リズムパートであるドラマーにとって、テンポの維持は重要な要素であり、曲全体・他パートへ大きな影響力があります。
それと同様に、「アクセントの付け方」「決め」となる部分は、曲に合わせて練習したいところでもあります。
今回は、音源:TD-50Xで練習する際に役立つ「SONG」の機能について触れていこうと思います。
扱えるオーディオデータについて
まず、前提として、TD-50X で再生できるオーディオ・ファイルは「WAVファイル」と「MP3ファイル」になります。
そして、それぞれのデータは以下の仕様に従う必要がありますので、注意しましょう。
形式 | WAV | MP3 |
拡張子 | .wav | .mp3 |
サンプリング周波数 | 44.1kHz | 44.1kHz |
ビット数 | 16、24 | 64 ~ 320kbps |
その他にも、以下のような注意点が存在します。
- 保存するファイルは、200 個/フォルダー 以内にする
- ソングの長さは、1 h/File 以内にする。
- ファイル名・フォルダー名は、半角16文字未満にする。
- 16文字以上のファイル名やフォルダー名は、正しく表示されません。
- 全角文字は非対応です。
SONG機能の再生方法
練習する際は、実際の曲に合わせて演奏することも必要でしょう。ここでは、曲の再生方法について記載します。
オーディオプレーヤーを使って曲を再生する
この場合は非常に単純で、音源モジュール(TD-50X)に装備されているMIX IN端子に再生デバイスを接続して、再生することで対応できます。
以下が手順です。特別注意しなければならないこともありません。
- MIX IN 端子に、再生デバイスを接続する。
- 再生デバイスで、曲を再生する。
- 「MIX IN」ノブを回して、曲の音量を調節する。
オーディオプレーヤーを使わずに曲を再生する
TD-50X に登録されている曲(ソング)もしくはSDカード内の曲を利用する方法です。
なお、SD カードに入れた曲を再生するには、ファイル形式に制限があるので、注意が必要です。(後述します。)
以下が曲を再生する手順になります。
- 「SONG」ボタンを押下する。
- SONG 画面が表示されます。
- 「F1」~「F3」ボタン/「-」「+」ボタン/ダイヤルで、再生したい曲を選びます。
- 「▼/■」ボタンを押します。
- 選んだソングが再生されます。
以下は、手順2の参考情報です。
ボタン | タブ名 | 説明 |
F1 | INTERNAL | 内蔵のソング |
F2 | SD CARD | SD カードのソング |
F3 | REC DATA | 本体またはSD カードに録音したソング |
その他にも、以下のような機能を使用することができます。
ボタン | 機能 |
▼/■ | ソングの再生/停止を行う。 |
↑(|←) | ソングの先頭に移動する。 |
↓(→|) | ソングの末尾に移動する。 |
←(←←) | ボタンソングの早戻し(5秒戻し)を行う。 長押しも機能します。 |
→(→→) | ボタンソングの早送り(5秒送り)を行う。 長押しも機能します。 |
SONG | ソング(オーディオ・ファイル)の音量調節を行います。 |
CLICK | クリック・トラックの音量調整を行います。 |
※ボタン列に記載の「矢印」については、三角マークを疑似的に示しています。矢印が向いている方向が、尖っている方向だと思ってください。
例)「↑」=「▲」、「↓」=「▼」
なお、SD カードには、パソコンを使用してオーディオ・ファイルを保存します。その際にファイルを入れるフォルダー内のフォルダー階層については自由です。ファイルを入れるフォルダー内に保存されていれば、新しく作成した子フォルダー内のファイルでも再生することができます。
SONGを再生する際の便利機能
ここでは、使いたい時に使えば良いけど、知っていたら便利な機能を記載していきます。
リピート機能
TD-50Xでは、リピート機能が装備されています。「曲全体を繰り返す方法」と「指定した区間を繰り返す方法(A-B リピート)」を利用することができます。
曲全体を繰り返す
曲全体を繰り返すには、ソングごとの設定を変更する必要があります。
手順は以下です。
- SONG 画面で、ソングを選択する。
- PAGE「DOWN」ボタンを押下して2ページ目を表示する。
- 「Loop Type」を「LOOP」に変更する。
ソングにおける設定は、以下を参考にしてください。
以下は、「SONG 画面(1ページ目)での設定内容」です。
ノブ | タブ名 | 説明 |
R1 | SONG | ソングを選択します。 |
R2 | FOLDER | 再生したい曲が入っている「SD カード内のフォルダー」を選択します。 使用するには、「F2ボタン(SD CARD)」を押下しておく必要があります。 |
R3 | SPEED | 再生スピードを変更します。 ※曲を切り替えると、スピードは100%に戻ります。 ※設定値は、50%~150%です。 |
以下は、「SONG INFO/FUNC 画面(2ページ目)の下半分」での設定内容です。
ノブ | 設定値 | 説明 |
F4 | ーー | 録音データがある場合、名前を変更します。 |
Loop Type |
| ソングの再生方法を設定します。 ONE SHOT: LOOP: |
Song Level | -INF ~ +6.0 [dB] | ソングの音量を調整します。 |
Click Track Level | -INF ~ +6.0 [dB] | クリック・トラックの音量 ※ソングに対応するクリック・トラックがある場合のみ |
指定した区間を繰り返す
以下の手順で、ソングの任意の区間のみをリピートすることもできます。
- ソングを選択し、再生する。
- SONG 画面にて、リピートを開始したい位置(A)で「F4」ボタン(A-B)を押下する。
- リピートを終了したい位置(B)で「F4」ボタン(A-B)を押下する。
- ソングの「A」と「B」の間で、リピート再生がされます。
- 再度、「F4」ボタン(A-B RPT)を押下する。
- 通常再生に戻ります。
注意点としては、ドラム演奏の内蔵ソング、録音したソング(「F3ボタン(REC DATA)内の曲)は、対応していません。
ソングの情報を確認する
ソングのプロパティ情報を確認するには、以下の手順を踏みます。
- SONG 画面で、確認するソングを選択する。
- PAGE[DOWN]ボタンを押下する。
- SONG INFO/FUNC 画面(2ページ目)が表示されます。
- 情報は、2ページ目の上半分に表示されます。
- PAGE[UP]ボタンを押下する。
- SONG 画面に戻ります。
上記の手順2で確認できる情報は以下です。
表示 | 説明 |
Type | ソングの種類です。 |
Name | ソングの名前です。 |
Folder | ソングの保存場所です。 |
Total Time | 曲の演奏時間です。 |
※ファイルの保存場所や内容によっては、表示されない情報もあります。
オーディオ・ファイルをクリック音として使用する
任意の「WAV ファイル」をクリック音専用ファイルとして使用できます。
利用方法は大きく2段階に分かれ、先述の「ソング」と同時に再生するようになります。
- クリック音として使用するWAV ファイルを用意する
- クリック音として使用したい音源を WAV ファイルで用意する。
- PC上で用意したファイルのファイル名を「”再生したいソングのファイル名”_Click」に変更する。
- “再生したいソングのファイル名” の箇所は、必ず「再生するソングのファイル名」と一致させてください。
- 名称変更したWAV ファイルを SD カードの以下の階層(一緒に流すソングと同じフォルダ)に保存する。
- /Roland/TD-50X/SONG
- ソングに合わせてクリック・トラックを再生する
- SONG 画面で「F2」ボタン(SD CARD)を押下する。
- クリック音と一緒に再生するソングを選択する。
- 「F5」ボタン(CLICK ON)を押下する。
- [▼/■]ボタンを押下する。
なお、クリック音の音量を調節するときは、「CLICK」ノブを使用します。
また、クリック音を流さずにソングだけ流したい場合は、再度「F5」ボタンを押して「CLICK ON」から「CLICK OFF」に変更します。
商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、音源:TD-50Xに搭載されている「SONG」の機能について触れてみました。
ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。