夏休みの宿題でよくある読書感想文。
私の場合、小学生の頃に毎年夏休みの宿題になっており、中学に進学して解放されたと思ったら中学でも読書感想文がありました。高校に入って、ようやく解放された気がします。読書感想文だけは、夏休みの最後まで、ずーっと終わらずに悩まされていた覚えがあります。
その時の経験から、同じような悩みや境遇の学生に向けてヒントになれば思い、作成のコツを記載します。
なぜ、読書感想文?
皆さんは、読書感想文に対して、どういう印象を抱いているでしょうか?
「嫌い」「面倒」などの印象を持っている人も多いと思います。今は「宿題でやってくれるサービス」もあるようですね。しかし、私はこのようなサービスを利用してしまうと、「楽する」目的のために利用することになり、読書感想文を行う本当の意味(?)を理解しないで過ぎてしまうなぁと思います。これは、もったいないです。そもそも、先生は書いてもらったことを見抜くでしょう。
しかしながら、少なくともこの記事を読んでくれてる人(親御さん?お子様?)はこのようなサービスは利用せず、一度でも自分でやってみようという気持ちになっているでしょう。私の経験からすれば、苦労してもやってもらいたいものだなぁと思います。苦労した経験から学ぶこともあると思います。
では、私が考える読書感想文の目的を示します。
それは、単に「本を読む機会を与える」「作文を書く機会を与える」ということもありますが、本質は「作者の考え(伝えたいこと)を『読み取る力』」「自分の考えを『もつ力』」「自分の考えを『伝える力』」を養うことにあるのではないか?と思います。少なくとも、そういう良い機会です。場合によっては、書いたものを親御さんや御兄弟(御姉妹)に読んでもらうのも良いと思います。
なお、これらの「力」は、甘く見てはいけません。大人になってから仕事などをする上で、非常に役立ってくると思います。相手の意図に反することをしてしまったら、、、発信しても相手に伝わらなかったら、、、そう考えると、大変なことになりますよね?最悪、信用を失う事態になるかもしれません。
そのため、この読書感想文は自分の力で行う必要があるのです。
読書感想文を書く上でのコツ
先述の考えを「読み取る力」「持つ力」「伝える力」を養うことを目的とした時に、取り組むうえでのコツを記載します。
良い本を選ぶ
「面倒」ゆえに、単に「短いから」「単純に面白いから」という理由で選んだりしていませんか?これは危険です。感想が書きにくくなってしまいます。
おすすめは、よくある「推薦図書リスト」の活用です。よく学校などで配られるかもしれません。中には「名作」であったり、書籍の内容が「考えさせられるもの」、読書感想文で「よく読まれている書籍」が載っています。そのため読書感想文を書く上で、比較的書きやすく読みやすいものがそろっていると思います。
作品の背景を読み取る
作品の時代背景や、作者が伝えたい意図を読み取るようにすると良いでしょう。作品に潜む時代などから現在との比較など分かることもあると思います。場合によっては、人生観が変わる1冊にで会うかもしれません。
自身の体験と照らし合わせる
自分の生活や経験と照らし合わせるのも良いでしょう。自分だったら、同じ立場ならどう思うか?どう行動するか?などです。
時には読み返す
他人の意見を参考にするのは良いことですが、鵜吞みにするのは良くないでしょう。必要に応じて読み返したり、同意できるか?反対か?などの自分の考えを持つことが大切です。
流し読み禁止
どんなに良本でも、ただ読むだけでは意味がありません。何かを「つかみ」、「考え」、「学ぶ」ということが大切です。これらをできるようにじっくり読むことが重要だと思います。
No あらすじ
あらすじをズラズラ書いて、終了。という人もいるでしょう。意識していなくても「半分以上があらすじだった」などあるかもしれません。あらすじや本の内容は、あくまで自分の意見を述べる時に必要な分だけを引用するようにしましょう。
そうでないと、「読書感想文ではなく、紹介文」になってしまうかもしれません。
読書感想文を書く手順
以下では、読み終わった後で、実際に読書感想文を記載していく際の流れについて記載していきます。
①材料を集める
一例として、以下が挙げられるかと思います。以下を参考に、読んでいる間にメモ書きしておくと良いかもしれません。ページ番号などの目印もメモしておくと、読み返す必要が出た時に役立つでしょう。
- 本を選んだきっかけ
- 読んだ前と後の本に対する印象の変化
- 登場人物の分析
- 読むうえで抱いた疑問(ただし、自分なりの考えや思いを持つ。)
- 印象深かったこと(強く心に残っていること)
- 筆者が伝えたかったであろうこと
- 実体験との比較(自分ならできないはNGで、できそうなことを考える)
- 読み終わった後で自分が一番言いたいこと
②文章の構成を考える
文章は「起承転結」や「はじめ(書き出し)、中(本文)、終わり(まとめ)」などで構成されることがほとんどだと思います。手順①で集めた材料をどのパートに当てはめるか?などを基に、取捨選択していきます。
③下書き
手順②で決めた順序に従い、文章化していきます。この時に、再度材料の内容を考え直すことも良いでしょう。もちろん、本の読み直しする必要も出てくるかもしれません。
④推敲(見直しと修正)
手順③で記載した下書きを読み返します。これにより、「表現のおかしな点の発見」「不自然なつながりの発見」を通して、自分が伝えたいことがきちんと伝わる内容か?決めた内容が詰め込めているか?などの確認ができます。自分で判断が難しい場合は、親御さんなどに読んでもらうのも手です。もちろん、「恥ずかしい」「他人にケチつけられたくない」などの気持ちがあることも分かります。。。
⑤清書
総仕上げとして、原稿用紙などに書いていきます。もちろん、通常の作文と同じように、段落初めは1文字あけたり、話題を変える時のみ段落分けするなどの基本ルールは守りましょう。他にも、以下の点でも注意が必要です。
- 「です/ます調」や「である調」の統一
- 一文をなるべく短く
- 誤字/脱字
特に、「一文を短く」は、説得力や伝えるために重要です。長々と書いてしまうと、「結局、何が言いたいの?」ということになりかねません。また、自分の間違いにも気づきやすいでしょう。「私の思ったことは、○○と思ったことです。」みたいに一文で二重に言葉が重なる事例などがあります。
まとめ
今回は、読書感想文を作成する際のコツについて、記載しました。とはいえ、内容を見ると、通常の文章を書く時にも通用することも多いです。
「嫌」「面倒」というような印象を抱いている方もいると思います。しかし、大人になってから振り返れば「実は大切なことが含まれていた」と思うことも少なくないと思います。
当時の私と同じように、悩んでいる/困っている方への手助けになれば幸いです。