動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも編集に関わるエディットページの「ビューア」について、チュートリアルとしてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
- 1 「ソースビューア」と「タイムラインビューア」
- 2 ビューアのコントロール
- 2.1 ①ズーム(ドロップダウンメニュー)
- 2.2 ②長さ1
- 2.3 ③タイトル
- 2.4 ④長さ2
- 2.5 ⑤カラーグレードとFusionのバイパス(前述)
- 2.6 ⑥ビューアモード切り替え(前述)
- 2.7 ⑦メニュー(ソースビューア)
- 2.8 ⑦メニュー(タイムラインビューア)
- 2.9 ⑧ビューアモードのドロップダウンメニュー(ソースビューア)
- 2.10 ⑧変形モードのドロップダウンメニュー(タイムラインビューア)
- 2.11 ⑨ジョグコントロール
- 2.12 ⑩トランスポートコントロール
- 2.13 ⑪ループ再生
- 2.14 ⑫マッチフレーム(ソースビューア)
- 2.15 ⑫マッチフレーム(タイムラインビューアビューア)
- 2.16 ⑬イン点をマーク、アウト点をマーク
- 2.17 ⑭ジョグバー
- 3 その他の便利機能
- 4 商品情報
- 5 まとめ
「ソースビューア」と「タイムラインビューア」
エディットページは、「ソースビューア」「タイムラインビューア」の2つのビューアを利用して編集していきます。
なお、ビューアのタイトルがオレンジ色の方が、アクティブとなっているビューアです。
直接ビューアをクリックするか、キーボードで「Q」キーを押すと、アクティブなビューアを切り替えることができます。
以下に、2つのビューアの違いをまとめます。
ソースビューア
メディアプールでダブルクリックで選択されたクリップが表示されます。
編集の準備として、素材の内容確認に便利です。
タイムラインビューア
タイムラインエディター上で再生ヘッドの位置にあるフレームが表示されます。
実際に編集している映像が表示されることになります。
ビューアのコントロール
2つのビューアで利用できるコントロールを、以下にまとめます。
①ズーム(ドロップダウンメニュー)
ドロップダウンメニューにより、表示するクリップ(素材)の拡大・縮小ができます。
「適用」を選択すると、ビューアサイズに合うように表示します。
②長さ1
コンテキストメニューで、表示形式を「HH:MM:SS:FF」か「フレーム」で選択することが可能です。
表示内容 | 説明 |
ソース表示時 | 選択したクリップ全体の継続時間を表示します。 |
タイムライン表示時 | イン点/アウト点を設定している場合は、イン点からアウト点まで時間を表示します。 イン点/アウト点を設定していない場合は、現在選択しているタイムラインの全体の継続時間が表示されます。 |
③タイトル
ビューアのタイトルバーの中央に、アクティブとなっている表示対象の名称が表示されます。
表示内容 | 説明 |
ソース表示時 | クリップ名が表示されます。 タイトル右横の「v」を押下することで、最近開いたのクリップ名が表示されます。 なお、上段になるほど、直近に開いたものになります。 |
タイムライン表示時 | タイムライン名が表示されます。 タイトル右横の「v」を押下することで、表示可能なタイムライン名が表示されます。 |
④長さ2
どちらもタイムコードを表示していますが、表示するタイムコードの対象が異なります。
なお、タイムコードの表示をクリックしてグレー表示になっている際に時間を直接入力すると、その位置に再生ヘッドが移動します。
また、「+」「-」を入力してタイムコードを直接入力した際は、現在の再生ヘッドの位置から入力した分移動することになります。
表示内容 | 説明 |
ソース表示時 | 表示しているクリップに対し、再生ヘッドがあるフレームのタイムコードが表示されます。 再生ヘッドが触れていない場合は、「01:00:00:00」に相当する値を表示します。 コンテキストメニューを開くと、表示を「ソースタイムコード」「ソースフレーム」「KeyKode」で切り替えられます。 |
タイムライン表示時 | タイムライン上での現在の再生ヘッドの位置のタイムコードが表示されます。 コンテキストメニューを開くと、表示を「ソースタイムコード」「ソースフレーム」「タイムラインタイムコード」「タイムラインフレーム」「Key Kode」で切り替えられます。 |
⑤カラーグレードとFusionのバイパス(前述)
カラーグレードとFusionエフェクトを無効にすることができます。
⑥ビューアモード切り替え(前述)
「シングルビューアモード」と「デュアルビューアモード」を切り替えます。
シングルビューアでは、ソースビューアが非表示になります。また、シングルビューアのコントロールは、「メディアプール」「タイムライン」上で選択した素材(クリップ)に対応したものが表示されます。
⑦メニュー(ソースビューア)
以下のコマンドが含まれます。
コマンド | 説明 |
ビューアを連動 | ソースビューアとタイムラインビューアの各再生ヘッドが連動して動かすことが可能です。 |
ライブメディアプレビュー | メディアプールでサムネイルをスクラブした時の映像が、ビューアに表示されます。 また、スクラブの再生ヘッドと、ビューア上の再生ヘッドは連動します。 |
すべてのビデオフレームを表示 | 再生するための処理能力が不足している場合の処理の方法を選択します。 有効時は、オーディオ品質の優先度を落とし、ビデオの全フレームが再生されるように動作します。この場合は、再生速度が通常より遅くなる傾向があります。 無効時は、オーディオ品質が優先されます。 |
オーディオ波形を拡大して表示 | 再生ヘッドの位置を中心としたオーディオ波形が、ビューアの下部に表示されます。 |
クリップ全体のオーディオ波形を表示 | クリップ全体のオーディオ波形がビューアの下部に表示され、再生ヘッドが動くようになります。 |
マーカーオーバーレイを表示 | 再生を停止した状態で再生ヘッドをマーカーに合わせると、マーカーの情報がビューアに表示されます。 |
マーカー | ビューアのクリップに適用されているマーカーの「名前」と「メモ」が、時間軸(順方向)の順でリスト表示されます。 このリストのマーカーを選択すると、ビューアの再生ヘッドがそのマーカーの位置に移動します。 |
⑦メニュー(タイムラインビューア)
以下のコマンドが含まれます。
コマンド | 説明 |
ビューアを連動 | ソースビューア同様です。 |
すべてのビデオフレームを表示 | ソースビューア同様です。 |
タイムラインの並べ替え | ビューアの上部中央にある「v」マークを押すと表示されるリスト(タイムラインセレクター)の並び順を設定します。 |
マーカーオーバーレイを表示 | ソースビューア同様です。 |
タイムコードオーバーレイを表示 | 再生を一時停止したときに、再生ヘッドの位置に存在する全クリップのソースタイムコードを表示します。 |
再生中にオーバーレイを表示 | 再生中に「タイムコード」「マーカーのオーバーレイ」をビューアに表示します。 無効時は、一時停止中のみオーバーレイを表示します。 |
マーカー | ソースビューア同様です。 |
⑧ビューアモードのドロップダウンメニュー(ソースビューア)
ソースビューアに作業中のクリップの異なる表示を設定することができます。
項目 | 説明 |
ソース | 現在開いているクリップを表示します。 |
オフライン | 現在選択しているタイムライン用にオフライン参照クリップがある場合、「オフライン」をクリックするとオフラインクリップが表示されます。 このモードでは、ソースビューアとタイムラインビューアの再生は、同期されます。 |
オーディオトラック | 表示されているクリップに対応するオーディオ波形が表示されます。 ビューア上部にはクリップ全体の波形を表示し、下部には再生ヘッド付近を拡大した波形を表示します。 |
マルチカム | 複数のアングルを表示するマルチカムビューアです。 |
注釈 | 現在のフレームの上に、ペンシルツールのように描画することができます。 |
⑧変形モードのドロップダウンメニュー(タイムラインビューア)
以下の変形モードの切り替えることができます。
また、ソースビューアのドロップダウンメニューとは異なり、有効/無効を切り替えるトグルスイッチとしても機能します。
変形モード | 説明 |
変形 | 「パン(X軸方向)」「チルト(Y軸方向)」「スケール(X軸方向/Y軸方向)」「回転」のコントロールが、ビューア上に表示されます。 |
クロップ | 上下左右のクロップのコントロールが、ビューア上に表示されます。 |
ダイナミックズーム | 選択したクリップに、「パン」と「ズーム」効果を与えるコントロールが、ビューア上に表示されます。 |
OpenFX オーバーレイ | 適用された「OpenFXフィルター」のコントロールが、ビューア上に表示されます。 |
Fusionオーバーレイ | 適用された「Fusion FX」または「タイトルフィルター」のコントロールが、ビューア上に表示します。 |
注釈 | 現在のフレームの上に、ペンシルツールのように描画することができます。 |
スマートリフレーム | スマートリフレームのコントロールが、ビューア上に表示します。 |
⑨ジョグコントロール
左右にドラッグすることで、クリップ/タイムラインを1フレームずつ進めることができます。
⑩トランスポートコントロール
「前の編集点に移動」「逆再生」「停止」「再生」「次の編集点に移動」の操作ができます。
⑪ループ再生
タイムラインビューア全体に対するのループ再生の有効/無効を切り替えます。
「ソース/タイムラインビューアのイン点/アウト点ではループしない」ので注意が必要です。
⑫マッチフレーム(ソースビューア)
タイムラインエディター上で採用されている素材であった場合、ソースビューアで表示されている映像の位置に、タイムラインエディターの再生ヘッドを動かします。
タイムラインビューアの「マッチフレーム」ボタンを押すと、現在の再生ヘッドの位置にあるクリップに対応するメディアプールのクリップがソースビューアで開きます。
⑫マッチフレーム(タイムラインビューアビューア)
タイムラインビューアで再生ヘッドがある位置の最前面に来ているクリップをソースビューアに映します。
この時の表示されている映像の位置は、再生ヘッドの位置と一致しています。
⑬イン点をマーク、アウト点をマーク
編集で扱うイン点/アウト点を、再生ヘッドの位置に設定します。
⑭ジョグバー
再生ヘッドをドラッグすることで、映像をスクラブさせることが可能です。
その他の便利機能
シネマビューアモード
「シネマビューア」モードは、タイムラインビューアの動画表示エリアをフルスクリーン画面で表示するモードです。
そのため、エディット画面の各種UIだけでなく、ビューアの各種ツールなども表示されない状態になります。
有効/無効の切り替えには、メニューの[ワークスペース] > [ビューアモード] > [シネマビューア] を選択する必要があります。
セーフエリア
動画を作成するためのガイド(補助線)を表示させることができます。
有効/無効の切り替えには、メニューの[表示] > [セーフエリア] > [オン] を有効にする必要があります。
また、表示させるガイドの種類は、[表示] > [セーフエリア]で、個別に設定できます。設定できる内容は、以下です。
- フレームの外枠
- アクション
- タイトル
- センター
- アスペクト比
なお、アスペクト比を選択したい場合は、[表示] > [アスペクト比を選択]で希望するアスペクト比を選択してください。
背景をグレーにする
ビューアの空の領域が明るいグレーの背景に変更されます。
この設定のメリットは、変形を施した時などに、空となっている箇所がより分かりやすくなる場合があることです。
設定変更には、[表示] > [ビューアにグレー背景を表示] を選択してください。
タイムラインビューアのファストレビュー
カットページで利用可能な「ファストレビュー」は、エディットページのタイムラインビューアに対しても利用できます。
タイムライン上の各クリップの長さに応じた再生速度で、早送りで再生されるようになります。(クリップが長いほど、速くされます。)
設定変更には、[再生] > [ファストレビュー] を選択してください。
タイムラインビューアの編集用オーバーレイ
メディアプールやソースビューアのクリップをタイムラインビューア上にドラッグすると、以下のような編集用のオーバーレイが表示されます。
このオーバーレイでは、クリップをドラッグした際の編集方法が表示されています。
編集方法の選択は、オーバーレイの各項目にドロップすることになります。
これらの編集方法は、「編集」メニューからもアクセスできますが、より効率的に作業したい場合は効果的です。
なお、[環境設定] > [ユーザー] > [編集] > [一般設定] > [タイムラインオーバーレイで最後に実行した編集方法を記憶]を有効にすることで、タイムラインビューアにドラッグした際にその編集方法をハイライトすることができます。
このハイライトされている編集方法が、オーバーレイにドロップ指せなかった場合のデフォルトの編集方法になります。
この設定が無効の際は、「イン点」「アウト点」の設定状況により、以下のように動作します。
設定状況 | 動作 |
設定されている | 選択しているトラックのイン点からアウト点の間に、上書き追加されます。 |
設定されていない | 選択しているトラックの再生ヘッドの位置をイン点として、上書き追加されます。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「エディットページ」のうち、「ビューア」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。