DTMを今から始めようとする人、環境を変えようとする人。初めてであれ 経験者であれ、DAWを選ぶのは毎回迷うところだと思います。
私も同様で、新しいバージョンが出たり、ライセンス形態が変わったタイミングで調査しています。
本記事では、そういった内容を含めて楽器屋などでよく売られている代表的なDAWについて紹介していきます。
DTMとDAWの違いって?
初めての人は特に混同することが多いことだと思いますので、基礎知識として説明します。簡単に言うと、DTMをするためのツールの1つがDAWです。
DTMとは
DeskTop Music の略です。PC上で音楽作成(作曲/編曲など)をすることを指します。
DAWとは
Digital Audio Workstationの略です。DTMを行う上で必ず必要なもので、まず初めに入手しなければなりません。
DAWでできることの一例は以下になります。
- 演奏の録音
- 楽器の実機がなくても、音源を使用して演奏可能
- 「打ち込み」により、演奏スキルがなくても演奏可能
- 各楽器の音量調整
- 録音した音源の編集・加工
どんなDAWがあるの?
代表格(トップ○○)的なものはありますが、フリーのものも含めれば非常に多くのDAWが存在します。有料版の一例を以下にまとめます。
名称 メーカー | 対応OS | エディション | 最新Ver | 体験版 | 購入方法(代表例) |
Protools Avid | Windows Mac | Intro(無償) Flex Studio Artist | 2024 06 | Introを除く各エディションに対し、 30日間の無料トライアル | ・月額サブスク(月払い) ・1年サブスク(月払い) ・1年サブスク(年払い) ※永久ライセンスも存在するが、新規購入者は対象外。 |
Cubase Steinberg | Windows Mac | Pro Artist Elements AI(bundle) LE(bundle) | 14 | Pro か Elementsの 30日試用版 (ドングル有無による差異) | ・フルバージョン ・クロスグレード ・アップグレード ・アカデミック |
Live Ableton | Windows Mac | Suite Standard Intro | 12 | Suiteの30日試用版 | ・永続ライセンス ・上位2つは、アカデミック版あり |
StudioOne PreSonus | Windows Mac | Pro Pro+(サブスク) | 7 | Proの30日試用版 | ・永続ライセンス ・アップグレード ・クロスグレード ・アカデミック ・サブスクリプション(月払い) ・サブスクリプション(年払い) |
Logic Apple | Mac | Pro | 10.7.9 | 90日間の無料トライアル | ・永続ライセンス |
※上記の他には、「Digital Performer」「FL STUDIO」などもあります。
購入した 製品(ユーザー)登録した時点の最新版が永久的に使用できます。なお、登録から1年以内の更新は無料ですが、1年を超えての更新には再度購入が必要になります。
Adobe製品、Microsoft製品を始め、最近様々な製品で採用されているライセンス形態。契約期間の更新型で、契約期間経過後は更新しないと使用できなくなる欠点があります。その半面、契約期間内ではバージョンの更新が常に無料で、製品によっては過去バージョンに戻して使用することもできます。
どれを選べば良いの?
初めに言いたいのは、「初めての人は、よく考えて考えて考えて購入をしてください。」ということ。
DAWによって同じことを行うにも「方法」「操作」「性能」などが大きく変わってきます。そのため、初めに選んだDAWをアップデート(アップグレード)して使い続けることが多いです。ツールAで操作を習得後にツールBに乗り換えをすると、操作方法の習得/慣れといった部分で時間を浪費してしまいます。特に仕事で使用する場合は、この浪費は致命的です。
また大前提として知っておいて欲しいのは、近年のDAW毎の機能差というものは、ほぼなくなってきています。どのDAWでも、できることの根本は変わりません。どのDAWでもほぼ同じことができると思って良いです。これは、過去に存在していた機能差をバージョンアップを繰り返すことで、差が小さくなっていることに由来します。店員も、このような説明はされるでしょう。
忘れてはいけないのは、機能で選ぶのではなく、使いたい機能に対して「どれがやりやすいか?」「性能はどれが良いか?」という観点で選ぶと良いと言うことです。
DAW毎の特徴/開発傾向は変わらないものもあります。古ければ古いほど、過去の古い構造を変えるのには大幅な変更が発生し、不具合を生むリスクを伴うのです。Cubase や Protoolsがこれに当たります。そのため、どうしても、変えられないツールの特徴も存在するのです。逆に新しいほど、0からの開発が始まり、既存のDAWのデメリットに当たる部分を少ない時間で改善しやすくなります。そのため、処理速度や音質などの面でも既存のDAWより優れている場合があるでしょう。それゆえ、高性能なのに価格は抑えめなんてこともあります。StudioOneなどがこれに当たるでしょう。ただし、音質には好みがあるので、どれが良いかは一概には言えません。
以下では、「選ぶ基準の例」と楽器店で売られていることが多い「3つのDAWの特徴」をまとめます。参考にしてみて下さい。
選ぶ基準
基準として、以下の点が明確であるか?重要と考えるか?を考えてみて下さい。
項目 | 補足 |
やりたい楽曲作成方法 | どれもほぼ同じ機能がありますが、DAW毎に何に秀でているのか?は傾向が少なからず存在します。 |
やりたいジャンル | 大雑把に言うと、DAWの機能・操作性から、EDM向きかどうかがあります。 |
使うOS | 稀に、Windowsのみ/Macのみというものが存在します。基本的にはどちらもサポートしていますが、サポートOSは気にするようにした方が良いです。 |
使いたい音 | 音色(プラグイン)は後から追加することも可能ですが、この世界は大げさではなく底なし沼です。初めての人には 費用面などから初めから充実している方がより良いと思います。そして、自身の好みや要否が定まる前に買い始めると、キリがありません。 追加音源を「もっと良い音質のものが欲しい」「こういう機能があれば…」というものが出てきた時に検討するのが良いかと思います。 |
学びやすさ | 特に初心者にとっては、参考書やネットでの情報源の多さが1つの基準になると思います。 |
使用者 | やりたい楽曲が明確であれば、そのジャンルのアーティストが使用しているDAWを検討する方法もあります。 |
3つのDAWの特徴
以下で説明する3つのDAWは、上記の特徴において分けられる代表格のようなものになります。(それゆえ、販売もしやすいのでしょう・・・)なお、使えるOSは、どれもWindow/Mac共に使用できるため、以下では説明を省きます。
Cubese
Cubaseの特徴は、以下になります。
項目 | 特徴 |
やりたい楽曲作成方法 | オールラウンダー ※特にMIDI機能(打ち込み)向き |
やりたいジャンル | EDM向きではない |
使いたい音 | マルチ音源のHalion Sonic SEが付属しています。Halion Sonic の簡易バージョンですが、多種多様なプラグインが含まれています。 |
学びやすさ | 日本でのシェアはトップクラス。日本語での参考書やネットでの情報源の多さも突出しています。また、YAMAHAが代理店のため、サポートもしっかりしていると思います。初心者にとっては、安心して利用できると思います。 |
使用者 | 鈴木Daichi秀行(作曲家/編曲家/ギタリスト)、中田ヤスタカ(Perfumeプロデューサー)、景山将太(ポケモン サウンドデザイナー) |
似た製品 | Logic、Studio One |
良くも悪くも、標準的なDAWだと思います。日本の大物プロデューサーを始め、各業界にユーザーが多く、作曲・編曲向きです。
上記の他には、Cubase特有の特徴もあります。
項目 | 詳細 |
VSTプラグイン | 他のDAWでもよく使われているプラグインになります。フリーでも多くありますが、Cubaseは64ビットのプラグインしか使用できないようになったため、注意が必要です。 |
コード進行の支援機能 | Cubaseがコード進行の提案をしてくれたり、各楽器に適したコードの構成音に変換してくれたりする機能です。 |
Vocaloidとの連携 | VOCALOID Editor for Cubase(ボカキュー)というCubase専用のボーカロイドエディターがあります。 最新のVocaloidではVSTプラグインになったため、あまりメリットがないかもしれません。しかし、ボカキューでの操作が慣れている方には良いでしょう。 ただし、初音ミクNTの登場により、今後は Piapro Studio のVSTプラグインがメジャーになってくる可能性は忘れてはいけません。 |
ASIOドライバー | DAWを使っていると、遅延(レイテンシー)がついて回るようになると思います。そのレイテンシーの影響を少なくするためにASIOドライバーが必要になってきます。Cubaseをインストールすると、ASIO Generic Lower Latency Driver というASIOドライバーも同時にインストールされます。 |
USB-eLisencer | ※本内容は、Cubase 11 以前のものに限ります。 Artist と Pro のエディションのCubase起動時にはライセンス確認のために、ドングル(USB-eLisencer)が必要になります。パッケージ版では付属しますが、ダウンロード版では別途調達が必要です。 |
- プロジェクトファイルが 64 bitフォーマットに。
- 過去の32bitファイルは、読み込み時に自動で64bitに変更。
- 過去の環境で動かしたいときは、要注意。
- モジュレータが搭載。
- Cubase上で調整可能な様々なパラメータに適用可能。
- LFOなどを利用し、自由な音作りが可能に。
- インスペクタやコンソールからアクセス可能。
- Massiveのパラメータをイメージすると良いかもしれません。
- パターンシーケンサーを搭載
- LiveやLogicで利用できるステップ形式の入力が可能。
- ドラムトラック(ビートマシン)の搭載。
- ドラム専用のトラックで、MIDIパートの他、「パターンイベント」を利用可能。
- 「パターンイベント」では、以下の機能を搭載。
- 16個のパッドの利用
- 各キットが用意され、それぞれに対して、細かいカスタマイズが可能。
- 新しいエフェクトプラグインの搭載。
- 鉛筆ツールを利用して、クリップ上でスムーズなボリュームカーブの調整が可能に。
- スコアエディターにDoricoの技術を組み込み、見た目などが改良。
- Doricoとの連携に向けて、加速しています。
- MixConsoleの表示を改良。
- D&Dで、トラック順の変更も可能に。
- 新フォーマット DAWproject に対応しました。
- 異なる DAWソフトでのプロジェクト移行が可能に。
Protools
Protoolsの特徴は、以下になります。
項目 | 特徴 |
やりたい楽曲作成方法 | オールラウンダー ※特に音源操作(録音・編集)向き |
やりたいジャンル | EDM向きではない |
使いたい音 | マルチ音源のXPand!が付属しています。エフェクトも高品位なものが付属されています。 2020.11からは、Melodyne 5 essentialが無償追加されました。 |
学びやすさ | 日本語での参考書やネットでの情報源も多いです。 |
使用者 | SUGIZO(ギタリスト/プロデューサー/ヴァイオリニスト)、北川悠仁(ミュージシャン)、小室哲哉 |
似た製品 | ーー |
エンジニアを志望する人やプロの業界をターゲットに置いている傾向があります。レコーディングスタジオには必ずあるでしょう。そのため、現場と自宅での作業を同じファイルでできるようになります。別のDAWを使用していると、オーディオデータに変換、Midiファイルへの書き出しなどを行い、別のDAWに読み込ます作業が発生してしまいます。
録音作業向きと記載しましたが、もちろん打ち込みでの作業も可能です。譜面での入力も行いやすいです。しかし、業界を見た時は録音/編集/ミキシングなどの音源ができている状態/必要としない状態の下で使われることが多いです。また、2020.11では、Melodyne 5 essential が、無償バンドルで追加されました。もちろん、上位バージョン/エディションへのアップグレードを行うことも可能です。
なお、ProToolsのエディションにある「Flex」は完全に業務向けです。一般の方の場合は、「Studio」のProtoolsで十分です。仕事としていない限り、Flexの機能を使うことは、まずないです。
上記の他には、Protools特有の特徴もあります。
項目 | 詳細 |
AAXプラグイン | CubaseなどがVSTプラグインなのに対し、Protools11以降はAAXプラグインになります。そのため、乗り換えの可能性がある場合はAAXがサポートされているプラグインかどうかも検討する必要があります。 |
価格 | 他のDAWと比べて高価な部類です。今後のライセンス形態もサブスクリプションに統一されることが予想されます。 |
iLok | Cubase同様に起動時はライセンス確認のために、iLokライセンスによる認証が必要になります。この認証のために、今まではドングルが必須でした。しかしネットワークに接続できる状態であれば、iLok Cloudに接続することで、ドングルが不要になります。この機能は、2018.1から搭載されているため、2018年1月よりilok本体は別売りのオプション扱いとなりました。 |
Sibeliusとの連携 | 作譜ソフトとの連携は、DAWの中でも一番だと思います。同Avid社のSibeliusとの連携は、無視できません。 |
フォルダートラック | 複数のトラックを「フォルダー」と言う括りでまとめて表示させることが可能になりました。単に区分けを行う「Basic Folder」とAUXと同様に使える「Routing Folder」があります。前者はツリー表示のように折りたたむことも可能で、「パートの分類」や「編集が必要なもの、終わったもの」など様々なまとめ方が自由にできます。後者はフォルダー内のトラックに対して、まとめてプラグインを適したりすることができます。なお、旧バージョンとやり取りする際はAUXトラックとして表示されルーティングも変わりません。詳細はこちらを参照ください。 |
Melodyne 5 Essentials | 言わずと知れたピッチ&タイミング編集ソフト「CELEMONY Melodyne 5」のエントリー版が、追加されています。 |
Avid Control | Protoolsを遠隔操作できるiPadのアプリです。 |
ABLETON Link | ローカル・ネットワークを介して、対応している複数のデバイスを同期・再生できる機能。ReWireを使って同期してきた内容をこちらで対応し、「Linkする機材の幅も広がった」という機能です。 |
Protoolsの注意点としては、完全な無料版はありません。2022年04月のリリースでラインナップを一新したタイミングで終了してしまいました。加えて、新規購入者については、永続ライセンスは販売されなくなりました。
また、アップデートを安全に行うには、現在の環境をアンインストールし、インストールし直さなくてはなりません。これは非常に手間です。
- ARA 2 プラグインのサポート
- MIDIプラグインの新規追加
- Captain Chords Liteの提供
- コードやコード進行を即座に作成できるプラグイン
- Human Liteの提供
- ライブパフォーマーのグルーブ感を加えるプラグイン
- ライブパフォーマーのグルーブ感を加えるプラグイン
- Captain Chords Liteの提供
- セッションデータをインポートに使用するウインドウを一新
- カスタマイズ性、検索性の改善
- Dolby Atmos関連機能の強化
- Sibeliusとの連携強化
Live
Liveの特徴は、以下になります。
項目 | 特徴 |
やりたい楽曲作成方法 | ループ音源もしくは、特定のオーディオデータを利用して作曲する人向け |
やりたいジャンル | EDM向き |
使いたい音 | 他のDAWに比べて、少ないです。しかし、Suiteでは、付属音源やループ集、エフェクト類の容量が多いです。 |
学びやすさ | 海外でのシェアは非常に多いです。 また、最近ではROLAND製品のバンドルでLite版が付属していたりするので利用者も増えている傾向があります。 |
使用者 | ーー |
似た製品 | FL STUDIO |
ループ音源の主に使用して作曲をする方、DJ や クラブ・ダンス系音楽に関わっている方をターゲットに置いている傾向があります。搭載している機能もライブパフォーマンスで即時の対応が求められる環境/感覚的に作りたい人には最適なものになっています。アイデアを感覚的に形にすることに非常に長けているDAWであると言えます。また、海外シェアはトップクラスのようです。
上記の他には、Live特有の特徴もあります。
項目 | 詳細 |
セッションビュー | 時間軸/ライムラインの概念がないビューになります。(通常イメージするDAWのビューは別途「アレンジメントビュー」というものがあります。)各トラックに取り込んだ音源を好きなタイミングで再生/停止をすることで感覚的に操作ができます。 |
MIDIコントローラー | Liveには、Ableton純正の専用MIDIコントローラーがあります。PUSH 2/LAUNCHKEYなどは代表例です。 |
インターフェースの配置 | 他のDAWと異なり、右側に各トラックのミュート/ソロなどを行うヘッダーが存在しています。 また、アプリの下側にエフェクトが並び、直感的でリアルタイムな操作が可能です。 |
audio to midi変換 | 初めて投入したDAWであり、精度も比較的高い印象があります。 なお、ドラムの音源対象にした場合は、Melodyneなどを含む他のツールの中で唯一「バスドラム」「スネア/タム類」「シンバル類」でノートを分けてくれます。 他の音源では、ピッチで別れるのみなので、この点では非常に優秀です。 |
ワープ機能 | タイミング調整で使用するワープマーカーを非常に細かく打つことが可能です。 そのため、非常に微細な調整が可能になり、調整の処理も不自然な結果になることは限りなく少ないと思います。 |
Max for Live | Suiteエディションのみ利用できますが、独自の「インストゥルメント」「エフェクト」「ツール」などを作成できます。 これにより、より個々のユーザーがライブパフォーマンスなどに求めるニーズに応えることが可能です。 |
価格 | 他のDAWと比べて最も高価な部類です。周辺機材も高価なものが多いです。 |
Liveの注意点としては、表示されているボタン、作業のフローなどのUIに関わる部分が独特です。そのため、慣れてからは直感的にスイスイできると思いますが、それまでには他のDAWよりも時間が必要になると思います。
主要機能の新しいものには以下のようなものがあります。
- チューニングシステム
- キー/スケールの設定
- スクリーンリーダー
- 類似したサウンドの検索/ブラウザーの向上
- ユーザーのカスタムタグ
- カスタムブラウザラベル
- ブラウザ履歴
- 内蔵コンテンツのタグ付け
また、主要機能で改善されているものには、以下があります。
- コアライブラリ
- モジュレーション
その他、下位エディションでも利用できるようになったり、新規追加になった「MDIツール」「インストゥルメント」「エフェクト」などが数多く存在します。
番外編
Studio One
2009年にリリースという新しいDAWです。にもかかわらず、今ではユーザー数も増えています。外部のiZotopeのようなマスタリングの専用ソフトがなくても、「作曲」から「マスタリング」までの機能がこのDAWでは提供されています。そのため、CubaseのサブDAWとして扱われることも多いです。なぜ、CubaseのサブDAWか?というと、Cubaseの元開発者がStudio Oneの開発者にいることもあり、違和感なく利用できる点もサブとして使われる理由の1つでしょう。
また、その他のDAWの後継だけあって、他のDAWにある処理速度の遅さと言う所においても軽減されていて、サクサク作業できるようです。
機能では、こちらのDAWもProtoolsと同様にピッチ&タイミング編集ソフト:CELEMONY Melodyne が搭載されています。スコア作成の機能を搭載していることにも注目です。「7」よりAbleton Linkにも対応するようになりました。
なお、2024年発売の「7」から、永続版のエディションは「Pro」のみになります。バージョンアップのサポートは1年間のみになるようです(他のDAWの永続版と同様)。1年後以降にリリースされた機能は、新しくアップグレード版を買う必要があります。
FL Studio
先述の「Live」の廉価のような位置づけでしょうか?
ステップシーケンサーやループ音源を「プレイリスト」と呼ばれる画面に並べて局政策が行えるDAWです。特定のパターンの繰り返しなど、ループ中心のダンス・ミュージックに適したDAWでしょう。Mac/Windowsの双方で使用できます。
Luna Recording System
Universal Audio社のDAWです。同社で販売されているオーディオインターフェース:Apolloシリーズを所有している方なら、無料で使用できます。また、使用できるプラグインは、Apolloシリーズで使用する プラグインが利用できます。また、Luna専用のプラグインも販売されています。ビット/サンプリングレートは、24bit / 192kHzとなっており、32bit floatで内部処理されます。
実際のハードウェアさながらの画面での「操作」、もともと高品質かつリアルさに定評があるUADのプラグインを使用してエフェクトの「かけ録り」「後掛け」ができることは、大きなメリットだと思います。
まとめ
あえて志向別に3種のDAWをまとめると、以下のようになるかと思います。
やりたいこと | 使用するDAW |
打ち込み | Cubase |
音源操作(録音・編集) | Pro Tools ※波形レベルでのタイミング調整は、Liveに分があります。 |
エンジニア | Pro Tools |
EDM ダンスミュージック | Live |
ループ音源の利用 | Live |
ただし、基本的には、どれもほぼ同じ機能が使えることは忘れないでください。どれが使いやすいか?です。
初心者の方は、特にCubaseが扱いやすいかなと思います。どのDAWを選んでも良い点と悪い点が目につくと思います。自身の要望/志向/好みも変わってくると思います。そんな時にも、ヒントになれば幸いです。
まずはそれぞれに用意されている体験版(無料版)で試してみてください。いずれにしても1万円以上する買い物になりますし、他人の意見はあくまで参考に自分の感想が一番だと思いますので、慎重に試してみると良いでしょう。