【おすすめ】UAFX PEDAL:OX Stomp の使い方

UAFX の エフェクターペダルの中でキャビネットエミュレーターに位置付けられているのが、OX Stomp Dynamic Speaker Emulator です。

OX Stomp は、「OX Amp Top Box」をフロアタイプにしたイメージで、キャビネット/マイク/ルームモデリングが可能です。

今回は、そんな OX Stomp について、記載していきます。

スポンサーリンク

筐体

まずは、筐体について、説明していきます。背面は、「入出力端子」「電源端子」「USB端子」があります。上部には、6個のノブと3個のミニトグルスイッチ、2個のフットスイッチが装備されています。

背面 
上部 

入出力端子

入出力はモノラルIN/OUT、ステレオIN/OUTの4つを装備しています。いずれも端子も標準ジャックの通常のシールドの他、TRSも利用可能です。

端子説明
1/MONO INモノラル入力を行う時に使用します。
2/STEREO INステレオ入力を行う時に使用します。
「1/MONO IN」端子に接続していない場合は機能しません。
1/MONO OUTモノラル出力を行う時に使用します。
2/STEREO OUTステレオ出力を行う時に使用します。

注意点としては、本機機の入力端子は、ラインレベルでの入力になっていることです。

そのため、各種エフェクターなどのラインレベルの出力のみ、入力してください。

決してアンプの出力をダイレクトに入力することのないようにしましょう。

また、上記の入出力端子の接続方法は、様々です。一例ですが、以下のようなパターンで接続ができます。

入力出力接続例
1/MONO IN1/MONO OUT入力:ギター
出力:アンプ
1/MONO IN1/MONO OUT
2/STEREO OUT
入力:ギター
出力:アンプ A、アンプ B
1/MONO IN
2/STEREO IN
1/MONO OUT
2/STEREO OUT
入力:ステレオ出力のエフェクター
出力:ステレオ入力のエフェクター

電源

電源は、DC9V、400mA、センターマイナス、2.1 x 5.5 mm バレルコネクタに対応しています。BOSSのアダプターと同じ形状で、流用が可能です。

パワーサプライを使用する場合は、アイソレートされたものを使用することを推奨します。ノイズが乗ってしまう場合があり、性能を発揮できないからです。また、出力電流にも気を付けましょう。300mAまでしか共有できないものも多く存在しています。400mA を超える供給能力があるものを選びましょう。これは、供給能力のうち「エフェクターが欲する400mAまでを使うよ」ということです。そのため、極論500mAでも、1000mAでも、最低400mAを供給できれば問題はありません。

なお、電源が投入されていない場合は、音が切断されることなく、トゥルーバイバス(入力された音をそのまま通過)させるようになります。

USB端子

USB端子は、TYPE-Cの形状です。後述のUAFX専用アプリケーションの「UAFX Control」を使用する際に使うことになります。このUSB TYPE-Cケーブルは、別売りです。

ノブ

OX Stomp には、以下のノブが備わっています。

名称説明
ROOMマイクによるスタジオのアンビエンスとエアーを調整することで、空気感を演出します。
ノブを右に回すほど、キャビネットのコーンから離れたマイキング特性を得られます。
SPEAKER DRIVEキャビネットのダイナミック・レスポンスを調整します。
ノブを左に回すほど新品に近い(タイトでハリがある)ニュアンスになります。
右に回すほど経年劣化(柔らかく温かい)のニュアンスが得られます。
OUTPUT出力の音量を調整します。
MIC12つ使っているマイクのうち、MIC1の音量を調整します。
RIG6つのRIG(プリセット)を切り替えます。
RIGのアサインは、モバイルアプリで行います。
なお、デフォルトでは、以下の設定になっています。

  1. 4×12 Green Punch
  2. 1×12 50s Twang
  3. 2×12 Hankin Silvers
  4. 4×10 Pristine Clean Room
  5. 1×10 Roomy Tiny Combo
  6. 2×12 Comfortable Lead
MIC22つ使っているマイクのうち、MIC2の音量を調整します。
「SPEAKER DRIVE」の変化は、当初よく分かりませんでした。
そこで問い合わせを行ったところ、特性は確実に変化していても、人が認知する際は非常に繊細な違いのようです。
筆者が色々環境(接続機材、スピーカー/アンプ、エフェクト、楽器の編成など)を変えて試用したところ、多少感じやすくなることがありました。
スポンサーリンク

ミニトグルスイッチ

ミニスイッチでは、左から「MIC1」「MIC2」の種類を3種類から選択することができます。

MIC1 / MIC2 の「キャビネットとの近さ」「スピーカーコーンの中心から縁にかけての位置」については公表されず、問い合わせても分かりませんでした。
項目説明
DYNAMIC60年代後半以来、アンプの音のレコーディング時に、業界標準となっていたマイクです。
OXに装備されたモデルは70年代のビンテージユニットをベースにしています。
後から行うEQの調整を長時間行わなくても済むような、「自然な低域のロールオフ」と「適度な中高域」が得られます。
ギターなどのアンプのオンマイクに適しています。
CONDENCER60、70、80年代のヒットポップスやロックレコードでよくあるサウンドです。
集音性が高く、「広いレンジ」と「優しく目立ちやすい中高域」が得られます。
歪んだリズムギターのオフマイクに適しています。
RIBBONエレキギターの収録に適したモダンクラシックのリボンマイクです。
CONDENCER寄りの音ですが、シルキーで柔らかい高域と開放感のある低域が得られます。
アンプのオフマイクに適しています。

なお、多くのエンジニアは、DYNAMICとRIBBONを組み合わせてレコーディングが行われることが多いようです。

後述のUAFX(モバイル版)では、より多彩な種類のマイクを選択することが可能です。

フットスイッチ

2つのフットスイッチ(FS)が装備されています。

それぞれのFSの役割は、UAFX Control モバイルアプリで以下から選択できます。

FS A | FS BFS Aの動作FS Bの動作備考
A | BRig Aのオン/オフ
オン時は、赤点灯。
Rig Bをオン/オフ
オン時は、緑点灯。
どちらもオフの時は、
バイパスになります。
Delay | Reverbディレイのオン/オフ
オン時は、赤点灯。
リバーブのオン/オフ
オン時は、赤点灯。
ディレイ/リバーブを
使っていないRigにも
適用できます。
A/B | C/DRig A と Rig B の切替
Rig A時は、赤点灯。
Rig B時は、緑点灯。
Rig C と Rig D の切替
Rig C時は、赤点灯。
Rig D時は、緑点灯。
4つのRigのいずれかが
必ずオンになります。
A/B | DelayRig A と Rig B の切替
Rig A時は、赤点灯。
Rig B時は、緑点灯。
ディレイのオン/オフ
オン時は、赤点灯。
2つのRigのいずれかが
必ずオンになります。
A/B | ReverbRig A と Rig B の切替
Rig A時は、赤点灯。
Rig B時は、緑点灯。
リバーブのオン/オフ
オン時は、赤点灯。
2つのRigのいずれかが
必ずオンになります。
A/B | EffectRig A と Rig B の切替
Rig A時は、赤点灯。
Rig B時は、緑点灯。
ディレイとリバーブのオン/オフ
オン時は、赤点灯。
2つのRigのいずれかが
必ずオンになります。
Rig は、UAFX Control モバイルアプリ の Rig Assignments のページで、適用することができます。

なお、エフェクター上でパラメータ変更を行って保存したい場合は、保存したいフットスイッチを長押しすることでエフェクター上で保存できます。

UAFX Control(モバイル版)について

OX Stomp では、レコーディングスタジオのハード機材に匹敵する品質のエフェクトを搭載しています。

具体的には、よくモデリングされているコンプレッサーの「1176」、プレートリバーブ、4バンドEQ(ハイ/ローカット付)、ディレイ(3種)、コーラス、フランジャーです。

また、マイク(ルームエミュレーション)、スピーカー/キャビネットのエミュレーションも数多くの種類があります。

しかし、これらは、エフェクター本体で全てを調整できるわけではありません。

モバイルアプリの「UAFX Control」が必要になり、Bluetooth接続を行うことになります。

モバイル版でBluetooth接続できない場合
UAFX全般に言えることですが、「モバイル版でBluetooth接続できない」というケースがあります。
その場合は、後述のUAFXUAFX Control(PC版)でファームウェアアップデートを実施後に再度Bluetooth接続を試してみて下さい。
また、iOS / Androidのバージョンも最新にして試すと、改善する事例があります。

また、モバイルアプリの「UAFX Control」では、Rigの編集(上記エフェクト設定)の他にも、以下のようなRigの管理も可能です。

  • フットスイッチやRigのノブへの割り当て
  • 編集したRigの保存
  • 既存のRigのコピー・バックアップ
  • Rigの削除
  • Rigのお気に入り登録
  • サウンドデザイナーによって作られたRigの利用

基本的な使い方は、公式HP(リンク)に載っていますので、こちらを確認した方が良いかと思います。

UAFX Control(PC版)について

以下から入手するUAFXの専用ツール:UAFX Control では、ペダルの製品登録とファームウェアのアップデートを行うことができます。

UAFX Control ダウンロードページ
製品登録することで、上記の無料のエフェクトサウンドが追加インストールされるので、ぜひ実施しておきましょう。

製品登録の手順は以下を参考にして下さい。

  1. PCにアプリをインストールし、起動する
  2. uaudio.comのアカウントでログインする(アカウントがない場合は、新規で作成してください。)
  3. エフェクターに電源(電源アダプターなど)を接続する
  4. USB TYPE-Cケーブルで、PCとエフェクターを接続する
  5. 認識したエフェクターの「REGISTER PEDAL」ボタンを押下する

ファームウェアアップデートの手順は、上記の製品登録手順の手順5で、「UPDATE」を押下して下さい。

商品情報

キャビネットエミュレーターの OX Stomp のフロア版のペダル。

まとめ

今回は、UAFX の エフェクターペダルの中でキャビネットエミュレーターに位置付けられている OX Stomp Dynamic Speaker Emulator について、紹介しました。

使う人は選ぶかもしれませんが、「OX Amp Top Box」をフロアタイプにしたイメージで、「OX Amp をどこでも使いたい!」「他のUAFXの音を仕上げたい!」という人にはピッタリだと思います。

機会があれば、ぜひ試奏してみて下さい。

スポンサーリンク