別記事で記載している二因子間網羅。それは、2つの項目の組み合わせを全て網羅する考え方です。
この記事では、その二因子間網羅を作成する方法について、2つ紹介しようと思います。
業務内容に特化した内容になりますが、興味ある方はご覧ください。
組み合わせを作成する方法
具体的には、All-Pairs(オールペア)法を使う方法と、直交表を使う方法があります。なお、All-Pairs法は、Pairwise(ペアワイズ)法とも言います。
2因子間網羅に基づくが、2因子間の組み合わせを極力重複せずに済むようにする方法
2因子間網羅に基づくが、各項目の選択肢(水準)の利用回数が均等になる方法。テンプレートが存在し、そのテンプレートに当てはめていくことで作成する。テンプレートは調べれば出てくるので、割愛します。
2つの方法の違いについて
All-Pairs法、直交表は、どちらも二因子間網羅に基づいた組み合わせを作成する方法です。しかし、重要視する観点が異なります。これらの観点により、一般的に生じる違いをまとめてみました。(組み合わせる項目内容により、例外がある場合もあります。)
比較ポイント | All-Pairs法 | 直交表 |
二因子間網羅率 | 100% | 100% |
三因子間以上の網羅率 | 低い(直交表と比較時) | 高い(100%ではない) |
組み合わせ数 | 少ない(直交表と比較時) | 多い(All-pairs法と比較時) |
重複 | なし | あり |
選択肢の出現回数 | 不均一 | 均一 |
作成方法 | ツールが存在(別記事参照) | ツールが存在(別記事参照)。テンプレートを使用して手で作成することも可能 |
禁則回避 | ツール or 手動で対応 | ツール or 手動で対応 |
学習内容 | ツールの学習が必要 | ツール or テンプレートの学習が必要 |
極端な例ですが、両者の組み合わせ法のイメージ図を示します。左が直交表で、右がAll-Pairs法になります。
外円を埋める線:「確認する内容」、赤丸:「検出したいポイント」と思ってください。All-Pairs法では、ヒットしないものが1つあることが分かります。2因子間網羅率は共に100%であることから、これは3因子間でしか見つからないものとお考え下さい。また、確認する内容の密度も異なることが分かるかと思います。このような点で、双方の違いが生じます。
この特性を理解したうえで、テスト対象によって、使い分けると良いかとも思います。
別記事で記載していますが、人の命を扱う「医療機器」では小さな欠陥が重大な損害を与えることもあります。これにAll-Pairs法レベルの網羅で終わらせては不安が残るかと思います。また、一般的な製品においても既存機能よりは「新機能」に関わる箇所の方が欠陥が潜む確率が高いはずです。このようなことにも配慮して扱う必要があります。
まとめ
今回は、組み合わせを作成する方法「All-Pairs法」「直交表」について説明しました。
双方については、それぞれの特性を考慮したうえで、対象とするもの・目的によって使い分ける必要があるでしょう。