音楽をするための基礎知識~音符・臨時記号編~

今回は「授業でしか音楽を学んでいないけど、これから楽器を始めてみたい!」「知識がないけど少し作曲してみたい」というような方が音楽を始める上で絶対に必要になる「音符」と「音の構成」について記載していこうと思います。

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音の呼び方

音名と階名

音楽を行う上で、絶対に覚えないといけない必要不可欠な知識です。これがないと楽器を弾くのは無理難題だと思います。こればかりは、覚えないとどうしようもないです。誰かと一緒にやるなら、意思疎通もできなくなると思います。

音の呼び方について、小中高の音楽の授業で一般的に習うのは「ドレミファソラシド」ではないでしょうか?そう、これが音の呼び方です。ただし、複数あるうちの1つです。音の呼び方には、音名と音階があります。この記事を見ている方は、「?」でいっぱいになっているかと思います。当然です。音楽を本格的に学んでいこうと思わなければ気にする必要はないことです。そのため通常の授業でも音符を見て「これが、ドだよ~」「(リコーダーなどで)ドは、こう押さえるんだよ」と言った感じでしか習っていないと思います。

音名と音階の基本的な部分は以下です。

音名
音の「絶対的な高さ」のことです。授業で習う「ドレミファソラシド」はこの要素が強いと思います。
ピアノなどの鍵盤で、ココは「ド」の音というような時が音名です。
階名
音の「相対的な高さ」のことです。ある音を基準とし、その基準の音を「ド」と考えて「ドレミファソラシド」を割り当てていく呼び方になります。
ここでいう「基準の音」は「調(キー)」と考えてください。例えば歌で「キーが合わない」とか言うと思います。キーが「ミ」の音なら「音名:ミ、階名:ド」となることがあり得るということです。
音階は、音楽理論を学んでいく、作曲していく、楽器を弾く、そんな作業の中で大変重要な考え方です。
特に音楽理論を学んだり、曲の展開などを考える時には、「ド、レ、~、シ」はローマ数字の「Ⅰ、Ⅱ、~、Ⅶ」で表すことがほとんどかと思います。
これは基準となる音との相対的な音の高さの差により、それぞれの関係性に特徴があるためです。この特徴により展開や一定の基準ができます。

ドレミとCDE

先ほどから記載している「ドレミファソラシド」。これは何語だか分かりますか? イタリア語なんです。では日本語では何というか?「ハニホヘトイロハ」になります。ですが、どちらも作曲をする、楽器を弾くといった場合は用いることは少ないです。では、何を用いるのか?

それは英語での呼び方です。「CDEFGABC」になります。「ド」が「C」になることに注意してください。「A」は「ラ」の音になっています。

この理由は、一般的なグランドピアノ(88鍵)を見てみると分かります。一番低い音(一番左の鍵盤)は何の音でしょうか?「ラ」の音になります。もう気づいたでしょうか?ピアノを見た時の一番左から、「ABCDEFGA」と呼んでいるんです。

【ピアノの豆知識】なんでピアノの鍵盤は「ド」から始まらなのか?それは、人間が音を聞き分けられる領域に合わせているからです。それがピアノの鍵盤にある88個の音なんです。

複数の音が合わさる「コード」というものがあります。この「コード」も「CDEFGAB」で表されます。

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音符・休符の種類

※一般的な「4分の4拍子」の曲や楽譜を想定して説明します。「4分の4拍子」は、「4分音符(後述)が1つの小節に4つ入るよ。」ということだと思ってください。他にも「4分の2拍子」などもあります。

音符の種類

全音符

「全音符」は、音符の基本となるものです。一般的に一小節が経過するまでの長さを示します。他の音符を理解する際もこの音符を基準に考えると理解しやすいかもしれません。

長さについて「一小節が経過するまでの長さ」と記載したのは、楽譜(拍子)によって長さが不規則になるためです。とはいえ、一般的には全音符の長さは一定で「4分音符4つ分の長さ」になります。

4分音符

全音符の4分の1(4分割)の長さを持つ音符です。音の長さを考える際は、この音符が基準になって1拍と考えます。前述しましたが、全音符の長さは一定ではないためです。そのため曲のテンポでも「♩=120」のように、多くは四分音符を基準に考えられます。

2分音符

全音符の半分(2分割)の長さを持つ音符です。「4分音符の2倍の長さ」になります。

8分音符

全音符の半分(8分割)の長さを持つ音符です。「4分音符の半分の長さ」になります。

16分音符

全音符の半分(16分割)の長さを持つ音符です。「4分音符の4分の1の長さ」になります。

その他

他にも同様の考え方で、32分音符、64分音符なんかもあります。

また、音符の隣に「・(付点)」が音符もあります。これは「付いている音符の半分の長さを加えてください」という意味で、付点音符と呼びます。仮に2分音符の隣についていた場合は「付点2分音符」と呼び、2分音符に4分音符の長さが加わった3拍分の長さをもつ音符になります。

休符の種類

上記の音符と同様の考え方は、休符にも適用します。全休符、2分休符、4分休符、・・・、付点2分休符などと呼びます。説明は上記の音符の種類をご覧ください。

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臨時記号

上記にあった「ドレミファソラシド」は、ピアノで言うと白鍵の部分になります。ピアノには他にも黒鍵があります。一般的には、この黒鍵の音を示すのに使うのが臨時記号です。「一般的には」と言ったのは、正確には異なるからです。キーが変わると、この考え方は通用しないことがあります。どんな時にでも通用する言い方をすると、黒鍵を含めて数えた時の1つ上(下)の音を示すときに使うのが臨時記号です。

なお、この臨時記号は、基本的には使用した「小節内」の「後段の同音」に対してのみ有効なものになります。(楽譜の作成者(出版社)によって異なる場合もあり一概には言えません。)

臨時記号には、以下のようなものがあります。

#シャープ1音(半音)高く
フラット1音(半音)低く
元の音に戻す
xダブルシャープ2音高く(#を2つ分)
♭♭ダブルフラット2音低く(♭を2つ分)

上記を見ると、白鍵同士が隣にある「ファ」を表すのに「ミの#(1つ上の音)」と言うことも可能です。また、「ドとレの間」の黒鍵は、「ド#」とも言えますし「レ♭(1つ下の音)」とも言うことも可能です。

最期の2つは聞いたことない方もいるかもしれませんが、ダブルシャープなんかはバンドの楽譜なんかで目にすることもあります。なんでこんなものが必要なのか?というと、楽譜を記載する際の問題です。

乱暴な言い方ではありますが、弾く(演奏する)際には、何の影響もありません。むしろ使わないで記載した方が良いかもしれません。初心者にとっては特にです。「ダブル○○」が存在する意味は、音の「流れ」「つながり」が非常に分かりやすくなる利点があるのです。これにより、その曲がベースにしている音の流れが見えてくることもありますし、楽譜を読むことに慣れていくと、作曲者の意図も読み取れるようになってきます。

「ダブル○○」は「作曲者が作曲のために使う」ではなく、「作曲者が奏者・読んでくれる人のために使う」というニュアンスが強いのではないでしょうか。

まとめ

今回は、音楽をする上での基礎中の基礎ともいえる「音符」と「臨時記号」について記載しました。まったく知識がない人でも分かりやすいように、極力難しい言葉や専門用語は使わないようにしました。

豆知識も一部交えて記載しましたが、音楽を始める第一歩として、少しでも理解してもらえたら嬉しいです。

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