度合いを調整します。 |
出力 | 反転 | 出力する結果を反転します。 |
↑ | ゲイン | キーの強度を調整します。 |
↑ | オフセット | キーのコントラストを調整します。 |
サイズ調整パレット
概要
「サイズ調整」パレットには、以下のような5つのモードがあり、映像のフレームサイズ、アスペクト比、ズーム、回転などを調整することができるツールです。
モード | 説明 |
編集サイズ調整 | エディットページのインスペクタの設定が反映されます。 |
入力サイズ調整 | クリップごとに、全体的な形状を調整できます。 |
出力サイズ調整 | タイムライン全体に含まれる全クリップに対して、影響します。 |
ノードサイズ調整 | クリップごとに全体的な形状を調整でき、ノードツリー内の任意の位置に追加できます。 ただし、以下の影響を受ける点では気を付けなければなりません。
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参照サイズ調整 | ワイプが有効の場合、クリップと並べて比較する参照スチルを動かすことで、比較しやすい位置に変更できます。 |
設定
「編集サイズ調整」モードを除き、どのモードの設定内容も、ほぼ同じ内容になっています。
「編集サイズ調整」は、基本的にインスペクタの設定が反映されるため、その他のモードで存在する設定内容を中心に、以下でまとめます。
サイズ調整
項目 | 説明 |
パン | 横方向の位置を調整します。 |
ティルト | 縦方向の位置を調整します。 |
ズーム | 全体的な寸法を調整します。 |
回転 | 回転の度合いを調整します。 |
幅 | 横方向の倍率を調整します。 |
高さ | 縦方向の倍率を調整します。 |
ピッチ | イメージ中央の横軸を支点とした回転の度合いを調整します。。 |
ヨー | イメージ中央の縦軸を支点とした回転の度合いを調整します。。 |
反転 | 左右、もしくは上下の反転を行います。 |
レンズ補正 | 「編集サイズ調整」で表示される設定です。 以下の2つのコントロールがあります。
|
キーロック | 「ノードサイズ調整」で表示される設定です。 有効時は「ウィンドウで選択した領域」が移動し、無効時はウィンドウで選択した領域に「他の領域」が移動します。 |
ブランキングコントロール
「出力サイズ調整」モードで表示される設定です。
項目 | 説明 |
上 | 上のブランクエリア(レターボックス)の幅を調整します。 |
右 | 右のブランクエリア(ピラーボックス)の幅を調整します。 |
下 | 下のブランクエリア(レターボックス)の幅を調整します。 |
左 | 左のブランクエリア(ピラーボックス)の幅を調整します。 |
スムース | ブランクエリアの境界部のアンチエイリアスの有効/無効を設定します。 |
オプションメニューについて
オプションメニューは、「入力サイズ調整」および「出力サイズ調整」でのみ利用できます。
オプションメニューでは、プリセットの「管理」「保存」「ロード」ができます。
項目 | 説明 |
プリセットの一覧 | 現在保存されている全プリセットが表示されます。 ロードする際は、対象のプリセットを選択してください。 |
プリセットを削除 | サブメニューから対象のプリセットを選択してください。 |
新規プリセットとして保存 | 現在の設定内容が、新規プリセットとして保存できます。 |
プリセットを更新 | 更新したいプリセットを選択し、現在の設定内容で上書きします。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「カラーページ」のうち、「キーパレット」「サイズ調整パレット」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。