音にこだわりたい場合、電子ドラムではコンプレッサーなどの他にも、エフェクトについても知っておく必要があると思います。
今回は、音源:TD-50Xに搭載されている「ディレイ系のエフェクト」について触れていこうと思います。
ディレイ系
DELAY
ステレオ仕様のディレイエフェクトになっています。
なお、設定値にある「音符」は、全音符から64分音符や、各種付点音符、各種3連音符を指します。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Tempo Sync Left Tempo Sync Right | ON、OFF | 左/右のディレイ音のディレイタイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Delay Left Time Delay Right Time | 1 ~ 1300msec 音符 | 原音が鳴ってから左/右のディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Phase Left Phase Right | NORMAL INVERSE | 左/右のディレイ音の位相を逆位相(INVERSE)にするか設定します。 |
Feedback Mode | NORMAL CROSS | ディレイ音の戻し方(繰り返し方)を設定します。 【NORMAL】 【CROSS】 |
Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音を入力に戻す(繰り返す)度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
HF Damp | 200 ~ 8000Hz BYPASS | 繰り返すディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Low Gain | -15 ~ +15dB | 低域の増幅/減衰量を設定します。 |
High Gain | -15 ~ +15dB | 高域の増幅/減衰量を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
TAPE ECHO
ローランドRE-201 スペース・エコーの、テープ・エコー部のシミュレートです。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Mode | S、M、L、 S+M、S+L、 M+L、S+M+L | 使用する再生ヘッドの組み合わせを設定します。 S、M、Lは、遅れ時間の違いによる3種類のヘッドです。 それぞれ、「S:ショート」「M:ミドル」「L:ロング」となっています。 |
Repeat Rate | 0 ~ 127 | ディレイ音の間隔を設定します。 値を大きくすると、間隔が短くなります。 |
Intensity | 0 ~ 127 | ディレイ音の繰り返し量を設定します。 |
Bass | -15 ~ +15dB | エコー音の低域の増幅/減衰量を設定します。 |
Treble | -15 ~ +15dB | エコー音の高域の増幅/減衰量を設定します。 |
Head S Pan | L64 ~ R63 | ショートの再生ヘッドの定位を設定します。 |
Head M Pan | L64 ~ R63 | ミドルの再生ヘッドの定位を設定します。 |
Head L Pan | L64 ~ R63 | ロングの再生ヘッドの定位を設定します。 |
Tape Distortion | 0 ~ 5 | テープ特有の歪み(ノイズ)を付加する量を設定します。 値を大きくすると、歪みが深くなります。 |
W/F Rate | 0 ~ 127 | ワウフラッター(複雑なピッチの揺れ)の速さを設定します。 |
W/F Depth | 0 ~ 127 | ワウフラッターのかかり具合を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
REVERSE DELAY
入力された音のリバース音をディレイ音として付加するディレイです。
リバースディレイの直後にはタップディレイが接続されています。
なお、設定値にある「音符」は、全音符から64分音符や、各種付点音符、各種3連音符を指します。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Threshold | 0 ~ 127 | リバースディレイがかかり始める音量を設定します。 |
Tempo Sync Rev | ON、OFF | リバースディレイのディレイタイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Rev Delay Time | 1 ~ 1300msec 音符 | 音が入力されてからディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Rev Delay Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音をリバースディレイの入力に戻す度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
Rev Delay HF Damp | 200 ~ 8000Hz BYPASS | リバースディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Rev Delay Pan | L64 ~ 63R | リバースディレイ音の定位を設定します。 |
Rev Delay Level | 0 ~ 127 | リバースディレイ音の音量を設定します。 |
Tempo Sync Delay 1 Tempo Sync Delay 2 Tempo Sync Delay 3 | ON、OFF | タップディレイのディレイタイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Delay 1 Time Delay 2 Time Delay 3 Time | 1 ~ 1300msec 音符 | タップディレイに音が入力されてからディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Delay 3 Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音をタップディレイの入力に戻す度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
Delay HF Damp | 200 ~ 8000Hz BYPASS | タップディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Delay 1 Pan Delay 2 Pan | L64 ~ 63R | タップディレイ音の定位を設定します。 |
Delay 1 Level Delay 2 Level | 0 ~ 127 | タップディレイ音の音量を設定します。 |
Low Gain | -15 ~ +15dB | 低域の増幅/減衰量を設定します。 |
High Gain | -15 ~ +15dB | 高域の増幅/減衰量を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
3TAP PAN DELAY
中央、左、右の3 方向にディレイ音を鳴らすようにするエフェクトです。
なお、設定値にある「音符」は、全音符から64分音符や、各種付点音符、各種3連音符を指します。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Tempo Sync Left Tempo Sync Right Tempo Sync Center | ON、OFF | 左/右/中央のディレイ音のディレイタイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Delay Left Time Delay Right Time Delay Center Time | 1 ~ 2600msec 音符 | 原音が鳴ってから、左/右/中央のディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Center Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音を入力に戻す度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
HF Damp | 200 ~ 8000Hz BYPASS | 繰り返すディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Left Level Right Level Center Level | 0 ~ 127 | 左/右/中央のディレイ音の音量を設定します。 |
Low Gain | -15 ~ +15dB | 低域の増幅/減衰量を設定します。 |
High Gain | -15 ~ +15dB | 高域の増幅/減衰量を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
OD→DELAY、DS→DELAY
オーバードライブからディレイの接続、およびディストーションからディレイの接続を行ったエフェクトです。
オーバードライブかディストーションかの違いで、設定項目に差異がないため、まとめて記載します。
なお、設定値にある「音符」は、全音符から64分音符や、各種付点音符、各種3連音符を指します。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Overdrive Drive Distortion Drive | 0 ~ 127 | 歪み具合を設定します。 値に応じて音量も変化するので、注意が必要です。 |
Overdrive Pan Distortion Pan | L64 ~ 63R | 歪ませた音の定位を設定します。 |
Tempo Sync | ON、OFF | ディレイのディレイタイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Delay Time | 1 ~ 2600msec 音符 | 原音が鳴ってからディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Delay Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音を入力に戻す度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
Delay HF Damp | 200 ~ 8000Hz BYPASS | 繰り返すディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Delay Balance | D100:0W ~ D0:100W | 出力する原音(D)とエフェクトをかけた音(W)の割合を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
TIME CTRL DLY
ディレイタイムをなめらかに変化させることができるディレイのエフェクトです。
なお、設定値にある「音符」は、全音符から64分音符や、各種付点音符、各種3連音符を指します。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Tempo Sync | ON、OFF | ディレイ音のディレイタイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Delay Time | 1 ~ 1300msec 音符 | 原音が鳴ってからディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Acceleration | 0 ~ 15 | ディレイタイムを変化させる際に、設定したディレイタイムになするまでの速さを設定します。 ディレイタイムと同時にピッチ変化の速さも変わるので、注意が必要です。 |
Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音を入力に戻す度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
HF Damp | 200 〜 8000Hz BYPASS | 繰り返すディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Low Gain | -15 ~ +15dB | 低域の増幅/減衰量を設定します。 |
High Gain | -15 ~ +15dB | 高域の増幅/減衰量を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
PAN DELAY
定位を振るディレイのエフェクトです。
設定値にある「音符」は、全音符から64分音符や、各種付点音符、各種3連音符を指します。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Tempo Sync | ON、OFF | ディレイ音のディレイ・タイムの値を音符で設定するか、しないかを設定します。 |
Delay Time | 1 ~ 2600msec 音符 | 原音が鳴ってからディレイ音が鳴るまでの遅延時間を設定します。 |
Delay Feedback | -98 ~ +98% | ディレイ音を入力に戻す度合いを設定します。 マイナスの値は、逆位相であることを示します。 |
Delay HF Damp | 200 ~ 8000Hz BYPASS | 繰り返すディレイ音の高域成分をカットする基準周波数を設定します。 BYPASSはカットせず、出力をそのまま繰り返します。 |
Delay Pan 1 Delay Pan 2 | L64 ~ 63R | ディレイ音の定位を設定します。 |
Delay Level 1 Delay Level 2 | 0 ~ 127 | ディレイ音の音量を設定します。 |
Low Gain | -15 ~ +15dB | 低域の増幅/減衰量を設定します。 |
High Gain | -15 ~ +15dB | 高域の増幅/減衰量を設定します。 |
Level | 0 ~ 127 | 出力音量を設定します。 |
商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、音源:TD-50Xに搭載されている「ディレイ系のエフェクト」について触れてみました。
音作りのヒントになれば幸いです。