動画編集ソフトの場合、作りたい動画に合わせて様々な設定が必要になってきます。
それを行うのが、DaVinci Resolveでは「プロジェクト設定」に当たります。
今回は、DaVinci Resolveにおける「プロジェクト設定」のうち、「イメージスケーリング」「カラーマネジメント」についてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
プロジェクト設定
イメージスケーリング
クリップのサイズを変更する方法とタイミングに関する設定があります。
イメージスケーリング
クリップサイズの変更方法を設定します。
項目 | 説明 |
リサイズフィルター | クリップサイズの変更におけるイメージピクセル補間に使用するフィルターの種類を設定します。 【スムース】 【バイキュービック】 【バイリニア】 【シャープ】 【カスタム】 |
入力のスケーリングをオーバーライド | 入力サイズを調整するプリセットを選択してプロジェクトに適用します。 |
出力スケーリングをオーバーライド | 出力サイズを調整するプリセットを選択してプロジェクトに適用します。 |
デインターレース品質 (Studioバージョンのみ) | 「クリップ属性」ウィンドウの「デインターレースを有効にする」チェックボックスを使用してメディアプールのクリップをデインターレースする際の処理方法を以下から選択します。 【標準】 Resolveの再生中に自動で適用される手法で、基本的にこの設定で問題ありません。 【高】 負荷が高く、処理時間も長くなりますが、素材の種類によっては高品質な結果が得られる場合があります。 【DaVinci Neural Engine】 DaVinci Neural Engineの高度な機械学習アルゴリズムを使用します。 負荷が高いですが、品質は最も良い結果が得られます。 |
入力スケーリング
現在のプロジェクトと解像度が一致しないクリップに対する処理を以下から選択できます。
項目 | 説明 |
センタークロップ:リサイズなし | サイズの変更をしません。 現在のフレームサイズより小さいクリップは、周りがブランキングになります。 |
最短辺をマッチ:他をクロップ | クリップの最短の面をフレームに合わすように、サイズを変更します。 フレームのサイズを超過したピクセルは、切り落とされます。 |
最長辺をマッチ:黒帯を挿入 | クリップの最長の面をフレームに合わすように、サイズを変更します。 |
全辺をマッチ:縮小/拡大 | すべての面をフレームサイズに合わすように、縮小または拡大がされます。 |
出力スケーリング
出力される解像度の設定です。
デリバーページでは、レンダー設定リストで解像度をタイムライン解像度を使わずにレンダリングする場合、以下の設定が使用されます。
項目 | 説明 |
タイムライン設定と一致 | 有効時は、上述の「タイムライン解像度」「イメージスケーリング」「入力イメージスケーリング」の設定を反映した設定になります。 無効時は、このグループの他の設定を使用して設定します。 |
出力解像度 | 「タイムライン設定と一致」が無効な場合、解像度を選択できます。 また、「解像度」にて、任意の解像度を指定できます。 |
ピクセルアスペクト比 | 「タイムライン設定と一致」が無効な場合、アスペクト比を指定できます。 |
解像度が一致しないファイル | 選択した解像度と一致しないファイルに対する処理を選択できます。 |
Super Scale | 「タイムライン設定と一致」が無効な場合、リサイズされた画像に実際に新しいピクセルを作成するアルゴリズムを以下から設定します。
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カラーマネジメント
「Resolveカラーマネージメント(RCM)」「ACES」「LUT」などの設定を行うことができます。
カラースペース&変換
「カラーサイエンス」で選択したものに応じて、表示される設定項目が変わってきます。
「カラーサイエンス」では、カラーマネジメントの実施方法を以下から選択できます。
項目 | 説明 |
DaVinci YRGB | あるカラースペースから別のカラースペースへのすべての色の変換を「LUT」または「手動調整」で管理します。 |
DaVinci YRGB Color Managed | グレーディングのために「Resolveのカラーマネージドワークフロー(RCM)」を有効にします。 |
ACEScc | ACESワークフローの中で使用できる標準的なカラーマネジメント方式です。 |
ACEScct | ACESワークフローの中で使用できる標準的なカラーマネジメント方式です。 シャドウの持ち上げをクリエイティブな方法で処理するため、直感的な作業方法になります。 |
なお、「DaVinci YRGB」を選択した時に表示される「別々のカラースペースとガンマを使用」については、有効にするとタイムラインと出力のカラースペースで2つのドロップダウンメニューが表示されます。
1つ目のドロップダウンメニューで色域を、2つ目のドロップダウンメニューでガンマを設定することができます。
Dolby Vision™
Dolby Visionのグレーディングやフィニッシングワークフローを、利用することができます。
項目 | 説明 |
Dolby Visionを有効にする | Dolby Vision のオン/オフを切り替えます。 有効時は、カラーページのDolby Visionパレットが有効になります。 |
Dolby Vision バージョン | 使用するDolby Visionアルゴリズムのバージョンを選択します。 |
マスタリングディスプレイ | グレーディングするHDRのマスターディスプレイのnitレベルと色域を選択します。 |
外部CMUを使用 | 内蔵のソフトウェアCMUを使用するか、外付けハードウェアのCMUを使用するかを選択します。 |
HDR10+
項目 | 説明 |
HDR10+を有効にする | 有効時は、HDR10+パレットにトリミングパラメータが表示され、HDRからSDRへの自動変換のトリムが可能になります。 これにより、HDRのハイライトの見え方をコントロールするメタデータが作成されます。 |
HDR Vivid
項目 | 説明 |
HDR Vividを有効化 | 有効時は、中国のHDRテレビ、電話、コンピュータなどのデバイスで使えるフォーマットでマスタリングします。 |
LUT
LUTを追加することができます。
なお、項目によってはプルダウンメニューのリストの内容が多いため、プルダウンメニューの右側にある「・・・」から階層別に選択することもできます。
項目 | 説明 |
入力LUT | 他の画像処理を行う前に、LUTを適用することができます。 |
出力LUT | 「カラー」ページで適用された画像処理の後、かつ一時的に適用された「ディスプレイ」LUTの前に、LUTを適用することができます。 |
ビデオモニターLUT | 他の画像処理操作の後に、LUTを適用することができます。 ただし、レンダリングなどにより最終的に出力された信号に対しての適用はされません。 |
カラービューアLUT | コンピュータのディスプレイ上でビューアに表示される画像を処理するためのLUTを適用することができます。 なお、デフォルトではVideo Monitor LUTの設定に倣う形になります。 |
スコープLUT | 「ビデオモニターLUT」もしくは「その他のLUT」を利用して、ビデオデータレベルの分析をモニター出力を反映したものに変換することができます。 |
3D LUT 補間 | 3D LUTは、赤、緑、青の値の3Dテーブルで入力カラー値に対する出力カラー値を指定しますが、カラー値を補間しなければならない場合があります。 その補間方法を以下から選択します。【トリリニア】 過去バージョンとの互換性があり、他のアプリケーションで適用したLUTと適合します。 【テトラヘドラル】 負荷が高くなりますが、高画質になり、カラーバンディングが低減します。 過去バージョンとの互換性を必要としない場合は、こちらの利用が推奨されています。 |
リストを更新 | DaVinci Resolveの起動後にシステムに新しいLUTを追加した場合に押下することで、LUTのリストが再読み込みされます。 |
LUTフォルダーを開く | ファイルシステムのマスターフォルダーが開きます。 |
ブロードキャストセーフ
ビデオ信号の輝度とクロマを制限することができます。
項目 | 説明 |
ブロードキャストセーフ(IRE) | QC基準に応じた範囲を選択します。 |
ブロードキャストセーフを有効にする | ブロードキャストセーフ制限のオン/オフを切り替えます。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「プロジェクト設定」のうち、「イメージスケーリング」「カラーマネジメント」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。