【Dorico】【記譜モード】記譜ツールボックスによる記譜記号入力操作①

現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。

かつてのFinaleに代わり、業界標準の一角を担っています。

今回はそんなDoricoの「記譜モード」の「記譜ツールボックスによる『音部記号』『調号』『拍子記号』の入力操作」について、紹介します。

なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。

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音部記号

音部記号とオクターブ線は、記譜ツールボックスの「音部記号」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。

      • 複数の五線譜に対して、同時に選択できます。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [音部記号] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「音部記号」もしくは「オクターブ線」を選択する。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + C」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [音部記号] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

入力するものが「オクターブ線」の場合は、続いて以下の操作も可能です。

  • オクターブ線の延長

    • 「Space」キーを押下する。
    • オクターブ線を配置した音符に続けて、次の音符を入力する。
  • オクターブ線の延長を終了

    • 再度、ポップオーバーを開き、「|」もしくは「stop」を入力する。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
ト音記号 「g」「sol」「treble」
ヘ音記号 「f」「bass」
1(2)オクターブ上 「8va(15va)」「8ma(15ma)」
1(2)オクターブ下 「8vb(15vb)」「8ba(15ba)」
ト音記号(1(2)オクターブ上) 「g8va(g15va)」「g8ma(g15ma)」
無音程打楽器 「perc」
4(6)弦タブ譜 「tab4(tab6)」
非表示の記号 「invisible」
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調号、調性システム、臨時記号

調号や臨時記号は、記譜ツールボックスの「調号、調性システム、臨時記号」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。

      • 複数の五線譜に対して、同時に選択できます。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [調号、調性システム、臨時記号] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「調号」や「臨時記号」を選択する。

また、パネルの中の「調性」については、以下のアクションバーボタンを駆使して、使用する調性システムを選択・カスタマイズすることができます。

アクションバーボタン説明
新規調性システム「調性システムを編集」ダイアログが開き、カスタムの調性システムを新規作成します。
調性システムを複製選択した調性システムのコピーして、編集するための「調性システムを編集」ダイアログを開きます。
調性システムを編集選択した調整システムを編集するための「調性システムを編集」ダイアログを開きます。
調性システムを読み込み書き出し済みの調整システムのファイルを読み込みます。
調性システムを書き出し選択した調整システムをファイルとして書き出します。
調性システムを削除選択した調性システムを削除します。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + K」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [調号、調性システム、臨時記号] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
オープンキーの調号または無調の調号 「open」
メジャーキー (大文字) 「C」「D」「F#」「Bb」
マイナーキー (小文字) 「c」「d」「f#」「bb」
シャープの数 「3s」、「2#」など
フラットの数 「4f」、「5b」など

なお、シャープの数、フラットの数で指定する場合は、メジャーキーと見なされます。

拍子記号

拍子やアウフタクトは、記譜ツールボックスの「拍子記号」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下を実施してください。

  1. 記譜ツールボックスで [パネル] > [拍子記号] のボタンを押下する。
  2. 以下のいずれかを実行する。

    • 「一般」セクションで、入力したい「拍子」を選択する。
    • 「拍子記号を作成」セクションで、入力したい「拍子」を設定する。
  3. 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
手順は、手順3→手順1→手順2の順番でも構いません。

また、アウフタクト(弱起)を入力したい場合は、手順2と手順3の間で以下を実施してください。

  1. 「アウフタクトの拍数」を有効にする。
  2. プルダウンメニューで、アウフタクトとして設定したい「拍数」を選択する。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 音符の入力を開始します。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + M」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [拍子記号] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
単純な拍子 「2/4」「6/8」「c」「cutc」
表示のない自由拍子 「open」
交互拍子 「3/4 + 6/8」
混合拍子 「3+2/8」
拍子を明示しないようにするには「[3+2]/8」としてください。
結合拍子「3/8|2/8」
結合された小節の間の破線を表示させないようにするには「3/8:2/8」としてください。
アウフタクト(4/4で、4分音符2つ分) 「4/4,2」
アウフタクト(2/4で、付点8分音符1つ) 「2/4,0.75」

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、Doricoの「記譜モード」の「記譜ツールボックスによる『音部記号』『調号』『拍子記号』の入力操作」についてまとめてみました。

Doricoを使用する際のヒントになれば幸いです。

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