プロも注目し、注目を浴びている フロア型モデラーである Neural DSP社の「QUAD CORTEX」。
今回は、そんな「QUAD CORTEX」の バージョン2.0.0がリリースされたので、情報をまとめます。
コアとなる部分を含め、大幅に変更されているようなので、アップデート前のバックアップは必須でしょう。
- 1 新規追加
- 2 仕様変更
- 2.1 ディレクトリの設計を一新
- 2.2 インストゥルメントの優先付け
- 2.3 「Capture Type」の追加
- 2.4 「Capture Gain」コントロールの追加
- 2.5 検索機能の強化
- 2.6 クラウドバックアップ数の増加
- 2.7 ミュート/バイパス
- 2.8 Neural Capture実施時の入力端子を変更
- 2.9 ファクトリープリセットの更新
- 2.10 WiFi MAC アドレスの表示
- 2.11 更新されたデバイス > Amp(GUITAR)
- 2.12 更新されたデバイス > Overdrive(GUITAR)
- 2.13 更新されたデバイス > Modulation
- 2.14 更新されたデバイス > Wah
- 3 バグ修正
- 4 商品リンク
- 5 まとめ
新規追加
新規追加の内容について、以下にまとめます。
ハイブリッドモード
ハイブリッドモードは2つのモードを組み合わせてコントロールしたい人に適したモードで、利用シーンは多くユーザーの使いやすいように組み替えることができます。
モード並び順を変更するのに使用していた「モード設定」オプションから、ハイブリッドモードの作成ができます。
モードを別のモードの上にD&D(ドラッグ&ドロップ)することで、ハイブリッドモードを作成します。
ハイブリッドモードになったモードをタップすると、フットスイッチの構成を切り替えることができます。
なお、ハイブリッドモードが作成されている場合でも、もちろんモードを並べ替えや削除ができます。
Cab/IR のグローバルバイパスが可能に
「Cabs」「IR Loaders」「Neural Captures(Cab系)」を、グローバルにバイパスできるようになりました。
グローバルEQ が出力設定に追加
グローバル EQ(5バンドのパラメトリックEQ) が I/O設定画面の Out 1/2 と Out 3/4 に追加されました。
マスターボリュームノブの割り当て
デバイスオプション画面から、マスターボリュームノブで制御する出力の設定が可能になりました。
センド 1/2 のレベルは、出力として使用されている場合にのみマスターボリュームノブによって制御され、グリッド内のFX Loopブロックで使用されている場合には制御されません。
コンプレッサーに、ゲインリダクションが追加
「Jewel」「Chief CS3」 を除くすべてのコンプレッサーデバイスのパラメーターにゲインリダクションが追加されました。
各エフェクトのバージョン管理
各エフェクト(ブロック)のバージョン管理が追加され、ユーザーが使用したいエフェクトのバージョンを選択できるようになりました。
パラメーターエディターのコンテキストメニューを使用して、デバイスの更新バージョンとレガシーバージョンを切り替えることができます。
アップデートが利用可能な場合は、グリッド内のアイコンの右上隅に緑色のドットが表示されます。
更新が利用可能なデバイスのパラメーターを初めて開くと、コンテキストメニューボタンが緑色の矢印に変わります。
タップテンポシーンチェンジ
タップテンポ画面にシーン変更ボタンが追加されました。
これにより、タップテンポ画面を終了することなく各シーンのテンポを設定できるようになりました。
シーンバイパスの状態を保存可能に
Stomp Mode、Hybrid Stomp Mode、MIDI、またはタッチスクリーンでバイパス状態を変更するときに、シーンのブロックのバイパス状態を保存する/しないを設定できるようになりました。
「デバイスオプション」 画面で対応できます。
IR Loaderの新規追加
「IR Loader」ブロックを使用すると、Impulse Response セクションをタップすることで、IRをロードすることができます。
「IR」ブロックには、シングル (M)、シングル (ST)、ダブル (M)、ダブル (ST) の4種類があります。
「Double IR Loader」ブロックを使用すると、2つのIRをロードして、それらを個別に制御することができます。
追加デバイス > Amp(GUITAR)
以下の新規デバイスが追加されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
CA John’s 2C Ch1 | Mesa Boogie® JP2C® Ch1 |
CA John’s 2C Ch2 | Mesa Boogie® JP2C® Ch2 |
CA John’s 2C Ch3 | Mesa Boogie® JP2C® Ch3 |
追加デバイス > Neural Captures
以下の新規デバイスが追加されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
Aggi 751 | Aguilar® DB751® |
Aggi 700 | Aguilar® AG700® |
Aggi Hammer 500 | Aguilar® ToneHammer 500® |
CA John’s Ch1 | Mesa Boogie® JP2C® Ch1 |
CA John’s Ch2 | Mesa Boogie® JP2C® Ch2 |
CA John’s Ch3 | Mesa Boogie® JP2C® Ch3 |
D-Cell H4 Ch1 | Diezel® VH4® Ch1 |
D-Cell H4 Ch2 | Diezel® VH4® Ch2 |
D-Cell H4 Ch3 | Diezel® VH4® Ch3 |
D-Cell H4 Ch4 | Diezel® VH4® Ch4 |
US HRDLX ChA | Fender® Hot Rod Deluxe® Channel A |
US HRDLX ChB | Fender® Hot Rod Deluxe® Channel B |
Brit 2210 | Marshall® JCM800® 2210 |
Brit 2555 Clean | Marshall® Silver Jubilee® 2555 Clean |
Brit 2555 Lead | Marshall® Silver Jubilee® 2555 Lead |
Brit 2555 Rhy | Marshall® Silver Jubilee® 2555 Rhythm |
CA Tremo Clean | Mesa Boogie® Trem-O-Verb® Orange Clean |
CA Tremo Vintage | Mesa Boogie® Trem-O-Verb® Orange Vintage |
CA Tremo Blues | Mesa Boogie® Trem-O-Verb® Red Blues |
CA Tremo Modern | Mesa Boogie® Trem-O-Verb® Red Modern |
US HRDLX PA 6V6 | Fender® Hot Rod Deluxe® Power Amp 6V6 |
Brit 2210 PA EL34 | Marshall® 2210 Power Amp EL34 |
Bogna X100B Ch1 | Bogner® Ecstasy 100B® Ch1 |
Bogna X100B Ch2 | Bogner® Ecstasy 100B® Ch2 |
Bogna X100B Ch3 | Bogner® Ecstasy 100B® Ch3 |
Watt Custom 1959 | Hermansson Hiwatt® Custom PA100® 1959 |
Watt Custom Clean | Hermansson Hiwatt® Custom PA100® Clean |
Watt Custom Jose | Hermansson Hiwatt® Custom PA100® Jose |
Watt Custom VH | Hermansson Hiwatt® Custom PA100® VH |
MetalX M1K Stage 1 | Metaltronix® M1000® HiGain Stage 1 |
MetalX M1K Stage 2 | Metaltronix® M1000® HiGain Stage 2 |
MetalX M1K Clean | Metaltronix® M1000® Clean |
TuneRoyal MK2 | Tone King® Imperial MKII® |
Bogna X100B PA OLD | Bogner® Ecstasy 100B® Power Amp EL34 Old |
Bogna X100B PA NEW | Bogner® Ecstasy 100B® Power Amp EL34 New |
Bogna X100B PA OLD+VAR | Bogner® Ecstasy® 100B Power Amp EL34 Old+Var |
Bogna X100B PA NEW+VAR | Bogner® Ecstasy® 100B Power Amp EL34 New+Var |
Watt Custom Pre 1959 | Hiwatt® Custom PA100® Preamp 1959 |
Watt Custom Pre Clean | Hiwatt® Custom PA100® Preamp Clean |
Watt Custom Pre Jose | Hiwatt® Custom PA100® Preamp Jose |
Watt Custom Pre VH | Hiwatt® Custom PA100® Preamp VH |
Bogna X100B Pre Ch1 | Bogner® Ecstasy 100B® Preamp Ch1 |
Bogna X100B Pre Ch2 Lo | Bogner® Ecstasy 100B® Preamp Ch2 Low Gain |
Bogna X100B Pre Ch2 Hi | Bogner® Ecstasy 100B® Preamp Ch2 High Gain |
Bogna X100B Pre Ch3 Plexi | Bogner® Ecstasy 100B® Preamp Ch3 Plexi |
Bogna X100B Pre Ch3 Lead | Bogner® Ecstasy 100B® Preamp Ch3 Lead |
Gametrader Magma | Gamechanger Audio® Plasma® |
TeaBird | Antti® T-Bird® |
追加デバイス > Overdrive(GUITAR)
以下の新規デバイスが追加されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
Thunderpaw | Mr Black® Thunderclaw® |
仕様変更
仕様変更の内容について、以下にまとめます。
ディレクトリの設計を一新
ディレクトリは大幅に再設計され、目的のアイテムを素早く見つけるための機能などが数多く実装されています。
あまりに多いので、変更内容の一例を以下に記載します。
- 「My Captures」フォルダに保存できるキャプチャの数が、今までの倍の「2048」に増加。
- 左にスワイプして編集する機能が、編集機能を表示するコンテキストメニューボタンに置き換え。
- セットリストにコンテキストメニューが追加され、編集・削除が可能に。
- 「Quad Cortex」の保存の際に、タグ追加する機能は削除。
- Cortex Cloud/Mobileで対応可。
- Cortex Cloud/Mobileで対応可。
- スクロールのパフォーマンスが向上。
- スクロールジャンプセクションが右側に追加。
- 「Neural Capture」「IR」から「Bank」を削除。
- メタデータを追加可能に。
- 検索、並べ替え、フィルタリング機能の追加。
- 「Presets」「Neural Capture」をアップロードするとき、左上のボタンでアップロードモードを切り替える可能に。
上記の補足となりますが、並べ替えは、「Name」「Data Added」「Author」「Preferred Instrument」「Device Type」「Gain」で行うことができます。
また、並べ替えと同じボタンから、メタデータを追加できます。
フィルタリングは、「Default」「Amp」「Amp+Cab」「Combo Amp」「Cab」「Pedal」で利用可能です。
※図は、いずれも「Neural Capture」のディレクトリ画面です。
インストゥルメントの優先付け
「Preset」もしくは「Neural Capture」の優先度を指定できるようになりました。
このメタデータは、「Quad Cortex」「Cortex Cloud」「Cortex Mobile」で検索/並べ替えを行うときに利用できます。
「Capture Type」の追加
「Neural Capture」を作成/編集するときに、「Capture Type」を指定できるようになりました。
「Capture Type」には、「Default」「Amp Head」「Amp + Cab」「Combo Amp」「Cab」「Pedal」が含まれます。
なお、様々な場面で「Capture Type」を用いたフィルタリングもできます。
「Capture Gain」コントロールの追加
「Neural Capture」によって算出されたサウンドを分析し、ランク付けを行うようになります。
「1」はクリーントーンで、「10」は最も強い歪みになります。
なお、既存の「Neural Capture」に対しては、自動的にパラメータが適用されるように更新されます。
検索機能の強化
大幅な見直しが入り、画面全体が対象となるように変更されました。
直近で検索した用語は、テキスト入力欄の下に表示されます。また、検索では、入力中のテキスト エントリの下に候補も表示されます。
検索結果は、Presets、Neural Captures、IRsのカテゴリとタブに分かれています。サブカテゴリも存在し、開閉することが可能です。
項目をタップすると、ディレクトリ内のファイルの場所に移動し、強調表示されます。検索結果の画面に戻りたい場合は、「検索」ボタンをタップします。
なお、検索結果はソートやフィルターを利用したり、関連するメタデータの参照もできるので、閲覧しやすくなっています。
クラウドバックアップ数の増加
クラウドバックアップの最大数が5つになりました。
なお、各バックアップに対し、右端にあるメニューボタンから、「編集」「更新」「ダウンロード」「削除」を行うことができます。
ミュート/バイパス
バイパスパラメータの機能を、デバイスのパラメータエディタでコンテキストメニューからミュートに変更できるようになりました。
ミュートされたデバイスは、グリッド上のデバイスのアイコンに赤い線で示されます。
Neural Capture実施時の入力端子を変更
Neural Captureの作成に使用される入力は、「Return 1 & Input 1」から「Input 1 & Input 2」に変更されました。
Neural Captureを作成するときは、ギターを「Input 1」に接続し、Captureしたいデバイスを「Input 2」に接続することになります。
ファクトリープリセットの更新
ディレクトリの新しい管理方法に適応するために、すべてのFactory Presetsが更新されました。
また、「Utility Gate」を使用するプリセットは、代わりに「Input Gate」を使用するようになります。
アンプモデルのプリセットにはルーパーも追加され、すべての「Wah & Volume」ペダルは、必要に応じてEXP1 または EXP2 にマッピングされています。
WiFi MAC アドレスの表示
MAC addressが、[Device Options] > [Hardware information]で、「Serial Number」と共に表示されるようになりました。
更新されたデバイス > Amp(GUITAR)
以下のデバイスが更新されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
D-Cell H4 Ch1 Normal | Diezel® VH4® Ch1 Normal |
D-Cell H4 Ch1 Bright | Diezel® VH4® Ch1 Bright |
D-Cell H4 Ch2 Normal | Diezel® VH4® Ch2 Normal |
D-Cell H4 Ch2 Bright | Diezel® VH4® Ch2 Bright |
D-Cell H4 Ch3 | Diezel® VH4® Ch3 |
D-Cell H4 Ch4 | Diezel® VH4® Ch4 |
Solo 100 Crunch Normal | Soldano® SLO-100® Crunch Normal |
Solo 100 Crunch Bright | Soldano® SLO-100® Crunch Bright |
Solo 100 Lead | Soldano® SLO-100® Lead |
EV101IIIS Blue EL34 100W | EVH® 5150 III® 100S® EL34 |
EV101IIIS Red EL34 100W | EVH® 5150 III® 100S® EL34 |
更新されたデバイス > Overdrive(GUITAR)
以下のデバイスが更新されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
Green 808 | Ibanez® TS808® |
更新されたデバイス > Modulation
以下のデバイスが更新されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
MX Vibe | MXR® UniVibe® ※NuVibesは、レガシーバージョンとなっています。 |
Phaser | ーー |
更新されたデバイス > Wah
以下のデバイスが更新されています。
表示される名称 | モデルとなった実機 |
Bad Horse | Morley® Bad Horsie® |
バグ修正
バグ修正の内容について、以下にまとめます。なお、以下の他にも、UI・性能・内部処理の修正が含まれています。
- 保存前にディレイタイムがパラメータが100ms以下に設定されていた場合、プリセットを保存・読み込みした後、Slapback Delayのディレイタイムが変更される問題。
- バックアップを復元するときに、I/O Settingsのリンクされた出力の状態が正しく復元されない問題。
- 「Up」「Down」のフットスイッチを押してプリセットを変更すると、「Unassign from Scenes」ダイアログが画面に表示されたままになる問題。
- 「Up」「Down」のフットスイッチを押してプリセットを変更すると、「Assign Expression Pedal」ダイアログが画面に表示されたままになる問題。
- 「Brightness」メニューで LEDの明るさが「1」に設定されている場合、電源ボタンの感度メニューでフットスイッチの LED が点灯しない問題。
- 「Out1/2」「Out 3/4」の「info」ボタンを変更した後、USBのDry/Wetの状態が正しく表示されない問題。
- 「undo」「redo」を使用した後、「Input Gate」で反転された「EXP bypass assignments」が正しく機能しない問題。
- 値を指定せずに 2つの「値を変更するエディター」を開いた場合、「値を変更するエディター」が別のパラメーターの値を設定する問題。
- 「Bypass On」を「Switch」に設定し、「Invert Range」を「Off」に設定すると、バイパスパラメータのMIDI制御が反転する問題。
- エクスプレッションペダルの「Preset MIDI Out」のデータを持つプリセットを切り替えると、「Preset MIDI Out」のメニューで UIの不具合が発生する問題。
- 「ノイズゲート」と「ハイゲインアンプ」もしくは「Capture」の間に「Wah」を配置すると、甲高い音が聞こえることがある問題。
- 編集して保存した後、お気に入りのプリセットがお気に入りから削除される問題。
- StompモードにおいてMIDI経由でSceneを変更すると、「フットスイッチのLED」「Gig View」 がブロックのバイパスの状態を正しく表示しない問題。
- パスワード入力時に、文字列の途中にカーソルを置いて「パスワードの表示/非表示」ボタンをタップすると、カーソル位置が文字列の末尾に移動してしまう問題。
- キーボードを使用すると、どの画面でも黒い線が表示される問題。
- デバイスオプションメニューでスクロールすると、メニュー項目間に黒い線が表示される問題。
- すべてのシーンで同じバイパス状態が設定されている場合、電源を入れ直した後、ブロックのシーンに割り当てられたバイパスパラメータがクリアされる問題。
- Sceneモードで2つ以上のCabブロックのバイパス状態を交互に切り替えると、大きいノイズが聞こえることがある問題。
商品リンク
まとめ
今回は、「QUAD CORTEX」の最新バージョン 2.0.0の更新情報について記載しました。
前回のリリースから時間がかかっており、アップデート内容も盛りだくさんでした。
ぜひ参考にしてみて下さい。