動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも3D編集やアニメーション作成などに関わるFusionページの「スプラインエディターの『基本操作』や『便利機能』」をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっており、同社のFusion Studioのための内容としてはまとめていません。
キーフレームの基本操作
キーフレームエディターのグラフエリアで行う操作についてまとめていきます。
なお、コンテキストメニューなど別の方法でできる場合もありますが、比較的簡単な手順に沿って記載します。
追加
同じパラメータに対して、以下の操作を行うことで、キーフレームが追加されます。
- インスペクタ等でキーフレームを追加する
- 他のフレーム位置でパラメータの値を変更する
同じように、キーフレームエディターのみでも、キーフレームを追加することができます。
以下にその方法をまとめます。
方法 | 説明 |
再生ヘッドの場所を基準に追加 | 追加したい場所に再生ヘッドを移動し、以下のいずれかを実施します。
|
同じ値を追加 | 以下の手順で、「前」もしくは「次」の値と同じ値のキーフレームを追加します。
|
任意の場所に追加 | スプライン上の追加したい箇所をクリックします。 |
選択
選択方法は、一般的なツールと変わりません。
以下のいずれかで対応できます。
- 任意のコントロールポイントをクリックする。
- ドラッグによる範囲選択を行う。
- 「Ctrl + クリック」を行う。
- 「Ctrl + A」で全選択を行う。
削除
削除方法は、一般的なツールと変わりません。
削除したいコントロールポイントを選択し、「Delete」を押下します。
移動
移動方法は、以下の方法があります。
なお、複数選択されたキーフレームに対しても可能です。
- マウスを利用して、ドラッグ操作を行う。
- 「Shift + ドラッグ」では、縦方向または横方向のみに動かすことが可能です。
- 「Alt + ドラッグ」では、動く軸が固定されます。
- 「Shift + ドラッグ」では、縦方向または横方向のみに動かすことが可能です。
- キーボードのカーソルキーを利用する
- 「Shift + カーソルキー」で、移動の幅が大きくなります。
- 「Shift + カーソルキー」で、移動の幅が大きくなります。
- タイムエディターとバリューエディターを利用する。
- 詳細は、UIの説明の記事(リンク)を参照ください。
コピー&ペースト
一般的なツールと変わらず、キーフレームのコピペを行うことができますが、その方法にはいくつかのパターンがあります。
キーフレームに対してのコピペは、キーフレーム選択後に、以下のいずれかの操作を行ってください。
操作 | 貼り付け位置 |
「Ctrl + C」と「Ctrl + V」を利用 | 再生ヘッドの位置に張り付けられます。 |
コンテキストメニューにある「ポイントをコピー」「ポイント/値をペースト」を利用 | グラフエリアに対して開くコンテキストメニューで行うと、再生ヘッドに張り付けられます。 スプラインに対して開くコンテキストメニューで行うと、開いた位置に貼り付けられます。 |
「Ctrl + ドラッグ&ドロップ」を利用 | ドロップした位置に張り付けられます。 |
なお、コピー元と異なる別のスプラインに貼り付けたい場合は、貼り付けたい別のスプラインエディターのみを表示させてから、貼り付け操作を行ってください。
他にも、以下のようなコピペが可能です。
種類 | 説明 |
値のみのコピー | 補間などの値を除く情報は、コピーされません。 コピー時に、コンテキストメニューで「値をコピー」を選択します。 |
オフセットを追加して貼り付け | 一定の値を上乗せしてコピペすることができます。 貼り付け時に、コンテキストメニューで「オフセットしてペースト」を選択します。 |
スプラインのハンドル操作
各コントロールポイントを選択すると、左右にハンドルが表示されます。
もし、表示されていない場合は、「Shift + H」を押下してください。グラフエリアに対して開くコンテキストメニューで、[表示] > [ハンドル]出も構いません。
これらを延長したり、コントロールポイントを中心に回転させることで、スプラインの変化の仕方を変更できます。
なお、初期設定では、回転させる際は左右のハンドルが連動します。
片方のハンドルのみを独立して回転させたい場合は、「Ctrl + ドラッグ」を実行して下さい。
また、常にハンドルを独立させて動かすことも可能です。(後述のコンテキストメニューの章を参照。)
覚えておくと便利な機能
コントロールポイントの間引き
不要なコントロールポイントが存在し、見にくくなったり、操作がしにくくなることがあると思います。
こういった場合は、以下の手順を行うことで、極力形状を維持したままコントロールポイントを間引くことが可能です。
- 間引きしたい範囲を選択する。
- 実施しない場合は、スプライン全体に対して間引くようになります。
- 実施しない場合は、スプライン全体に対して間引くようになります。
- グラフエリアに対して開くコンテキストメニューから、「ポイントを削減」を選択する。
- 表示されたダイアログで精度を調整し、「OK」ボタンを押下する。
スプラインの書き出し/読み込み
作成したスプラインは「.spl」の拡張子を持つファイルで書き出し、後から読み込むことが可能です。
書き出す際は、以下の手順を行ってください。
- 書き出したいスプラインをスプラインエディターに表示させる。
- グラフエリアに対して、コンテキストメニューを開く。
- 「書き出し」配下のサブメニューから、書き出す対象を選択する。
- 保存するためのウィンドウが開くので保存する。
また、読み込みは、以下の手順を行ってください。
- 読み込ま先としたいスプラインを表示させる
- 存在しない場合は、アニメーションスプラインを新規で追加してください。
- 存在しない場合は、アニメーションスプラインを新規で追加してください。
- グラフエリアに対して、コンテキストメニューを開く。
- 「スプラインの読み込み」を選択する。
- 読み込みたい「.spl」を読み込ませる。
なお、書き出し手順の手順3で書き出す対象は、以下の3つから選択します。
読み込み時の再現と併せてまとめます。
対象 | 説明 |
サンプル | フレーム毎のコントロールポイントの値が出力されます。 これにより、スプラインはフレーム毎にサンプリングされた情報を繋ぐ形で再現されることになります。 |
キーポイント | 追加した「コントロールポイント」の位置と値が出力されます。 コントロールポイント間の補間は、リニアで再現します。 |
すべてのポイント | スプラインエディターで見たとおりのスプラインを完全に再現するための情報を書き出します。 これにより、一番正確に位置、値、補間を再現することができます。 |
参考情報
コンテキストメニュー
スプラインエディター上で開くコンテキストメニューの項目のうち、記載できていないけど知っておくと良さそうなメニューをまとめておきます。
スケール
項目 | 説明 |
スケールして適用 | すべてのアクティブなスプラインがグラフエリアにピッタリ表示されるようになります。 「Ctrl + F」でも対応可能です。 |
四角形にスケール | 自身で選択した範囲をグラフエリア全域に表示します。 「Ctrl + R」もしくはズーム/フレームコントロールの「Zoom to Rectangle」ボタンでも対応可能です。 |
デフォルトスケール | 選択すると、グラフエリアのスケーリングをデフォルト値に戻すことができます。 |
Zoom In | グラフエリアの表示が拡大されます。 キーボードの「+(プラス)」キーと同じ働きをします。 |
Zoom Out | グラフエリアの表示が縮小されます。 キーボードの「-(マイナス)」キーと同じ働きをします。 |
自動適用 | スプラインの表示・非表示に合わせて、表示されている全スプラインがピッタリ表示されるように表示が自動で調整されます。 |
自動スクロール | 再生中に再生ヘッドが、スプライン表示の横方向の範囲外になった場合に自動でスクロールします。 |
手動 | スプラインの表示に関する操作を全て手動で行うことになります。 |
オプション
項目 | 説明 |
タイムを適応 | 選択したスプラインに合わせて、横軸方向に自動でリサイズされます。 |
値を適応 | 選択したスプラインに合わせて、縦軸方向に自動でリサイズされます。 |
アクティブノードを表示 | アクティブ(選択されている)状態のスプラインのみが自動で表示になります。 |
独立したハンドル | スプラインエディターにおけるコントロールポイントの左右に広がるハンドルを、全て独立して操作できるようになります。 |
ポイントの自動スナップ | キーフレームコントロールポイントの移動時に、横軸方向の自動調整(スナップ)が有効になります。 なお、スナップの基準とする対象は、サブメニューにある以下から選択できます。
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マーカーを自動スナップ | マーカーの移動時に、横軸方向の自動調整(スナップ)が有効になります。デフォルトでは、新規に作成されたマーカーは最も近いフレームにスナップします。 なお、スナップの基準とする対象は、サブメニューにある以下から選択できます。
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マーカー
他のページでタイムラインに追加されたマーカーは、スプラインエディターのルーラーにも表示されます。
また、スプラインエディター上でも追加等の操作が可能です。
スプラインエディター上での操作についてまとめます。
操作 | 手順 |
作成 |
|
削除 |
|
移動 | 以下のいずれかを実施します。
|
マーカー名の変更 |
|
なお、マーカ―に対しての操作とは少し異なりますが、再生ヘッドをマーカーに移動させることもできます。
その場合は、以下のいずれかを行います。
- 移動先のマーカーをダブルクリックする。
- 移動先のマーカーを対象にコンテキストメニューにある「Set Current Time To “フレーム番号” – “マーカーの名称”」を選択します。
アニメーションスプラインの手動作成と削除
基本的には、インスペクタもしくはキーフレームエディターでキーフレームが追加されたタイミングで作成されるものです。
しかし、キーフレームを追加しなくても、意図的に以下の手順で作成することができます。
- インスペクタでスプラインを作成したいパラメーターを対象にコンテキストメニューを開く。
- 開いたコンテクストメニューから「アニメート」を選択する。
なお、自動で作成されたスプラインは、基本的にベジェスプラインになります。
他にも、スプラインのタイプは存在します。
ベジェスプラインではないタイプで作詞したい場合は、以下の手順を行ってください。
- インスペクタでスプラインを作成したいパラメーターを対象にコンテキストメニューを開く。
- 開いたコンテクストメニューから「モディファイアー」配下の選択肢から作成するタイプ選択する。
また、スプラインを削除するには、以下の手順を行います。
- インスペクタでスプラインを作成したいパラメーターを対象にコンテキストメニューを開く。
- 開いたコンテクストメニューから「”パラメーター名” を削除」を選択する。
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「Fusionページ」のうち、「スプラインエディターの『基本操作』や『便利機能』」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。