【DaVinci Resolve】Fusionページ~スプラインエディター:UIの説明~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも3D編集やアニメーション作成などに関わるFusionページの「スプラインエディターのUI」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっており、同社のFusion Studioのための内容としてはまとめていません。

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スプラインエディターとは

スプラインエディターは、インスペクタ等で設定したキーフレーム間の「変化の動き」に曲線的な変化とすることができるエディターです。

この曲線的な変化には、多項式(スプライン)が利用して表現されており、グラフエリアで編集を行うことになります。

スプラインエディターでの操作は、独自の操作もありますが、キーフレームエディター(リンク:dr_fusion_8)と同じような操作感で行うことができる操作もあります。

コントロールポイントについて
なお、スプラインエディターのグラフエリア上で実際に動かすポイントを「コントロールポイント」と呼びます。
これは、キーフレームを追加することでスプライン曲線上に表示される「□」の事です。
キーフレームと区別して使われることもあるので、違いを理解しておきましょう。

インターフェースについて

スプラインエディターは、以下の方法で表示させることができます。

  1. インターフェースツールバーの「スプライン」をクリックする。

    • 非表示する場合も同様です。
  2. ノードエディターで対象のノードに対するコンテキストメニューから「スプラインを編集」を選択する。

この方法で表示させたスプラインエディターが持つインターフェースについて、以下にまとめます。

①ズーム/フレームコントロール

後述の④グラフに表示する範囲を調整できます。

左から以下のような動きをします。

コントロール動作
ズームコントロール(縦方向)縦方向のエディターのサイズを変更します。
ズームコントロール(横方向)横方向のエディターのサイズを変更します。
Zoom to Fit全レイヤーの幅をグラフ領域全域に表示します。
Zoom to Rectangle自身で選択した範囲をグラフ領域全域に表示します。
範囲の選択は、当ボタンを押下後に、ドラッグすることで選択できます。
「Ctrl + R」でも代用できます。

②オプションメニュー(・・・)

スプラインエディターに、どのスプラインを「表示」し、「編集対象」とするか?を設定するコントロールが含まれています。

以下にまとめます。

項目動作
選択したツールのみ表示方向のエディターのサイズを変更します。
Show All全ノードの全スプラインを表示します。
Show Noneスプラインエディターに、何も表示されないようにします。
フィルターの作成/編集フィルターの設定を行うための[Fusion Settings] > [Fusion] > [タイムライン]が開きます。
(Fusion Settingsの詳細は、別記事:環境設定でまとめる予定です。)
すべてのコントロールを縮小後述の③スプラインエディターのヘッダーにある全セクションが、ノード単位で閉じます。
すべてのコントロールを拡大後述の③スプラインエディターのヘッダーにある全セクションが展開されます。
すべてのコントロールを表示後述の③スプラインエディターのヘッダーにある全パラメーターを表示します。
無効にした場合は、有効にする前の表示に戻ります。
すべてのツールを選択後述の③スプラインエディターのヘッダーにある全スプラインがスプラインエディターに表示され、編集可能な状態になります。
すべてのツールを選択解除後述の③スプラインエディターのヘッダーにある全スプラインがスプラインエディターに非表示になります。
1つのツールを選択後述の③スプラインエディターのヘッダーにある全スプラインのうち、編集可能になるものが1つだけになります。
いずれかのスプラインのチェックボックスが入ると、他のスプラインはすべて非表示になります。
選択を設定スプラインエディターでは、スプラインの選択状態を保存しておくことができ、これを「選択グループ」と呼びます。
本メニューでは、サブメニューから保存済みの「選択グループ」を選択できます。
選択グループを作成するには、④グラフに対して開くコンテキストメニューから「現在の選択を保存」を押下してください。
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③スプラインエディターのヘッダー

ヘッダーでは「後述の④グラフにどのスプラインをどのように表示し、編集するか?」を指定できます。

表示/非表示のみの操作であれば、②オプションメニューでも類似の操作は可能です。

ヘッダーでは、ノードを「親」、キーフレームが設定されているパラメーターを「子」とした階層構造で表示されます。

コントロールには、以下があります。

コントロール説明
チェックボックススプラインを④グラフに表示するかどうかを設定します。
パラメータ名をクリックしても、同様の操作ができます。
スプライン名デフォルトの名称は、パラメーター名となっています。
[コンテキストメニュー] > [名前を変更] もしくは「F2」キーにより、変更することができます。
カラーコントロールスプライン名の右横にある「●」です。
④グラフに表示するスプラインの色を設定します。

なお、チェックボックスには、以下のような3つの状態があります。

状態表示グラフへの表示編集
チェック(✓)
四角(■)×
無印××

④グラフ

③ヘッダーで選択されたスプラインの確認の他、実際に編集を行う領域です。

スプラインの操作を除く、グラフエリアの主なコントロールは、以下の2つです。

コントロール説明
ルーラー横軸は時間、縦軸はスプラインの値を表しています。
ドラッグすることで、目盛りの幅を変更することができます。
再生ヘッドコンポジションの現在の時間を表す「赤い縦線」です。
再生ヘッドをドラッグすることで、ビューアに表示されているフレームを変更できます。

⑤ツールバー

スプラインエディターのツールバーでは、コンテキストメニューから、よく使われる操作を抜粋したものがボタンとして表示されています。

ただし、④グラフにスプラインが表示され、コントロールポイントが何も選択されていない時は、以下に記載するツールバー右側の5つのみがアクティブ状態となっています。

ボタン説明
Select Allスプラインエディターに表示されているキーフレームをすべて選択します。
Click Appendスプライン上に、コントロールポイント(キーフレーム)を追加できます。
このボタンは、1回クリックすると、再度クリックするまで選択状態が維持されます。
Time Stretchドラッグして範囲選択した範囲のキーフレーム間の比率を保った状態で、距離を伸縮させることができます。
この際、選択した範囲の左右の端に「白い縦線」が表示され、これをドラッグすることで調整します。
このボタンは、1回クリックすると、再度クリックするまで無効に選択状態が維持されます。
Shape Boxキーフレーム群をドラッグによる範囲指定により囲まれた領域(境界ボックス)に対して、リサイズができます。
この境界ボックスにある8個のコントロールポイントをドラッグすることで、ドラッグした方向に伸縮させることができます。
Show Key Markers各コントロールポイント(キーフレーム)があるフレームの位置に、ルーラー上でキーマーカーが表示されます。
なお、キーマーカーの色は、各スプラインの色と一致します。

上記の他には、補間の設定、スプラインの反転、スプラインのループを行えるボタンがありますので、左のものから順にまとめます。

補間:2つのキーフレーム間(値が未設定の区間)を補うための手法を指します。
ボタン説明
Smooth選択したコントロールポイント間の変化が、滑らかな曲線(ベジェ曲線)で描かれるようになります。
これにより、ハンドルを調整して、変化の速度を調整できます。
Linear選択したコントロールポイント間の変化が直線で描かれるようになります。
Invert非アニメーションのLUTスプラインの縦方向の位置を反転させます。
アニメーションのスプラインには対応していません。
Step In直角(矩形)の変化で、設定したキーフレームの値になるように変化します。
Step Out直角(矩形)の変化で、次のキーフレームで設定した値になるように変化します。
Reverse選択された範囲をキーフレームの位置(変化)を左右反転させます。
Set Loop同じ変化パターンのスプラインの曲線が繰り返されます。
既存のキーフレームの終端を既存のキーフレームの始端とします。
Set PingPong選択された範囲を1セットとすると、「選択された範囲そのもののセット」と「左右反転させたセット」を交互にくり返します。
Set Relative選択された範囲を延長するように、スプラインの曲線が繰り返されます。
繰り返す際の変化の値は、選択した全キーフレームの傾向によって変わってきます。

⑥タイムエディターとバリューエディター

このエディターは、キーフレームの位置とパラメーター値を、数値で直接変更することができます。

なお、これらのエディターは、スプラインエディターの幅が狭い時は、優先的に表示されなくなります。

タイムエディター

選択したキーフレームの現在の時間を調整できます。

変更する際に基準とするモードには、以下があります。

モード説明
Timeエディターには、選択したコントロールポイントの現在のフレーム番号が表示されます。
コントロールポイントを選択後にフレーム番号を入力すると、その場所に移動します。
T Offsetエディターに入力した値(正もしくは負)分、左右にずらすことが可能です。
なお、移動後は、エディター内の値は「0.0」に戻ります。
T Scale再生ヘッドの位置を「1.0」とした時の比率で、コントロールポイントを移動させます。
エディターに「2.0」を設定した場合は、2倍の距離になり、「-1.0」の場合は、再生ヘッドを基準に反転する位置に移動します。

バリューエディター

選択したキーフレームのパラメーター値を変更できます。

変更する際に基準とするモードには、以下があります。

モード説明
Valueエディターには、選択したコントロールポイントのキーフレームの値が表示されます。
また、複数のコントロールポイントを選択している場合は、表示される値は平均となります。
コントロールポイントを選択後にキーフレームの値を入力すると、その値に変更されます。
Offsetエディターに入力した値(正もしくは負)分、上下にずらすことが可能です。
なお、移動後は、エディター内の値は「0.0」に戻ります。
Scale現在の値を「1倍」とした時の比率で、コントロールポイントを移動させます。
エディターに「2.0」を設定した場合は、2倍の距離になり、「-1.0」の場合は「0.0」の軸を基準に反転する位置に移動します。

商品情報

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「Fusionページ」のうち、「スプラインエディターのUI」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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