音源モジュールのTD-50Xでドラムセットの組み方の設定などを行う際は「それぞれの用語が何を指しているのか」「データの持ち方」を理解しておいた方が良い場面が多く出てくると思います。
今回は、音源:TD-50Xのデータの持ち方について触れていこうと思います。
TD-50Xのデータの持ち方
データ構成
TD-50Xでのデータ構造は、まず100個のデータの集まりがあり、その1つ1つが大きく4つのデータで構成されています。
以下にまとめます。
大項目 | 小項目 | 説明 |
ドラム・キット | ーー | 一番大きな単位として、「キット」があります。これは、ドラムセットそのものだけでなく、マイクやエフェクトなど録音する際に必要な環境全てをイメージすると良いでしょう。 100個まで登録することができます。 工場出荷状態では、1~70番はプリセットが登録され、71~100番は空(ユーザーがゼロから作成するための枠)となっています。 |
パッド | シンバル類・タム類における音色(インストゥルメント)などの個々の設定です。 | |
アンビエンスの設定 | 録音する際のマイク(OH)や録音する空間の設定です。直接的な意味は、演奏する場所の残響音を再現するエフェクトのことになります。 | |
ミキサーの設定 | 音量バランス、エフェクトなどの「MIXIR」ボタン内の設定情報です。 | |
ドラム・キット全体の設定 | キット全体のマスター音量、キット名、midi設定などのグローバル設定の情報です。 |
基本的にユーザーが利用する場合は、「ドラム・キット」を選択するようになります。「ドラムキット」の中には、「パッド」「アンビエンス」「ミキサー」「ドラム・キットのグローバル設定」が含まれています。
また、ドラム・キット(パッド)構成要素には、「インストゥルメント」というものがあります。
「インストゥルメント」とは、各パッドを叩いたときに鳴る音色です。スネア、各タム、バスドラム、各シンバルなどで鳴らす場所の1つ1つの音をイメージすると良いでしょう。
「インストゥルメント」におけるデータの持ち方については、以下のように分かれます。
項目 | 説明 |
インストゥルメント全体の設定(ヘッド) | 音量、パン、パッド・イコライザー、サブ・インストゥルメントの鳴らしかたなど |
インストゥルメント | 楽器音、音色の変化の仕方など |
サブ・インストゥルメント | 「インストゥルメント」と同様 |
インストゥルメント全体の設定(リム) | 「ヘッド」と同様 |
次に、ミキサーです。
ミキサーに関しては、エフェクトについて触れておきます。ミキサーにて使用できるエフェクトは、以下になります。
エフェクト | かける対象 | 説明 |
パッド・イコライザー(PAD EQ) | インストゥルメント毎 | 周波数域ごとに、音量バランスを調整できます。 |
パッド・コンプレッサー(PAD COMP) | パッド毎 | 音量のピークを抑えることで、アタックや音圧を調整できます。 |
マルチ・エフェクト(MFX) | ドラムキット毎 | 38 種類の中から3 つのエフェクトを選んでかけることができます。 効果はドラムキット全体にかかりますが、パッド毎にエフェクトをかけるレベルを調整可能です。 |
マスターEQ(MASTER EQ) | ドラムキット毎 | 周波数域ごとに、音量バランスを調整できます。 |
マスター・コンプレッサー(MASTER COMP) | ドラムキット毎 | 音量のピークを抑えることで、アタックや音圧を調整できます。 |
設定の保存領域(メモリー)
TD-50Xでは、ドラム・キットやトリガー設定などの設定が保存されている場所を、「メモリー」と呼んでいます。
「メモリー」には、TD-50X本体内に3つ存在し、外部デバイスとしてSDカードがあります。
以下にまとめます。
種類 | 説明 | 所有データ |
プリセット・メモリー | 工場出荷時の設定が保存されている領域です。 ユーザーが設定内容の変更を行うことはできません。 このデータを使用するのは、工場出荷状態に戻す「ファクトリー・リセット実行時」です。 ユーザー・メモリー(後述)にコピーして使用されます。 |
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ユーザー・メモリー | エディットや演奏に使用する設定が保存されている領域です。 ユーザーがTD-50X上で設定変更した場合は、この設定が置き換わります。 SD カードやプリセット・メモリーのデータを読み込む、またはコピーすることができます |
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テンポラリー・メモリー | TD-50X で録音したデータ(1曲)を、一時的に保存しておく領域です。 一時的な保存なので、電源を切断時はデータが削除されます。 |
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SD カード | 外部データのインポート、TD-50Xからのエクスポートに使用します。 ユーザー・メモリーに保存されている設定一式を「99個」バックアップしておくことが可能です。 そのため、99個のTD-50Xの設定を所有できることになります。 また、上記バックアップとは別に、ドラム・キットを999 個保存することができます。 録音データの保存先を、SDカードに設定することもできます。 |
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商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、「音源:TD-50Xのデータの持ち方」について、記載しました。
用語の説明も兼ねた記載をしているので、参考にしてみて下さい。