動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも編集に関わるエディットページの「字幕・キャプション」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
字幕とキャプションについて
DaVinci Resolveでは、字幕/キャプションを使うために、専用のトラック(以下、字幕トラック)があります。
なお、共通仕様として、以下のものがあります。
- 既存の字幕ファイルの読み込みや、自作により作成することができます。
- 表示(有効化)できる字幕トラックは1つのみで、残りの字幕トラックは無効化されます。
- ビデオトラックのように、タイムコードに従ってスーパーインポーズされた字幕トラックを切り替えるようなことはできません。
- ビデオトラックのように、タイムコードに従ってスーパーインポーズされた字幕トラックを切り替えるようなことはできません。
- [プロジェクト設定] > [字幕]にて、警告を表示する基準値を設定できます。
- この警告は、見やすさ/見切れなどの観点から、注意を促す役割があります。
既存の字幕ファイルの読み込み
DaVinci Resolveで対応している字幕ファイルは「.dfxp」「.mxf」「.srt」「.ttml」「.vtt」「.webvtt」「.xml」です。
これらのファイルを利用して字幕を作成するには、ファイルの「取り込み」と「配置」の2ステップが必要になります。
字幕ファイルの取り込み
以下の手順を行って、メディアプールにファイルを取り込んでください。
- メディアプールを開く
- 取り込み先とするビンを選択する
- ビン内のコンテンツの表示するエリアで、コンテキストメニューを開く。
- コンテキストメニューから、「字幕の読み込み」を選択する。
- 取り込みたいファイルを選択し、「開く」ボタンを押下する。
上記、手順3~5の代わりに、メディアプールに直接D&Dしても取り込み可能です。
字幕ファイルの配置
配置方法は、大きく分けて2つ存在します。
- 直接、字幕トラックにD&Dする。
- クリップに設定済みのタイムコードに従って追加する。
- メディアプールで字幕クリップを対象にコンテキストメニューを開く。
- 「選択した字幕をタイムコードを基にタイムラインに挿入」を選択する。
- メディアプールで字幕クリップを対象にコンテキストメニューを開く。
なお、追加した字幕トラックの文字列などの情報の確認・修正は、インスペクタの[ビデオ]パネル > [キャプション] で行うことができます。
字幕とキャプションの作成
字幕/キャプションを初めから作成するための手順をまとめます。
手順は、以下の2ステップです。
- 字幕トラックを作成する
- 字幕クリップを作成する
字幕トラックを作成
以下の手順で、空の字幕トラックを作成することができます。
- タイムラインヘッダーに対し、コンテキストメニューを開く。
- コンテキストメニューから、「字幕トラックを追加」を選択する。
字幕クリップを作成
以下の手順で、作成することができます。
- 配置先コントロールを配置したい字幕トラックに設定する。
- 配置したい位置に、再生ヘッドを移動する。
- 以下のいずれかを実施する。
- インスペクタの[ビデオ] > [キャプション] > [キャプションを作成]を押下する。
- 配置したいトラックに、すでに字幕クリップがある場合は、「新規作成」になります。
- 配置したいトラックに、すでに字幕クリップがある場合は、「新規作成」になります。
- 配置したい字幕トラック上でコンテキストメニューを開き、「字幕を追加」を選択する。
- エフェクトライブラリの「タイトル」にある「字幕」 を字幕トラック上にD&Dする。
- インスペクタの[ビデオ] > [キャプション] > [キャプションを作成]を押下する。
- インスペクタの[ビデオ] > [キャプション]で、表示したい文字列を入力する。
字幕とキャプションの編集
字幕クリップ自体は、他のクリップと同様に、「選択モード」「トリム編集モード」などの利用や「マウス操作」が可能です。
そのため、これらの点については細かく触れず、字幕クリップ特有の操作について、触れていきます。
スタイリング
作成済みの字幕/キャプションの編集は、インスペクタを使用します。
- 編集したい字幕トラック(もしくは字幕クリップ)を選択する。
- インスペクタの[ビデオ] > [Track] を押下する。
- 編集したい項目を変更する。
手順3で、編集可能な項目は、以下のようなものがあります。
大項目 | 中項目 | 小項目 |
文字 | フォント | ー |
↑ | フォントフェイス | ー |
↑ | カラー | ー |
↑ | サイズ | ー |
↑ | 行間 | ー |
↑ | カーニング | ー |
↑ | 配置 | ー |
ストローク | カラー | ー |
↑ | サイズ | ー |
変形 | 位置X/Y | ー |
↑ | ズームX/Y | ー |
↑ | 不透明度 | ー |
↑ | アンカー | ー |
↑ | ドロップシャドウ | カラー |
↑ | ↑ | オフセットX/Y |
↑ | ↑ | ブラー |
↑ | ↑ | 不透明度 |
↑ | 背景 | カラー |
↑ | ↑ | アウトラインカラー |
↑ | ↑ | アウトラインの幅 |
↑ | ↑ | 角の丸み |
↑ | ↑ | 不透明度 |
↑ | ↑ | オーバーライドサイズ調整 |
↑ | Subtitle Settings | User project Settings |
↑ | ↑ | Max Line Length |
↑ | ↑ | Min Duration |
↑ | ↑ | Max CPS |
【参考】字幕とクリップのリンク
以下の手順で、字幕クリップと他のクリップとリンクさせることも可能です。
一緒に移動させた時でもタイミングがずれることがなくなるメリットがあります。
- リンクさせたいクリップを複数選択する。
- メニューの[クリップ] > [クリップをリンク]を選択する。
複数の字幕を同時に表示するには・・・
前述で、字幕トラックは、1つしか有効にできないと言いました。
では、複数の字幕を同時に表示させたい場合はどうすれば良いのか?をまとめます。
方法として、サブタイトルリージョン(字幕領域)を利用します。
字幕領域は、1つの字幕トラック内にクリップを置ける段を増やし多段で表示させます。
字幕領域の追加と削除は以下のように行います。
作業 | 手順 |
追加 |
|
削除 |
|
字幕領域が追加された後は、通常の字幕クリップの扱いと同様に、「作成」「編集(文言・位置など)」「削除」などの操作を行うことができます。
字幕とキャプションの書き出し
作成した字幕トラックは、3つの方法で書き出すことができます。
作業 | 手順 |
ファイルメニューから |
|
字幕トラックヘッダーから |
|
デリバーページを利用 |
|
なお、「デリバーページを利用」の手順3の設定は、以下の項目があります。
項目 | 説明 |
字幕の書き出し | 字幕の書き出しを行うかどうかを設定します。 |
書き出し方法 | 書き出しの方法を以下から選択します。
|
フォーマット | 「書き出し方法」が「別ファイル」の時に設定できます。 出力するフォーマットを選択できます。 |
以下の字幕トラックを書き出しに含める。 | 「書き出し方法」が「別ファイル」の時に設定できます。 出力する字幕トラックをチェックボックスで選択できます。 |
コーデック | 「書き出し方法」が「埋め込みキャプション」の時に設定できます。 埋め込みクローズドキャプションのフォーマットを選択します。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「エディットページ」のうち、「字幕・キャプション」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。