皆さんは、ストレスと聞いて、どういう印象を持つでしょうか?おそらく悪い印象を持つ人が多いと思います。
ですが、全てが悪いストレスというわけではなく、パフォーマンスを発揮したり、気持ちを高ぶらせるようなストレスもあります。
今回は、悪いストレスとの向きあい方について、簡単に広く浅くまとめてみようと思います。
概要
この記事を読んでくれている皆さんは、悪いストレスに対して、どう向き合っているでしょうか?
生活する中で、ストレスがない状況は決してありません!
しかも、悪いストレスは心身に対して、様々な影響を及ぼしてしまいます。
そのストレスに対し、「早期発見」と「対処・防止」をするには、以下の点に着目してみましょう。
- 本人が、どういう対応できるか?
- 周りの人たちが、どうすれば気付けるか?
- 不調になってしまったら、適切な対応ができるか?
仕事(職場)で言えば、業績達成も、社員満足度向上も、顧客満足度も、社員の健康があって初めてできるもの!
強いストレスを抱え続けると、休職・退職などをしなければならなくなる場合もあります。
自他が互いに健康状態を気遣い、手遅れになる前に対応できるようにするのが一番です。
学ぼうとしたきっかけ
私が、どうして学ぼうと思ったか。それは、もともと誰かの役に立ちたいという気持ちが強く、自他のためになればというのが主なところです。
- 社員として・・・
- ワークライフバランス や 社員の健康保持を大切にしている中で、自他の気付きにくいメンタルからの健康保持をできるようになりたい
- 一人の人として・・・
- 今までの人生でメンタル不全による体調不良、学校や会社に来なくなる事例をいくつも見てきた
- 自身もストレスによるメンタル不全に陥いそうで、正しい知識がほしい
- 事態が大きくなる前に、事前に気付き、手を差し伸べられるようになりたい
実際に、私は何人かにアドバイスしたり、相談される機会が増え、アドバイスをしたこともあります。
労働者のメンタルヘルスの現状
2018年 労働安全衛生調査(実態調査)によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は 58% でした。
内訳を確認すると、正社員:61.3%、契約社員:55.8%、パートタイム労働者: 39.0%、派遣労働者:59.4% でした。
原因の上位3つは、以下です。
- 1位 ⇒ 仕事の質・量
- 2位 ⇒ 仕事の失敗、責任の発生等
- 3位 ⇒ 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)
こうして見てみると、自社・友人・知人など、自身の周りにも心当たりがあり過ぎです。
また、年代によって、以下の「生活の変化」や「ストレスの傾向」が異なってきます。
例えば、「結婚」「離婚」「子育て」「介護」「職場の立場」などの変化が挙げられます。
表に現れる症状・変化
ストレス由来の症状
では、どんな形でストレス由来の症状が出てくるのでしょうか?
①ストレス関連疾患
一般に「心身症」としてまとめられることがあります。身体疾患のうち、発症や症状変化とストレスとの間に時間的関連性が認められるものです。
主な心身症:過敏性腸症候群/緊張性型頭痛/摂食障害
②メンタルヘルス不調
精神障害や自殺の他、心身の健康、社会生活に影響を与える精神的・行動上の問題を幅広く言う
主なメンタルヘルス不調:うつ病/統合失調症/アルコール依存症/パニック障害/適応障害/睡眠障害
ストレス由来の変化
次に、どんな形でストレス由来の変化が出てくるのか?を記載します。
①身体面の変化
急性:動悸・発汗・顔面紅潮・胃痛・下痢・震え・筋緊張
慢性:疲労・不眠・循環器系症状・消化器系症状・神経筋肉系症状
②行動面の変化
急性:回避・逃避・エラー・事故・口論・喧嘩
慢性:遅刻・欠勤・作業能率の低下・大酒・喫煙・やけ食い・生活の乱れ
③心理面の変化
急性:不安・緊張・怒り・興奮・混乱・落胆
慢性:不安・短期・抑うつ・無気力・不満・退職願望
普段と違うことに気付くことが重要
普段と違うということに気づくのが、一番重要ではありますが、難しいと思います。
なので、一例を以下に記載します。
もちろん、症状・変化、またストレッサーの影響には、個人差はあることは忘れないでください。
自身が気付き易い変化
- 悲しい、鵜欝な気分、沈んだ気分
- 何事にも興味がわかず、楽しくない
- 疲れやすく、元気がない(だるい)
- 気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう、何もしたくない)
- 寝つきが悪くて、朝早く目覚める
- 食欲がなくなる
周りが気付き易い変化
- 遅刻・早退・欠勤など、勤怠が通常ではなくなる
- 以前は素早くできていた仕事に時間がかかる
- 以前は正確にできた仕事にミスが目立つ
- ルーチンワークに手間取る
- 期限に間に合わない
ストレスの軽減・対処
では、ストレスへの影響に気づいたとき、何をすればよろしいでしょうか?
以下に、その方法の例を示します。
軽減策
①休養・睡眠
睡眠障害ではなく、意図的な軽減策として
②運動
効果的な睡眠にもつながる
③食事
ビタミン・ミネラルの補給
④リラクゼーション
心身をリラックスさせる
例)呼吸法、漸進的弛緩法、自律訓練法
⑤ソーシャルサポート
同僚・友人たちとのつながり、メンタルヘルスの専門家たち
対処方法(コーピングともいう)
注意点としては、以下に記載した「対要因」と「対反応」の対処法をバランスよく行うことです。
①対ストレス要因
悩みや苦境の原因を取り除く / 受けた刺激を嫌だと思わない
例1)自身に対する考え方を変え、別の見方をする
「Must / Should ⇒ Better / Hope」
※回避できない要因にも有効
例2)他者への勝手な期待を捨てる
②対ストレス反応
リラックスに努める / 体を動かし、心身のリフレッシュ
例)前述の軽減策など
まとめ
本記事では、ストレスについて広く浅く記載してみましたが、良いストレスもあることは忘れないでください。
良いストレスについては、スポーツをする時の程よい緊張感をイメージすれば良いと思います。集中力が高まったり、パフォーマンスの向上、自信、気持ちを高ぶらせる。そんなのもストレスだと思います。これらは感じた方が良いストレスだと考えています。
付録:資格紹介
メンタルヘルス・マネジメント検定試験
- Ⅲ種(セルフケア)
- 対象:一般社員 向け
- 目的:組織における自らのメンタルヘルス対策の推進
- 目標:自らのストレス状況を把握し、自らケアを行える
- Ⅱ種(ラインケア)
- 対象:管理監督者(管理職) 向け
- 目的:部門内、部下のメンタルヘルス対策の推進
- 目標:部下への日頃の配慮と共に、不調に陥った場合には安全配慮義務に則った対応ができる
- Ⅰ種(マスター)
- 対象:人事労務管理スタッフ/経営者 向け
- 目的:社内のメンタルヘルス対策の推進
- 目標:戦略・方針、教育 等の企画・立案・実施ができる