アコギのピックアップの音って、どうしても生音と違いますよね。。。?
生音がどんないの良くても、ピックアップではどうしてもキンキンしたり、音質が異なってしまう。
そのため、物理的にサウンドホールの前にマイクを立てて音を拾うか、ピックアップを前提とした音で探すか?のいずれかが多いと思います。
ですが、今回、限りなく自然な音(生音に近い音)が出せるピックアップを見つけたので、紹介します。
「Raptor System by TRIAL」と言い、高早楽器技術/TRIALのメインエンジニアである高早氏の協力を得て開発され、株式会社エースケーが販売しているアコースティックギター用ピックアップシステムです。
高早楽器技術/TRIALとは・・・
日本を拠点とする楽器関連のメーカーで、主にアコースティック向けのプリアンプやエフェクター、ピックアップシステムなどを製造しています。
全ての製品が職人によるハンドメイドで、「技術力」「品質管理の高さ」「革新性」により、多くの音楽愛好家や押尾コータローと言ったミュージシャンからの信頼と支持を得ています。
これまでのミュージシャンとの共同経験から得られる「ノウハウ」「市場のニーズ・要望」「作り手の想い」と言ったものを基に、「より良い物を作る為、柔軟に挑戦し続ける」という信念を持っています。
「TRIAL」のブランド名もそこから来ているようです。
そして、作られた製品は、いずれもユーザーに「安定した高パフォーマンス」をもたらしています。
Raptor system by TRIALについて
既出のとおり、アコースティック向けの製品を手掛ける「高早楽器技術」が開発したアコギ用のピックアップシステムです。
システム構成、導入に伴うメリット・デメリットなどについて、以下にまとめてみます。
システム構成
現行品で大きく2種類あります。
双方の違いは、外部プリアンプ(後述)で、EQによる調整ができるかどうか?です。
いずれもシステムは、ユーザーの希望により、システム構成にはカスタマイズできる点がいくつかあります。
具体的には、以下のデバイスで構成されています。
- ボディーマイク(圧電式ピックアップ)
- サブマイク
- ボディーマイクと連携するピックアップを以下から選択できます。
- アンダーサドルピエゾ
- マグネットタイプ(別売り)
- アンダーサドルピエゾ
- ボディーマイクと連携するピックアップを以下から選択できます。
- 内蔵プリアンプ
- 「ボディーマイク」と「連携するピックアップ」からの信号を統合するプリアンプです。
- 電源は、外部プリアンプから供給するため、ギター内にバッテリーを積む必要がありません。
- 「ボディーマイク」と「連携するピックアップ」からの信号を統合するプリアンプです。
- 外部プリアンプ
- 以下の役割があります。
- 双方のピックアップの「イコライジング」
- 内臓プリアンプへの電源供給。
- 双方のピックアップの「イコライジング」
- 以下の役割があります。
- 接続ケーブル
- ギターのジャックと外部プリアンプを接続するケーブルです。
- 「TRSケーブル」もしくは「XLRケーブル」から選択でき、ケーブルによりアコギのジャックの加工や見た目が変わってきます。
- ギターのジャックと外部プリアンプを接続するケーブルです。
製品構成
商品代として、支払う金額に含まれる内容ですが、以下になります。
- ボディーマイク
- 内蔵プリアンプ
- 外部プリアンプ
- 接続ケーブル
- 「TRSケーブル(3.0m)」or「XRLケーブル(3.0m)」
- 「TRSケーブル(3.0m)」or「XRLケーブル(3.0m)」
- アンダーサドルピエゾ(【Type Sp】のみ)
- ACアダプター
- ギターへの組み込み代金
内臓プリアンプと外部プリアンプを接続する「ケーブル」や「組み込み」の代金も入っているので、支払額は本当に製品代のみになります。
そのため、注文時にギターを預けて、システムを組み込んだ状態で手元に届きます。この期間は、おおむね1ヶ月と考えればいいと思います。
選ぶメリット
前述の内容もありますが、「Raptor system by TRIAL」を選ぶメリットをまとめます。
自然な音色の再現
アコースティックギターの自然な響きを損なうことなく、ありのままの音をそのまま再現してくれます。
特にピエゾピックアップと比べものにならないほど、生に近いサウンドが得られます。
また、ほとんどノイズを感じません。
外部プリアンプで「ボディーマイク」と「サブマイク」の音量を別々に設定でき、双方の音量バランスも柔軟に設定できます。
フィードバック対策の効果
高品質なフィードバック対策が施されており、ライブなどの大音量下での演奏も問題なさそうです。
アンプの目の前にサウンドホールを持ってきても、ハウリングがほとんど起こしませんでした。
躊躇ない自由な音作りができるかと思います。
組み込みの容易さ
すべてTRIALの方で対応してくれるため、自身で行う必要がありません。
また、ボディーマイクは、各々のギターに対して最も良い位置に貼り付けてくれます。
そのため、貼り付け位置もそれぞれのギターによって異なってくるので、ギター本来のポテンシャルをしっかり引き出してくれると思います。
信頼性・保守性
「Raptor system by TRIAL」自体も組み込みなどの作業も、全てが国内で行われます。
そのため、可能な限り短期間での対応が可能です。
また、前述のとおり、プロミュージシャンからの信頼も厚いことからも伺えますが、長期間にわたり「安定した高パフォーマンス」を保ってくれます。
バッテリー交換不要
内部プリアンプの電源は、TRSケーブルもしくはXLRケーブルを介して、外部プリアンプから供給します。
そのため、アコースティックギター本体に電池ボックスを搭載する必要がありません。
選ぶデメリット
「Raptor system by TRIAL」も導入する上で考えておかなくてはいけないポイントがあります。
価格
いくら「高品質」「全部乗せの代金」と言っても、やはり高額です。
また、「Type Mg」を選択した場合は、別途マグネットタイプのピックアップの購入が必要になります。
ピックアップを購入して、組み込んで、ケーブルも買って・・・となると、同額に近い価格帯になるかもしれませんが、やはりハイエンドの部類になります。
- RAPTOR SYSTEM-2(Type Mg):175,000円(税別)
- RAPTOR SYSTEM-2(Type Sp):190,000円(税別)
- RAPTOR SYSTEM-EQ(Type Mg):205,000円(税別)
- RAPTOR SYSTEM-EQ(Type Sp):220,000円(税別)
外部プリアンプが必須
通常のピックアップと異なり、アコースティックギターとアンプを直接つないでも機能しません。
バッテリー交換不要で外部プリアンプから供給するゆえのデメリットです。
外部プリアンプが必須になり、小型といえど、荷物も増えます。
他社製品との比較
既出のこと以外に、他社製品(例: Fishman, LR Baggsなど)と比較した時に、特に言えそうなことを少し記載します。
音が自然で豊か
ピエゾのみピックアップよりも自然で、生音に近い音色が再現されます。
アコースティックギターの木の響きや空気感を表現してくれます。
また、ボディマイクもトップ板に張られるタイプで、サウンドホール内に浮いているタイプではありません。
そのため、木の自体の本来の振動を繊細に捉えることができます。
これにより、ボディヒットなどのパーカッシブ系の音も確実に拾うことができます。
搭載方法のバリエーションが豊富
ボディーマイクを基本とし、マグネットタイプもしくはピエゾタイプのサブマイクを利用するため、ユーザーのカスタマイズ性を持っています。
マグネットタイプの場合は別売りなので、すでに持っているピックアップを利用することも可能です。
ただし、純正の方が良い効果を得やすいとは思います。。。
また、アコースティックギターと外部プリアンプとの接続をTRSかXLRかで選択できます。
そのため、見栄えを極力変えたくない場合、ノイズに強くしたい場合など意向に沿ったカスタマイズが可能です。
実際の音実際の音
今回のEQのセッティング(下図)では、「マイク録り(サウンドホールよりネック側)」に近い音になっているかと思います。
マイク録り(サウンドホールよりネック側)
マイク録り(サウンドホールよりブリッジ側)
マイク録り(ネック側+ブリッジ側)
RAPTOR SYSTEM-EQ(Type Sp)(TRS)
商品情報
まとめ
今回は、本気でお勧めしたいピックアップ「Raptor System by TRIAL」についてまとめてみました。
正直、プロではない人が手を出すにはハードルが高いかもしれませんが、これに勝るものはないと思います。
ぜひ、1つの指標として、参考にしてもらえると嬉しいです。