【参考情報】QUAD CORTEX の使い方 ~プリセット作成 発展編~EXPペダル・キャビネット・3つのモード~

プロも注目し、注目を浴びている フロア型モデラーである Neural DSP社の「QUAD CORTEX」。

今回は、そんな「QUAD CORTEX」の使い方の中でも「プリセット作成において、少し凝ったことをしたい」という人向けの内容をまとめます。

なお、情報は、CorOS 1.3.2時点でのものになっています。

質問がありましたら、遠慮なくどうぞ!

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エクスプレッションペダルの設定

QUAD CORTEXでは、エクスプレッションペダルの設定も可能です。

エクスプレッションペダルでは、他のマルチエフェクターなどと同様で、任意のエフェクトブロックにアサインすることで、様々なパラメータ値を可変することが可能です。なお、QUAD CORTEXの場合は、スプリッター、ミキサー、レーン出力制御パラメーターもコントロールすることが可能になっています。

基本的な手順は以下です。

エクスプレッションペダルをアサインしたいエフェクトブロックをグリッド上から選択します。

表示されたパラメータを設定するエリアから、デバイス名の左側にあるメニューを選択します。

表示されるメニュー(下図参照)から、「Assign Expression Pedal」を選択します。

「Assign Expression Pedal」選択後、以下の「Choose Expression Input」のウィンドウが開くので、どの端子のエクスプレッションペダルを使用するか?を選択します。

選択後に「CONNECT」ボタンを押下すると以下のような画面になるので、エクスプレッションペダルで操作したいパラメータの「Assign」ボタンを押下します。また、変化量の最小値(MIN RANGE)・最大値(MAX RANGE)を同じ画面のコントロールノブで設定することができます。

設定完了後、右上の「Done」ボタンを押下することで設定が完了します。

なお、エクスプレッションペダルのキャリブレーションを行いたい場合は、こちらでは実施できません。別途 I/O設定で行う必要があります。以下を参照ください。

【参考情報】Neural DSP QUAD CORTEX のI/O セッティング

キャビネットの設定

キャビネットの設定については、他のエフェクトブロックとは少し勝手が違います。コントロールノブだけでなく、より直感的な調整が可能になっています。

キャビネットのブロックをタップすると、以下のような画面が表示されます。

この画面では、「キャビネットの種類」や「キャビネットの音量」だけではなく、「マイクの位置」を変更させることが可能です。

キャビネットは、1つのブロックで1つもしくは2つを同時に使用し、各々に別々の設定をすることが可能です。ディスプレイ上にある各々のキャビネットの電源ボタンを押下することで、有効/無効が設定できます。

キャビネットの種類は、ディスプレイ左上にあるキャビネット名をタッチすることで変更可能です。上図の例では、「Guitar Cab 412 CA Stand A V30 01」と表示されている箇所です。

また、マイクの種類は、各々のキャビネットの設定の上部にある「マイク名をタップ」もしくは「< または > をタップ」することで変更することができます。上図の例では、マイク名は「Dynamic 57」「Ribbon 160」が設定されています。

マイクのポジションについては、各々のキャビネットの下部中央にあるスピーカーコーンの白い〇をドラッグすることで、変更することが可能です。変更したマイク位置は、「POSITION」「DISTANCE」のパラメーター値とも連動しています。なお、「POSITION」は スピーカーコーンの中心からスピーカーコーンの端までの範囲におけるマイクの位置を、「DISTANCE」はキャビネットからマイクまでの距離を調整します。もちろん、スピーカーコーンの白い〇の代わりにコントロールノブを使用して調整することもできます。

他にも、「LEVEL」でキャビネットの音量(マイクのレベル)、「Φ」で位相を反転、「PAN」でスピーカー自体の位置(定位)を調整できます。

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各モードにおけるプリセットの概要と利用方法

別記事でも記載していますが、QUAD CORTEXでは3つのモードが利用できます。「PRESET」「SCENE」「STOMP」の3つです。これらのモードで作成したプリセットを使用する方法を記載します。

基本的には、ディスプレイ上の「プリセット名」をタップすると表示される「ディレクトリー」のものを呼び出すことになります。そのため、ディレクトリーでの登録順が重要になってきます。

なお、プリセットの切り替えについては、バンク切り替えで使用するディスプレイ右側の「UP」「DOWN」のフットスイッチと、ディスプレイ下の「A」~「H」のフットスイッチによって実施することが可能です。それぞれのモードに対する操作は、後述します。

また、もし登録順を変更したくなったら こちら の記事にある「ディレクトリー」の項目を参照ください。プリセットの順番の入れ替えに役立つかもしれない「消去」「編集」「カット」「コピー」の操作について、記載しています。もちろん、midi信号を使用しても、プリセットの呼び出しは可能です。

PRESET MODE

このモードでは、各フットスイッチに1つのエフェクターボードが設定されているイメージです。そのため、「UP」「DOWN」「A」~「H」のフットスイッチにより、エフェクターボード自体を切り替えることになります。1Aのプリセットであれば「バンク:1 の フットスイッチ:A」、2Bのプリセットであれば「バンク:2 の フットスイッチ:B」という具合になります。1つのバンクで8つのプリセット(A~H)を切り替えることができます。そのため、このモードを利用したい場合は、ディレクトリーでの並びがフットスイッチの配置に直結することなります。

なお、プリセットの切り替えはエフェクターの配列を変えるため、どうしても音切れが発生してしまうデメリットがあります。ライブの曲中での変更はタイミングを考慮する必要です。

変更が適用されるタイミングですが、同じバンク内でフットスイッチによるプリセット切り替えであれば、即座に適用されます。しかし、バンクを切り替えた場合は、変更したいフットスイッチを2回押さないと適用されません。1回だけ押した状態では、フットスイッチは緑点滅で仮決定の状態になり、一番右下のTEMPOスイッチが赤点滅している状態だと思います。この状態でTEMPOスイッチを押すことでプリセット変更をキャンセルできます。

SCENE MODE

このモードでは、1つのエフェクターボードにおけるエフェクターの設定内容を一度に変えるイメージです。Free the tone社のARCシリーズ、BOSS社のESシリーズのようなプログラマブルスイッチャーでコントロールしているイメージでしょう。実際の切り替える方法は、「UP」「DOWN」でフットスイッチでプリセット(エフェクターボード)を切り替え、「A」~「H」のフットスイッチで使用したいエフェクトの状態を変更することになります。1Aのプリセットであれば「1番目」、・・・、1Hのプリセットであれば「8番目」、2Aのプリセットであれば「9番目」、・・・という具合に、割り振られます。

なお、「A」~「H」のフットスイッチによる切り替えでは、エフェクターの「On/Off」「パラメータ」の切り替え処理のみなので、音切れの影響は最小限で済みます。

また、「UP」「DOWN」でフットスイッチの短押しでは、プリセット単位での切り替えになります。バンク単位で切り替えたい場合は、「UP」「DOWN」のフットスイッチを長押ししてください。その後、点滅している「A」~「H」のフットスイッチで使用したいプリセットを選択します。

シーンは、同じプリセットでのエフェクトの設定内容(On/Off状態など)によって保存されています。各プリセット毎に、「A」~「H」のフットスイッチ分の8パターンまで保存できます。シーンの登録内容の変更は、以下の方法で行うことになります。

  1. 「SCENE MODE」で変更したいプリセットを呼び出す
  2. フットスイッチで該当のシーン(A~H)を切り替える
  3. シーン毎に変更したいエフェクトの設定内容を変更する
  4. 変更した設定のコントロールを長押しする。
  5. 変更した内容を上書き保存する

また、シーンの設定を別のシーンにコピーすることもできます。コピー元のシーンのフットスイッチを長押しし、ポップアップが表示されたら、コピー先のフットスイッチを押下すれば良いです。

注意すべき点としては、プリセットのデフォルトとするシーンをどれにするか?です。初期状態では「A」がデフォルトとなっています。しかし、デフォルトに設定されるシーンは、最後に保存したシーンになる仕様です。そのため、デフォルトにしたいシーンを表示させた状態で保存を行ってください。

STOMP MODE

このモードでは、1つのエフェクターボードにおいて、エフェクトの On / Off を切り替えるイメージです。プログラマブルスイッチャーなどは使わず、エフェクターの直列つなぎのイメージです。そのため、基本的には、各フットスイッチがエフェクターのOn/Off スイッチになっていることになります。プリセット(エフェクターボード)の変更や音切れについては、SCENE MODEと同様です。「UP」「DOWN」でフットスイッチの短押し(長押し)でプリセット(バンク)を切り替え、音切れの影響は最小限で済みます。

なお、エフェクトとフットスイッチの紐づけは、グリッドに対するエフェクトブロックの追加順にフットスイッチ:A~Hに割り当てられます。そのため、グリッド内のエフェクトブロックの左から順にフットスイッチに必ず割り当てられるということではないことに注意が必要です。

もちろん、割り当てを変更することも可能です。

割り当て(アサイン)を解除したい場合は、解除したいエフェクトを選択し、「Assigned to “現在割当たっているフットスイッチ名”」の右にある「×」ボタンを押下してください。逆にアサインしたい場合は、「Assign to switch」を押下し、アサインしたいフットスイッチを押下してください。また、アサインを別のフットスイッチにしたい場合は、アサインの解除をせずとも「Assigned to “現在割当たっているフットスイッチ名”」を押下後、アサインしたいフットスイッチを押下すれば良いです。

商品リンク

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まとめ

今回は、「QUAD CORTEX」でのプリセット作成において、少し凝ったことをしたい人向けの内容を記載しました。

音色作成のヒントにしていただければ、嬉しいです。

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