【参考情報】画像ファイルの特徴

以下に、画像ファイルの種類毎に特徴を記載します。

Bitmapファイル

読み方ビットマップ
正式名称Microsoft Windows Bitmap Image
開発者Microsoft
拡張子.bmp
圧縮形式無圧縮(Windowsの標準下であり、例外もある)

メリット

  • 圧縮処理を行わないため、画質が良い
  • Macでも利用可能
    • Windows OSからのデータのやり取りに最適

デメリット

  • 圧縮処理を行わないため、ファイル容量が非常に大きくなる
  • 処理するために時間がかかる
  • 添付ファイルとしては、不向き
  • Webでは対応していない

ファイル構造

ファイルヘッダビットマップファイルについての一般的な情報(ファイルタイプ、ファイルサイズなど)が格納されている。
情報ヘッダビットマップイメージについての詳細な情報(画像サイズ、解像度など)が格納されている。
カラーマスクビットフィールド形式が使用されているビットマップから各色成分を取り出す際に使用されるデータが格納されている。
カラーパレット画像内で使用される色を定義している。
ビットマップデータ表示する実際の画像の情報(どこに何色か?など)が、ピクセルごとに格納されている。
カラープロファイル「ICCプロファイルデータ」自体、もしくは「プロファイルデータのファイルパス」が格納される。

その他

  • 画像ファイルを点(ビット)の集まりとして、1つの画像を構成している。
  • RGBで表現されるため、256の3乗(16,777,216)色でフルカラーの画像を表現できる。

TIFFファイル

読み方ティフ
正式名称Tag Image File Format
開発者Aldus(現在はAdobe Systemsが管理)
拡張子.tiff / .tif
圧縮形式非圧縮、LZW圧縮(グレースケール、カラー)、JPEG圧縮(グレースケール、カラー)、G4 (MMR) 圧縮(白黒2値)

メリット

  • アプリケーションソフトに依存することが少ない 1つのファイルに複数の画像をまとめる「マルチページ」を構成できる JPEG圧縮を使わない限り、保存を繰り返しても画質の劣化はない
  • 色に関する制約が非常に少なく、白黒2値、グレースケール、様々なカラー形式に対応(1~8,12,24,32ビットまで)
  • Windows、Mac、UNIXなど様々なプラットフォームに対応
  • FAXの送受信に用いる「MH」「MR」「MMR」などの符号化方式に対応している
  • 識別子:タグを使うことで、様々な形式のBitmap画像を柔軟に表現できる
  • 印刷業界で最も広くサポートされているファイル形式となっている
  • 拡張可能で、機能追加などの仕様変更が可能

デメリット

  • Webでの表示がサポートされていない
  • JPEG圧縮をした場合、保存の都度画質が悪化する

ファイル構造

※ヘッダーのみ記載位置が決まっています。

ヘッダーファイル自体に関する情報 ファイルサイズ、バージョンなど
Image File Directry「付加情報(タグ)の数」「付加情報(タグ)」「次のIFDの位置情報から成る
イメージデータ画像自体のデータ
関連データ撮影したカメラなどの付帯情報、ファイル名など

その他

  • ISO 12639で規定されている
  • TIFFのバージョンは、1992年に発表された「TIFF Revision 6.0」が現在の標準になっている
    • 6.0でJPEG圧縮がサポートされた。
  • Bitmap画像の符号化形式の一種である。
  • 画像データとその記述に必要な各種パラメータは、「タグ番号とデータ」もしくは「データ格納位置」の情報で記述する

JPEGファイル

読み方ジェイペグ
正式名称Joint Photographic Experts Group
開発者Joint Photographic Experts Group
拡張子.jpg / .jpeg / .jpe / .jfif など
圧縮形式非可逆圧縮(JPEG圧縮)

メリット

  • 写真の見栄えが変わらないようにデータ容量を減らすことができる。
  • 色数は、フルカラー(約1,670万色)で表現できる。
  • ファイルを非常に小さいサイズに抑えられる。(圧縮率の標準:85%程度)

デメリット

  • 上書き保存するたびに、画質が劣化してしまう
  • 非可逆圧縮のため、元に戻せない。

ファイル構造

SOIJPEGファイルの始端を示すマーカー。
「0xFFD9」が記載される。
セグメント

ファイル情報を種類別に分けた1つ1つの領域。
「マーカー」「レングス長(ファイルサイズ)」「セグメントパラメータ(ピクセル数)」で構成される。

イメージデータ画像自体のデータ
EOIJPEGファイルの終端を示すマーカー。
「0xFFD9」が記載される。

その他

  • デジタルカメラやスマートフォンの画像形式に多い。
    • 画像を固定サイズ(8×8画素)のブロックに分割し、そのブロック単位で変換する
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PNGファイル

読み方ピング
正式名称Portable Network Graphics
開発者W3C
拡張子.png
圧縮形式可逆圧縮

メリット

  • 色数は、フルカラー(約1,670万色)で表現できる
  • 背景を透明にすることができる
  • 可逆圧縮のため、元のデータに戻すことができる
  • グラデーションや色数の多い表現も可能
  • 色の境界がはっきりしたイメージに適している

デメリット

  • ファイルの内容(グラデーションなど)によっては、容量が大きくなることがある

ファイル構造

以下の他、補助チャンク(透明度、背景色、テキスト情報など)が含まれる場合がある。

PNGシグネチャPNGであることを示すデータ
「0x89 0x50 0x4E 0x47 0x0D 0x0A 0x1A 0x0A」の固定値となっている
IHDRチャンク

画像サイズ、ビット深度、カラータイプなど、画像の基本データが記載されている

PLTEチャンクカラーパレット定義を示す
インデックスカラーモードでは必須のチャンク
IDATチャンク画像自体のデータ
IENDチャンクPNGファイルの終端を示している
「49 45 4E 44」が固定値となっている

その他

  • 何度も加工したり、背景の透過を要求する場合に、多く用いられる傾向がある
  • 主にWebサイト上で画像を表示するなどするために開発された画像ファイル形式

GIFファイル

読み方ジフ
正式名称Graphics Interchange Format
開発者CompuServe
拡張子.gif
圧縮形式可逆圧縮

メリット

  • 少ない画素数で問題がない「ロゴ」「アイコン」などに向いている
  • 背景を透明にすることができる
  • コマ送りの無限ループによるアニメーション画像を作成することができる
  • ファイル容量が少ない
  • 可逆圧縮のため、元のデータに戻すことができる

デメリット

  • 色数が256色と少ないため、色彩や鮮やかさを求める写真には向かない

ファイル構造

GIFアニメーションの場合は、アニメーションであることを宣言するブロックを拡張ブロックの前に置かれる。アニメーションの場合は、コマ数分の拡張ブロックと画像ブロックが存在する。

ヘッダー「GIFであることを示すデータ」「ファイルのバージョン」「解像度」などが記載されている
拡張ブロック

「遅延時間」「透過処理」などが記載されている

画像ブロック画像自体のデータ
トレーラーファイルの終わりを示す
「0x3b」の固定値となっている

その他

  • GIFアニメーション目当てに、スマホやWebサイトに多用される傾向がある。
  • 複数の画像を1つのファイルに収録しているため、コマ送りのアニメーションを作成することができる

番外編

RAWファイル

RAWデータの仕様は、各カメラメーカー独自のものになっている。そのため、共通して言える内容を記載しています。

読み方ロウ
正式名称RAW
開発者各カメラメーカー
拡張子.raw など(撮影したカメラのメーカーによって異なる)

メリット

  • 高画質で保存できる
  • 何も編集がされていない状態から、様々な画像処理ができる
  • ソフト上で編集をしても、大元となるRAWファイル自体に変更されない
  • 通常のJPEGよりも広いダイナミックレンジを持つ

デメリット

  • 画像センサーが受け取ったデータを加工せずに保存するため、ファイルサイズが非常に大きい
  • 加工と鑑賞にはRAW対応のソフトウェア(Lightroomなど)が必要になる

ファイル構造

撮影したカメラのメーカーによって、使用も様々なものになっており、一概に統一されたものではない。

その他

  • デジタルカメラやイメージスキャナ等における「未現像」データのことを指す場合が多い
  • JPEG画像を生成する元となる「生」の画像データを示す
 
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PDFファイル

これは画像ファイルではなく、文書ファイルの括りが適しているかもしれません。しかし、PDFへの変換を行う場合もあると思うので、併せて記載しておきます。
読み方ピーディーエフ
正式名称Portable Document Format
開発者ISO
拡張子.pdf

メリット

  • Word / EXCEL / POWERPOINTなどのアプリの他、「印刷」を経由しても作成が可能で利用しやすい
  • Webブラウザでも閲覧可能で、専用のアプリを用意する必要がない
  • 再現性(汎用性)がある
    • 異なる環境のコンピュータでも元通りのレイアウトを表示・印刷できる
  • セキュリティ技術
    • パスワード設定・暗号技術・編集/アクセス権限の設定などを専門知識なしで利用可能
  • 音声などでアクセシビリティに配慮した文書を作成可能
  • 幅広く流用可能
    • ファイルサイズが小さいため、メールなどに送付しやすい

デメリット

  • 仕様が複雑になっている
  • 閲覧時に、コンピューターをウイルス感染させることが可能
  • 編集には、専用のソフトが必要になる

ファイル構造

ヘッダー準拠しているPDFのバージョン、PDFファイルであることを示すバイナリデータが記載されている
ボディ

ファイル自体の情報が記載されている

相互参照テーブルファイル内の各オブジェクトの位置を一覧化したもの
トレーラー相互参照テーブルの開始位置や、ファイル内に格納されたプロパティ情報の位置が記載されている

その他

  • マルチページに対応しており、テキスト、図形、表、画像などの印刷レイアウトをデジタル形式で保存している 

まとめ

今回は、画像ファイル+α の特徴について記載しました。 各ファイルによって、容量の差や画質などの差があります。用途によって、使い分けてみても良いでしょう。

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