イヤホン・ヘッドホンの使い過ぎには注意!!

昨今、イヤホン・ヘッドホンを使用する場面は音楽を聴くだけに留まらず、在宅勤務やオンライン会議などによりどんどん増えています。そんな状況下では、心身に不調をきたすことも少なくありません。

今回は、イヤホン・ヘッドホンの使い過ぎによる影響と軽減策について、記載しようと思います。

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音を聞くということ

「諸行無常」という言葉があるように、あらゆるものは、常に同じ状態を保つことはありません。これは身体も同様で、使えば使うほどダメージを受けていきます。筋トレも、一度過負荷の運動により筋肉の組織を壊し、今まで以上に回復させることで筋肉を増やすという理屈です。

これは、音を受け取る耳についても同様です。人間は意識せずとも「音を聴く」という行為をしています。寝てる間ですらです。生きている間ずっと耳を刺激することになります。

私たちの日常を考えてみましょう。どんな音があり、どんな大きさの音があるでしょうか?

音の強さの指標として、よく使われるdB(デシベル)の一例を以下にまとめてみました。多少前後はあるかと思いますが、目安としてお考え下さい。

体感的な目安dB(音の強さ)実例
聴力機能に危険が及ぶ130船の汽笛
飛行機のエンジンの近く
120犬の吠える声(距離1m)
スネアドラムの音
金管楽器
110車のクラクション(距離1m)
プロの声楽
大変うるさい100人の叫び声
ピアノの演奏(距離1~2m)
電車通過時のガード下
 90騒々しい工場
木管楽器、バイオリン
うるさい80ステレオの大きな音
ボウリング場やパチンコ店の店内
 70テレビの大きな音
日常的にあり得る6040km/hで走っている車中
水洗トイレの排水音
 50通常の話し声
静か40住宅地の昼
30ささやき声
大変静か20住宅地の夜
風邪で葉が揺れる音
 10呼吸音
いかがでしょうか?ちなみに、dBが2倍になると音の大きさは10倍になります。ちょっとした音でも、意外と大きな値を示しています。通常の話し声は50dB~60dBです。スマホでもdBを測るアプリがあるので、興味がある方は日常の音量を測ってみて下さい。
普段から、これだけの音に囲まれて生活していると思うとゾっとしませんか?
幹線道路沿い/線路沿いに住んでいたり、度々繁華街などの騒がしい場所に行き、大音量に触れる機会が多い方は耳にとってもダメージは大きいと思います。楽器(特にドラム)の演奏やライブイベントなどへの参加をする人は、なおのことでしょう。

イヤホン・ヘッドホンの使い過ぎによる影響

先述の通り、私たちは非常に多くの音に囲まれています。その上、イヤホン・ヘッドホンを長時間使用することは耳のダメージ蓄積に大きく貢献してしまうでしょう。

イヤホン・ヘッドホンを使うということは、耳の一番近くで「音を無理やり鳴らしている(聞かせている)」ということになるのです。

その結果、無自覚のまま難聴になってしまうリスクを積み重ねることになります。また、不衛生なイヤホン・ヘッドホンを使用していると外耳炎・中耳炎などの炎症を起こしてしまう可能性もあるでしょう。

難聴については、ヘッドホン(イヤホン)難聴というものが存在するくらい発生することが珍しくないようです。ゆっくりと進行するため初期症状では自覚しにくく、「気付いた時には症状が進んでいた」なんてことも少なくないものです。低音もしくは高音が聞き取りにくいなどの特定の周波数に対して表れる場合もあります。また、耳鳴りや詰まったような聴きにくさとして表れる場合もあるようです。また、この難聴は一度発生すると、完治は難しいようです。突発性難聴の場合は、原因となるストレスや疲労感から解放されることで回復する場合もありますが、それとは異なります。

コロナにより、在宅勤務やオンラインでの授業/研修/イベント/ゲームなどに費やす時間も増えてきたかもしれません。そのため、ヘッドホン(イヤホン)を使うことによる難聴は、20代などの若い世代でも増加傾向があり、他人事ではないのです。ただでさえ、学生などはプライベートで音楽を聴いたりすることも多いでしょうから。

どう対応していけばよいか?

では、どう対応していけばよいでしょうか?

原因として考えられそうなもので分かりやすいのは、以下ではないでしょうか?

  • 長時間(1h以上)連続でイヤホン・ヘッドホンを使用している
  • 周りに漏れるほどの大音量で聴いている

これらを基に対応方法を考えると、以下が挙げられると思います。

①密閉型のヘッドホンを避ける

大抵のイヤホン・ヘッドホンは「密閉型」であり、外への音漏れをしにくい形状をしています。そのため、発する音の逃げ場が耳しかありません。しかも、低音が目立つ音になる傾向があります。これにより、耳へのダメージも強くなります。

そこで、ヘッドホンの場合、「開放型」のものを使うのが良いです。こちらは、外側にも音が漏れやすい特徴があり、密閉型よりは、耳へのダメージは少ないでしょう。

一番良いのは、スピーカーを利用してしまうのも手でしょう。周りの状況にもよりますが、耳に直接音を入れるということにはならないので、周囲の音と同じように扱えるでしょう。

②音量を小さくする

基準は「イヤホン・ヘッドホンを使用していても、周りの音が聞こえる大きさ」だと思います。私の場合は、イヤホンではMAX音量の1割以下、ヘッドホンの場合はMAX音量の2割以下にしていることが多いです。

周りの音がうるさいからと言って、イヤホン・ヘッドホンの音も大きくしていないでしょうか?最近は見なくなりましたが、何年か前には電車内でジャカジャカ音が聞こえてうるさい人もいました。これでは聴いている本人は、爆音とも言える音で聴いていることでしょう。。。逆に言うと、音を大きくしなければ聴こえないということは、それだけ難聴が進んでいるのかもしれません。

音源の音自体を小さくするほかには、耳栓・イヤーパッドのようなもので耳を保護するようなことも必要かと思います。工事現場などで耳に当てているのも、長時間甲高く大きい音を聞くことを防ぎ、耳を保護するためです。

③耳を休ませる

イヤホン・ヘッドホンを使用した場合は、しばらく耳を休ませましょう。静かな環境に身を置いてみると良いでしょう。1日の中でイヤホン・ヘッドホンを使用する時間を限定するのも良いと思います。

また、そよ風やせせらぎのような自然の音を聞くのも良いかもしれません。耳だけでなく、精神的にもリラックスできると思います。

④チェックリストの利用

そこで、自覚するチェックポイントとして、以下を日ごろから意識しておくと良いと思います。

  • 使用している時間
  • 聴いている音量
  • 使用後に「頭痛」や「耳の不快感・違和感」がある
  • 小声が聞き取りにくくなった
  • 左右の耳で聞こえ方が違う
  • 特定の音域が聴こえづらい

まとめ

今回は、イヤホン・ヘッドホンの使い過ぎにおける注意点について記載しました。

使い過ぎると色々なデメリットが生じます。失ったものを戻すのは、大変ですし、できない場合も多いです。

皆さん、注意して使っていきましょう。

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