動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、サードパーティーのエフェクトに頼らなくても良いように、多くのエフェクトが内蔵されています。
今回は、その中でもエフェクトの「ResolveFX」の「レンズフレア」について、まとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 19 に基づいた内容になっています。
レンズフレア(Studioバージョンのみ)
カメラのレンズに直接光が当たったときに発生するフレア効果を再現するエフェクトです。
太陽や強い光源が映り込むようなシーンや視覚効果を演出したい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
基本設定
レンズフレアのベースとなる設定は以下になります。
設定項目 | 説明 |
プリセット | すでに搭載されているプリセットから、ベースにしたいレンズフレアを選択します。 |
出力選択 | 以下のいずれかを選択し、プレビューすることができます。
|
合成の種類 | レンズフレアをイメージに適用する際の合成方法を選択できます。 |
光源マスキング | 前面の被写体にレンズフレアのエフェクトが適用されないようにします。 「マスクのしきい値」および「バーチャル光源サイズ」スライダーが有効になります。 |
マスクのしきい値 | マスクにより、エフェクトが適用されない要にする際のしきい値を調整します。 |
バーチャル光源サイズ | 光源のサイズの調整により、フレアの中心が隠れる速度を調整します。 |
位置
光源の位置を調整します。
設定項目 | 説明 |
位置X/Y | X軸とY軸の位置を使って、光源の位置を調整します。 |
サイズ調整と 併せて移動 | レンズフレアの位置が相対位置として保持されます。 これにより、各種サイズ調整の影響を受けるようになります。 |
全体補正
レンズフレアの全体的な品質の微調整を行うことができます。
設定項目 | 説明 |
全体のサイズ | 本エフェクトによって作成されるレンズフレア全体のサイズを調整できます。 |
アナモルフィック | 本エフェクトによって作成されるレンズフレア全体の横方向のサイズを調整できます。 アナモルフィックレンズによるワイドスクリーンを模した調整です。 |
レンズの中心位置 | レンズフレアを作成する際のレンズの位置を調整できます。 |
全体のデフォーカス | 本エフェクト全体のぼかし具合を調整できます。 |
全体の明るさ | 本エフェクト全体のレンズフレアの強さ(明瞭度)を調整できます。 |
全体の彩度 | 「全体の彩度」でレンズフレア全体のカラーの強さ(明瞭度)を調整します。 |
カラライズ結果 | 「カラー」で設定した色をレンズフレアに付与する度合いを調整します。 |
カラー | レンズフレアに付与する色を選択できます。 |
アパーチャー
レンズフレアを生成する際のカメラのアパーチャーについて設定します。
設定項目 | 説明 |
アパーチャーブレード | アパーチャーのブレードの枚数を設定します。 |
角度 | アパーチャーの角度を設定します。 |
エレメント
レンズフレアを構成する各レイヤーおよびエレメントを微調整できます。
本設定は、「コントロール表示」で選択する項目によって、紐づく設定が表示されます。
そのため、それぞれのコントロール毎に設定をまとめます。
コントロール:フルスクリーングレア
全体に及ぶグレア(まぶしさ)に関する設定です。
設定項目 | 説明 |
グレアの明るさ | グレアの度合を調整します。 |
グレアのカラー | グレアの色を設定します。 |
コントロール:フレアスポット
フレアスポット(レンズフレアを生成する際の中央におかれる光源)に関する設定です。
設定項目 | 説明 |
フレアサイズ | フレアスポットのサイズを調整します。 |
フレアの凹凸 | フレアスポット自体に丸みのアンバランスさ(拡散する光)を付与できます。 |
フレアのソフトネス | フレアスポットの輪郭に付与するぼかしの度合を調整します。 |
フレアカラー | フレアスポットに付与する色を設定できます。 |
コントロール:スターバースト
スターバースト(フレアスポットから出る星形の光)に関する設定です。
設定項目 | 説明 |
サイズ | スターバーストのサイズを調整します。 |
ソフトネス | スターバーストの輪郭に付与するぼかしの度合を調整します。 |
分割の角度 | 発散する光の角度を大きく調整します。 |
分割のバランス | 発散する光の角度の微調整を行います。 |
スターバーストのカラー | スターバーストに付与する色を設定できます。 |
コントロール:ゴースト
全部で8種類設定できるレンズエレメントの設定を行うことができます。
設定は、「ゴーストの種類」を以下から選択することがから始まります。
- None(なし)
- ゴーストが無効になります。
- ゴーストが無効になります。
- アパーチャーの形状
- アパーチャーのブレード数により決まる多角形の形状です。
- アパーチャーのブレード数により決まる多角形の形状です。
- ディスク
- リング状の形状です。
- リング状の形状です。
- アナモルフィック ストリーク
- アナモルフィックレンズで見られる横方向の形状です。
- アナモルフィックレンズで見られる横方向の形状です。
- バブル型
- 中央が霞んだ楕円の形状です。
- 中央が霞んだ楕円の形状です。
- 光冠型
- 外向きの光線のリングの形状です。
また、選択した「ゴーストの種類」により、紐づく設定項目が異なるので、以下にまとめます。
設定項目 | 説明 | 備考 |
カラー | 特定ゴーストに付与する色を設定します。 | ー |
位置 | レンズフレアの中心の位置を設定します。 この位置は、「レンズの中心」からの位置になります。 (0,0)であれば、レンズの中心です。 | ー |
サイズ | レンズフレアのサイズを設定します。 | 「アナモルフィックストリーク」の場合は、横幅に相当します。 |
高さ | 光線の縦幅を設定します。 | 「アナモルフィックストリーク」で表示される設定です。 |
中心の明るさ | ゴーストの中央部の明るさを調整します。 | 「アパーチャー」「ディスク」「アナモルフィックストリーク」で表示される設定です。 |
エッジの明るさ | ゴーストのエッジ部の明るさを調整します。 | 「アナモルフィックストリーク」では表示されません。 |
ソフトネス | ゴーストに「ぼかし」を付与します。 | ー |
リング | ゴーストの内側に反射するレンズ収差(回折アーチファクトのパターン)を設定します。 | 「バブル型」「光冠型」では表示されません。 |
ブリストル密度 | リングのフリンジング(*1)の密度を調整します。 | 「光冠」で表示される設定です。 |
ブリストルのスケール | リングのフリンジング(*1)のサイズを調整します。 | 「光冠」で表示される設定です。 |
クロマ変更 | ゴーストのエッジ部のカラーフリンジングを調整します。 | ー |
イクリプス(*2)の位置 | レンズフレアのイクリプスの位置を調整します。 | 「アナモルフィックストリーク」では表示されません。 |
イクリプス(*2)のサイズ | レンズフレアのイクリプスのサイズを調整します。 | 「アナモルフィックストリーク」では表示されません。 |
イクリプス(*2)のソフトネス | レンズフレアのイクリプスのエッジ部におけるぼかし具合を調整します。 | 「アナモルフィックストリーク」では表示されません。 |
イクリプス(*2)のクロマ変更 | レンズフレアのイクリプスのエッジ部のカラーフリンジングを調整します。 | 「アナモルフィックストリーク」では表示されません。 |
反復 | 「1」以上の時に「反復の位置」「反復のサイズ」が有効になります。 この2つの設定に応じたコピーを作成し、ゴースト内側の明るさを設定します。 | ー |
反復の位置 | 反復したエレメントの位置をランダムに制御します。 | ー |
反復のサイズ | 反復したエレメントのサイズをランダムに制御します。 | ー |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「ResolveFX」のうち、「レンズフレア」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。