動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも編集に関わるカラーページの「ウィンドウパレット」についてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
ウィンドウ
クオリファイアー(リンク)の代わりに、図形を使って特定の範囲をキーイングする方法があります。
それが「ウィンドウ(Power Window)」で、何らかの処理の対象/対象外として扱いたい箇所を選択する「ガベージマット」として利用できます。
また、特定の位置で固定されるため、対象が動く場合は「ウィンドウ(Power Window)」を動かす必要があります。
この場合は、トラッカーツールなどと連携させて、モーショントラッキングをすることができます。
このように、ウィンドウは「他のパレットとの連携」によって、最大限に有効活用することができます。
構成要素
「ウィンドウ」パレットは、主に以下の3つのメインのインターフェースとオプションメニューから成り立っています。
インターフェース | 説明 |
ウィンドウのリスト (ツールバー) | リスト内には、使用しているウィンドウが表示されています。 各ウィンドウには、左から順に以下のUIがあります。
|
変形 | ウィンドウの「サイズ」「アスペクト比」「位置」「回転」「不透明度」を設定します。 設定内容は、「パラメータ」の欄で後述します。 |
ソフトネス | 境界のソフトネス(内側・外側を含む)を設定します。 設定内容は、「パラメータ」の欄で後述します。 |
また、利用できるウィンドウには、以下があります。
ウィンドウ | 説明 |
四角形(リニア) | 4つの「頂点」と「辺」で形状を変更でき、長方形や台形に変更できます。 4辺それぞれに対して、ぼかしの設定ができます。 |
円形 | 4つの「頂点」と「辺」で形状を変更でき、真円だけでなく楕円などの歪な形状にも変更できます。 |
ポリゴン | 基本は4つの「頂点」と「回転軸」で形状を変更できます。 また、頂点を増やすこともできるので、5角形以上の図形に変更できます。 |
カーブ | ベジェ曲線を描けるツールです。 唯一「ゼロ」から作成できるツールです。 描き方は、「オンスクリーンコントロール(OSC)の操作」の欄で後述します。 |
グラデーション | センター、アングル、ぼかしのコントロールオプションを使用して、スクリーンを2つに区切ります。 |
使い方
本ツールを利用してカラーコレクションを行う際は、あらかじめノードツリーにノードを追加する必要があります。
追加されたノードに自身で「ウィンドウ」を追加する方法と、以下のいずれかを実施することで「ウィンドウ」が作成済みのノードを作成することが可能です。
- 円形のウィンドウを持つシリアルノードを作成
- メニューの[カラー] > [ノード] > [シリアルノードを追加 + CPW]
- 「Alt + C」のショートカットキー
- リニア(四角形)のウィンドウを持つ新しいシリアルノードを作成
- メニューの[カラー] > [ノード] > [シリアルノードを追加 + LPW]
- 「Alt + Q」のショートカットキー
- ポリゴンのウィンドウを持つシリアルノードを作成
- メニューの[カラー] > [ノード] > [シリアルノードを追加 + PPW]
- 「Alt + G」のショートカットキー
- カーブのウィンドウを持つシリアルノードを作成
- メニューの[カラー] > [ノード] > [シリアルノードを追加 + PCW]
- 「Alt + B」のショートカットキー
ウィンドウの管理
ウィンドウに対して操作として、以下のことが可能です。
操作 | 手順 |
選択 有効/無効 |
複数選択も可能です。 |
新規作成 | 以下のいずれかで実施可能です。
|
削除 |
ただし、デフォルトでリストに存在しているウィンドウ5つ(5種類)は削除できません。 |
ウィンドウ名の設定 |
|
ウィンドウをリセットする |
|
プリセットの利用 |
すでに保存済みのプリセットがある場合は、「プリセットを更新」「プリセットを削除」も選べます。 |
コピー&ペースト | オプションメニューにある以下の機能で対応できます。
|
オンスクリーンコントロール(OSC)の操作
ビューアのオンスクリーンコントロールメニューで「Power Window」を選択した場合、各ウィンドウに対応したOSCがビューアに表示できるようになります。
ウィンドウリストで選択(複数選択も可能)したウィンドウが表示されますが、表示されたOSCを用いた操作には、以下のようなものがあります。
操作 | 手順 |
選択 |
複数選択はできません。 |
場所を移動 |
「グラデーション」ウィンドウでは、中央のコントロールポイントをドラッグする必要があります。 |
回転 |
|
ソフトネスを変更 |
ウィンドウの形状によって、実施可否が異なります。 |
ウィンドウをベジェカーブに変換 |
|
以下には、ウィンドウの形状毎に異なる操作をまとめます。
形状 | OSCでの操作 | 説明 |
四角形 | 形状を変更 | 白色のコントロールポイントをドラッグする。 |
円形 | アスペクト比固定でサイズを変更 | 角にある青色のポイントをドラッグする。 |
↑ | アスペクト比を変更 | 辺にある青色のポイントをドラッグする。 |
ポリゴン | 形状を変更 | 以下のいずれかを実行します。
|
↑ | コントロールポイントを削除 | 対象のコントロールポイントを中クリックする。 ただし、最低3つのコントロールポイントが必要で、2つ以下(直線や点のみ)にすることはできません。 |
カーブ | コントロールポイントを追加 | 追加したいライン上をクリックする。 なお、カーブを閉じる前であれば、クリックの場所は問いません。 最大128個まで作成可能です。 |
↑ | ハンドル付きのコントロールポイントを追加 | 追加したい箇所を始点としてドラッグする。 |
↑ | カーブを閉じる | 始点としたコントロールポイントをクリック(もしくはドラッグ)する。 |
↑ | カーブを移動 | カーソルがカーブの内側にあり「+」になっている時にドラッグする。 |
↑ | コントロールポイントを移動 | コントロールポイントをドラッグする。 |
↑ | コントロールポイントを複数選択(範囲選択) | 「Shift + ドラッグ」を行う。 なお、複数選択解除は、「範囲外をクリック」もしくは「Escape」を押下してください。 |
↑ | コントロールポイントを削除 | 対象のコントロールポイントを中クリックする。 なお、複数選択されている場合は、「Delete」もしくは「Backspace」でも可能です。 ただし、最低3つのコントロールポイントが必要で、2つ以下(直線や点のみ)にすることはできません。 |
↑ | コントロールポイントを移動 | コントロールポイントをドラッグする。 なお、「Shift + ドラッグ」すると、ウィンドウの中心と現在位置を結ぶ軸上で移動します。 |
↑ | 既存のコントロールポイントにハンドルを追加 | コントロールポイントを「Ctrl + ドラッグ」する。 |
↑ | 既存のコントロールポイントからハンドルを削除 | コントロールポイントを「Ctrl + ダブルクリック」する。 |
↑ | ハンドルを左右バラバラに調整 | ハンドルを「Ctrl + ドラッグ」する。 |
パラメータ
各ウィンドウにおいて編集できるパラメータは、「変形」と「ソフトネス」があり、以下にまとめます。
種類 | パラメータ | 説明 |
変形 | サイズ | スケールを拡大/縮小できます。 |
↑ | アスペクト比 | アスペクト比を、デフォルト値の50を中心に変更できます。 値を50より大きくするとウィンドウが幅が広がり、50より小さくすると縦に長くなります。 |
↑ | パン | 横方向に、移動できます。 |
↑ | ティルト | 縦方向に、移動できます。 |
↑ | 回転 | 0を基準として、値を上げると時計回りに、下げると反時計回りに回転します。 |
↑ | 不透明度 | キーに対する各ウィンドウに及ぼす透明度を変更できます。 |
ソフトネス | ソフト1/2/3/4 | ソフトネスを個別に変更できます。 ウィンドウの形状によって、実施可否が異なります。 |
↑ | 内側/外側 | 全体的なソフトネスを変更できます。 ウィンドウの形状によって、実施可否が異なります。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「カラーページ」のうち、「ウィンドウパレット」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。